2016年発売
大学生の覚醒剤取り引きが発生!?大学教授を名乗る男からのタレコミを受けて、御茶ノ水署の迷コンビ、斉木と梢田はことの真偽を確かめるべく捜査に乗り出す。覚醒剤の製造場所はどこか、元締めは誰なのか、ブツの受け渡し方法は?ペットクリニック、レンタルボックス、動物の縫いぐるみ、全ての点が結びついたとき、思いもよらぬ真相が発覚してー。神保町界隈を駆け巡るシリーズ初長編!
映画評論家の僕は、モテない。なぜならしゃしゃり出てくるモーレツ美人のおばたちの性格が強烈だから。そんな僕が恋に落ちた──。博多の街を縦横無尽に駆け回る痛快ラブコメ!(解説/瀧井朝世)
息子・岳とその一家が東京へ居を移すことになった。「風」「海」「琉」の3人の孫たちと、じいじいシーナの、慌ただしくシンパイでシアワセな日々が始まった。シーナ家の物語。(解説/沢野ひとし)
人材派遣会社「NAS」。ヤクザ、テロリスト、国会議員……。法律なんてどこ吹く風で、いかなる依頼相手でも金を積まれれば汚れ仕事も引き受ける。スリリングなアクション満載の連作短編。(解説/杉江松恋)
益州を領有し、劉備は孔明の“天下三分の計”を実現。いよいよ魏・呉・蜀の三国鼎立の時代を迎えた。だが、蜀随一の勇将・関羽が呉の呂蒙に討たれ、張飛は部下に殺され、さらに劉備も白帝城に散る。幾多の英傑たちが志なかばに斃れる中、乱世の英雄・曹操も病死する。劉備に蜀の後事を託された孔明は、曹操の遺した魏を取るべく北へ侵攻。運命の地・五丈原に立った!壮大な英雄叙事詩、堂々完結。
行方不明になったエストニア人の少女の捜索を引き受けたカリ・ヴァーラ警部。だがそれは闇社会への入り口だった……。黒幕は一体? フィンランド警察シリーズ、作者急逝による最終巻。(解説/福田和代)
大長編『戦争と平和』を抄訳と加賀乙彦のダイジェスト、合わせて約300Pに集約! ほか『ハジ・ムラート』など、ロシアの文豪トルストイの初期から最晩年までの作品を新訳で紹介。(解説/加賀乙彦) 加賀乙彦=編 編集協力=乗松亨平 【収録内容】 戦争と平和(ダイジェストと抄訳) 五月のセヴァストーポリ 吹雪 イワンのばか セルギー神父 ハジ・ムラート 舞踏会の後で 壺のアリョーシャ 解説 加賀乙彦 作品解題 乗松亨平/覚張シルビア/中村唯史 トルストイ著作・文献案内 トルストイ年譜 【著者について】 トルストイ,レフ・ニコラエヴィチ 1828.8.28(新暦9.9)-1910.11.7(新暦11.20)。ロシアの小説家。モスクワ南方のトゥーラ県ヤースナヤ・ポリャーナで名門伯爵家の四男として生まれる。作家活動のかたわら、領地の農村改革や農民教育に力を注ぎ、後半生には宗教・社会思想家として活躍。 加賀乙彦(かが・おとひこ) 1929年東京生まれ。小説家・精神科医。東京大学医学部卒業後、東京拘置所医務部技官となり、死刑囚や無期囚に数多く面接する。その後、フランスへ留学し、彼の地の精神科病院に勤務。帰国後、初の長編『フランドルの冬』(筑摩書房)を発表し、芸術選奨文部大臣新人賞を受賞。以後、精神科医と小説家として活躍。主な著書に、『帰らざる夏』(講談社、谷崎潤一郎賞)『宣告』(新潮社、日本文学大賞)『湿原』(朝日新聞社、大佛次郎賞)『永遠の都』(新潮社、芸術選奨文部大臣賞)『雲の都』(新潮社、毎日出版文化賞特別賞)ほか。 乗松亨平(のりまつ・きょうへい) 1975年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科満期退学、博士(文学)。専門は近代ロシア文学・思想。現在、東京大学大学院総合文化研究科准教授。著書に『リアリズムの条件─ロシア近代文学の成立と植民地表象』(水声社)『ロシアあるいは対立の亡霊─「第二世界」のポストモダン』(講談社選書メチエ)、訳書にトルストイ『コサック─1852年のコーカサス物語』(光文社古典新訳文庫)など。
マーガレットは元後見人の命が狙われていると知り、その勘当された息子セバスチャンに助けを求めるため、評判の探偵レイヴンに行方を捜してもらおうと考える。廃墟にこもるレイヴンは危険な雰囲気を漂わせたセクシーな男で、マーガレットはひと目で引きつけられるが、次の瞬間気づいたー彼こそがセバスチャンだと。元後見人を救うため、ふたりは別名で偽装結婚をして故国に戻り、同じ部屋で宿泊することにする。そんなある夜、セバスチャンは“報酬”としてベッドをともにすることを求めるが…
ロンドン警視庁の女性事務官ファラ・リーは、ある日検挙された裏社会の帝王ドリアン・ブラックウェルの取り調べ中、なぜか心乱される。その瞬間よみがえった初恋の思い出ー十七年前、孤児院で結婚を誓いながら生き別れになり、監獄で命を落とした少年ドゥーガンー。ドリアンは彼の親友で、その死の真相を知る唯一の人物だったのだ。やがて証拠不十分で釈放されたドリアンの城に誘拐されたファラは、強引な求婚を受ける。彼の魅力に抗しきれず、危険な世界に巻き込まれてゆくファラの運命は…!?
共産党支配からより少数独裁的な「董事会」体制に変わった中国は、2026年、マリアナ海溝近辺でガス田を発見、太平洋支配へと動きだした。密かに同盟を結ぶロシアが嘉手納基地を急襲したのに続いて、中国はパナマ運河を通行不能にし、真珠湾で米軍艦船を爆破、太平洋艦隊にも大打撃を与え、オアフ島に上陸してハワイを統治下に置くことにー。中国のサイバー攻撃によりハイテク機器が使えないアメリカは、ハッキングの影響を受けない、現役を退いた旧い艦艇からなる「幽霊艦隊」でハワイ奪還を目指すがー。
中国統治下のオアフ島では、中国人兵士が正体不明の犯人に連続して殺される事件が起き、また、米海兵隊生き残りメンバーたちも爆弾による抵抗を試みていた。本土でもウォルマートが全面協力して3Dプリンターによる武器製造を開始、世界で7番目の金持ちである貴族かぶれの富豪も、奇抜な方法による中国宇宙ステーション乗っ取りを計画する。そんな中、「幽霊艦隊」にいたミサイル駆逐艦“ズムウォルト”が最新の武器を装備して中国との決戦に出発するが…。今もっともリアルな戦争の行方はー?
「ある日、自分の顔が旦那の顔とそっくりになっていることに気が付いた。」--結婚4年の専業主婦を主人公に、他人同士が一つになる「夫婦」という形式の魔力と違和を、軽妙なユーモアと毒を込めて描く表題作ほか、「藁の夫」など短編3篇を収録。大江健三郎賞、三島由紀夫賞受賞作家の2年半ぶり、待望の最新作! 異類婚姻譚 〈犬たち〉 トモ子のバウムクーヘン 藁の夫
単身バリで女三昧の生活をおくる良治は、祭の夜に禁忌を犯して村を追放され、少女イェニのもとへ。一方、良治が行方不明になったという知らせを受けた妻の恵子は、原因不明の頭痛に悩まされながらもバリに向かう。次第に現実と異界の境は崩れてゆき…
ときは19世紀初頭、ロンドンでの貧窮生活と生命の危機をくぐり抜け、ウィリアムとサラのソーンヒル夫妻は植民初期のシドニーにたどり着く。舟運の仕事についたウィリアムは、やがてシドニーから隔たった入植地に希望を見出し一家で移り住むが、無人の未開地と思われたそこは、先住民が伝統的な暮らしや祭祀を営む場所だった…。異文化との出会いと衝突、そして和解に至る道のりで、「記憶」はいかに物語られるのか。多文化にひらかれた新たなアイデンティティを模索するオーストラリア社会に、深い衝撃をもたらした現代の古典。
主人公フォルティーンは、若い頃から芸術家気取りの思い上がりで、ありもしない作曲をネタに若い女を口説いたり。名声を求め、ヒマと怠惰の生活から生じた妄想の超大作オペラの実現に、全身全霊を傾ける。剽窃・模倣はもちろん、ありとあらゆる手段を駆使して出来上がるものとは…。人間の魂の真実を究める、チャペック絶筆にして傑作。
結婚まぢかのエルミーネが連れて来られたのは、人を競り落とす闇オークション会場!どうしてわたくしがこんな目に!?震えの止まらないエルミーネを救ってくれたその人は、黄金の軍神・ライオルド国王陛下だった!彼から、闇オークションの黒幕を捕らえるため、協力してほしいと言われ、お城に滞在することに!「私の傍にいる限り、そなたを守ると誓おう」舞踏会でくれた、ライオルドの熱い言葉に胸が高鳴り!?その夜、夢の中で甘く淫らな口づけをくれたライオルド。まさか、国王陛下に恋をするなんてー!?
八百八町の果ての果てにある「ドブ板長屋」に住む凛は、美しく気立てもいい、売れっ子の芸妓。ただし亡き父は、大盗賊だった。そんな凛のところにある日転がり込んできたのは、どうしようもない男、十三郎。だが、十三郎には秘密があった。そして使命もーそんなつもりなど毛頭なかった。三味線に仕込んだ刀と斬馬刀を、抜く日が来るとはー血で血を洗う戦いのあと、一体何が残るというのか?凶暴になる理由。それは、恋心ー義理と愛情の時代長編。
すべての動機は、その暗号に隠されている復讐と耽美と追憶のゴシック・ミステリ。失踪した妹を捜す男が迷い込んだのは、磁器人形作家の奇妙な王国。雪に閉ざされた山荘に招かれた4人のコレクターの前で、無残な遺体が発見された。誰が何のために? 次の標的は? 鍵を握るトランプコードの秘密を知ってしまった者の運命は……。平成生まれの新鋭による新潮ミステリー大賞受賞後第一作。