2017年10月発売
神紅大学ミステリ愛好会に所属する葉村譲と会長の明智恭介は、曰くつきの映画研究会の夏合宿に興味を抱き、同じ大学に在席する美貌の探偵、剣崎比留子と共に紫静荘を訪ねた。“曰く”など気にする風もない部員たちは、肝試しと称し神社に赴くが、想像を絶する異常事態に遭遇し紫静荘に立て籠もることを余儀なくされる。緊張と混乱が続くなか一夜明けると、部員の一人が惨殺死体となって発見される。それは連続殺人の序章に過ぎなかったーー。究極の絶望の淵で、葉村は、明智は、そして比留子は、生き残り謎を解き明かせるか?! 奇想と本格が見事に融合する選考員大絶賛の第27回鮎川哲也賞受賞作!
絵画誘拐を成功させた老人犯罪一味の面々。ほとぼりが冷めるまでと。ラスベガスでカジノ三昧の日々を送っていたが、さすがに故郷が恋しくなってきた。国の福祉の皺寄せを受けている老人たちのための資金は、まだまだ足りない。メッタをリーダーとする五人の団員は新たな犯罪に着手すべく、再びスウェーデンに。だが新たに入手したアジトの隣は、バイク族の巣窟だった。五人で合計四百歳、老人たちの痛快な活躍を描くシリーズ第二弾。
みさき書房の編集者として新潮社を訪ねた《私》は新潮文庫の復刻を手に取り、巻末の刊行案内に「ピエルロチ」の名を見つけた。たちまち連想が連想を呼ぶ。卒論のテーマだった芥川と菊池寛、芥川の「舞踏会」を評する江藤淳と三島由紀夫……本から本へ、《私》の探求はとどまるところを知らない。太宰が愛用した辞書は何だったのかと遠方にも足を延ばす。そのゆくたてに耳を傾けてくれる噺家。そう、やはり「円紫さんのおかげで、本の旅が続けられる」のだ……。《円紫さんと私》シリーズ最新刊、文庫化。
公園で見つかった70年代のディスコ全盛期の服装をした老人の死体。現場を調べていた刑事マイケルは、側に妖精がいることに気づく。その妖精によると、新しい女王の命を受けた部下たちが、人間と、女王に忠誠を誓うことを拒んだ妖精を追放しているのだという。だが、新たな女王ソフィーがそんなことをするはずはない。妖精界で何が起きているのか?マイケルはソフィーと共に妖精界に乗りこむ。〈(株)魔法製作所〉の著者の新シリーズ。
川上弘美さんの最新刊は、長らく待ち望まれていた恋愛と結婚を描いた長編小説。500ページ超えも一気読み必至の傑作です。 主人公は1966年ひのえうまの同じ日に生まれた留津とルツ。このパラレルワールドに生きるふたりの女性は、いたかもしれないもうひとりの「自分」。それは読者のあなたのもうひとりの「自分」かもしれませんし、留津とルツの恋人や夫も読者のあなたのもうひとりの「自分」かもしれません。 主人公の2人のように「いつかは通る道」を見失った世代の女性たちのゆくてには無数の岐路があり、選択がなされます。選ぶ。判断する。突き進む。後悔する。また選ぶ。進学、就職、仕事か結婚か、子供を生むか……そのとき、選んだ道のすぐそばを歩いているのは、誰なのか。少女から50歳を迎えるまでの恋愛と結婚が、留津とルツの人生にもたらしたものとは、はたしてーー 道は何本にも分かれて、つながっていて、いつの間にか迷って、帰れなくなって……だからこそ「人生という森は深く、愉悦に満ちている」。 装画と挿画はファッションブランド「ミナ ペルホネン」の皆川明さんが手がけています。 たくらみに満ちた造本にもご注目ください。 一九六六年 〜 二〇二七年
澤田三智子は高潮物産の契約社員。現在はシャンパンのキャンペーン企画チームに所属しているが、会議が停滞してうまくいかない。そこに現れたのが黒川敦子女史、懐かしのアッコさんだった。会議に出すアフタヌーンティーを用意して三智子の会社に五日間通うと言い出した。不安に思う三智子だったが…!?表題作はじめ、全4編を収録。読めば元気になるビタミン小説、シリーズ第二弾!
就職活動の傍ら、スポーツクラブに入会した知章。会員の女性たちから、近隣で起きている猫の虐待について調べてほしいと頼まれる。現場を探ってみると、思いもよらぬ事件が。真相究明に一役買ったのは、四元さんという会員の女性だった。その後、猫がらみで騒動を引き起こす彼女に振り回される知章。四元さんが猫に強くこだわる理由は何なのか?知章は無事に就職できるのか?かつてない新たな味わいの巻き込まれ型ミステリー!
かつて乙霧村で、戸川稔という男に一家五人が殺されるという凄惨な事件が起きた。あれから二十二年ーこの事件を題材に『乙霧村の惨劇』という作品を書いた泉蓮が顧問を務める大学の文学サークルのメンバー六人が、この村を訪ねる。事件当時と同じ豪雨の中、彼らは斧を持った大男に襲われる。閉ざされた集落で一体何が起きたのか!?戦慄のホラー・サスペンス!
会社をリストラされた木崎朋美がレトロなBARで出会ったのは、ジョニー・デップさながらの弁護士・城之内隆一。その場でスカウトされ、烏丸御池にある彼の事務所に勤めることになった朋美だが、来るのは“猫探し”や“ストーカー退治”など、奇妙な依頼ばかり。抜群にイイ男なのに、普段は残念な京男子・ジョー先生と、絶世の美少年高校生・海斗君に囲まれた事務所の本業は“お祓い”だった!?“不思議いっぱい”の街・京都を舞台にしたキャラクターノベル、新シリーズスタート!
「君たちには、この戦争を正しいと思わせてほしい。そのための手段は問わない」大手広告代理店・電央堂の就職試験を勝ちあがった大学生8名。彼らに課された最終選考の課題は、宣伝によって仮想国家の国民を戦争に導けるかどうかを争うゲームだった。勝敗の行方やいかに、そしてこの最終選考の真の目的とは?電子書籍で話題の問題作を全面改稿して文庫化!
高校生の立花薫は、清掃ボランティアで行った廃屋の裏庭にある小さな社を、誤って壊してしまう。直後、銀色の目をした美青年が現れ、その場にいた薫の幼馴染み、二ノ宮瑛太に憑依した。壊れた社に住んでいたという“神様”は、「自分の祭神がわからないと天界に戻れない」と言う。寝ている間に現れては、瑛太のお小遣いを無駄遣いする“神様”に困り果てた瑛太と薫は、“神様”の名前を探すために、全国の神社を旅することになった!?読めば心がほんわかする、絶品キャラクターノベル!
借金返済のため神様がお客様の甘味処『甘露堂』で働き始めた瑞樹。仕事にも京都にも慣れてきたところに、お地蔵様からの依頼が舞い込む。何やら、いつもお参りに来る女性の娘が家出してしまったようでー。京都には神様とあやかしがあふれている!?京都×神様×甘味のハートフルストーリー第二弾。
山本裕也は30歳にして、いまだ童貞の旅行会社社員。そんな裕也に、全国各地の営業所を巡る仕事が回ってきた。最初に訪れたのは名古屋。歓迎会の夜に、さっそく名古屋営業所の女性社員・相田千佳といい感じになった裕也は、ついに彼女とベッドイン。「その日」に備えて磨き上げてきた「舌技」で千佳を昇天させた裕也は、めでたく童貞を卒業。それをキッカケに、全国各地の女体巡りの旅が始まる。オリジナル長編爽快性春エロス。
凶作のため高岡藩の米収穫高も例年の七割しかなく、藩財政がさらに困窮することが予想された。年貢を増やしてこの危機を乗り切ろうと図る江戸家老に反対した正紀は、正式に井上家に婿入りし、世継ぎとなったにもかかわらず、自ら新たな財源を探しに奔走する。ところが、そんな正紀の行動を面白く思わぬ者もいたー。好評シリーズ第二弾!
手習い所「長楽堂」の先生ぶりも板についてきた三好小次郎。子どもたちからも「泣き虫先生」と呼ばれ、相変わらず慕われているが、そんなある日、小次郎はひとりの子どもの様子がおかしいのに気づく。心配になって家を訪ねてみると、棒手振りの父親が怪我をして働けなくなったという。その子のために、小次郎は父親に代わって、自ら棒手振りになって青物を売り歩くことにする。絶好調のシリーズ第三弾。
パラレルワールドの戦国時代に転移し、戦国大名“浅井長政”となってしまった男子学生。彼は織田領に出没した魔物“鷹”に立ち向かっていた。すでに死傷者がいる状況のなか、治姫の手助けもあり、見事鷹に打ち勝った長政。それは織田信長だけではなく、徳川家康も驚かせた。その後、長政は治姫を自分の側室に迎えることを決意。治姫も同意し、晴れて側室が誕生した。浅井家は一気に活気づく中、次なる領地開拓のため、また浅井の歴史を未来に紡ぐため、長政は次の一手を打つ。ネットで450万人が熱中した歴史ファンタジー。大幅な加筆と書き下ろしを加え、希望溢れる第4巻がついに幕開け。
幕府と朝廷の関係にも動乱の機運が高まる十五代家慶の治世。一条家の美しき姫美賀子は、英邁の噂轟く一橋慶喜に嫁いだ。「わしはどんなことがあっても将軍になどならぬ」信念を曲げない夫の奇矯な振る舞いに翻弄される美賀子は、ある哀しい決意を抱く。幕末の新たな一面を描ききる、傑作大河小説を文庫化! 英邁の将か、暗君かーー。 妻だけが知り得た、「最後の将軍」の真実。 幕府と朝廷の関係にも動乱の機運が高まる十二代家慶の治世。 一条家の美しき姫美賀子は、 英邁の噂轟く一橋慶喜に嫁いだ。 「わしはどんなことがあっても将軍になどならぬ」 信念を曲げない夫の奇矯な振る舞いに翻弄される美賀子は、 ある哀しい決意を抱く。 幕末の新たな一面を描ききる、 傑作大河小説を文庫化! 2018年大河ドラマ『西郷どん!』の原作者が描く、 もうひとつの幕末ドラマ 公家の少女 突然の婚約 旅立ち ご簾中さま 妬心 お芳
尊皇派と攘夷派の対立が深まり、自ら上洛して幕府方の指揮を執る慶喜は、「二心どの」と罵られ苦境に立っていた。混乱の中、遂に将軍職に就いた夫と御台所になった美賀子。鳥羽伏見の戦いで敗走した慶喜の心中には、日本の命運を左右する決断があった。歴史の深淵に立ち会った女たちが語る幕末、渾身の完結編。