2017年11月発売
ウールフは、ぼくの友だちだったーー オランダ領東インド。農園の支配人を務める植民者の息子である主人公「ぼく」と、現地人の少年「ウールフ」の友情と別離、そして戦争の影を丹念に描き出し、ベストセラーとなったオランダの文豪による名作、本邦初訳! ウールフ、黒い湖 著者あとがき ウールフと創造の自由 訳者あとがき ヘラ・S・ハーセ、その生涯と作品
中国武侠小説の最大傑作。明代に成立した「中国四大奇書」の一つ。乱世を舞台に、暴力・知力・胆力を存分に発揮して、好漢百八人が、戦いを繰り広げながら、「梁山泊」へと集結。窃盗、殺人、痛飲、奸計、忠義、友情……。善悪が渾然一体となる物語世界を、読み易く、勢いのある文体で、訳出。この翻訳が最新・最高。本書原本は原形に近く、均整の取れた百回本。三巻では、「第四十三回」から「第六十回」を収録(全5巻)。 いわずと知れた中国武侠小説の最大傑作。明代に成立した「中国四大奇書」の一つでもあります。 北宋末期の不正と汚職が支配する乱世を舞台に、暴力・知力・胆力を思う存分に発揮して、好漢百八人が、そこら中で戦いを繰り広げながら、「梁山泊」へと集結します。その破天荒な侠客たちの痛快な立ち回りのスケールの大きさは、さすが中国小説ならではです。 窃盗、殺人、痛飲、奸計、忠義、友情……。人間の善と悪が渾然一体となって進行する物語世界には、引き込まれずにはいられません。 この魅力満載の世界を躍動感あふれる世界を、よみやすく、勢いのある文体で、新訳しました。「水滸伝」の完訳書はいくつかありますが、この翻訳が最新・最高です。本書原本はもっとも原形に近く、均整の取れた百回本。 なお、この三巻では、「第四十三回」から「第六十回」までを収録しております。 全5巻。 第四十三回 仮李逵 剪径して単人を〓(おびや)かし 黒旋風 沂嶺に四虎を殺す 第四十四回 錦豹子 小径にて戴宗に逢い 病関策 長街にて石秀に遇う 第四十五回 楊雄 酔って潘巧雲を罵り 石秀 智もて裴如海を殺す 第四十六回 病関策 大いに翠屏山を鬧がせ 〓(はん)命三 火もて祝家荘を焼く 第四十七回 撲天〓(ちょう) 双たび生死の書を修め 宋公明 一たび祝家荘を打つ 第四十八回 一丈青 単にて王矮虎を捉え 宋公明 両たび祝家荘を打つ 第四十九回 解珍・解宝 双りして獄を越え 孫立・孫新 大いに牢を〓(やぶ)る 第五十回 呉学究 双たび連環の計を用い 宋公明 三たび祝家荘を打つ 第五十一回 挿翅虎 枷もて白秀英を打ち 美髯公 誤って小衙内を失う 第五十二回 李逵 殷天錫を打ち死し 柴進 高唐州に失陥れらる 第五十三回 戴宗 智もて公孫勝を取り 李逵 斧もて羅真人を劈る 第五十四回 入雲龍 法を闘わせて高廉を破り 黒旋風 穴を探って柴進を救う 第五十五回 高太尉 大いに三路の兵を興し 呼延灼 連環の馬を擺げ布く 第五十六回 呉用 時遷をして甲を盗ましめ 湯隆 徐寧を賺して山に上らしむ 第五十七回 徐寧 鈎鎌鎗を使うを教え 宋江 大いに連環馬を破る 第五十八回 三山 義に聚まりて青州を打ち 衆虎 心を同じくして水泊に帰す 第五十九回 呉用 金鈴の吊掛を賺しとり 宋江 西岳の華山を鬧がす 第六十回 公孫勝 芒〓(とう)山にて魔を降し 晁天王 曾頭市にて箭に中たる
ホームレスを強制退去した公園の治安のため、ボランティアで『見回り隊』が結成された。ある夜、見回りをしていた吉森は、公園に居座る奇妙な客たちを追い出す。ところが翌朝、そのうちのひとりが死体で発見された! 事件を追う吉森に、公園で出会った昆虫採集に勤しむとぼけた青年・?沢(えりさわ)が、真相を解き明かす。訪問客が減少した高原での密かな計画、街の片隅のバーでの交流が引金となる悲劇……。?沢が遭遇する事件の構図は、軽やかな推理で鮮やかに反転する! 第10回ミステリーズ!新人賞を受賞した表題作を含む全5編。軽快な筆致で贈るミステリ連作集。
一家四人が無残な死体で発見された。凶器は散弾銃、怪しい人物はすぐに挙がった。近所の男が殺害された一家ともめていたのだ。だが、事件への関与を証明するのは困難。現場のあるトシュビー市長の夫で、捜査責任者の警部は外部から応援を要請する決心をした。昇進したての彼は、なんとしても早急に事件を解決し、自分の昇進が妻のコネではないと証明したかった。そこで呼ばれたのはトルケル率いる国家刑事警察殺人捜査特別班だった。好評シリーズ第4弾。
一家皆殺し、目撃者はいないはずだった。だが、殺害現場にもうひとり女の子 がいた痕跡見つかる。女の子は殺害された一家の母親の姪ニコル。惨劇を目撃したとすれば、犯人に狙われる可能性が高い。ニコルを発見し保護したのは、トルケルのチームと共に捜査に加わっていたセバスチャンだった。だが、発見されたニコルは、言葉を発することができなくなっていた。セバスチャンは、彼女を死んだ娘と重ね、なんとか心を開かせようとする。
とある港町、運河のほとりの古アパート「霧笛荘」。法外に安い家賃、半地下の湿った部屋。わけ知り顔の管理人の老婆が、訪れる者を迎えてくれる。誰もがはじめは不幸に追い立てられ、行き場を失って「霧笛荘」までたどりつく。しかし、「霧笛荘」での暮らしの中で、住人たちはそれぞれに人生の真実に気付きはじめるー。本当の幸せへの鍵が、ここにある。比類ない優しさに満ちた、切ない感動を呼ぶ7つの物語。
日本はハワイ奇襲に成功、ミッドウェー海戦でも勝利する。海軍への期待が高まることに陸軍首脳部はいらだちを強め、昭和17年7月28日、陸軍部隊が連合艦隊司令長官山本五十六宅を包囲。政府・海軍・宮中は事前に情報を察知し、最悪の事態を避けることができた…。日本は南方の資源地帯を確保して長期不敗体制を構築。フィジー、サモアも支配下に収め、豪州西海岸を攻撃して米豪遮断を図る。中国では日本陸軍が国民党に協力して共産党勢力を撃退した。ヨーロッパ戦線の行方も不透明ななか、ついにミッドウェーで米軍の反撃が始まる!
15勝65敗。僕らのチームはとてつもなく弱く、 そして、美しかったーー 韓国プロ野球の創成期、 圧倒的な最下位チームとして人々の記憶に残った三美スーパースターズ。 このダメチームのファンクラブ会員だった二人の少年は大人になり、 I M F 危機と人生の危機を乗り切って、 生きていくうえで最も大切なものは何なのかを知るーー。 ★韓国で2 0 万部超のロングセラーとなっているパク・ミンギュの永遠のデビュー作、待望の邦訳! ★「一割二分五厘の勝率で僕は生きてきた。まさしく三美スーパースターズの野球だといえる」--パク・ミンギュ プロローグ プレイボール 1.とにもかくにも一九八二年のベースボール 僕は少年、野望を抱け 仁川の海にサイダーが湧いても 信じようと信じまいと、ジーザス・クライストなスーパースター 語っておくれ、旅立つ船よ 悔い改めよ、プロの日が近づいている あの星は僕の星、あの星は君の星 とにもかくにも一九八三年のベースボール 一九八四年のブーメランとその年のノーヒットノーラン 膝と膝の間 バイバイ、スーパースター 2.とにもかくにも一九八八年のベースボール 僕も行くぞ 星の流れる橋を渡って 秋の木の葉が寒風に飛び散れば 天と地の間に花びらが降り 雨に濡れた太陽も、のどが渇いたあの月も 若い日の悩みは希望を連れてくる ソロソロミンナ オワカレタイム 3.とにもかくにも一九九八年のベースボール デッドボール ツーストライクスリーボール 立ち上がれ野球、キャッチボール、空 ツーストライクフォアボール ステップバイステップ、一歩ずつ人生は変わる ビューティフル・サンデー、時間はたっぷりと溢れていた 慶祝、三美スーパースターズファンクラブ創団 本当の人生は三千浦にある 三美スーパースターズ VS. プロ・オールスターズ エピローグ プレイボール あとがき 訳者あとがき
小日向水道町にある、いちょうの大樹が看板の『銀杏堂』は、嶋村夫妻が二十五年に亘って切り盛りしてきた手習指南所。子を生せず、その家に出戻ることになった一人娘の萌は、隠居を決め込む父・承仙の跡を継ぎ、母・美津の手助けを得ながら筆子たちに読み書き算盤を教えることに。だが、親たちは女師匠と侮り、子供たちは反抗を繰り返す。彼らのことを思って為すことも、願い通りに届かない。そんなある日、手習所の前に捨てられていた赤ん坊をその胸に抱いた時、萌はその子を引き取る決心を固めるが…。子供たちに一対一で向き合い、寄り添う若き手習師匠の格闘の日々を、濃やかな筆致で鮮やかに描き出す珠玉の時代小説!
犬森祥子の職業は「見守り屋」だ。営業時間は夜から朝まで。ワケありの客から依頼が入ると、人やペットなど、とにかく頼まれたものを寝ずの番で見守る。そんな祥子の唯一の贅沢は、仕事を終えた後の晩酌ならぬ「ランチ酒」。孤独を抱えて生きる客に思いを馳せ、離れて暮らす娘の幸せを願いながら、つかの間、最高のランチと酒に癒される。すれ違いのステーキとサングリア、怒りのから揚げ丼とハイボール、懐かしのオムライスと日本酒、別れの予感のアジフライと生ビール…今日も昼どき、最高のランチと至福の一杯!心を癒し、胃袋を刺激する絶品小説。
戦時中、軍需省の要請により立法化され、それに基づき皇室からも供出されたダイヤモンドがあった。その量、32万カラット。戦後は日銀に保管されていたが、その内20万カラットが占領のどさくさの中に消失。GHQのアメリカ軍将校が盗み出したとも、日本の政権運用資金に使われたとも言われていた。東大教授にして歴史作家・浅野迦羅守は、戦後の特務機関・亜細亜産業に勤めていた曽祖父たちから、消えたダイヤの在り処を示す暗号文の遺言書を託された。しかし、捜索を開始するや何者かからの脅迫を受け、やがて敵の襲撃が…。
都内に事務所を構える弁護士の木塚は、魔性の女子高生桃香らとともに裏稼業に手を染めていた。満員電車の車内で痴漢冤罪をでっち上げ、木塚が介入、何の罪もない男たちから示談金を搾り取るのだ。順調に“加害者”を作り上げるある日、木塚が標的に選んだのは若手ナンバーワン俳優の松岡だった。イメージ作りのために、事務所があえて舞台稽古に電車を使わせていたのだ。映画やドラマ、コマーシャルに引っ張りだこの松岡からなら五千万円は引っ張れるはずーだが、罠に嵌めた松岡の事務所の社長・吉原は、闇社会との繋がりも囁かれる曰く付きの男だった…。出会うはずのなかった二頭の凶獣が顔を合わせた時、電車という餌場を争う死闘の幕が上がった!
赤字ローカル線の終点・根古万知。駅前は、わずか八店舗ほどが細々と営業するシャッター商店街である。数年前、猫の町「ねこまち」としてブームになりかけたこともあったが、それも一時のこと、以来、ジリ貧状態だ。離婚を機に、そんな町に戻ったラーメン店の娘・愛美は、緑色の大きな目と灰色の毛が愛らしい拾い猫を飼うことになった。ノンちゃんと名付けたその猫が、ひょんなことから一日猫駅長を務めると駅は再ブレイク、商店街にも観光客が訪れる。愛美は久しぶりに賑わう光景を見て、今度こそ、元気いっぱいだった頃の根古万知を取り戻したいと動き出すが…。
「異性を誘惑し意のままに操る能力」を持つ度を超した女好きの青年シードは、世界に「愛」=「性」を伝えることを生きがいに旅を続けていた。そんな彼の次の目標は、魔神の力を宿した衣、魔衣をまとう美少女ーー魔衣姫。ある国の国王代理を務める姫君アリーシャだった。彼女とHするため、国内に潜入したシードだったが、なんと姫の方から「わたしを堕として欲しい」と持ちかけられ? 自由奔放な男と千差万別な美少女たちが絡まり合うファンタジーエロコメ開演!
編集者になる夢を見て上京した28歳のまひるは、希望の職に就けず派遣先のスーパーで細々と働く日々。 ある日、ぼさぼさ頭に無精ひげ、着流しに下駄という明らかに不審な男にうっかり生卵をぶちまけてしまった!! すると、「ずっと気になっていた」「ずっと好きだった」と、この怪しい男に猛烈アプローチされることに。 でも、ときめく言葉を言われているはずなのに、なんだか様子が変なんですけど?? 「問題ない。俺は作家、只野直人だ」 問題大アリ! どうやら男は、『恋愛』小説を書くためにまひるが必要だったようで……!? 偏屈作家と地味な派遣女子の、ドラマのように“刺激的な恋”が始まるーー。