2017年4月17日発売
時は中世、十字軍の時代ー。神聖ローマ皇帝フリードリヒ・バルバロッサに気に入られて養子となった農民の子バウドリーノが語りだす数奇な生涯とは…。言語の才に恵まれ、語る嘘がことごとく真実となってしまうバウドリーノの、西洋と東洋をまたにかけた大冒険がはじまる。
今こそ聖杯グラダーレを返還するため司祭ヨハネの王国への道を切り開くのだ!-皇帝ひきいる軍勢とともにバウドリーノは、いよいよ東方への旅に乗りだすが、待ち受けていたのは思いもかけない運命だった。史実・伝説・ファンタジーを織りまぜて描きだす破天荒なピカレスク・ロマン。
現代社会を描きたいという希望をもって東京へ出た文学青年小泉純一が、初志に反して伝説を題材とした小説を書こうと決意するまでの体験と知的成長を描く。作中に夏目漱石、木下杢太郎、正宗白鳥、森鴎外自身などをモデルとした作家が登場する。漱石の『三四郎』と並称される、鴎外初の現代長篇小説。明治43-44年作。
小学生になったばかりの沙恵は、学校帰りに母京子の勤務先に寄り一緒に帰宅する。スーパーに入った京子は、入口のベンチで待っていたはずの沙恵が、忽然と姿を消し狂乱する。そして数年が経ち、離婚した京子は今日もひとり、わが子の帰りを待ちながら、情報を集めてビラを撒く。失われた時間、果たせなかった親子の絆を求めて…。
航空自衛隊の音楽隊でアルトサックスを担当する鳴瀬佳音は、ちょっぴりドジで天然だけど、腕前は一流の女性隊員。立川分屯基地内で年に一度行われる競技会にやってきた佳音たちは何とか無事に演奏を終えるも、後輩の真弓は審査員が偽者ではないかと疑問を抱く…。はたしてその正体とは?なぜかいつも不思議な事件に巻き込まれてしまう佳音と仲間たちが謎を解き明かす!音楽隊が奏でる至福の日常ミステリシリーズ、待望の最新作!
赤垣真穂は学生時代のサークル仲間の結婚式の二次会に招かれた。その翌日、仲間の一人が死体となって発見される。これは、三年前にあった“事件”の復讐なのか!?真穂は叔父から「鎮憎師」なる人物を紹介される…。奇想の作家が生み出した“鎮憎師”という新たなる存在。彼は哀しき事件の真相を見極め、憎しみの炎を消すことができるのかー。
新宿の路地裏で殺されたシリア人の男性。彼の妻は事件以後、未だに行方不明のままだという。フリージャーナリストの山口秋生は彼と交流のあったアルバクル一家の取材中、隣に住むシリア人の親子が東日本入国管理センターに収容されていると知る。一方、東京入国管理局の難民調査官・如月玲奈は、シリアから逃れてきた父と娘に聞き取り調査を行う。難民認定を切実に訴える父に対して娘は、「お父さんは日本に住みたくて嘘の話をしています」と異なる証言をする。どちらかが嘘をついているのか?困惑する玲奈の元に来た山口の取材申し込みから、事態は誘拐・脅迫事件へと発展していくー。乱歩賞作家による、疾風怒涛の最新ポリティカル・ミステリー!!
動物園の日陰者、イノシシの万次郎はカフェを開くのが夢。幼い頃から万次郎の絵を描き続ける、画家志望で才能なしのエリは、万次郎の絵本を出版するというがー「万次郎茶屋」。遠い文明からのメッセージが刻まれた石がふってきて、人類は新しい価値観を持つために西暦を廃止し、地球暦を始めることにした。その記念すべき大晦日を、ぼくは恋人とではなく親友とすごすことにした。その親友を今から作ろうと思うのだがー「親友」。動物園の日陰者・イノシシの見る夢、宇宙飛行士の妻の会、じんわり事件を解決するヒーロー…読むとちょっと人生がラクになる、“すこし不思議”な短編集。
大正・昭和・平成、3つの時を紡ぐ恋絵巻。言葉と絵によるイマジネーション、人気声優による録りおろし朗読CDを同梱し、聴覚への刺激が、あなたを深い「愛交ストーリー」の世界へ誘います。