小説むすび | 2017年6月21日発売

2017年6月21日発売

新編日本幻想文学集成 第6巻新編日本幻想文学集成 第6巻

幻妖メルヘン集ーー宮沢賢治、小川未明、牧野信一、坂口安吾を収録。ノスタルジーと夢魔を宿す遥かなるメルヘン群全59編。ある日一郎君のところに届いたふしぎな手紙「どんぐりと山猫」。金色の輪の少年が導く死の世界「金の輪」。不条理なリンチの慣わしがある奇妙奇天烈な村の物語「鬼涙村」。憎むべき論敵・蛸博士への復讐がたくらまれるナンセンス・ストーリー「風博士」他。 宮沢賢治  別役実編 どんぐりと山猫 セロ弾きのゴーシュ 双子の星 オツベルと象 よだかの星 なめとこ山の熊 やまなし 月夜のでんしんばしら タネリはたしかにいちにち噛んでゐたやうだった インドラの網 毒蛾 雪渡り 鹿踊りのはじまり ざしき童子のはなし 銀河鉄道の夜 解説 賢治宇宙への旅 小川未明  池内紀編 黒い旗物語 眠い町 薬売り 赤いろうそくと人魚 金の輪 港に着いた黒んぼ 野ばら 子供の時分の話 牛女 殿さまの茶わん 大きなかに 酔っぱらい星 火を点ず 月夜と眼鏡 ある夜の星たちの話 三つのかぎ 海と太陽 あかい雲 闇 月とあざらし びんの中の世界 白い門のある家 はまねこ 初夏の空で笑う女 戦争 薔薇と巫女 解説 ことばは沈黙に、光は闇に 牧野信一  種村季弘編 繰舟で往く家 風媒結婚 夜の奇蹟 痴酔記 吊籠と月光と 淡雪 月あかり 鬼涙村 風流旅行 バラルダ物語 解説 ピュグマリオンふたたび 坂口安吾  富士川義之編 風博士 桜の森の満開の下 風と光と二十の私と 木枯の酒倉から 狂人遺書 私は海をだきしめていたい 紫大納言 夜長姫と耳男 解説 「ふるさと」幻想

ピネベルク、明日はどうする!?ピネベルク、明日はどうする!?

時はワイマール共和国末期、空前の大量失業時代。 彼、ピネベルクは北ドイツの町で簿記係として働くホワイトカラーの23歳。彼女、「子羊ちゃん」ことエマは22歳。バルト海に面した町の労働者階級の家の娘。どこにでもいる、互いに夢中の若い二人。 予期せぬ彼女の妊娠で、なりゆきとはいえ、希望にみちて結婚し、新生活に入った二人だが、ピネベルクは理不尽な解雇にあい、夫婦は就職のつてをたどってナチス台頭前夜の首都ベルリンへーー。 さまざまに渦巻く駆け引き、幾多の障害、困難が次々に二人の前に立ちはだかる。 〈きっとうまくいくから。わたしたちはきっとうまくいくって、わたしはいつも信じてる。わたしたち、勤勉で、節約家でしょ。まっとうな人間で、おちびちゃんが生まれてくるのを望んで、喜んでいるーーそんなわたしたちが、うまくやっていけないはずないじゃない? そうじゃなきゃ、おかしいわよ!〉 ヒトラーの政権掌握前夜、明日をも知れぬ、数百万の名もなき人々=しがない民草を次々にのみこんでゆく貧困と孤独、絶望がピネベルクに襲いかかる。打ち砕かれ、転げ落ちようとする彼の前に灯された小さな、暖かい光とは……? 没後に出版され、近年にリバイバルヒットとなった『ベルリンに一人死す』の作者ハンス・ファラダの名を一気に世に知らしめた出世作にして、超ロングセラー、ついに公刊。

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP