2017年9月13日発売
雪中から西洋柩に入った刺殺体が発見された。長野県警の城取警部補らはライターの布山を逮捕した。彼は親族優先提供制度を不正利用した心臓移植の疑惑を追っている。だが、意図的に脳死となり、ドナーになるなど可能なのか?殺人との関係は?調べを進める城取らは昭和最後の日に殺人を犯した男の存在に行き当たる。乱歩賞作家が描く、慟哭の社会派ミステリー!
若い外国人女性を狙った連続バラバラ殺人事件が発生。所轄刑事の白木直哉は警察通訳人の幾田アサとともに捜査にあたることに。幸せな家庭に憧れて婚活に励むも空気が読めずにフラれ続けている直哉と、ズケズケものを言うバツ2でシングルマザーのアサ。噛み合わない二人の相性は最悪だったが…!?凸凹バディが凶悪事件の真相を追う、警察&通訳ミステリ誕生!
“鬼隼人”許すまじー怨嗟渦巻く豊後・羽根藩。新参の多聞隼人が“覚悟”を秘し、藩主・三浦兼清を名君と成すため、苛烈な改革を断行していた。そんな中、一揆を招きかねない黒菱沼干拓の命を、家老就任を条件に隼人は受諾。大庄屋の“人食い”七右衛門、学者の“大蛇”臥雲を招集、難工事に着手する。だが城中では、反隼人派の策謀が…。著者畢生の羽根藩シリーズ第三弾!
伽羅に似た香りの鬢付け油が大人気の『錦屋』。その主・卯三郎は、何でも金の力で他人のものを奪い取ると評判だ。ある日、腹を真一文字に斬られた男の死体が見つかった。青柳剣一郎は、男が錦屋を探っていたと知り、卯三郎が本物の伽羅をつかっているのではと疑う。さらに、錦屋の用心棒が相次いで襲われ、大盗賊が伽羅を狙っていた話を耳にする。欲望渦巻く争いの行方は!?
老中田沼意次の窮地を救った与力葛篭桃之進は、なぜか左遷され道中手形を扱う閑職、西ノ丸留守居役へ。ある朝、骨壺を抱えた旗本の妻女八重が実家の大垣までの手形を求めてきた。手続きの不備を理由に追い返すと、なんと八重は桃之進との不義密通を夫に告白し、姿をくらました!濡れ衣を訴えつつ八重の突飛な行動を探る桃之進だが、狂犬の如き夫に命を狙われ…。
浪人の子市松が父の死後、瀬戸物商身延屋の小僧となって一月余り。ある日、人のいい身延屋の主夫婦は、見世の前で行き倒れた物乞い夫婦を手厚く保護した。その夜、何者かの影が番頭、手代を刺し殺し、いよいよ市松ら小僧の眠る部屋の障子に手をかける。慌てて押入に隠れた市松は、信じられない惨劇を目撃したー。人が“鬼”と化す不穏な江戸で、激闘が幕を開ける!
貧乏旗本の次男坊ながら「浮かれ鳶」と綽名される本多控次郎は、すこぶる男前の情に厚い剣客である。その控次郎がごろつきに絡まれた馬喰兄妹らを救い出す。兄妹は控次郎とも因縁ある旗本へ早駆けの駿馬を届ける途中だった。だが、その旗本が襲われ、代わって控次郎が出走。背後に賭け金を巡る、どす黒い陰謀が蠢いていた。控次郎の正義の剣が、巨大な悪を成敗す!
両親の死後、女手ひとつで妹弟を育てた二十五歳のお吉は、とびきりの甘味好き。働いていた菓子処が暖簾を下ろすと、ひょんなことから、読売書き見習いに。人気者のお気に入りの菓子を紹介するため、歌舞伎役者の市川團十郎と尾上菊五郎に初取材すると、團十郎の亡き父との思い出の一品を捜すことにー。健気なお吉とほっこり甘い菓子が、心をときほぐす人情帖開幕。