2017年発売
富裕層相手の結婚相談所をひっそりと営むエリザベスには、誰にも言えない秘密があった。学生時代に旅先で出会った青年と情熱のままに結婚し、数日で捨てられた過去があるのだ。当代きってのプレイボーイと名高いギリシア富豪サンダーー彼との過去が公になればエリザベスの社会的信用は失墜し、これまで大切に育ててきた事業が立ちゆかなくなってしまう。しかし今サンダーは、妻が必要になったから仕事を依頼したいとエリザベスを呼び出し、衝撃の事実を口にした。「妻を探してもらう必要はない。僕たちはまだ結婚している」
ドレスも宝石もいらない。 ほしいのは愛の言葉だけ。 ウエイトレスをしながら大学に通うベイリーは、 恋人との結婚を夢見ていたが、ある日突然別れを告げられた。 数カ月後、新聞の1面に見覚えのある顔を見つけて彼女は驚愕する。 ラファエル! まさか彼がイタリアの小国の大公だったなんて。 じつはベイリーのおなかには小さな命が宿っていた。 そこへラファエルが何事もなかったように現れ、 身勝手にも以前のような気楽な関係を続けたいと主張した。 だがベイリーが妊娠の事実を告げたとたん、彼の表情が変わる。 「名誉と義務が最優先だ。君を妃として迎える」冷たい声が言った。 真実の愛にたどり着いたきっかけは“妊娠”──M・イエーツが命を授かった花嫁のロマンスを描くシリーズ、〈天使のウエディング・ベル〉の第2話です。ウエイトレスが大公の妃に……?
研修医のオリヴィアは亡夫の遺伝子を継ぐ子を人工授精で身ごもり、その大切な命とともにこれからの人生を歩んでいくつもりだった。しかし運命は残酷にも、彼女から心のよすがを奪おうとしていた。じつは手違いで、おなかの子が我が子でないことがわかったのだ!本当の親にこの子を奪われてしまうかもしれないなんて…。頼れる者もおらず、どうしようもない孤独感に沈んでいると、意外な人物に慰められ、オリヴィアは思わずときめきを覚えたー職場で女性スタッフらが熱い視線を送る美形ドクター、デイヴィッド。だが、彼が全米屈指の財閥出身だと密かに知る彼女は、我が身を戒めた。ただの同情を勘違いしてはだめ。これ以上辛いことに耐えられないから。
愛しの社長に片思いの秘書は、 恋の分かれ道で迷子になり……。 父の死後、家族を支えるため身を粉にして働くプリシラは、 昼間は社長秘書、家に帰れば家事や姉の子育てを手伝う毎日。 そんな生活も、姉の再婚を見届けた1年後に終わりを告げた。 悩んだ末に、社長のピーター・B・ロックハートに辞職を願い出たのだ。 それは、届かぬ恋心を隠して彼のそばで働くのがつらかったから。 心機一転、プリシラはさる老婦人の屋敷で住み込みの子守りの職を得る。 老婦人が言うには、知人の子を預かることになったはいいが、 “いやみなバーナバス”と陰で呼んでいる甥から反対されているらしい。 ある日、玄関前に派手な新車が停まり、噂の人物の登場かと思われた。 だがそこに現れたのは、その名もピーター・バーナバス・ロックハート、 彼女が未練を断ち切ったつもりでいた元上司の姿だった! 往年の名作家エッシー・サマーズの未邦訳旧作をお贈りいたします。気丈でがんばり屋なヒロイン像が好感を呼ぶ、ちょっぴり切なくてあたたかなシンデレラストーリーをお楽しみください。
ジョアンナは赤ん坊のとき女学校の玄関先に捨てられ、そこで育った。だが19歳になったからには、女学校を出ていき、家庭教師として一人で生きていかなければならないのだ。親友や先生たちと別れるのは悲しくて不安だけれど、派遣先の准男爵家の屋敷で家族の雰囲気を初めて味わえるかもしれない。ところが、待ち受けていたのは一家の娘たちに侮辱される日々。ある日、令嬢の付き添いとして舞踏会に同行したとき、彼女は威風堂々とした貴公子、ルーク・プレストンに窮地を救われる。身分の低い自分にも優しく接してくれるルークに恋心を抱いたものの、伯爵家の跡取りをもうけるための花嫁を探す彼は雲の上の人で…。
結婚もせず公爵家を支える娘の前に、 疎遠だった“次期公爵”が現れーー 令嬢ヘスターの血のつながらない祖父である公爵が病の床で、 アメリカに住む疎遠の孫を呼び戻して跡継ぎにすると言いだした。 しかも、ヘスターが彼に上流社会の礼儀作法を教えるのだといい、 公爵家の行く末を憂える彼女はそこはかとない不安を覚えるのだった。 一方、老公爵から呼び出しの手紙を受け取ったジャレッドは、 不作法でみすぼらしい身なりの人間と決めつけられ腹を立てていた。 実際は教養も財産もあり、こんな礼を欠く要請など断ってもよかったが、 ふと、顔も知らぬ親戚たちをからかってやりたい遊び心が湧いた。 はたしてイギリスの地を踏んだ彼は、“教育係”のヘスターに言った。 「ぼくにマナーを教えてくれ。ぼくはきみにキスの仕方を教える」 少女から老婦人まで、今まで魅了できなかった女性はいないと自負するジャレッドが、血のつながらないいとこの無垢なヘスターの心を翻弄します。はらはらどきどきの展開が得意なアン・ヘリスが描く、19世紀イギリスが舞台のドラマティック・ロマンスです!
守ってきた純潔を捧げた夜に、授かった命。 でも父親が誰かは言えない……絶対に! 不実な婚約者が事故死した2カ月後、 妊娠がわかり、エイミーは激しく動揺した。 いったいどうすればいいの? 「大丈夫だ。ぼくがきみと兄さんの子を支えるよ。結婚しよう」 友人でもある婚約者の弟、ヒースはそう言ってプロポーズしてくれた。 2カ月前と同じように、優しく。 謎めいた黒い瞳、危険な香りを漂わせる黒髪の大富豪、ヒース。 あの夜、ふたりは一線を越えた。そして……。 エイミーは心のなかで叫んだ。 違うの! この子の父親は……。 大好評を博したD-1358『シークと薔薇の宮殿』、D-1502『侯爵に盗まれたキス』の関連作です。妊娠がわかったヒロインは重大な秘密を告げぬまま、亡き婚約者の弟との結婚を承諾しますが……。
夫が遺した莫大な借金、幼い息子を奪おうと画策する義父。サヴァナは困り果て、亡夫の弟で初恋の相手トレントに助けを求めた。2年前、サヴァナはトレントに身を捧げたあと、冷たくあしらわれ、打ちのめされていた。さらに妊娠に気づき、途方にくれていたとき、形だけの結婚をもちかけてきたトレントの兄ーまさかすべては跡継ぎ欲しさに彼が仕組んだ罠だったとは…。何も知らないトレントは、彼女と兄の結婚後、一切の接触を断った。今や成功者のオーラをまとう彼との久々の再会。目と目が合った瞬間、サヴァナは強烈な感情に心乱され、彼のオフィスで熱く結ばれてしまう。“息子の父親はあなたよ”とは言えぬまま。
ローラにはつらい恋の過去があった。婚約者ファルコとの仲を彼の父親の策略によって裂かれたのだ。多額の慰謝料をローラに渡したように見せかけた父親の嘘ーファルコはそれを見抜けず、誤解したまま彼女と別れてしまった。その後、ローラはお腹に宿ったファルコの娘ベルを育てながら彼を忘れようと仕事に打ち込んできた。だが、別荘の改装を依頼され、イタリアのアルバ島を訪れたとき、ローラの3年間にわたる平穏な日々は終わりを告げた。依頼主がファルコだとわかっていたら、ここへは来なかった。なぜ私をここへ呼び寄せたの?まさかベルのことを知って…。
大富豪ロークの妻として幸せに暮らしていたアンジーは、 1年前に夫の浮気を知って家を飛び出し、今は独りで暮らしている。 ある日、アンジーの弟がやってきて、驚愕の事実を告げた。 ロークの口座で決済されるアンジーのカードを無断で使い、 インターネットの株取り引きで莫大な額の損失を出したというのだ。 それを知ったロークが、アンジーに会いに来いと言ってきた。 いちばん顔を合わせたくない相手に弱みを握られてしまったーー 屈辱をこらえ、お金は少しずつ返すと訴えるアンジーだったが、 ロークはからかうような冷笑を浮かべ、妻を抱き寄せてささやいた。 「きみを呼んだのは、このためだ」 ポルトガル人の夫が妻を呼び戻した理由ーーそれは、あまりに残酷で甘美な復讐のためだった! 寡作ながら、HQロマンスで絶大な人気を誇るミシェル・リードの夫婦元さやロマンスです。
ジャニーンは母亡き後、初めて実の父を知った。なんと父はギリシア人のホテル経営者で、大富豪だったのだ。父は現在の妻を傷つけたくないという配慮から、娘がいたことは隠した上でギリシアに呼び寄せてくれたが、“あの若い女は社長の愛人だ”という噂が流れてしまう。そんなある日、ジャニーンはニコスという男性と出会った。彼もギリシア人の実業家で、父の親友だという。ジャニーンはニコスの魅力の虜になり、彼も熱く求愛してくれた。だが彼女は知らなかったーニコスが実は父の妻の弟で、“姉の夫をたぶらかす女”を罰するために近づいてきたことを。
ある日リサは会社社長アンガスの車にはねられてしまう。そのせいで旅行をキャンセルせざるを得なかった彼女に、アンガスは治療や旅行費用の賠償を申し出るが、リサは断る。ところが後日、驚くことにアンガスから招待状が届いた。賠償の代わりに、彼の船でクルージングに出かけようというのだ。誠意に押されて同行したリサは、思いがけず至福の時を過ごす。アンガスはハンサムで優しく、情熱的でセクシーだった。旅の終わりが近づいた夜、リサは求められるまますべてを捧げた。独身主義者と公言する彼の子を宿すとは、思いもせずに…。
金井花梨は十年以上前、夫の圭太がスナックのママと浮気をし、内緒で貢いでいることを知り離婚した。 その為、スナック通いをする男たちを軽蔑していたのだが、生活の為にやむを得ずスナックで働くことになってしまう。 子どもは兄と妹の二人いるが、長男の方は夫に引き取られ、病気がちで身体の弱い妹の方は引き取って育てている。 花梨が務めるスナック梨花には、文具店チェーン社長の大藪、建設会社社長の渡辺、役所の課長補佐佐伯らが花梨目当てに通っているが、花梨は、彼らは常連客なので適当に相手をしているが、全く恋愛感情は持てない。 もっとも、大藪も渡辺も妻帯者で、佐伯はバツイチだが、梨花には最近通い出したばかりである。 離婚や夜の仕事を通して、自分と接する人たちの本当の気持ちは何? 自分の信念が正しいのか? 別れた夫圭太とその両親との複雑な関係と駆け引き、自分の気持ちとの葛藤に苦しむ花梨の姿を描く作品。
大ヒットの『暗殺教室』英語参考書シリーズ第4弾は問題集編!! E組生徒たちの詳しい・楽しい・分かりやすい解説で、大学受験にまで必ず役立つ一冊!! 書き下ろし小説や描き下ろしマンガも収録!!
2000年版『このミステリーがすごい!』海外部門第4位! 密室殺人をめぐる名探偵たちの推理合戦。 本格黄金期を代表する傑作、ついに文庫化! サーストン家で開かれたウイークエンド・ パーティーの夜、突如として起こった密室 殺人事件。扉には二重の施錠がなされ、窓 から犯人が逃げ出す時間はなかった。早速、 村の警官ビーフ巡査部長が捜査を開始する が、翌朝、ウィムジイ卿、ポアロ、ブラウ ン神父を彷彿とさせる名探偵たちが次々に 登場して……華麗なる名探偵どうしの推理 合戦と意外な結末。練り上げられたトリッ クとパロディ精神、骨太なロジックに支え られた巨匠レオ・ブルースの第一作にして 代表作、ついに文庫化!(解説・真田啓介)
現実世界と小説世界が交錯する斬新な異色作 家賃代わりに差し出される短篇小説と、それに対して辛辣コメントを浴びせ続ける家主。やがてコメントは作家の精神を抉るような質問状となり、青春をともに過ごした2人の中年女性の愛憎が垣間見えてくる。 小説を書くのは鳴かず飛ばずの作家・昌子で、その読み手は昌子が居候する家主で20年来の友人・鈴子。小説を介して、お互いの感情をぶつけ合う2人の切なさとおかしさを、現実世界と小説世界が入り交じる奇抜な手法で描いた著者の異色作。
戦後間もない時代の若者たちを描いた“自伝的青春文学”旧制中学から新制高校へと移行する時代、高校2年生の倉沢明史は、通学途中に出会った中学3年生の美少女・棗に惹かれていく。文学に憧れ、政治にも熱い関心を寄せる明史だが、幼なじみの慶子との接吻もあって心は千々に乱れる。武蔵野の美しい四季を背景に、物資は満足にないけれど心豊かに生きる若者たちの甘く、ほろ苦い思春期の恋愛を叙情的に描いた青春小説の傑作。“内向の世代”を代表する著者が、今回あとがきを特別寄稿。
勤王と佐幕の間の謀略に翻弄される志士たちの悲劇から、冷酷な政治と熱い志の葛藤を描いた「地獄の門」。長州の志士を斬った嫌疑がかかってしまった鞍馬天狗は、これは仕掛けられた罠では…と疑念を抱く。新選組と見廻組も絡んで二転三転する展開の末、隠れていた裏切り者は意外な人物だった「宗十郎頭巾」。名作時代小説「鞍馬天狗」から、評論家・鶴見俊輔が厳選した傑作シリーズの第二弾。解説も鶴見俊輔が特別寄稿。
あの人気キャラクターの最新作。「読売新聞」好評連載がいきなり文庫に!東京第一銀行の跳ねっ返り行員・花咲舞は、己の信じる正義のもと、空気は読まず、時にブチ切れながら、問題支店や勘違い行員の指導に奮闘している。そんな中、ひょんなことから「組織の秘密」というパンドラの箱を開けてしまい……このままでは我が行はダメになる! 歯を食いしばり行内の闇に切り込む、痛快連作短篇。
半沢直樹が帰ってきた! 今度の敵は政治家だ! 出向先から東京中央銀行本店に復帰した半沢直樹に頭取から大仕事が降ってきた。破綻寸前の航空会社、帝国航空の再建を担当せよというのだ。だが折しも政権が交替。新政権の国土交通大臣は野心にみちた女性閣僚は帝国航空再生タスクフォースを起ち上げ、半沢たちに巨額の債権放棄を要求してきた。 500億円もの借金の棒引きなんてとんでもない! だが相手が大臣ではさすがの半沢も容易に突破口を見いだせない。しかもなぜか銀行上層部も半沢の敵に回る。この一件のウラには何があるのか? かつて半沢と舌戦をくりひろげた「金融庁一の嫌われ者」、オネエ言葉の黒崎駿一の思惑もカラみ、銀行に隠された大きな闇も見え隠れする。 果たして半沢の運命やいかに? 痛快度100%、無敵のエンタメ小説「半沢シリーズ」第4作、待望の文庫化です!