2017年発売
八世紀後半、東北地方には蝦夷とよばれる先住民が独自の文化で生活を続けており、そこへ豊かな資源を求めて大和朝廷が侵略を始めていた。東北地方で滅ぼされたアビ一族の生き残りにして鮫狩りの少年アビは、鮫狩りの師匠オンガとともに想い人宇伽の影を求めて故郷へ。そこでアビが見たものはー。戦後児童文学を作り上げてきた著者が遺した感動の大作、初文庫化。
汐崎藩藩主・堀田家憲に御三家尾張藩主の姫との縁談が持ち込まれた。汐崎藩の御刀番頭・左京之介は、その「土産」に名刀「関の孫六」が献上されると聞いて不審を抱くが、ある旗本の所と、水戸藩にも関の孫六があることが判明する。いずれが本物なのか。そして水戸藩闇同心、尾張藩土居下組が「幻の名刀」を狙って襲い来るー。壮大なスケールに引き込まれるシリーズ第八弾。
「消息を絶った密偵を捜してほしい」-縁切り寺慶光寺の御用宿「橘屋」の用心棒・塙十四郎は、元老中の楽翁こと松平定信から密命を受けた。早速、越後入りした十四郎の前に現れたのは、二分された藩の実態と貧困に喘ぐ民百姓の姿だった。藩政を正すために十四郎がとった「秘策」とはー。弱き者への慈しみが溢れた著者の代表シリーズ、四年ぶりの書下ろし第十七弾。
つばきは、深川に移り住み、浅草で繁盛していた一膳飯屋「だいこん」を開業した。評判は上々だが、「出る杭は打たれる」とばかりに、商売繁盛を快く思わない者もいた。廻漕問屋「木島屋」から、弁当を百個こしらえてほしいという大口の注文を受けたのだが…。浅草とは仕来りの違う深川に馴染もうと、つばきは奮闘する。祭の興奮と職人たちの気概あふれる深川繁盛記。
美しい森と湖に囲まれた由緒正しい貴族屋敷。そんなすてきな家に住むお嬢さまのデイジーから誕生日のお茶会へ招待され、ヘイゼルは楽しい休暇を期待していた。ところがデイジーの両親は不仲だし、招待客の大人たちも何やら邪な計画があるようす。こんなんでお誕生日会は大丈夫?チョコレートケーキに、ジャムタルト、マカロンーご馳走を目の前にして食いしん坊のヘイゼルがほっとしたのもつかの間。紅茶を口にした招待客のひとりが絶命し、デイジーの父親が第一容疑者にされてしまった!探偵倶楽部にとって解かなければならない謎だが、それは同時にデイジーの家族全員を疑うことでもあり!?早くも少女探偵たちに試練のときが訪れる!
英国で大人気のロングセラーシリーズ第9弾! 嘘か真か!? 惚れ薬を入手したアガサはとうとう? 事件を解決に導いた代償として髪の毛を失ったアガサは、元通りに伸びるまでシーズンオフの観光地で心身ともに静養することにした。そこで耳にしたのは「魔女」と呼ばれる地元女性の評判。半信半疑で魔女の家を訪れたアガサは、法外な額をふっかけられたにもかかわらず、毛生え薬と、ついでに惚れ薬まで購入してしまう。ところがその直後、魔女が自宅で何者かに殺され、アガサが第一発見者に。惚れ薬を買ったとは恥ずかしくてどうしても警察に真相を明かせず、嘘に嘘を重ねるうち窮地に追い込まれていくアガサ。そしてとうとう、警部の飲み物に惚れ薬を入れるという暴挙に! すると、警部がみるみるうちに……!?
NYタイムズ、USAトゥデイ紙ベストセラーリストの常連作家、ついに日本上陸。 名門貴族の令嬢デボラは12歳のとき、ロクストン公爵家の跡取り息子オールストン侯爵ジュリアンとひそかに結婚させられた。だが真夜中のことだったので、デボラはよく覚えておらず、夢だとさえ思っていた。 8年後、デボラは貴族の体面を重んじてばかりの家を飛び出し、亡くなった兄オットーの遺児の世話をしながらバースで暮らしていた。ある日、決闘をして傷を負った美しい青年を森の中で助ける。その青年こそ、長くイングランドを離れていたジュリアンだった。彼は8年前の結婚を本当のものにし、跡継ぎを作るために帰国したのだが、互いの素性を知らないまま惹かれあう二人。やがてジュリアンは自分が探していた結婚相手がデボラだと知るが、素性を隠したまま結婚する。 愛に満ちた幸せな新婚生活を送っていた二人だが、ある日ジュリアンの正体が放蕩者と噂されるオールストン侯爵であることと、8年前の出来事をデボラは知らされる。大きな秘密を隠されていたことにショックを受け、彼との愛が信じられなくなるが……
その男の奏でる調べは、武士の時代への鎮魂歌かー。西郷隆盛と大久保利通の後継者と目されていた村田新八は、岩倉使節団の一員として渡欧、パリにおいて、西郷が大久保と袂を分かって下野したとの報に接する。二人を仲裁するために帰国し、故郷・鹿児島へと向かったものの、大久保の挑発に桐野利秋らが暴発。ここに、日本史上最大にして最後の内戦・西南戦争の火蓋が切って落とされた。著者渾身の長編小説。
「未開の地で芸術を愛でようと思ったら、いつの間にか建国してました!」 タイムスリップした女魔導士がメイド人形と一緒に未開の地で活躍する無意識系成り上がりストーリー。 ルーシェ教の謎に迫る書き下ろしエピソードも収録。 大好きだった芸術が戦争によってなくなってきたことに嫌気がさした女魔導士は、時間凍結魔法によって戦争後の世界に行くことを決意。 2000年後に目覚めてみると、周りは未開の地になっていた。 生体ゴーレムのメイド人形と原始生活を始める女魔導士。 やがて村人との出会いによって、女魔導士の立場は一変していく。 芸術に囲まれたスローライフを求める女魔導士の夢は、果たして叶うのかーー。 女魔導士の開拓記、いま開幕!
日常から遠く隔たった土地の悠久の歴史を物語る遺構や人を寄せ付けない奥深い自然の中に身を置いた主人公が自らの経験を通じて「私」を超えていこうとする試みは、やがて若者や女性といった身近な他者の異質な感性に刺激されて一層深化した世界感覚によって変貌を遂げる。後に高い評価を受ける都市を舞台にした作品群の嚆矢となった表題作を始め、転形期のスリルに満ちた傑作短篇集。
両親を失い、伯父の家に引き取られた綾乃。村祭の夜、サーカスから逃げたアナコンダに襲われた彼女は、危ういところを箒に乗った魔女に助けられる。魔女の正体は、村に来ていた女性民俗学者。怪我を負った綾乃は、救い主の母校で治療を受け、そのまま入学することに。だがそこは、妖怪たちが魔女と一緒に魔法を学ぶ奇妙な学校だった。第2回創元ファンタジイ新人賞優秀賞受賞作。
「モリーに宇宙服が出はじめたのは春だった。」--皮膚が宇宙服になって飛んでいってしまう人々、恋人に贈られた手編みセーターの中で迷子になる男、誰もが常に金魚鉢を抱えていなければいけない星でのバカンス、自分の寝言を録音しようとした男が味わう恐怖……とびきり奇妙で切ない、奇想に満ちた短編集。岸本佐知子訳し下ろしの短編一編を追加し、待望の文庫化。2001年度フィリップ・K・ディック賞候補作。
ギルガメシュ叙事詩ほか、旧約聖書やホメロスの叙事詩よりもはるか以前、四千年前に近東で語られていた物語。遺跡の粘土板上に残されたそれらを復元・解説し、わかりやすく語り直す。
戦艦ターチンと戦艦メークロンは、タイ王国の依頼により日本海軍が建造。マレー半島侵攻と同時に2戦艦には日本海軍陸戦隊が乗り込み、イギリスZ艦隊と交戦、レパルスとプリンス・オブ・ウェールズの撃沈に成功した。その後、両艦は日本政府に売却され、ターチンは戦艦丹後に、メークロンは戦艦相模と改称され、日本海軍に編入された。米豪遮断を目論む日本軍は戦艦丹後と相模の活躍もあり、珊瑚海海戦で空母ヨークタウンを沈め、ポートモレスビーも完全制圧する。しかし、老朽商船を改造した米空母の反撃により戦闘は激化していく…。
中国武侠小説の最大傑作。「中国四大奇書」の一つ。北宋末期の不正と汚職が支配する乱世を舞台に、暴力・知力・胆力を思う存分に発揮して、好漢百八人が、戦いを繰り広げながら、「梁山泊」へと集結。その後、招安されて、国家軍となり壊滅するまでの物語。窃盗、殺人、痛飲、奸計、忠義、友情……。人間の善と悪が渾然一体となって進行する物語世界を躍動感あふれる世界を、よみやすく、勢いのある文体で、新訳! いわずと知れた中国武侠小説の最大傑作。明代に成立した「中国四大奇書」の一つでもあります。 北宋末期の不正と汚職が支配する乱世を舞台に、暴力・知力・胆力を思う存分に発揮して、好漢百八人が、そこら中で戦いを繰り広げながら、「梁山泊」へと終結します。その破天荒な侠客たちの痛快な立ち回りのスケールの大きさは、さすが中国の白話(口語)小説ならでは。 窃盗、殺人、痛飲、奸計、忠義、友情……。人間の善と悪が渾然一体となって進行する物語世界には、引き込まれずにはいられません。 この魅力満載の世界を躍動感あふれる世界を、よみやすく、勢いのある文体で、新訳しました。「水滸伝」の完訳書はいくつかありますが、この翻訳が最新・最高です。 本書原本はもっとも原形に近く、均整の取れた百回本。 なお、この一巻では、冒頭の「引首」から「第二十二回」までを収録しております。 全5巻。 訳者まえがき 登場人物紹介 引首 第一回 張天師 祈りて瘟疫を禳い 洪太尉 誤りて妖魔を走がす 第二回 王教頭 私かに延安府に走り 九紋龍 大いに史家村を鬧がす 第三回 史大郎 夜に華陰県を走れ 魯提轄 拳もて鎮関西を打つ 第四回 趙員外 重ねて文殊院を修め 魯智深 大いに五台山を鬧がす 第五回 小覇王 酔って銷金の帳に入り 花和尚 大いに桃花村を閙がす 第六回 九紋龍 赤松林に剪径し 魯智深 瓦罐寺を火焼す 第七回 花和尚 倒さまに垂楊柳を抜き 豹子頭 誤って白虎堂に入る 第八回 林教頭 刺して滄州道に配され 魯智深 大いに野猪林を鬧がす 第九回 柴進 門に天下の客を招き 林冲 棒もて洪教頭を打つ 第十回 林教頭 風雪の山神廟 陸虞候 火もて草料場を焼く 第十一回 朱貴 水亭に号箭を施ち 林冲 雪夜に梁山に上る 第十二回 梁山泊にて林冲 落草し 〓(べん)京城にて楊志 刀を売る 第十三回 急先鋒 東廓に功を争い 青面獣 北京に武を闘わす 第十四回 赤髪鬼 酔って霊官殿に臥し 晁天王 義を東渓村に認ぶ 第十五回 呉学究 三阮に説いて撞籌し 公孫勝 七星に応じて義に聚まる 第十六回 楊志 金銀の担を押送し 呉用 智もて生辰綱を取る 第十七回 花和尚 単りにて二龍山を打ち 青面獣 双りして宝珠寺を奪う 第十八回 美髯公 智もて挿翅虎を穏(なだ)め 宋公明 私かに晁天王を放つ 第十九回 林冲 水寨にて大いに併火し 晁(蓋 梁山にて小しく泊を奪う 第二十回 梁山泊に義士は晁蓋を尊び 〓(うん)城県に月夜 劉唐を走らす 第二十一回 虔婆 酔って唐牛児を打ち 宋江 怒って閻婆惜を殺す 第二十二回 閻婆 大いに〓(うん)城県を鬧がせ 朱仝 義もて宋公明を釈す
13歳で母コレットと出会い、孤児から貴族に一転したナージャは16歳になった。豊かな生活の中で、心にかかっているのは、アップルフィールド孤児院の友達と、ダンデライオン一座の仲間たち。友達を探しに行くことを決意したナージャは、コレットの計らいでダンデライオン一座と行動をともにする。でも運命はナージャに過酷な扉を開かせる。フランシスとキースとの三角関係、ローズマリーの罠など、どきどきの物語が展開します。 2003年2月から2004年1月まで、テレビ朝日系列日曜朝8時半から1年間放映していた、「明日のナージャ」が放映15周年の今年、キャラクター文庫で小説になります。 100年前のヨーロッパを丁寧に描いた内容と絵の設定や、「きっと明日にはいいことがある」と前向きに人生を切り開く13歳の主人公ナージャは、小学生以上の女性の心を掴み、熱いメッセージがプロデューサーには届いていました。ネット上で「続きが知りたい」という声が上位に上がっており、この作品で3年後の16歳のナージャを描くことになりました。 13歳で母コレットと出会い、孤児から貴族の生活に一転したナージャは16歳になった。豊かな生活の中で、いつも心にかかっているのは、アップルフィールド孤児院の友達と、ダンデライオン一座の仲間たち。友達を探しに行くことを決意したナージャは、母コレットの計らいで、ダンデライオン一座と一緒に行動することに。でも運命はナージャに過酷な扉を開かせる。以下、章立てです。 第1章 ウィーンでの貴族生活 第2章 フランシスは白バラの香り 第3章 さらば、からくり自動車 第4章 パリでの再会 第5章 運命の女神の手招き 第6章 黒い罠 第7章 ローズマリーの野望 第8章 ナージャ、ひらめく! 第9章 仮面を取ったキース 第10章 新しい明日への扉 あとがきを、明日のナージャとおジャ魔女どれみのプロデューサー、東映アニメーション関弘美氏に書いてもらいます。ナージャファンならずとも、アニメ好き・キャラクター好きの読者必読の書になります。 第1章 ウィーンでの貴族生活 第2章 フランシスは白バラの香り 第3章 さらば、からくり自動車 第4章 パリでの再会 第5章 運命の女神の手招き 第6章 黒い罠 第7章 ローズマリーの野望 第8章 ナージャ、ひらめく! 第9章 仮面を取ったキース 第10章 新しい明日への扉