2017年発売
憲法を制定した火星政府は、地球との交渉の末についに念願の独立を勝ち取った。人びとは自由を謳歌し、多様な文化が共生する火星ならではの社会システムと新たな文明を発展させていくが…。赤い荒野から緑の大地へ、そして青い大洋を持つ人類の第二の故郷へと劇的に変容してゆく火星の姿を、人びとの綾なす人間ドラマとともに壮大なスケールで描き上げた大河三部作、堂々完結。
様々な勢力が暗躍する魔都・上海で起こる連続不可能犯罪事件。密室状況で殺された被害者のそばに残されたカード…。密室が解かれても、真犯人・上海デスドールをとらえることはできない。エキゾチックな不可能趣味満載の連作集。
イーズ帝国の魔導兵団を撃退して1年、メリアはついに内外に独立を宣言した。だが、合衆国となったメリアを次々に困難が襲う。イーズ帝国の大軍勢による侵攻、さらに魔術師のマリーンによって封印を解かれた巨大女神像の進撃…。再びメリアはピンチに陥るが、そのタイミングで機神シィルが目覚める。物語がめまぐるしく展開する最終巻。エニードによる“開拓”の向かう先は!?-「小説家になろう」発、大人気異世界救世ファンタジーがついに完結!
平凡で、この先ドラマティックなことも起こらなさそうな日常。自分で購入した1LDKのリビングとソファで得られる幸福感だって憂鬱のベールがかかっている。そんな瑛子が近所で見つけたのは日当たりが良い一軒家のカフェ。店主はかつての同僚・円だった。旅先で出会ったおいしいものを店で出しているという。苺のスープ、ロシア風チーズケーキ、アルムドゥドラー。メニューにあるのは、どれも初めて見るものばかり。瑛子に降りかかる日常の小さな事件そして円の秘密も世界のスイーツがきっかけに少しずつほぐれていくー。読めば心も満たされる“おいしい”連作短編集。
消息不明の大物映画人を捜し出し、不可能と思われたインタビューを成功させるー“人捜しの神部”の異名を取る女性編集者・神部実花は、上司からの無理難題、読者からの要望に振り回されつつ、持てるノウハウを駆使して今日も奔走する。だが自らの過去を捨てた人々には、多くの謎と事情が隠されていた。次号の雑誌記事を書くために失われた過去を追う実花の取材は、人々の追憶を探る旅でもあった…。
OL・亜子が、先輩からの嫌がらせに耐えられず落ち込んでいると、見知らぬキツネ顔の男、『井成不動産』の社長・井成幸吉に声をかけられる。ご縁に導かれ、下町の稲荷神社近くの店で働き始めるが、ペット可の物件を求める人面犬や古民家リノベに奮闘するシェアハウス仲間の雪女達、はたまた“出る”物件を探す人間など、一風変わった客達からの要望はメチャクチャで!?「第2回お仕事小説コン」特別賞受賞作!
静岡県の海辺、あさぎ町には世にも不思議なレトロ喫茶店『猫の木』がある。なんと店主・片倉が猫のかぶり物を被っているのだ。転勤でこの町にやってきた、恋愛オクテ女子・有浦夏梅はそこの常連なのだが、あるときマスターに猫断ちを提案し…?一風変わったマスター×悩めるOL×リアル猫・ニャー介が繰り広げる、優しい街の猫まみれ、ほっこりライフ。小説投稿サイト「エブリスタ」の大人気作、待望のシリーズ化。
親友・明日香の記事によって誤審を暴かれ、検事失業のピンチに陥った凛々子。それでも事件の真相を追い求め続けるなかで凛々子は冤罪犯が隠していた別の罪に気づく。ところが被害女性を訪ねたものの門前払いにされてしまい、その裏に明日香がいることを知り…。一方プライベートでは妹・温子の破談に責任を感じた凛々子が大暴走し、神蔵守にまさかの逆プロポーズ!?下町育ちの女検事の成長物語、恋と友情のゆくえはー!
父から継いだ製鎖工場で女社長を務める翔子は、倒産した製鉄所の連帯保証債務を押し付けられ、自己破産の危機に追い込まれていた。翔子に想いを寄せるどろ焼き屋の店主・鳴川は金策に走るが、債権者の長山には相手にもされない。その矢先、長山が死体となって発見された。捜査に乗り出した刑事・池内は、殺人犯の他に死体を移動させた共犯者がいると推理するがー。情の鎖がすべてを繋ぐ、社会派ミステリの旗手による傑作長編。
ロンドンで弁護士業を営んでいるアタスンは、友人のジキルから遺言状を預かっていた。自分が死亡、3ヶ月以上行方不明、もしくは不在だった場合、恩人であるハイドに全財産を譲渡するという内容のものである。不審に思ったアタスンは、憎悪を抱かせるハイドを調べようとするものの、ジキルに止められてしまう。その後、街で殺人事件が発生してー。人間は一者ではなく二者から成るものである…善悪の二面性に焦点を当てた世界的名作。
奥州道中にある喜連川藩は騒然としていた。天童藩織田家と仙台藩伊達家、二藩の参勤交代行列の宿泊希望日が、同日になってしまったのだ。家格は十万石だが実際の石高はわずか五千石の小藩・喜連川藩にとって、行列逗留の収入は財政を左右する死活問題。これを調整すべしと、中間管理職の天野一角にまたもや白羽の矢が立てられた。曲者上司の無理難題や思いつきに一角は大苦戦!機転と剣技で難題に挑む大好評シリーズ第3弾。
検死を行う法医学部の大学院生・石上妙子。自殺とされた少女の遺書の一部が不思議なところから発見された。妙子は違和感を持つなか、10代の少女の連続失踪事件のことを、新聞と週刊誌の記事で知る。刑事1年目の厚田厳夫と話した妙子は、英国から招聘された法医昆虫学者であるサー・ジョージの力も借り、事件の謎に迫ろうとするが…。「猟奇犯罪捜査班」の死神女史こと石上妙子検死官の過去を描いたスピンオフ作品が登場!
小説家の加納は、愛する妹の自殺に疑惑を感じていた。やがて妹の婚約者だった奥津の浮気が原因だと突き止め、奥津を呼び出して殺害。しかし偽装工作を終え戻る途中、加納の運転する車の目の前に男性が現れて…。ここから物語はふたつに分岐していく。A.男性を轢き殺してしまった場合、B.間一髪、男性を轢かずに済んだ場合。ふたつのパラレルワールドが鮮やかにひとつに結びつくとき、予測不能な衝撃の真実が明らかになる!
時は幕末。福山藩からわずか25歳で老中に就任した阿部正弘を待ち受けていたのは、数々の国難だった。黒船はじめ度重なる外国船の来航、欧米列強に対する攘夷派の強硬論、逼迫する財政と弱体化する幕藩体制…。一刻の猶予もない中、正弘は外交・内政に煩悶し、国論の統一に奔走する。身分の上下にかかわらず人材を登用、夜明け前の日本で難局に立ち向かい革新をおこなった男の熱き人生を描く、著者初の本格歴史時代小説!
異なる時代のニューヨークから“中間世界”にやってきたエディとスザンナ。“旅の仲間”を得たローランドは、2人をガンスリンガーに育てあげるべく修行を開始した。ある日、凶暴化した巨大なクマとの死闘を経て、“暗黒の塔”へと導いてくれる“ビーム”の道を発見する。その一方で彼は、見殺しにしたジェイク少年への罪悪感で、着実に心を蝕まれていく。そしてジェイクもまた、生々しい死の記憶に苦しめられていた…。
3人目の運命の仲間はジェイクだった!ローランドと少年を責め苛んでいたタイム・パラドックスはようやく終結した。人の言葉を理解する小動物オイがジェイクになつき、旅の道連れとなる。一行が都市“ラド”へと向かう途中、高齢者ばかりが住む小さな町に辿り着く。そこで荒地を疾駆する超高速モノレールの存在を知るのだが…。暴力と狂気、跋扈する異形のものたちーキングの本領がいかんなく発揮された白眉の1冊!