2017年発売
久鬼玄造と九十九三蔵はキマイラ化してしまった久鬼麗一を元に戻すべく南アルプスの山で対峙する。一方、別の集団は、大鳳を手中におびきよせるべく、織部深雪を狙っていた……。驚天動地の18巻!
「今夜、九時の列車よー」組織の金を盗んで命を狙われている逃走中の宮部は、自宅で彼を待ち続けている妻の亜紀子と、夜行列車で落ち合う約束をしていた。しかしその列車には、宮部を逮捕しようとする刑事たち、地方へ講演に出かける元大臣とその秘書、自殺しそうな元サラリーマンと駆け落ちしようとしている元部下など、各々の幸せを掴むための人たちが、乗り込もうとしていた。彼らを待ち受ける衝撃の結末とはー。
警視庁の日下刑事は、身分を明かさず書道教室に通っていた。しかし、日下が現職の刑事だと知り、突然態度を変えた美人書道家が気になり、彼女の過去を調べ始める。本籍地は青森で、高校を卒業してから31歳の今日まで、実に8回も引っ越していたー。好奇心と行動力を武器に、日下刑事が真実を暴く!(「青森わが愛」)殺害された女性が飼っていた猫が事件解明の鍵となる。(「北の空に殺意が走る」)他、十津川警部が謎に挑む3編収録。
鳥羽の山田奉行を務める大岡忠相は密貿易に頭を悩ませていた。伝説の海賊・先生金右衛門が多くの手下を従え、親船・巽丸を操り傍若無人に海を駆けていたのだ。忠相は信頼厚い部下を使い、密貿易の実態を探らせる。一方、金右衛門の手下である鯨太郎は、幼馴染みで庄屋の娘・八重と駆け落ちを約束していたが、忠相の罠により、逃亡を余儀なくされてしまった…。やがて徳川吉宗の将軍就任と共に江戸へ導かれた彼らの運命は?
警視庁捜査第一課文書解読班──文章心理学を学び、文書の内容から記述者の生まれや性格などを推理する技術が認められて抜擢された鳴海理沙警部補が、右手首が切断された不可解な殺人事件に挑む。
「赤落ちを始める。みんなドンドン賭けてくれ」 有罪判決を受けた被告人が控訴するか否かを賭けの対象にするギャンブル“赤落ち”。腐敗した刑務官たちの姿に戸惑う新米刑務官の良太だったが、賭けに勝つために解き明かされた予想を裏切る真実に心動かされーー(「赤落ち」)。 受刑者との結婚を望む女性、刑務官を挑発するような脱獄計画。不可思議な出来事を解き明かすうち、良太は刑務所の闇に迫っていく。傑作社会派ミステリ。
人型のはりぼてに神様にとられたくない物をめいめいが工作して入れるという奇祭の風習がある町に生まれ育ったシゲル。祭嫌いの彼が、誰かのために祈るーー。不器用な私たちのまっすぐな祈りの物語。
31歳のわたしは年末から風邪を引いて2日間寝込んで気づいたら年が明けていた。そこに会社の既婚者の先輩女性が転がり込んできてー(「ハッピーでニュー」)。東京で暮らすわたしは、人が住む中で一番暑い場所に近いハルツームの天気を毎日確かめる。偶然や今という一瞬が永遠とつながる場面を描いた傑作「ハルツームにわたしはいない」。週末はいつもより少しだけ特別。見慣れたはずの風景が違って感じられる、8つの物語。
シーズンオフの別荘地。見回り中の保安管理人は、無人のはずの別荘で、少女に銃口を突きつけられた。恋人を待っているという少女と、自らの過去を思い出しながら交流するのも束の間、彼女を追う男達が現われる(表題作)。誘拐事件の“メッセンジャー”を務めることになった「私」は、新宿で、背が高く、独特な目をした刑事に声をかけられ…。大沢作品の人気役者達が共演を果たす「再会の街角」を含む全9篇、極上の短編集。
京都でお正月を迎えた小春(こはる)は、吉乃(よしの)や宗次朗(そうじろう)とともに、澪人(れいと)の実家である賀茂家の新年会に行くことに。 そこで、今まで見てきた不思議な夢の意味を知り、様々な巡り合わせの上に「今」があることに気付く。 また、謎の「祓い屋」が手当たり次第に京の妖(あやかし)を祓っていると耳にし、小春は嫌な予感を覚えていた。 祓い屋の正体は不明なまま新学期が始まり、小春はバレンタインに澪人に告白すると決めるが……。 運命の歯車が動き出す第4巻!
中学で同級生だった、二十八歳の女三人。設計士として「住まいを作る」仕事と向き合いながら、突如豹変した母親との関わりに悩む曜子。結婚し、娘を保育園に通わせて幸せな日々のはずが、なぜか満たされない紀子。優雅な実家暮らしだが、誰にも明かせない“秘密”を一人で抱えている朋美。神社で不思議な「小さいおじさん」を見たとクラス会で朋美が話したことから、それぞれの日々が少しずつ変化し始めて…。
浅草にある古びたアパート“メゾン・シグレ”。管理人は意外にも若い女性で、ちゃきちゃきの下町っ子だ。情に厚く威勢がよい、そして霊能力者だというから変わっている。その力は祖母譲りらしく、代々町の相談役をしているという。彼女が関わる事件は奇妙なものばかり。だがその裏には様々な人情が交錯し、ちょっぴり切なく、そしてあたたかい。彼女は生来のまっすぐさで、人助けに奔走するのだった。下町のふしぎな物語。
私のストーカーは、いつも言いたいことを言って電話を切る(「去勢」)。リサは、連続殺人鬼に襲われ生き残るというイメージから離れられなくなる(「ファイナルガール」)。戦慄の7作を収録した短篇集。
根来の若き忍び・林空は、総帥・根来隠形鬼に呼び出され「秀吉を討て」と命じられる。 林空は仲間とともに、家康との合戦のため、甲賀忍者・山中長俊らの鉄壁な守りに固められた秀吉を銃撃しようとするが……。
喧噪の文化祭が終わり三年生が引退、残った一、二年生の新体制を迎えた清水南高校吹奏楽部。上級生となった元気少女の穂村チカと残念美少年の上条ハルタに、またまた新たな難題が? チカが試奏する“呪いのフルート”の正体、あやしい人物からメールで届く音楽暗号、旧校舎で起きた密室の“鍵全開事件”、そして神秘の楽曲「惑星カロン」と人間消失の謎……。笑い、せつなさ、謎もますます増量の青春ミステリ、第5弾!
ノンフィクション作家・有賀雄二郎のもとに、林野庁の埼玉環境保全担当から突如連絡が入った。奥秩父の両神山の麓に“山犬”らしき大型動物の群れが徘徊しているという。息子の雄輝と共に現地に向かった有賀は調査を開始。カナダの大学で森林科学を学ぶ雄輝は、被害の様子をみてニホンオオカミではないかと仮説を立てる。次々に人を襲い始めた“山犬”に危機感を抱く2人は捕獲作戦に協力、正体に肉薄するが…。
北海道警に届いた謎の手紙。そこには「3つの巨大な雪堆積場のうち一つに死体を埋めた」とあった。奇妙な事件の発生に、駆け出し刑事の仲野久は相棒の根来先輩と、美貌の天才少年・春くんに再び協力を頼むけれど!?
関ヶ原で大勢が決したのち敵中突破を図った「島津の退き口」。窮地に陥った織田信長を救い、秀吉の出世の足がかりとなった戦国の“オールスター殿軍戦”「金ヶ崎の退き口」…。戦国で最も過酷な戦ー殿軍戦を堪能せよ。
スクールカウンセラーとして働く奥貫千早のもとに現れた高1の生徒がこう語りだす。「人を殺してみたい。できるなら、殺すべき人間を殺したい」。そして千早の住む町に、連続一家監禁事件を起こした入壱要が暮らしていることがわかる。殺人衝動を抱える少年犯罪加害者……そして、夫婦。はたして人間は、どこまで「他人」を受け入れられるのか。社会が抱える悪を問う、祈りに溢れた乱歩賞作家渾身の書き下ろし長編。 小中高一貫校でスクールカウンセラーとして働く奥貫千早のもとに現れた高校1年の生徒・野津秋成は、ごく普通の悩みを打ち明けるように、こう語りだす。 「ぼくは人を殺してみたい。できるなら、殺すべき人間を殺したい」 千早の住む町に、連続一家監禁事件を起こした入壱要が暮らしていることがわかる。入壱は、複数の女子高生を強姦のうえ執拗に暴行。それでも死に至らなかったことで、懲役15年の刑となり刑期を終えていた。 「悪はある。悪としか呼びようのないものが」 殺人衝動を抱える少年、犯罪加害者、職場の仲間、地域住民、家族……そして、夫婦。 はたして人間は、どこまで「他人」を受け入れられるのか。 社会が抱える悪を問う、祈りに溢れた渾身の書き下ろし長編。