小説むすび | 2018年10月24日発売

2018年10月24日発売

栞子さんの本棚2 ビブリア古書堂セレクトブック栞子さんの本棚2 ビブリア古書堂セレクトブック

大きな電気工場から大金を盗み出した紳士盗賊は、捕まった後も金のありかを白状しなかった。一方、私は同居人の松村から、ちょっと変わった二銭銅貨の出どころについて執拗に問いただされる……。(「二銭銅貨」江戸川乱歩)。乱歩、横溝正史、夢野久作らが書き継いだ合作、妖婦蘭子の魔性の生涯を描く「江川蘭子」ほか、シェイクスピア、太宰治など「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズで紹介された古今東西の名作を厳選収録。 孤島の鬼    江戸川乱歩 冬の神話    小林信彦 黄金仮面    江戸川乱歩 江川蘭子    江戸川乱歩他 押絵を旅する男    江戸川乱歩 二銭銅貨    江戸川乱歩 黒いハンカチ    小沼 丹 われに五月を    寺山修司 詩集 普通の鶏    木津豊太郎 駆込み訴え    太宰 治 断崖の錯覚    太宰 治 ヴェニスの商人    シェイクスピア ハムレット    シェイクスピア 栞子さんの解説 出典一覧 *長編作品は冒頭部分などの抜粋掲載となっています。

グアムの探偵グアムの探偵

出版社

KADOKAWA

発売日

2018年10月24日 発売

こんなに面白い小説を あなたはまだ知らない シチュエーション、キャラクター、謎解き。すべてが画期的な知的エンターテインメント誕生! 全5話の傑作ミステリ短編集! 各話の読みどころ(村上貴史氏の文庫解説より) 第一話「ソリッド・シチュエーション」 意外な犯人を読者に納得させるための伏線が丁寧に張られている点も嬉しい。別の趣旨だと思って読んだ文章のなかに、重要な事実が隠されていたりするのである。思わず読み返したくなる一篇だ。 第二話「未明のバリガダハイツ」 終盤第七章で示される一人の人物の“余韻”が、なんとも味わい深い。伏線に導かれた急展開のスリルとはまた異なる魅力、いうなれば、情の魅力も、この短篇には備わっているのである。 第三話「グアムに蝉はいない」 それぞれの依頼をイーストマウンテン・リサーチ社が順々に処理していくような展開なのだが、両者の繋がりがなかなかに衝撃的だ。読者が勝ったと思った瞬間に負けているーーそんな衝撃を味わうのである。 第四話「ヨハネ・パウロニ世は踊らず」 私立探偵による調査をストレートに描いた点を魅力とする一篇である。そんな調査行において着目したいのが、ある証拠品の扱いである。その証拠品にゲンゾーが着目した理由に読者は終盤で驚き、同時に納得させられるのである。こうした“何故?”で読者を惹きつける手腕に、著者のセンスを痛感する。 第五話「アガニアショッピングセンター」 愚直に調査を進める彼等の活躍と、その果てに示される意外な真相、そしてその真相の苦み、緻密に組み立てられた最終話に相応しい一篇である。

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