2018年10月24日発売
ファッション誌の編集者を夢見る校閲部の河野悦子。アフロヘアーのイケメンモデル&作家の幸人とのお泊まりデートで出かけた軽井沢で、ある作家の家に招かれて…。そして社会人3年目、ついに憧れの雑誌編集部に異動に!?お互いの状況が変わるなか、幸人との恋の行方はー。やりたい仕事と向いてる仕事の違いに悩む悦子の決断は?巻末に、著者と俳優・石原さとみの対談と、ドラマのプロデューサーによる解説を収録。
小江戸川越の喫茶店『くろき』のスタッフは美青年揃い。だが実は、彼らの正体は猫なのだ!毒舌店長ポウに胡桃(人間)は日々タジタジ。喫茶店副店長を務めつつ、縁が出来た家具店広報室で編集兼記者として働き始めた胡桃。だが上司には嫌われ、取材活動も上手く行かず落ち込んでいる。そんな中、喫茶店の猫店員たちに、胡桃が結婚するという話が舞い込んだ!猫たちは慌てたものの、胡桃の幸せを願い身を引こうとするが…。
南町奉行所の書庫管理を担う物書き同心大貫貴十郎は、とぼけた馬面で風采も上がらず、“寝ぼけ提灯”とあだ名される始末。そんな貴十郎の趣味は書棚に埋もれた未解決事件の調書きを読み、密かに探索することだ。ある押し込み事件に的を定めた貴十郎は、娘と静かに暮らす薬屋伊佐治に近づき、徐蕨に素性を暴いていく。やがて明らかになる伊佐治の過去、そして貴十郎の“裏”の目的とは。謎と情と闇裁き。時代小説の醍醐味満載の痛快作!
夏休み。草食系大学生の森司は、 オカルト研究会の皆と、 セレブなマンションのラウンジで花火大会を見ることに。 片想いのこよみちゃんの隣に座り、 リア充すぎる状況だけど、真の目的は百物語。 誰もいない筈の場所にカメラの顔認識表示が出るA子、 「親父の臭い」に縛られる一家……。 背筋も凍る話が続く中、参加者に異変が……!! ほか、呪いの能面など、怖すぎる話が満載! 森司とこよみの恋模様も堪能できる、 青春オカルトミステリ14弾!
大きな電気工場から大金を盗み出した紳士盗賊は、捕まった後も金のありかを白状しなかった。一方、私は同居人の松村から、ちょっと変わった二銭銅貨の出どころについて執拗に問いただされる……。(「二銭銅貨」江戸川乱歩)。乱歩、横溝正史、夢野久作らが書き継いだ合作、妖婦蘭子の魔性の生涯を描く「江川蘭子」ほか、シェイクスピア、太宰治など「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズで紹介された古今東西の名作を厳選収録。 孤島の鬼 江戸川乱歩 冬の神話 小林信彦 黄金仮面 江戸川乱歩 江川蘭子 江戸川乱歩他 押絵を旅する男 江戸川乱歩 二銭銅貨 江戸川乱歩 黒いハンカチ 小沼 丹 われに五月を 寺山修司 詩集 普通の鶏 木津豊太郎 駆込み訴え 太宰 治 断崖の錯覚 太宰 治 ヴェニスの商人 シェイクスピア ハムレット シェイクスピア 栞子さんの解説 出典一覧 *長編作品は冒頭部分などの抜粋掲載となっています。
25年前の赤衛隊による東洋新聞襲撃テロを再捜査する特命捜査対策室7係の北郷。関係者が次々に不審な死を遂げていた。聞き込みの中で、電力会社元会長から、東洋新聞が「原発複合体」に逆らったため襲撃されたとの証言が。彼らは自らの権益を守るため、非合法な組織をも持つ団体だというのだ。だが、証拠となるデータが何者かに盗まれてしまいー。巨悪の裏に隠れた黒幕の存在とは!?実力派作家が放つ、壮大な本格警察小説。
今年八つになる良平は、鉄道の敷設工事で行き来するトロッコが面白くて仕方がない。ある日、見知らぬ若い男達とともにトロッコを押す機会を得た良平だったが……「トロッコ」。倅を亡くしたお住は、毎日畑へ出て男まさりに稼ぐ嫁、お民に敬意を感じている。しかし、いつしか「稼ぎ病」に取り憑かれたお民の存在がお住を苦しめるようになり……「一塊の土」。表題作の二篇をはじめ、芥川の転機となる中期の21篇を収録。 トロッコ 報恩記 仙人 庭 一夕話 六の宮の姫君 魚河岸 お富の貞操 おぎん 百合 三つの宝 雛 猿蟹合戦 二人小|町 おしの 保吉の手帳から 白 子供の病気 お時儀 あばばばば 一塊の土 注釈 作品解説 三好行雄 年譜
留学帰りの健三は仕事に忙殺され、妻子を思いやる余裕もなく日々を過ごしていた。 ある日、彼のもとへ絶縁したはずの養父・島田が金の無心にやって来る。かつての恩義や見栄のため、頼みを断れない彼に嫌気がさす身重の妻。 しかし意固地な二人は話し合うこともせず、すれ違う。 腹違いの姉からも経済的支援をせがまれ、健三の苦悩は深まる。そんな中、妻は出産を迎えるが……。 分かり合いたい、分かってもらいたい、けれども分かり合えない二人。 互いへの理解を諦めきれない夫婦の姿を克明に描く、漱石後期の名作。
こんなに面白い小説を あなたはまだ知らない シチュエーション、キャラクター、謎解き。すべてが画期的な知的エンターテインメント誕生! 全5話の傑作ミステリ短編集! 各話の読みどころ(村上貴史氏の文庫解説より) 第一話「ソリッド・シチュエーション」 意外な犯人を読者に納得させるための伏線が丁寧に張られている点も嬉しい。別の趣旨だと思って読んだ文章のなかに、重要な事実が隠されていたりするのである。思わず読み返したくなる一篇だ。 第二話「未明のバリガダハイツ」 終盤第七章で示される一人の人物の“余韻”が、なんとも味わい深い。伏線に導かれた急展開のスリルとはまた異なる魅力、いうなれば、情の魅力も、この短篇には備わっているのである。 第三話「グアムに蝉はいない」 それぞれの依頼をイーストマウンテン・リサーチ社が順々に処理していくような展開なのだが、両者の繋がりがなかなかに衝撃的だ。読者が勝ったと思った瞬間に負けているーーそんな衝撃を味わうのである。 第四話「ヨハネ・パウロニ世は踊らず」 私立探偵による調査をストレートに描いた点を魅力とする一篇である。そんな調査行において着目したいのが、ある証拠品の扱いである。その証拠品にゲンゾーが着目した理由に読者は終盤で驚き、同時に納得させられるのである。こうした“何故?”で読者を惹きつける手腕に、著者のセンスを痛感する。 第五話「アガニアショッピングセンター」 愚直に調査を進める彼等の活躍と、その果てに示される意外な真相、そしてその真相の苦み、緻密に組み立てられた最終話に相応しい一篇である。
映画祭で敗退し、敵組織・胎教委員会に繋がる道を断たれた、美少年探偵団。『美観のマユミ』こと瞳島眉美は、沃野禁止郎を追い、私立アーチェリー女学院に単身乗り込むことを決意する。古式ゆかしい大和撫子を育てる名門校では、信じがたい事件が起きていた! しかし、マユミの『良すぎる視力』には限界が近づきーー? ひとりのときも心は常に共にある、美少年シリーズ第九作! 観せてあげる。美しいって、どういうことか。美観のマユミ、美少年探偵団を離れて、名門女子校に潜入調査!
70代の息子と90代の父親。老いた息子は思想検事だった父の記した奇妙な報告書を見つけた。息子は父の過去にあえて向き合い、己の来し方の輪郭を確かめようとしはじめる…老いと記憶をめぐる小説の冒険。
生殖に関する新しい医療技術。キョートで行われる国際会議の席上、ウォーカロン・メーカの連合組織WHITEは、人口増加に資する研究成果を発表しようとしていた。実用化されれば、多くの利権がWHITEにもたらされる。実行委員であるハギリは、発表を阻止するため、武力介入が行われるという情報を得るのだが。すべての生命への慈愛に満ちた予言。知性が導く受容の物語。
これは、メルヘン?ファンタジー?寓話?うさぎ・ゴリラ・ブタ・きつね・白熊・かば・蛙、そして人間も。ヘンないきものたちが七転八倒する六つの“ものがたり”。広瀬弦の斬新な挿絵もたっぷり。