2018年10月発売
ジョー・ブロディーは異色の用心棒ーハーバード中退、元陸軍特殊部隊、愛読書はドストエフスキー。心優しいジョーだが、凄腕のその評判に偽りはない。ある晩、彼が勤務するストリップ・クラブをFBIが急襲する。理由も告げられずに逮捕されたジョーは、NYの名だたるならず者で溢れかえる留置場へ。一斉手入れがあったのだ。捜査機関はいったい誰を捜していたのか?ジョーはそこで再会した中国系マフィアから、あるヤマに誘われるが…。ミステリ・ランキング三冠『二流小説家』著者の新境地。
猛威をふるった寄生占領地のショックも冷めやらぬテラを、ふたたび銀色の光現象が襲った。謎の異人チュトンによれば、これはグレイの回廊にあらたな穿孔が生じる前兆だという。すなわち、ヴィシュナの第三の災いが予告されたのだ。助けをもとめて“それ”のもとへ行ったエルンスト・エラートはまだもどらず、レジナルド・ブルとジュリアン・ティフラーは不安をつのらせるが、テラでは一見平穏な日々がつづいていた…!?
アザーズ侵攻からパヴ人の星系を守るための戦いは敗北に終わった。しかもその戦闘で、敵に地球の位置を知られてしまう。つぎに狙われるのは地球だ!ボブたちは必死で対抗策を考えるが、対処しなければならない問題はほかにも数多くあった。ポセイドンの独裁者政権、ブラジルの複製人メデイロスの攻撃…そんななか、ついに強大なアザーズの艦隊が襲来する。地球防衛のために集結した500体のボブは…3部作、堂々完結!
許可なく野蛮人にケタンを教えたというテンピに対する汚名をそそぐため、480キロを走破したクォートたちは、ついにヘルトへと到着した。「剣の木の道」の学校長であり、テンピの師匠でもあるシェヒンは、クォートにケタンを学ぶ資格があるかどうかは学校の入学試験に合格するかどうかで判断するという。不合格ならテンピは追放されてしまう。かくて、女傭兵ヴァシェットの指導のもと、クォートの凄絶なる修行が始まる!
東西冷戦、中東問題、ベルリンの壁崩壊、テロとの戦いー流動する国際情勢を背景に、ル・カレはスパイ小説の名作を次々と発表してきた。本書は巨匠と謳われる彼の回想録である。イギリスの二大諜報機関MI5とMI6に在籍していた事実、詐欺師だった父親の驚愕の生涯、紛争地域での取材、サッチャー首相、作家グレアム・グリーンたちとの交流など、波瀾に満ちた人生と創作の秘密をみずから語る話題作。
僕は今、正常だろうか?僕が求めているものは、何だろう?アパートの一室で発見されたある“緊縛師”の死体。重要な参考人として名前があがる桐田麻衣子は、刑事・富樫が惹かれていた女性だった。疑惑を逸らすため、麻衣子の指紋を偽装する富樫。全てを見破ろうとする同僚の葉山。だが事態は、思わぬ方向へと突き落とされていく。犯人は誰か。事件の背後にあるものとは、一体何なのか。やがて、ある“存在告白”が綴られた驚愕の手記が見つかりー。
堅物すぎる男・佐野道太郎は、定年退職した夜に娘から手紙を渡され主夫デビューを余儀なくされた。ひょんなことから地域のラジオ体操会に参加した道太郎は、世代も立場も違う人々に導かれ、新たな世界を知る。娘の本当の思いも…。彼は定年後の人生を謳歌できるのか?
明暦の大火の折に材木占買で財を成した商人・七兵衛(河村瑞賢)は、海運航路整備・治水・潅漑・鉱山採掘などの幕府事業を手がけ、その知恵と胆力で難題を解決していく。新井白石をして「天下に並ぶものがいない富商」と唸らせた男の波瀾万丈の生涯を描く長編時代小説。
大富豪による証拠なき連続殺人、さらには特命係を敵視する権力者たちの陰謀が杉下右京と冠城亘をジリジリと追い詰める!特命係を消滅へ追い込もうとする包囲網をくぐり抜け、殺人事件の真相を解明する「検察捜査」、大手商社専務の夫と車椅子の令嬢夫人ー銀婚式を控えた夫婦の壊れかけた幸せの先で、切ない思いが交錯する「銀婚式」など6篇を収録。(連続ドラマ第16シーズンの第1話〜第7話を収録)
天文方の高橋至時に師事し、測量の旅に出た伊能忠敬。彼は、ある武士の亡骸をめぐる不穏な騒動に巻き込まれ、やくざの岩吉や香具師の十蔵などの荒くれ者たちと過ごした激動の幼少期に思いを馳せた。それは、天文にほのかな興味を抱くきっかけにもなる出逢いだった…。
大学の研究室で民俗学を学ぶ橘樹雅は、出雲での調査を終えようとしていた。ところが「出雲の本質は奥出雲にある」という担当教官のひと言で、日程を延長して奥出雲へ向かうことに。素戔嗚尊とは何者なのか?「櫛御気野命」「櫛名田比売」など神の名前に頻出する「櫛」の意味とは?同日、亀嵩近くで起きていた殺人事件。その本質を雅が見極めるとき、「櫛」の謎も明らかに。敗者の歴史が蘇る!
突然、バカンスではない旅への同行を命じられた親切守。今日子さんはこの旅の目的は「営業」だと告げた。忘却探偵の営業とはいったいー混乱の守と、泰然自若の今日子さんが乗る寝台列車で殺人事件が起きる。無事に終わる気がしない二人の旅はどんな結末を迎えるのか!?
年の瀬迫るショッピングセンターに置かれた、四本の指。一体誰が、なんのために遺棄したのか。賑わう場所の犯行にもかかわらず手掛かりはごく僅か。若手刑事・如月塔子と捜査一課きっての推理力をもつ鷹野は、被害者救出に奔走するが、必死の捜査も空しく、被害者の遺体と、犯人の異様なメッセージが発見されてしまう。さらに犯人は、遺体の画像をネットに投稿、世間に動揺が広がる。十一係は、分析不可能な殺人者を捕らえることができるのか!?
聖徳太子が編纂した、わが国初の国史。『古事記』『日本書紀』の元となり、大化の改新の端緒となった乙巳の変で焼失した“初の国史”。太陽の女神アマテラスとは?蘇我馬子の命で聖徳太子が編んだ国史をめぐる時代小説。
少年たちの心を切り裂き、また、成長へと導くものとは。世界の広さを痛感させる青春小説。オーストラリアに移住してはや5年。安藤真人は、現地の名門校、ワトソン・カレッジの10年生になっていた。Matt(マット・A)として学校に馴染み、演劇に打ち込み、言語の壁も異文化での混乱も、乗り越えられるように思えた。しかし、同じMattを名乗る転校生、マシュー・ウッドフォード(マット・W)がやってきたことで、真人ーマット・A-は、自らの“アイデンティテイ”と向き合うことになる。
オランダ、アムステルダムのケアハウスで暮らすヘンドリック83歳。変わらない生活に辟易した彼は、もっと人生を楽しもうと、仲間と共に“オマニド(年寄りだがまだ死んでない)クラブ”を結成する。カジノに行ったり、電動カートを乗り回したり、恋をしたり。しかしそこには手強い施設長や厳しい使用規則、血糖値など、様々な壁が立ちはだかり…。高福祉国家をシルバージョークで皮肉る、オランダ32万部のベストセラー!
いくつもの小さな皮膚片が剥がされた女性の遺体。女刑事D・D・ウォレンは現場検証中に階段から転落し、大怪我を負う。ペインコントロールのために訪れた医院で出会った精神科医アデラインは先天性無痛症を抱え、それ故に痛みを専門にしたという。やがて第二の事件が発生、ふたつの事件の類似性を辿ると四十年前の連続殺人事件が浮かび上がる。犯人はアデラインの実父であり、彼女の姉もまた悪名高き殺人鬼だった。米国ベストセラー作家の傑作『棺の女』の前日譚。残酷な運命の下に生まれた女医と手負いの女刑事の執念を描く、ドラマティックスリラー!
日本びいきの恋人ジェニファーから、結婚を承諾する条件として日本への一人旅を命じられたアメリカ人青年ラリー。ニューヨーク育ちの彼は、退役海軍少将の祖父に厳しく育てられた。太平洋戦争を闘った祖父の口癖は「日本人は油断のならない奴ら」。日本に着いたとたん、成田空港で温水洗浄便座の洗礼を受ける。京都では神秘の宿に感銘し、日本女性のふたつの顔を知る…。異国の地で独特の行動様式に戸惑いながら列島を旅するラリー。やがて思いもよらぬ自分の秘密を知ることに…。圧倒的読み応えと感動。浅田文学の新たな到達地点!
中学生の小寺音々は、神社のフリーマーケットでお目当ての本と間違えて、一冊の古い仕掛け絵本を買ってしまう。ところがこの本、古書店に売り払っても学校の本棚に置いて帰っても、必ず音々のもとに戻ってくる怪奇ストーカー本で、ついには勝手にページがめくれ、中から錬金術師の末えいを名乗る黒ワンピース姿の少女カイが現れた。現実世界と絵本の世界のはざまで、マイペースな魔女っ子カイに振り回される音々と従弟のタカユキ。果たして摩訶不思議な事件に巻き込まれた多感な中学生は、ひと夏の大冒険で「今よりもうちょっと幸せ」になれるのか?