2018年11月21日発売
二年間、眠り続ける幼馴染の結日が残した言葉。「憶えていて、必ず合図を送るから」病室に通う僕に限界が来たのは、夏の初めの暑い日だった。もう君を諦めようー。しかしその日、あらゆる感覚を五感に再現する端末・サードアイの新機能発表会で起こった大事件と同時に、僕に巨大な謎のデータが届く。これは君からのメッセージなのか?世界が一変する夏に恋物語が始まる!
5年前に起きた「猫殺し事件」をきっかけに、異世界へ散り散りに飛ばされてしまった魚住二葉たち同級生7人。元の世界に戻れない永遠のような時間を越えて、奇跡的に再会を果たせたのは未だ4人だけ。その上、残りの行方不明者のうちに裏切り者がいることが発覚する。仲間の一人、糸川音色が攫われ事態が一気に緊迫する中、結集したメンバーたちは彼女を救うために動き出す!
最上級職“竜騎士”から初級職“運び屋”に転職したアクセル。一行は『神林都市』に辿り着く。しかし、街にそびえ立つ神樹に異常事態が発生。混迷を極めるなか、アクセルは超絶難度の依頼を次々とこなし、人々に希望を届け始める!元竜騎士の最強運び屋が更に飛躍してお届けする、トランスポーターファンタジー第三弾!
火付盗賊改役の伊香雷蔵は、常に捕物の先頭に立ち、町人に人気がある。その勇猛さで「江戸の雷神」と呼ばれる一方、斬り捨て御免の火盗改ながら、できるだけ賊を生け捕るのが信条という快男児だ。府内を騒がす辻斬り、押し込みに加え、その鮮やかな手並みで「匠小僧」と呼ばれる盗賊を追う雷蔵だったがー。痛快書き下ろし時代小説シリーズ、開幕!文庫書き下ろし。
警視庁捜査一課の警部・佐々木は、一人娘さくらが病気で余命半年と宣告されたため、警視庁を退職し二人で旅行に出た。しかし、鳴門の「渦の道」でさくらは何者かに誘拐されてしまう。解放の条件として、射撃大会で優勝したこともあるその腕で、二日以内に現警視総監を射殺せよと命じられる…。警視庁内に存在する深い闇に十津川が切り込む。
時は一九世紀。一匹の子犬が愛玩犬として日本からアメリカへ送られた。その道中で出会ったのは、性格も肌の色も違う様々な人間たち。優しい人間、その人間を迫害する人間、他の動物を絶滅させようとする人間…。抗うことのできない歴史の流れの中で、弱者たちの命を懸けた反抗が、やがてこの世界に小さな希望を灯す。文庫書き下ろし。
青春の幻影ともいうべき心の「女神」に似た女性に遭遇した銀行員・明石は、彼女の面影を忘れがたく、ついには拉致監禁という暴挙におよんでしまう…。しかし事態は明石のまったく予期せぬ方向へと進み、殺人事件へと二人を巻き込んでいく。よじれた愛と憎しみの闇に、棟居刑事の推理が冴えわたる!
この世は、すべて幻なのです。現実なんてものはない。ただ、映っている影だけが見える。そうではありませんか?-主人と家政婦との三人で薔薇のバーゴラのある家に暮らす「彼女」。彼女の庭を訪れては去っていく男たち。知覚と幻想のあわいに現れる物語を繊細かつリリカルに描く衝撃作。
「KUMAさんの言葉の内側には 命へのぶ厚い歓喜がへばりついている」 --井浦新さん(俳優)推薦! 甲斐駒ヶ岳の山岳地帯に作業場をかまえ、鉄のゲージツ家として活動を続けてきたオレ。後期高齢者となった今は、畑に野菜を作って猿や鹿との攻防を繰り広げ、奈良東大寺から蓮の根をわけてもらい、美しい花を咲かせるのに熱中する日々だ。 そんな作業場へ、サングラスを掛けたスキンヘッドの男たちがやってきた。 「ああ、そうか。マロの一味だな」 「はい、弟子の舞踏者です」 目をやると、テンガロンハットに黒い革のコートをまとった「中央線の魔王」が、桜の木に寄りかかっていた。オレの作品のガラスの柱を舞台に使わせてほしいと言うのだ。 「クマ、一緒に踊るか」 「オレが? マロと?」 子どもの頃から歌も踊りも苦手なオレだが、マロに「ダイジョーブ、俺が演出するんだ。素直な躰ひとつ、お持ちいただけるだけでよろしいので」とまで言われて怯むのは「私に生きる才能は残っておりません」と白旗を掲げるようなものだ。・・・ こうして白塗りのメイクで、マロが率いる舞踏集団の初舞台を踏む「戯れの魔王」。 オッカサンの死を看取り、蓮の花が開いて散るまでを見守る「蓮葬り」。 毎朝、遥拝してきた甲斐駒ヶ岳の奉仕登山にいどむ「アマテラスの踵」。 山岳の作業場に迷い込んだ瀕死の仔猫を助ける「ささらほーさら」。 泉鏡花文学賞受賞『骨風』のKUMAさん、生きる実感に満ちあふれた最新小説集。
魔王討伐のため王都を旅立ってから早五年。旅の仲間たちから理不尽な扱いを受けてきた聖女フェリシアは、勇者に倒されたはずの魔王がこっそり逃げ去るのを目撃しながらも、そっと口をつぐんで王都に帰ることに。しかし、凱旋した彼女を待っていたのはさらなる困難だった。旅の間に適齢期を過ぎていたフェリアは婚約者の王子に捨てられ、王からは都を去るよう恫喝され、財産を取り上げられて大神殿からも放り出されてしまう。怒りに震えるフェリシアは決意するー絶対に清らかなまま長生きをして、この国に次代の聖女を生み出させまいと…!!
コンビを組む二人は違法カジノで働いていたが失敗ばかり。今度は偽宝石売りでも騙した女に騙され無一文に。切羽詰まったハセは商店街にたむろする老人たちを見て閃いた。これからは、年寄りだ。32歳と30歳。崖っぷち男二人。騙すのは、年寄りだ。さびしさは、利用できる。歪んだ愛を抱え、じたばたする悪党コンビ。注目作家が紡ぐ、泣けるバディ小説!!
大学を中退し、人生に迷っていた坂本壮馬は、兄が神職をつとめる横浜・元町の、由緒正しく恋愛パワースポットとしても有名な神社、源神社で働くことになった。信心ゼロの壮馬の指導役は、「この世にこんなきれいな子がいるのか」と見惚れてしまう美少女・久遠雫。彼女は、参拝者の前以外では笑わない。どこか、謎を秘めていた。心霊騒動、端午の節句、就職祈願、夏の祭礼etc.…。神社を巡るさまざまなことを引き金に巻き起こる謎に壮馬が体当たりし、雫が解き明かす。そんな雫も、大学の准教授・鳥羽にはふだん見せない顔を見せ、壮馬は気が気でなくなりー。初詣に七五三、お宮参りや酉の市、日本人の暮らしに深く根ざし、パワースポットとしても注目される神社のお仕事をテーマに、明るく、意外性に満ちた、趣向溢れる本格ミステリ!
パワハラ上司から理不尽に責められ、現実逃避をするかのようにMMORPGにログインした主人公。ゲームの世界を楽しむはずが、気がつけば1,000人の見知らぬ人々と共に異世界に拉致されちゃった!?地球に未練のない主人公は、与えられた特典で“グローセ・ヘンドラー”という新たな自分を手に入れ、チートスキル“通信販売”を使い商人を目指すことに。異世界ナビゲーターの美女インス、オーガ族の美少女リーシアなど仲間も加わって、商売をしたり、魔物と戦ったりしながら、異世界生活をマイペースに楽しむけど…!?
ロンドン塔からレイヴンが消え、橋という橋は落ち、ロンドンは瓦礫の街と化した。文字による記録は失われ、新たな支配者“オーダー”は鐘の音で人々を支配している。両親を亡くした少年サイモンは、母が遺したひとつの名前とひとつのメロディを胸に、住み慣れた農場を離れ、混沌のロンドンに向かった。そこで彼は、河の底から呼びかける不思議な銀色の音を聞き、奇妙な白い眼を持つ少年リューシャンに出会う…。世界幻想文学大賞受賞、ブッカー賞候補にも挙がった幻想文学の名作登場!
星のふる晩、青年刑事ショーンは川に身を投げようとしている娘を救った。事情を尋ねると、彼女は悲嘆にくれた理由を語る。正確きわまりない予言をしてきた謎の人物に、信じがたい状況で父親が死ぬと宣告されたというのだ。実業家の父親を狙った犯罪を疑うショーンの要請で、警察は予言者の捜査を始める。予言に翻弄される人々を映し出す巧みな心理描写と、途切れることのない圧倒的な緊迫感。サスペンスの巨匠の真骨頂を示す不朽の名作!
実験的にはじめた稀覯本のオンラインショップや、新設したコーヒー・バーなどが順調で、それなりに繁盛しているニューヨークの書店。オーナーのダーラは、書き入れどきの感謝祭を目の前にして張り切っていた。一方で、書店のマスコットの黒猫ハムレットは、相変わらず気ままに昼寝をしたり、シャーシャーと威嚇したり。そんな充実した日々を送っていたが、近所でとんでもない事件が発生して……。大人気の黒猫名探偵シリーズ完結編!