2018年12月発売
「水曜日郵便局」とは…水曜日の出来事を記した手紙を送ると、かわりに見知らぬ誰かの日常が綴られた手紙が届くという、一週間に一度・水曜日だけ開くちょっと不思議なプロジェクト。家族が寝静まった夜更け、日課として心の毒をこっそり手帳に吐き出していた井村直美は、そんな自分を変えたいと、夢を叶えた理想の自分になりきって空想の水曜日をしたため、「水曜日郵便局」に手紙を出す。一方、絵本作家になる夢を諦めた今井洋輝も婚約者のすすめで水曜日の手紙を書いていた。会うことのない二人の手紙は、やがてそれぞれの運命を変えていきー。
特に取り柄のない普通の大学生・三好明彦。彼はある日、可愛いお姫様に呼ばれるがままに剣と魔法のファンタジー世界・アースフィアに召喚される。お姫様は言う。「聖剣を引き抜き、魔王を討伐してください」。能天気な明彦は聖剣があればなんとかなるだろうと安請け合いし、剣を引き抜くが…「まずい!この聖剣では戦えない!」。従来のチート系英雄小説の歴史を塗り替える驚天動地の異世界冒険活劇が今、始まるー!
ソーシャルゲーム風異世界に転移させられたとある高校の生徒たち。新井忠次は、自身のレアリティが中途半端な「R」であることを嘆いていた。しかも仲間に見切りをつけパーティーを抜けたことで周りに嫌われ、一人でのステージ攻略を余儀なくされる。そんな中、忠次は絶世の美少女・神園華と出会い、彼女の窮地を救う。華は忠次のことを「かみさま」と呼ぶが、それには彼女がこの世界で過ごしてきた絶望的な日々が関係していた。 ある日、ソーシャルゲーム風の異世界に転移させられたとある高校の生徒たち。 主人公・新井忠次は、自身のレアリティがさほど高くもない「R」であることを嘆いていた。しかも仲間がより低レアであったことで見切りをつけ、パーティーを抜け単独行動を開始。その身勝手さから周りに嫌われ、さまざまなステージでたった一人でのステージクリアをすることを余儀なくされる。 そんな中、忠次は総毛だつほどの美少女・神園華と出会い、死と絶望の淵にあった彼女を救う。 華は忠次のことを「かみさま」と呼び盲信するが、それには彼女に刻まれた惨たらしい経緯が関係していた。普通にソーシャルゲームの知識を持っていれば簡単に回避可能できる事態を乗り越えられなかったのだ。 華を救い出し行動を共にすることで、ステージの攻略はより進むようになる。 忠次は、もともと思いを寄せていた学園のマドンナ的女子生徒・御衣木栞が、忠次の最も憎む男子生徒とパーティを組んでいることに私怨をいだきながらも、日々ダンジョン攻略に精を出す。 だってーーそんなことを神園華に知られた日には、嫉妬からいったいどんなことになるか想像もつかないのだからーー。
記憶を失った状態で異世界に召喚された「俺」。その場に居合わせた冒険者たちに保護されたものの、とにかくこの世界で生きなくてはならない。魔術士のアレリアから「ワン」という異名をもらい、冒険者として必要なスキルを磨くために学びはじめる。一向に上がらないレベル、どうやっても得られないスキル……。険しくてひたさうら長い、ワンの冒険者としての道のりや如何に!? 何の前触れもなく、しかも記憶を失った状態で異世界に召喚された「俺」。その場に居合わせた冒険者たちに保護されたものの、この召喚は誰かの手によって意図的に起こされたわけではなく、単なる事故ではないかという。とにかくこの世界で生きなくてはならないため、魔術士のアレリアから「ワン」という異名をもらい、冒険者として必要なスキルを磨くために学びはじめる。一向に上がらないレベル、どうやっても得られないスキル……。しかし、彼にはほかの誰も得ることができない絶対的で圧倒的なスキルを秘めているのだった。アレリアを師匠とし、同じく魔術士のユーリアを仲間に加えたワンは険しくてひたすら長い冒険者としての道のりを歩みだす。
大丈夫だ、まだ、大丈夫なはずだーー。中卒、日雇いバイト暮しの北町貫多は、23歳を迎えて自身の人生の敗北を決定的に覚えるようになっていた。その彼の唯一の慰めは田中英光の私小説の復読であり、やがて冴えない日々の中で藤澤清造の著作にも出会う。そして貫多は、自らも私小説を書いてみるのだがーー。生命力あふれる生活不能者の儚い希望とあえなき挫折を描く、最新の孤狼私小説集。表題作と「陋劣夜曲」、他二篇を再録。 【上製函入りの豪華レトロ仕様/8ページの特別折込み付録に、幻の掌篇「一隅の夜」を収録!】 負の日々を無為に送る貫多は、なぜ「私小説」を書き始めたのか? 惨めで不様だが不屈でもある、その出発点を刻む傑作 大丈夫だ、まだ、大丈夫なはずだーー 中卒、日雇いバイト暮しの北町貫多は、二十三歳を迎えて自身の人生の敗北を決定的に覚えるようになっていた。 その彼の唯一の慰めは田中英光の私小説の復読であり、やがて冴えない日々の中で藤澤清造の著作にも出会う。 そして貫多は、自らも私小説を書いてみるのだがーー。 生命力あふれる生活不能者の儚い希望とあえなき挫折を描く、最新の孤狼私小説集。表題作と「陋劣夜曲」に加え、現在品切れとなっている「廃疾かかえて」「瘡瘢旅行」の二篇を再録。
七十三歳の川野三太楼という男が東京都内の小さな教会で倒れているところを発見された。病院に運ばれたが、薬物による中毒ですでに死亡していた。川野は一年前に長崎県の平戸を出たきり消息を絶っていたという。なぜ東京の教会で発見されたのか?足取りを追うと、川野は渡口晋太郎という人物を探して各地の教会を訪ねていたことが判明した。十津川は、二人の出身地、平戸に飛び捜査を進める。そんなさなか、平戸の世界遺産登録が話題となり地元は沸くが…。長篇旅情ミステリー。
地元情報誌の記者・国吉冬美は、心酔するルポライターの杉作舜一が京都にきていることを知り心躍らせる。杉作は老老介護をテーマにしており、寝たきりで認知症を患う妻を介護する夫の取材に赴く。しかし妻は絞殺され、夫は首を吊って死んでいた。夫婦の死には何らかのメッセージが込められている、と杉作は調査を開始。そんな杉作のルポを手伝うことになった冬美は、哀しき事件にまつわる京都の闇と対峙するー。
青森県夏泊半島にある椿神社を訪れた男がその夜、民宿で毒死した。大学の雅楽部の合宿で夏泊に来た江藤美香は、その男が以前三重県の実家を訪ねてきた人物らしいと知る。美香の実家もまた“椿神社”と呼ばれる神社だった。男は何かを求めて全国の椿神社を歩いていたのだ。そして第二の事件が!雅楽部員の秀山が撲殺され、民宿の従業員・吉野が姿を消した…。椿神社には一体何が?
犯行声明のない爆破事件が発生。犯人の意図が見えずに捜査が難航する中、神保は新設の“テロ対策分室”に異動を命じられる。高校生のときに事故で両親と弟を失い、「なぜ自分の方が生き残ったのか」と罪悪感を抱えたまま爆弾を処理する神保に、上司の春日は危うさを感じていた。しかも今回の爆弾は、日本ではこれまでに例がないほど複雑なものだった。そして、新たな爆弾が見つかるー。
神鷹静香は、非道なテロ組織の爆弾テロにより、夫と愛娘を一瞬にして喪った。 そのショックから彼女を立ち直らせたのは、復讐への執念だった。 戦士となることを決意し、壮絶な訓練を積む静香。 だが、彼女が真の戦士となるには、「思い出」というかけがえのない対価を払わなければならないのだった。 第12回日本SF大賞に輝く不朽の名作。 田中芳樹氏の解説を再録。
夫と子供を殺したテロ組織へ復讐を誓う神鷹静香は、仲間や協力者を得て、敵の本拠地へと向かおうとしていた。 しかし、記憶を失いつつある彼女に関わるところで、とんでもない異変が……。 大林宣彦監督による映画化が決まった『つばき、時跳び』の著者・梶尾真治氏による壮大なスペース・オペラの傑作!
また一人、アメリカから男が送り込まれた。各国諜報関係者たちが見守る中、男は米国大使館の車に乗り込む。そして尾行する覆面パトカーに手榴弾を放った…。時は日米経済戦争真っただ中。東京の機能を麻痺させようとCIAの秘密組織は次々と元グリーンベレーら暗殺のプロを差し向けていた。対抗すべく、内閣情報調査室の陣内平吉が目をつけたのは三人の古武術家。殺るか殺られるかだー!
GHQ占領下の日本。大陸に従軍していた歌舞伎役者・辰三郎は、復員後、梨園での再出発を期す。一方、上司の宮本大尉は諜報組織への参加を条件に巣鴨プリズンを出獄する。GHQは戦後息を吹き返した共産主義勢力を駆逐するため特務機関を組織し、宮本はそのリーダーに選ばれたのだ。GHQの文化政策を担う民間情報局CIEは封建的価値観に基づく歌舞伎演目の上演に難色を示し、歌舞伎界は存立の危機に立っていた。辰三郎はCIE懐柔に奔走するが…
広島の名門・広陵高校に野球特待生として入学し野球漬けの日々。が、怪我で野球をあきらめざるを得ない事態に! 挫折の日々、そして東京への駆け落ち……。大阪で初めて見た漫才、こんなに面白い世界があるのかと開眼、自らも漫才コンビを結成して超売れっ子に! 漫才ブームが去ると仕事もなくなり、ビートたけしの運転手兼飯炊きとして暮らすなかで執筆したばあちゃんの話が大ベストセラー! 山あり谷あり、捧腹絶倒の一代記、完結!
孤児の乱之介は人買から小人目付斎権兵衛に拾われ、生きるための知恵を身につける。芸人一座に身をやつした乱之介は、米価を操る悪徳仲買らを拉致、身代金を要求し江戸庶民の喝采を浴びた。若き目付、甘粕孝康は、面子を潰された上席の鳥居耀蔵から捕縛を命じられる。己の義を信じ剣を恃みに生きる者同士、対決の時は迫る。長篇時代剣戟。(『疾風の義賊双星の剣』を一部改題した新装版)
六本木のクラブホステス・広瀬ゆかりが刺殺体で発見された。現場近くの駐車場には警視庁十津川班・片山明の死体が!?捜査の結果、片山主導の無理心中とみられたが、部下の無実を信じる十津川は、片山の故郷・福井県小浜に飛んだ。そこで衝撃の事実が明らかになる。片山は高校時代の友人を救おうとしていたという。友人には一年前に起きた市議殺しの容疑がかけられていたのだ…。
多霧たち歩き筋踏鞴衆の橘一党は、踏鞴場を求めて出雲にいた。その山中で唐金(青銅)の鎧に身を包んだ猪の集団が、山廻りの侍たちを全滅させるのを目撃。猪を操っているのは何者なのか?戦いに巻き込まれた多霧たちは、夷月の強力な霊力を以てしても調伏できない恐るべき呪いと対峙することになる。やがて出雲神話に隠された真実が明らかになる時、恐怖の王が解放される…。
「死刑囚!いつもひとりでこの想念に耐え、それが消えないせいでいつも凍え、その重みにいつも打ちひしがれている!」刻々と迫るギロチン刑の時。独房での日々から断頭台に上がる直前まで、主人公は自らの胸の内を赤裸々に告白する。死刑制度廃止を訴えたユゴー27歳の小説。
交番勤務中の岩城は、新設された特命捜査対策室九係への配置転換を命じられた。九係は、「現行の捜査に対して、疑問=Qを持った事件」について、別の切り口で捜査する。故に、一歩間違えば、即廃止という崖っぷちの部署である。現場に残された折り鶴に着目し、自殺と判断された事件を再捜査すると…。十二年前に起きた母娘心中事件の真相が浮かび上がる!