2018年12月発売
地味なのに男性社員人気が高すぎる総務の江崎さん。居眠り常習犯でも、出す企画はすべてヒットする同僚のモニワくん。恋人がいなくても擬似恋愛でキレイになる後輩。「なんだか最近、あの人変わった?」と噂される彼らの秘密は、職場でのあり得ない行動に隠されていた。人を元気にする面白おかしい仕事ぶりが18篇収録されたショートショート集。
若村未来の前に、疎遠だった祖母の妙子が現れた。しかし会うなり祖母は倒れ、介護が必要な状態にー。「いっそ、ぽっくり死んでくれたら」と実家の両親は祖母を見捨て、未来はひとりで看る決意をする。日に日に物事を忘れ、暴れ回る祖母。老人ホームなどの施設も空きがなく、お金に困った未来は、自分の身体を売り、ある事件を引き起こす…。
祝儀能殺人事件を解決した労を称えられ、稲生下野守から茶会に誘われた多田文治郎。世に名高い陶芸家・沼波弄山が主催する茶会は趣向を胸らした宴席へと続いたが、山場となった江戸では珍しい「普茶料理」の最中、厠に立った客が何者かに殺される。犯人は列席者の中に?手口は?文治郎の名推理が始まった。人気の時代ミステリ、待望の第三弾!
1968年(昭和43年)12月10日、府中で起きた「三億円事件」。白バイ警官に扮した犯人は盗んだ三億円とともに永久に消えた。昭和を代表するこの完全犯罪事件に、人気のミステリー作家5人が挑んだ競作アンソロジー。事件に翻弄される者、助けられた者、模倣する者、犯人に恋する者ー。事件を題材に描く5つの物語は、謎の真相に迫れるのか?
見合いの席で一目惚れ、没落華族の元に嫁いだ、豪商の娘・菊乃。しかしそこは地獄だった。妾の存在、隠し子、財産横領、やっと授かった我が子の流産ー。菊乃は、欲と快楽を貪る旧弊な家の中で、自立することを決意すると、高慢な女中頭に暇を出し、傾いた財政を立て直す。激動の明治に鮮やかに華開く女の一生。
表の顔は米問屋の居候、裏の顔は二代目鼠小僧の百地市郎太。相棒のお藤と旗本屋敷に忍び込んだその時分に古本屋で残忍な殺しが発生し、町方の大谷木から下手人の疑いをかけられてしまう。そもそも市郎太を鼠小僧ではないかと怪しんでいた大谷木。市郎太はその考えを逆手にとって探索の助を申し出るのだが…。大人気の最強義賊伝、圧巻の第三弾!
慶安三年、町人の悪党集団「町奴」の頭領・幡随院長兵衛が何者かに殺された。対立する旗本の悪党集団「旗本奴」の頭領・水野十郎の仕業ではないかと疑う町奴側は報復を画策。お菊という女をめぐって両者の関係はさらにこじれ、楊枝屋の女侠客お吟、凄腕女剣士の佐々木累らを巻き込んで、全面抗争へと発展していく。一気読み必至の痛快時代小説!
日本橋の乾物問屋に生まれながらも博徒の道を歩んできた丹次。できそこないの自分にいつも優しかった兄・佐市郎の窮状を知り、八丈島から決死の覚悟で島抜けした。ようやく着いた江戸で佐市郎や家業を潰した兄嫁と情夫の行方を捜すが、追われ者の身ではままならない。そんな折、ふと懐かしい悪友の顔が浮かび…。人情沁みるシリーズ第二弾。
大坂の生國魂神社に笑いの神様がいるー。その名は米沢彦八。まだ笑いが商売になっていない江戸中期に、大名の物真似で権力に歯向かい、滑稽話で聴衆の心を掴んだ男。仲間の裏切りや盗作騒動など、多くの挫折を味わいながらも自分の笑いを追求していく彦八。笑いで人を救い、笑いの為に一生をなげうった愛すべきぼんくら男、波瀾万丈の一代記。
老中水野忠邦の改革に楯突いたとして、南町奉行を罷免された矢部定謙に、桑名送りの沙汰が下った。北町奉行遠山金四郎は、今生の別れをと、厳しい監視を掻い潜り矢部に会う決意をする。一方、下谷の常磐津の師匠宅に賊が押し入った。三両が奪われ、師匠の間夫が殺されたという。探索を指示する金四郎だが、事件の裏に水野の手下の気配がしてー。
美人常磐津師匠・お沙夜の裏稼業は、大泥棒。ある時お沙夜は借金に苦しむ兄妹を助けるが、直後にその兄が何者かに殺されてしまう。きな臭さを感じ、相棒の彦次郎らと真相を探るうちに、八千両という大金の怪しい動きに気づく。あわよくばと大金を狙うお沙夜一味を待ち受けていたのは、江戸を揺るがす大悪党だったー。手に汗握る痛快時代小説。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・韓国で135万部突破チョン・ユミ、コン・ユ共演で映画化社会現象を巻き起こした大ベストセラー小説・・・・・・・・・・・・・・・・・・・日本でも圧倒的共感の声! 「これはわたしの物語だ」異例の大ヒットで、ついに22万部突破!!「女性たちの絶望が詰まったこの本は、未来に向かうための希望の書」--松田青子2019年間ベストセラー(「単行本 文芸書」部門第8位/トーハン調べ、「単行本 フィクション」部門第10位/日販調べ)6か月連続売上第1位! (2019年1-6月 海外文学部門/トーハンTONETS i調べ)ひとつの小説が韓国を揺るがす事態にK-POPアイドルユニットのRed Velvet・アイリーンが「読んだ」と発言しただけで大炎上し、少女時代・スヨンは「読んだ後、何でもないと思っていたことが思い浮かんだ。女性という理由で受けてきた不平等なことが思い出され、急襲を受けた気分だった」(『90年生まれチェ・スヨン』 より)と、BTS・RMは「示唆するところが格別で、印象深かった」(NAVER Vライブ生放送 より)と言及。さらに国会議員が文在寅大統領の就任記念に「女性が平等な夢を見ることができる世界を作ってほしい」とプレゼント。韓国で社会現象にまで発展した一冊は台湾でもベストセラーとなり、ベトナム、アメリカ、カナダ、イギリス、イタリア、フランス、スペインなど25カ国・地域で翻訳決定。本書はもはや一つのだ。ある日突然、自分の母親や友人の人格が憑依したかの様子のキム・ジヨン。誕生から学生時代、受験、就職、結婚、育児……キム・ジヨン(韓国における82年生まれに最も多い名前)の人生を克明に振り返る中で、女性の人生に立ちはだかるものが浮かびあがる。「キム・ジヨン氏に初めて異常な症状が見られたのは九月八日のことである。(……)チョン・デヒョン氏がトーストと牛乳の朝食をとっていると、キム・ジヨン氏が突然ベランダの方に行って窓を開けた。日差しは十分に明るく、まぶしいほどだったったが、窓を開けると冷気が食卓のあたりまで入り込んできた。キム・ジヨン氏は肩を震わせて食卓に戻ってくると、こう言った」(本書p.7 より)「『82年生まれ、キム・ジヨン』は変わった小説だ。一人の患者のカルテという形で展開された、一冊まるごと問題提起の書である。カルテではあるが、処方箋はない。そのことがかえって、読者に強く思考を促す。小説らしくない小説だともいえる。文芸とジャーナリズムの両方に足をつけている点が特徴だ。きわめてリーダブルな文体、等身大のヒロイン、ごく身近なエピソード。統計数値や歴史的背景の説明が挿入されて副読本のようでもある。」(訳者あとがきより)解説:伊東順子装画:榎本マリコ装丁:名久井直子
早朝にひっそり営業するスープ屋「しずく」。シェフ・麻野がこしらえるスープにかかれば、お客の心と不思議な謎があっという間にとかされる。女の子の母親に幽霊が乗り移った?ジビエにまつわる記憶が抜け落ちたのはなぜ?亡き大叔父が家に隠したお宝はどこ?そして変化を迫られる理恵の進路は?絶品スープに浮かび上がる滋味豊かな人間模様。お腹と心を温めて、元気を注いでくれる全5皿。
伝統とモダンが、新たな市民文化を花開かせる帝都。ドイツ人の母を持つ華族の青年・千崎理人は、職を得ようと訪れたサロンで、謎の美少年と出逢う。少年は、理人の望みー職と住まいを用意する代わりに、グリム童話に擬えた『名前当て』の賭けを持ち掛け…。さらに「自分が事件を解決するから、『探偵』として表に立ってほしい」と頼むのだった。華やかな昭和の初めを舞台に、理人は「少年助手を従えた美貌の探偵」として、様々な事件に巻き込まれていく。第6回ネット小説大賞グランプリ受賞作。
【文学/日本文学小説】法務官僚の神谷道雄が殺害された。警察庁警備局の隼瀬は神谷が日米合同委員会に関わっていたこと、キンモクセイという謎の言葉を残していた事実を探り当てるが……。日米関係の闇に挑む、著者初の警察インテリジェンス小説。
刑事裁判の補充裁判員になった里沙子は、子供を殺した母親をめぐる証言にふれるうち、彼女の境遇に自らを重ねていくのだったー。社会を震撼させた乳幼児の虐待死事件と“家族”であることの光と闇に迫る、感情移入度100パーセントの心理サスペンス。
【文学/日本文学小説】ホステス撲殺事件の現場付近で、子細ありげな少年を目撃した特命係。驚愕の真実を解き明かすまでを描いた「少年A」、週刊誌記者のエスカレーター転落事故で、大物警察関係者らに嫌疑がかけられる「容疑者六人ーアンユージュアル・サスペクツ」など6篇を収録。
様々な種族の共存する世界には、多様な“好み”を反映した夜のお店がある。冒険者スタンクは、異種族な悪友たちと嬢をレビューしあって、お互いの(性的な意味での)感性の違いをぶつけ合うほどに、えっちなお店を巡ることに情熱を注いでいた。そんな彼らの耳に入ったのは、どんな種族のどんな趣味嗜好にも応えるという“時を越える召喚嬢”の噂。一行は、夢のプレイを求めて情報収集を開始する!が、そんな捜索が真面目に進む訳もなく…。ある時は、眼鏡っ子バジリスク嬢の媚毒でお楽しみ、ある時は、シルキーとのNTRイメージプレイにどはまりしー。スタンクたちの悦楽の日々の明日はどっちだ!?WEBで話題沸騰のギリギリファンタジーから、実力派作家の筆によって天国的プレイを追体験できる小説版、堂々登場!
川越藩筆頭家老、小河原左宮の息子・左京は学問と剣術いずれにも長け、将来を嘱望される13歳の少年。 ある日、城下の村の道場で出逢った貧しい農民出身の少年・時蔵が、姿形から剣の腕に至るまで、あまりにも瓜二つだったため、お互い自分の出自に疑いを持つ。 しかし他人のそら似らしいとわかると、時蔵の家に寄寓していた従妹のお通をまじえ、身分の差を超えた豊かな友情を育んでいく。 ある出来事を機に袂を分かった二人だったが、折しも尊皇攘夷や世直し一揆の風が全国に吹き荒れ、自衛のため、川越藩にも農兵部隊を創設し兵力として活用すべきではとの意見が持ち上がる。 時蔵は反対の意見を、百姓たちの代表として家老に訴え出るという。やり方を間違えれば強訴とも受け取られかねず、左京は友の為一肌ぬぐべく、時蔵のもとに馬を走らせる。 その先には、思いもかけない運命の悪戯が待ち受けていて…・…義心、友情、ほのかな恋心、そして子供時代との永遠の訣別。 ひたむきな少年の青春をダイナミックな時代背景と川越の風物に寄せて、生き生きと浮かびあがらせた傑作歴史青春小説! 序章 一章 縁 二章 甘酒 三章 さらぬ別れ 四章 武州世直し一揆 五章 青山の賦 六章 お通の客 七章 子の日の松 八章 富津陣屋 九章 烈日 十章 道