2018年1月発売
17歳のアレクサンドラはダンスパーティーで一人の青年と恋に落ち、すぐに結婚の約束をした。だが、両親亡きあと世話になっている姉夫婦は猛反対だ。まだ若すぎるからなどという理由では、アレクサンドラはとうてい納得できなかった。なぜこれほどまでに反対するの?彼女の疑念はじきに晴れた。姉の夫の兄、ドミニクの強力な助言が後押ししていたのだ。愛人を絶やさないプレイボーイが、私の結婚を邪魔するなんて!激怒した彼女は家を飛び出し、ドミニクのもとへ車を走らせた。
見ないで……ああ、だめぇ…… 恥じらう未亡人の慎ましやかな美貌は、いつしか真っ赤に火照りーー。 裕樹は兄の急逝で家業の旅館を継ぐため生家に戻る。未亡人となった兄嫁・真知子はそこで女将をしていて、まだ高校生の義妹・果穂と奇妙な三人暮らしがはじまった。真知子ははじめて会ったときから密かな憧憬であり、そんな女性とひとつ屋根の下で日々悶々とするなか、ふと嗅いだ彼女の残り香に思わず動揺し……。いけない妄想にあらがえず、裕樹が衝動的にむかったのは深夜の露天風呂。湯けむりのむこうに浮かび上がるむちむちした熟れ裸身。さらにそこには、いつの間にか成長していた義妹のみずみずしい肢体もあって……。疾風怒濤の桃色ハプニング!?
もう我慢できないわ…… 人よりもキンタマが大きく性欲も強い青年は、豊満熟女たちに興味を持たれ誘惑されてーー 陽平は人よりもキンタマが大きく性欲も強いものの、金ない、モテない、ツキのない生活を送っていた。そんな彼のアパートにある日、女弁護士・凜々子が訪れる。彼女の話では、陽平は莫大な遺産の相続人の一人だと言う。そしてキンタマが大きいのは遺伝だと、凜々子は本人確認のため陽平の股間に手を伸ばし……。後日、遺産を相続するには、従姉の三姉妹のうちの誰かと結婚しなければならないと知ってとまどう陽平に、三人の豊満な美熟女たちが欲望と欲情をむき出しにしてせまり─!? 三姉妹の手練手管と陽平の精力がぶつかる禁断の1週間。
療養・再装備のため、帝都へ帰還したレルゲン戦闘団。 そこで目にしたのは、死という非日常に慣れてしまった祖国の日常だった。 激烈に損耗し、閉塞感に囚われた帝国の世論は あまりにも『勝利』を渇望してやまない。 そして新たにターニャに与えられた「無理」な仕事は、 潜水艦による敵戦隊の捜索撃滅。 秘密兵器はMAD手製の大型魚雷。 死力を燃やし尽くしてなお、その先にも暗闇が横たわる。 己に平穏をーー。 ターニャのささやかな願望さえも、あまりに遠い。 出口のない戦争は激化の一途をたどる。
”毒親”-子供に対し、過干渉やネグレクトなど、ネガティブな言動を執拗に続け、一種の毒のような影響を与える親。子供の人生を支配するようになってしまうこともあり、今、社会で問題視され始めているー。 スクールカウンセラーとして、日々生徒の悩みに寄り添う日向は、自身も母親の過干渉に苦しみ続けていた。そして、不可解な死を遂げた生徒・吉岡圭吾の母もまた、自身の母と重なるような“毒親”だった。 恋人・本庄の突然の暴力、“毒親”との対峙、信頼していた同僚教師の恐ろしい闇… 幾多の苦しみを乗り越え、日向は、この事件にかかわったすべての人に語りかける。 “耐えて、心が壊れて、命を失ってしまったら、何の意味もないんです。 辛かったら、逃げてください。生きることから逃げさえしなければ…生きていれば、人はやり直せるから” 学校や家族を取り巻く現代の闇に切り込んだ重厚ミステリー、感動のクライマックス!
「あたしは羽衣お炎。こう見えても、江戸じゃあちっとは知られた稼業人さ」四年前に佐渡へと送られた無宿人。嘘か真か、それが想い人の青峰信三郎らしい。“羽衣”の異名を持つ女渡世人のお炎はそんな噂を聞きつけ、アメリカ製の最新式六連発銃・コルトM1847を携え信三郎を探す旅に出た。しかし佐渡の金山には、「オドロ様」なる奇怪な像を信仰する邪教が広がっていた。オドロ様一党と対立し、追い詰められたお炎はコルトを抜くが、やがて恐るべき陰謀に巻き込まれるー。濁流のようにうねる物語。圧倒的なリーダビリティを誇る時代長編!
バツイチ子持ちの編集者柴田直太朗は、再婚を望む両親に娘の世話を頼み、多忙な日々を送っている。婚活がうまくいかず恋に臆病な独身書店員山内百恵は、子宮筋腫を患い、子どもを産めなくなる不安に慄いている。ともに三十九歳。仕事を通じて知り合った二人は、不器用にもおずおずと手を取り合うが…。じっくりと温めながら育む大人の恋と、家族の再生への第一歩。
東京で働く姉の聡美が突然田舎に帰ってきた。実家暮らしの妹の愛美はこの機会に都会暮らしをしようと、聡美の部屋を借りることに。そこで聡美の恋人と遭遇、昔から成績優秀で負けず嫌いの姉の秘密を探ろうとする。一方、聡美は人懐こくて要領がいい愛美が恋人と親しくなったことに動揺、自分も愛美の婚約者と出かけることに…。正反対な姉妹が見つけた新たな自分とは?
織田信長の重臣だった丹羽長秀の死後、丹羽家に対する豊臣秀吉の仕打ちは苛烈を極めた。一二三万石から四万石への大減封、家臣団難散の中で命じられた、北条攻めの小田原出兵。窮地に陥った城好きの若殿長重と、空論屋と呆れられた新米家老の江口正吉は、命を賭して御家再興に挑むー。秀吉を畏怖させ大谷吉継ら大名を驚嘆させたうつろ屋の、起死回生の策とは!
織田信長の比叡山焼き討ちが噂される京都で、豪商邸に忍んでは金品を奪い「穢れし銭の一分をいただきます 比叡の風」と残す女怪盗がいた。名は乱蝶。叡山のお抱え商人だった父母を濡衣で処刑されていた。乱蝶は父の宝を奪い返すため、盗みを繰り返すが、忍び込んだ邸の主が殺されていて…。やがて浮かんだ強大な敵に、乱蝶は織田軍団を利用した復讐を企てる!
どうやら人類は滅ぶらしい。最後の撤収便に乗らず、北極の天文台に残った老学者は、取り残された見知らぬ幼い少女とふたりきりの奇妙な同居生活を始める。一方、帰還途中だった木星探査船の乗組員サリーは、地球からの通信が途絶えて不安に駆られながらも航海を続ける。終末を迎える惑星の極北で、宇宙の孤独な大海でーーもしも世界が終わるなら、あなたは誰と過ごしたいですか? 『インターステラー』×『渚にて』のSF感動作。
スコットランドの出版社に、半年前に失踪したギデオン・マック牧師の手記が持ち込まれた。彼は実直な人間として知られていたが、失踪する直前に神を信じないまま牧師になったことや悪魔と親し気に語らったことを告白し、信徒や国教会から非難されていた。手記には彼の生い立ちから、自分以外には見えない巨石の発見や悪魔との出会い、そしてなぜそれを大衆の前で語ったのかがすべて記されていた。それを読んだ編集者は手記を書籍として出版することにする。--編集者による序文、牧師の手記、そしてまた編集者の文章という独特の構成で、ある牧師の数奇な生涯を描くブッカー賞候補作。
クリスマスシーズンで賑わうホテルの地下で、一人の男が殺された。ホテルの元ドアマンだった男は、サンタクロースの扮装でめった刺しにされていた。捜査官エーレンデュルは捜査を進めるうちに、被害者の驚愕の過去を知る。一人の男の栄光、悲劇、転落……そして死。自らも癒やすことのできない傷をかかえたエーレンデュルが到達した悲しい真実。全世界でシリーズ累計1000万部突破。翻訳ミステリー大賞・読者賞をダブル受賞の傑作。
銀行に勤める瑞希は、中学三年生の冬に別れた同級生の恋人を忘れられずにいた。「フルート奏者になる」「宇宙に関わる仕事をする」夢を語り合った航空記念公園に展示されている飛行機「天馬」の前で、別れの直前に二人はある約束をする。それを支えに生きてきた瑞希だが、届いた同窓会の招待状に彼との再会を期待し思い出の公園に立ち寄ると、中学時代の記憶が鮮やかに甦る。ふたたび「天馬」の前に立ったとき、十年の空白が埋まるように“約束”のもうひとつの真実が明らかになる。(「雪には雪のなりたい白さがある」)公園を舞台に、時を超え、思いが交差する。五つの奇跡の物語。
さらわれた許嫁を取り返すのに手を貸してほしい。久蔵の訴えに、弥助は仰天した。人さらいなら、十手持ちにでも訴えるのが筋ではないか。聞けば許嫁の初音は妖怪だというのだ。許嫁が妖怪? 驚きのあまり言葉を失う弥助。だが真剣な面持ちの久蔵に心を動かされ、千弥は妖猫族の姫、王蜜の君を紹介する。王蜜の君の手引きで初音がさらわれた先、華蛇族の屋敷に忍び込んだ久蔵だったが……。久蔵に降りかかる試練を描く、人気シリーズ第五弾!
ロンドン郊外の空港のラウンジで、秘書のナタリーは悩んでいた。傲慢な億万長者のボスに仕えて5年。心身ともにもう限界だった。すると突然、背後から声がかかり、彼女は振り返って仰天した。そこにはナタリーと瓜二つの、身なりのよい女性が佇んでいた。異国の王女だという彼女とナタリーはすぐさま意気投合し、互いの悩みまで打ち明け合ったが、ふと王女が意外な提案をした。45日間だけ、密かに立場を入れ替わってみないかというのだ。私が王女に?承諾したのも束の間、すぐに後悔に襲われる。あろうことか王女の許婚ロドルフォに惹かれ、唇を奪われて…。
無上の愛は打ち砕かれ、 乙女は密かに姿を消した。 妹の夫に懇願され、セレナは2年ぶりにリムノス島を訪れた。 重病のはずの妹は元気だったが、彼らの軽食堂の経営権を ある有力者に奪われそうになっているので助けてほしいという。 その人物とは、かつて愛したギリシア富豪アレクシスだった。 愛をささやく低い声、生まれて初めて知る愛の喜び……。 鮮やかによみがえる甘美な記憶を振り払いながら、 セレナは勇気をかき集めてアレクシスのもとへと向かった。 密かに産んだ子どもの存在を知られているとはーー 自分がすでに彼の罠にかかっているとは夢にも思わずに。 父親の卑劣な嘘によってセレナを金目当ての悪女と思い込む彼は、妹を助けたければ子どもを置いて島を去れと命じて……。引き裂かれた恋、命の芽吹き、残酷な再会ーー美しいギリシアの島で花開く切なくもドラマチックなシンデレラストーリーをご堪能ください。
悪名高いプレイボーイに、 無垢な心は盗まれて……。 「政略結婚ですか?」「ルイス王子はいつプロポーズを?」 大混乱のなか力強い腕で高級車に押しこまれたサブリナは、 救い主の顔を見て驚いた。隣国の皇太子ルイスの弟、セブーー あまたの女性と浮き名を流す“王家の黒い羊”だったからだ。 さらに驚くことに、彼はいきなりサブリナの唇を奪った。 生まれて初めて感じた甘いおののきに戸惑いながらも、 祖国のために政略結婚を受け入れた彼女は夢想だにしなかった。 品行方正なルイスが恋人と駆け落ちして結婚式に現れず、 代わりにセブと結婚させられることになろうとは。 あまりにも魅惑的なセブとの愛なき結婚生活に苦悩するサブリナ。父王に疎まれて育ったあげく突如として王位継承者となったセブは公務に忙殺され、夫婦の溝は深まるばかりで……。人気作家が王室の光と闇を流麗に描く、ドラマチックなロイヤル・ロマンスです!
凍えるシンデレラを温めた、 美しい瞳のイタリア大富豪ーー ロンドンに出てきたソフィーは派遣メイドとして働きながら、 デザイナーになる夢をかなえようと懸命に努力している。 ある夜、豪華なパーティでのウエイトレスの仕事を終えたあと、 不運にも帰宅するためのバスに乗り遅れ、大雪が降ってきた。 そのとき、凍える彼女に上等なコートを貸してくれたのは、 魅力的な瞳をした、はっとするほど美しいイタリア人マルコだった。 彼に誘われるまま一夜を明かした翌朝、恋に不慣れな彼女は 自分らしからぬ行動が急に怖くなり、書き置きひとつ残さず逃げだした。 数日後、友人が催す舞踏会に出席したソフィーは鋭い視線を感じとる。 ああ、マルコ! 恥ずかしさに、彼女は再び逃げようとするが……。 富裕な顧客向けに派遣されるメイドたちのロマンスを描く、作家競作シリーズ〈メイド物語〉もついに最終話を迎えます。友人たちが次々と理想的なパートナーに出会い、置いてきぼりにされたような寂しさを感じているソフィー。彼女に幸せは訪れるのでしょうか?
17歳で父を亡くし天涯孤独となったリスは、生まれ故郷を離れ、後見人である父の親友ナッソスが住むギリシアの島で暮らしてきた。今、急死したナッソスの葬儀を終え、悲しみに暮れるリスのもとに、弁護士が故人からの手紙を2通届けに来た。1通は彼女に宛てたもの、もう1通は、名前は知っているが面識はないギリシア人大富豪ターキス・マノリス宛てで、リスが直接手渡すようにと書いてある。そして、ナッソスのものだったホテルを二人に遺贈するので、最低でも半年間、手に手をたずさえ経営しなければならない、と。リスはターキスと会い、古代ギリシアの王子のような姿に我を忘れた。自分のもたらした手紙が、彼に罵りの言葉を吐かせるとも知らず…。