2018年2月発売
玉妖の相棒を目覚めさせる方法を知る唯一の人物、難波俊之の行方を探し“はざま”を巡っていた彩音は、男たちが異界妖を檻に追い込み、こちらの世界に連れ込んでいる光景を目にする。妖はこの世界では実体をもたないはずだが。折しも都では異界妖の出現が増え、存在を隠そうとする政府を悩ませていた。俊之探しを続ける彩音は、いつの間にか遷都を巡る陰謀に巻きこまれる羽目に。石に宿る精霊、玉妖と駆妖師の絆を描くシリーズ第三弾。
小学生時代にいじめられていた経験のある優菜は、自分のような子どもをなくしたいという想いで小学校教諭となった。しかし赴任早々、自分をいじめていた酒屋の息子、志郎と再会する。優菜はなるべく関わらないようにするのだが、学校の職業体験の授業で志郎の店にも協力してもらうことになってしまう。それをきっかけにふたりの関係は徐々に変化していくのだったー。ひとりの女性の葛藤と成長を描いた、珠玉のラブストーリー。
突然、神隠しに遭い「神様の料理番」となった、りん。美しい神様・御先様に「美味い」と言わせるべく、電子レンジも冷蔵庫もない世界で毎日奮闘している。そんな中、全国の神様が出雲に集まる「神在月の宴」に料理番としてついていくことに。着いて早々大量のご飯を炊かされ、へとへとになるが、加えて男神様と女神様の喧嘩が勃発!それをおさめるため、りんはある提案をするー。心もお腹も満たされる神様グルメ奇譚、第二弾。
あの男は一体何者なんだーー?湊川地検で起きるすべての事の裏には、必ずひとりの男の存在があったーー湊川地検総務課長・伊勢。検事でもない総務のトップがなぜ……。「絶対悪」が見えにくい現代において、「検察の正義」とは何なのか。元新聞記者の新進作家が挑む、連作検察小説。 あの男は一体何者なんだーー? 湊川地検で起きるすべての事の裏には、必ずひとりの男の存在があったーー湊川地検総務課長・伊勢。 検事でもない総務のトップがなぜ……。 「絶対悪」が見えにくい現代において、「検察の正義」とは何なのか。元新聞記者の新進作家が挑む、連作検察小説。
非才にして無名。されど見事な生涯。若き浪々の日々も、大名となった後も、常に前田利家に付き従い幾度もその危難を救った男ー村井長頼。桶狭間、長篠、賎ヶ岳…名立たる戦場を駆け抜け、貫き通した忠義の生涯。そして、主君の肩越しに見た信長、秀吉、家康ら天下人の姿ー。
経営難で閉校が噂される武蔵映像大学で、卒業制作の映画を撮れるのは、たった一人。監督志望の安原と北川は、コンペでガチンコ勝負することに。天然の安原と、策士の北川。撮影は、前途多難の幕開けとなったがー。さまざまな喪失を経て傷つきながら、彼らが手にしたものは。瑞々しく輝く青春ストーリー!
イマン。「人間を殺した最初の人工知能」と呼ばれる軍事用AI。電子空間でデボラらの対立勢力と通信の形跡があったイマンの解析に協力するため、ハギリはエジプトに赴く。だが遺跡の地下深くに設置されたイマンには、外部との通信手段はなかった。一方、蘇生に成功したナクチュの冷凍遺体が行方不明に。意識が戻らない「彼」を誘拐する理由とは。知性が抽出する輪環の物語。
「君に謎の解き方を教えよう」少女ノゾムが、難病の治療法を見つけるために参加したデスゲーム。条件はひとつ、謎を解いて生き残ること。奇妙な青年カタリは、彼女に“Who”“Where”“How”などにまつわる、事件を推理するためのレクチャーを始める…!広大な半球密室、水に満たされた直方体、ひしめく監視カメラ、燃え上がる死体。生き残るには、ここで考えるしかないー。
「死者が蘇ることなんてあると思いますか?」聖信光学院の屋上から元生徒会長・美嘉見麻莉が突き落とされた。転落後、衆人環視のなか姿を消した彼女は三日後の夜、複数の人物に目撃される。学院につたわる聖女伝説どおりに麻莉が復活したと信じる生徒たち。相談を受けた人気ミステリ作家・庫院薫子は、助手の涼川晴人を現地に送る。記憶がつくる物語を選やかに解く本格ミステリ。
佐賀藩主・鍋島直正は、日本を欧米列強の従属国にさせないために、反射炉の建設、鉄の鋳造、大砲の製造、蒸気船の建造といった事業に藩をあげていどんだ。いくつもの難関をのりこえて手に入れた最新の軍事力は、幕府側と倒幕派双方から恐れられ、求められた。開国を迫る欧米諸国と攘夷を叫ぶ諸藩が戦火を交える中、新しい時代のために、直正は徳川慶喜との会見に臨む。
考古学専攻の田中灯里は、雑草を主食にするほどの極貧生活をおくる女子学生。遺跡発掘調査のアルバイトで学費を稼ぎつつ、食費を浮かせるために、研究室の西枝教授や男前な古賀先輩に福岡グルメをたかるのが日課だ。そんな灯里は昔から妙に運がいい。発掘現場でたびたび貴重なものを掘り当てては、西枝教授に驚かれている。ただし、灯里が発見するのは古代ロマンあふれる遺物ばかりじゃない。ときには謎の白骨や厄介な事件の種を掘り出してしまうこともー!?タフに駆けまわる灯里と隠れ甘党の古賀先輩が挑む、遺跡発掘×ミステリー!
3月23日、僕は高円寺に引っ越した。駅を出ると、炭に焼かれる焼き鳥の匂いが鼻腔をくすぐり、路上ライブの弾き語りが響いている。僕の社会人生活がいよいよここから始まるんだと思いながら眠った夜、幽霊のアカネが現れた。この世を彷徨い続ける彼女はここに置いてと懇願。呪いが怖い僕は、アカネを追い払えず幽霊と同居することに。その結果、僕はアカネにどうしようもなく恋してしまった。これは、12月24日深夜に彼女をあの世に見送るまでの僕の恋の日記であり、彼女を取り巻く人達の話だー。アカネ、僕は君をどうすれば引き留められたのかな。第18回小学館文庫小説賞受賞作。
英国パブリック・スクールの奨学生となった風森心。制服を買うお金も身寄りもないシンは「何も持っていなくても、強い心さえあれば、どんな世界でも切り開いていける」という、育った養護施設の園長の言葉を胸に、貴族の子弟だらけの全寮制男子校へ。シンの同室はため息だらけの没落貴族の息子ギル。意外にも商売上手な社交家で、貴族達にいじめられているシンの味方だ。ある日ギルは、シンの能力で人助けをしてその謝礼で生活費を賄おうと提案。シンは紅茶を飲むと少し先の未来が視えるのだ。だがこれが大事件となって。様々な紅茶が視せるものは何?英国男子校を舞台に紅茶で謎解き!