2018年2月発売
領地を荒らすグリフォンの群れを退治してほしいという、メリーボーン卿の要請に応えてやってきたのは五人の騎手。騎手といえば誇り高く高潔な人物のはずだが、荘園の事務官の次女アリザと龍の騎手アリステアの出会いは最悪だった。アリザが仲良くしている庭小人を酷い目にあわせたのだ。なんて高慢ちきでいやな奴! アリザはグリフィン退治に案内役として同行したが……。『高慢と偏見』×ドラゴンのロマンティック・ファンタジイ。
主人公の宮崎真吾は戦時下の中学生。いとこ千鶴との性的な戯れに心揺らす一方、幼なじみの妙子にも熱い恋心を抱き、悶々とした日々を送っていた。-徐々に性に目覚めていく真吾。戦中から戦後へ、時代や価値観が急変していく中にあって変わらぬ男と女、愛と性の営み。自然が匂い立つような風土の中で、未知なる世界へ踏み出す少年の性や心情を丁寧に描いた、著者代表作ともいえる青春大河ロマン待望の復活。
模索する大人への道。新たな官能の世界へ。 路子の“実験”に協力するかたちで初体験を済ませた真吾は、恋人である妙子とも結ばれ、妙子に一層の愛しさを募らせていく。 昭和二十三年、学制改正に伴い真吾は新制高校二年になり、妙子は女学校を卒業。妙子には卒業を機にいくつもの縁談が持ち込まれるようになる。 そんな折、戦時中に真吾に強烈な体験をさせた、いとこの千鶴が結婚することになり、家を訪ねてくる。“心にもからだにも、魔性の生きものを飼っているにちがいない”、千鶴は真吾を未経験者であると思い込み、自分が最初の女になりたいと思っていた。 念願を遂げた千鶴は、妙子と親密になるよう真吾に助言する。その後、ひょんなことから旧家の娘で出戻りの小菊と妖しい一夜を過ごすが、わずか六日後に小菊が出奔。さまざまな噂が飛び交うなか、ふいに戻ってきた小菊は、なぜか妙子に接近する。 新しい時代の到来とともに、押し寄せてくる「自由」の波。そんななか、大人への道を模索しつづける少年の愛と心。読む者を惹きつけて止まない、青春官能小説。
安曇野警察署の刑事・道原伝吉は松本署に転勤になった。着任早々、道原はシマコこと河原崎志摩子刑事とともに、児童養護施設に保護された4歳の少年に会いに行く。少年は母親、妹と松本駅にやってきて、母親が二人の元を離れた間に、一人で近くにあったトラックの荷台で遊んでいたところ、トラックが動き出してしまったのだという。運転手が気づいて駅に戻ったときには、母も妹もいなくなっていた。二人はいったい、どこへー?
癌で余命半年と宣告されたヤミ金業者のマキ子も、その「田所リース」で働く落ちぶれた取り立て屋の乾も、陸上部のエース阿久津先輩に憧れる高校生の結も、生まれてから車椅子の生活しか知らない身体不自由な博も、彼らの世界は、きっとどこかでつながっているー。底辺で生きる人間たちの業と、人生の不思議な縁を描く、書下ろし長編ミステリー。
新宿歌舞伎町でセキュリティをするコウは、生きるためなら手段を選ばないしたたかな女。元情夫のシンプの指示で、風俗店“天使と薔薇”から逃亡した淫乱で狡猾な美少女ユコを連れ戻しに成城の豪邸へと向かう。そこには敵対する角筈の殺し屋たちが待っていた。窮地を躱したコウはユコを連れ、幼いころに暮らした海辺の団地に潜伏する。束の間の平穏、団地の住民たちとの交流、闇の世界から抜け出し、別人に生まれ変わった危ない女とやっかいな女の奇妙な共同生活。幼いころから虐待され、悲惨な人生を歩んできた二人に、安息の日々は続くのかー。第21回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
定年間近の刑事・片倉康孝は、休暇を利用して小出と会津若松を結ぶ秘境のローカル線“只見線”に乗りに来た。この旅は、20年前に練馬で起きた放火殺人事件の現場から消えた謎の女“鮎子”の足跡を探す旅でもある。現地で話を聞くと、練馬の事件のさらに40年前、羽賀鮎子という女性が火事で亡くなっていたことが分かった。二つの火事、二人の鮎子につながりはあるのか!?片倉は後輩刑事の柳井淳らと共に、ふたたびこの事件を追うことにしたー。過去に携わった迷宮入り事件の真相は!?謎が謎を呼ぶ傑作警察小説!
元亀元年(1570年)、朝倉家家臣の小林吉隆は、織田家との合戦中、富田長繁に命を救われる。世の道理を重視する吉隆だが、忠に薄く戦好きな長繁とは、不思議と馬が合った。しかし、崩壊へと向かう朝倉家に見切りをつけた長繁は、織田方へと寝返ってしまい…。歴史からかき消えた狂気の武将、富田長繁。新鋭による戦国秘史!
大手石油会社を定年退職した庄司常雄。夢にまで見た定年生活のはずが、良妻賢母だった妻は「夫源病」を患い、娘からは「アンタ」呼ばわり。気が付けば、暇と孤独だけが友達に。そんなある日、息子夫婦から孫二人の保育園のお迎えを頼まれて…。崖っぷち定年オヤジ、人生初の子守を通じて離婚回避&家族再生に挑む!
この物語は、国家公務員・田中が魑魅魍魎共と交渉ーもとい、物理でぶっ飛ばす、アクションコメディである。人を超越した力を持つ“キジン”と内戦状態にある現代日本。彼らと平和的かつ友好的な解決を目論む政府は、「外務省キジン区域管轄局特別交渉課」を立ち上げた。その労働環境は、課員がお仲間の厚生労働省にチクるレベルの超絶ブラック。そんな誰もが嫌がる仕事を引き受ける男がいた。田中である。いたって普通の、人畜無害な彼は、ハードワークの影響で最強の力(物理)を手に入れたのだ!名刺を渡せば、キジンが吹っ飛び、目にも見えないキジンの攻撃を無傷で避け、銃弾すらも…!?そんな田中、キジンの王・ヴァンパイアの美姫と共に平和を目指して残業代を荒稼ぐ!?
デスゲームは誰もが参加を渇望する一大エンタテインメントとなっていた。これは革新的で刺激的なデスゲームを次々と発表し、卓越した運営手腕と恐るべき強運で数々の危機を乗り切る中間管理職・黒崎鋭司の物語だ。上司の無茶ぶり、部下の期待、市場のニーズには応え続けなければならない。時には同業他社や参加者から恨みを買い、巨乳の美人部下から尊敬以上の愛情を向けられても、決して動じてはならない。なぜなら、愛する妻子の生活がかかっているから。そうー父さんな、デスゲーム運営で食っているんだ。
赤字続きの王国が起死回生の一大事業「新天地ケーユカイネンの開拓」に着手した。王国最後の希望、といえば聞こえはいいが、そこは住人不在に資源もなしの枯れ果てた土地。おまけに開発予算ゼロと誰もが匙を投げる事業だったーそう“王国のお荷物”こと書記官クラエス・レフティネン以外には。精霊との複数同時契約で自動化された生産ラインに、亜人の商人・職人たちと手を組んだ独自の流通網の開発。他の土地ではありえない観光産業で客を呼び、まさかまさかの大発展!?「金貨100万枚、必ずや稼ぎだしてみせましょう」-禁じ手フル活用の経済無双で王国の経済はクラエスが独占する!?
いつ、いかなるシチュエーションでも、暴力はよくない。ましてや最愛の妻にだなんて。…でも、こんな場合は、殴っていいと思う。そうあれは、妻のカミングアウトから始まった。「実は私、レズビアンなの」…マジ!?「愛しているの、その人のこと」…愛しちゃってますか。そうですか。ってどうすんの!?まだローン返済できてねぇよ、結婚に人生賭けたんだよ!つーか、子供もいるだろうがよ!俺、子作りマシーンなの!?…このあと俺は、妻を殴ることになる。でもみんなきっと許してくれるはずだ。この女がどういう女かみんなに確かめてもらいたい。ということで、アホだけど(たぶん)可愛い嫁と、平凡サラリーマンが贈る、夫婦あるある(!?)系イチャイチャラブコメ開幕だ!