2018年3月発売
技術交流を隠れ蓑に国際的な人身売買を行なう組織ITWCに潜入していたD1リーダー周藤が消息を絶つ。現場には大量の弾痕と血が残されていた。自分の身に何かあったときにはチームの解散を命じていた周藤。だが、残されたメンバーはリーダー救出のため、英国MI5の元諜報員マリアとともに、国際組織の壊滅に動き出す!圧倒的迫力で描くシリーズ最高傑作!
十津川は捜査で疲弊した帰宅途中の電車で「お願いがある」と声をかけられた。明日、電話をと立ち去った翌朝、駆けつけた殺人現場で見た死体は、声をかけてきた、その女性だった…。十津川警部が自分の判断ミスを苦悩する「事件の裏で」をはじめ、犯人当て小説「私を殺しに来た男」、プロ野球を舞台にしたスポーツ推理など、ミステリー第一人者の魅力満載の傑作集。
世界トップシェアを狙える8Kテレビの次世代技術を日本企業フロンテが開発した。凋落著しい韓国企業チムサンは、この最先端技術を盗みとる。ところが、データは一警備員に奪われ、チムサンに使い捨てられた日本人技師宮下の手に。一方、赤羽中央署の疋田は韓国人売春を追っていた。二つの事件が複雑に絡み合い、宮下と韓国スパイ、日本警察の激烈な争奪戦へと突入した!
駿河国田賀藩の中老廣澤和之進の悲願、それは自慢の妻女美雪を奪おうとする浮世絵師宗次を討ち果たすことー。その一心で伊豆から松坂へと苛烈な修行を重ねる和之進。一方、憎しみの刃を向けられているとは知らず、宗次は江戸で平穏を乱す危難に立ち向かう。オオカミの如き槍衾の気配。老中堀田正俊を狙う影。宗次の剣が修羅を討つ、新「大河」シリーズ、開幕!
ペンギンの国に託して描く人類の愚行の歴史 高徳の聖者マエールは悪魔に唆されて極地の島に向かい、間違ってペンギンに洗礼を施してしまう。天上では神が会議を開き対応を協議、ペンギンたちを人間に変身させて神学上の問題を切り抜けることにし、ここにペンギン国の歴史が始まった。裸のペンギン人に着物を着せるという難題に始まり、土地所有と階級の起源、竜退治の物語、聖女伝説、王政の開始、ルネサンス、革命と共和国宣言、英雄トランコの登場、国内を二分した冤罪事件と続くペンギン国の年代記は、フランスの歴史のパロディであり、古代から現代に至る人類社会の愚行が巧みなユーモアで戯画的に語り直される。ペンギン人の富裕層が主張するトリクルダウン理論への諷刺や、近未来の新格差社会の光景は、21世紀の日本に生きる我々にも痛切に響くだろう。ノーベル賞作家A・フランスの知られざる名作。
ペットの最期の言葉を、私は飼い主に伝える。 子供の頃の交通事故をきっかけに、生き物の言葉がわかるようになった薫(25歳)。 派遣切りで職を失った彼女が再就職したのは、ペットシッター「ちいさなあしあと」。 主な仕事はペットの看取りだ。 悩みを抱えた少女に寄り添う犬、失恋した青年と暮らすうさぎ、家族の真実を見ていた猫......。 彼らの最期に立ち会い、見送り、その言葉を飼い主に伝える。 感動が止まらない! 逝くものと残されるものとの心ふるえる物語。 装画:げみ
宇宙を守る任務を帯びたエージェントのヴァレリアンとローレリーヌ。あるミッションを遂行するうちに辿り着いたのは、銀河を揺るがす秘密だったー!最高の宇宙エンタテインメント!
人は皆、悲しみと喜びの道を歩いている。誰もが今も昔も人を愛し、平和を願い生きてゆく。信長と吉乃、かつては“ひと夜妻”として知られた志摩のはしりがね・あたい、国境を超え結ばれたラブバードさながらのカップルとて。そして。愛猫と共に生きる家族、ピースボートで世界各地を訪ね洋上生活を過ごす人びと、原発事故と大地震にうちのめされ不幸のなかであえぐ人たちだって皆同じだ。そこには別れがあり、出会いがあり、それでもたくましく生き抜く人間たちがいる。本書には、そうした物語六編がまとめられ、現代の世に“真の平和とは”を問いかけるー。
戦乱渦巻く世界。弱小国アシハラ王国の第三王子・アルシェイス。彼は公務もまともに出来ない、娼館通いにお熱なぼんくらと巷では有名だ。 しかし、彼にはもう1つの顔があったーー 空を牛耳る賊ーー空賊。名も身分も隠し、忍び寄る崩壊の魔の手から弱小国アシハラを救うため、無法の集団ーー“ベルクート”を密かに立ち上げたのだ。凄腕の姫剣士、爆弾魔、双子忍者など、団員はくせ者ばかり。そんな彼らはある日、集団誘拐事件の被害にあったヨルという不思議な力を持った少女を保護する。この出会いが、ベルクートやアルシェイス、そしてアシハラをも揺るがしていくーー 空を駆ける、王道ファンタジー、発進!
札幌の薬局に勤める香食禮次郎は、権威を振りかざし患者は二の次な医師たちや、事なかれ主義で仕事を進める薬剤師の同僚たちに囲まれた日常に飽いていた。だが、そんな禮次郎の人生は、一人の少女と出会ったことで一変する。衰弱していたその少女はクチナシと名乗り、介抱したうえで警察を呼ぼうとする禮次郎に部屋に置いて欲しいと頼む。謎めいた雰囲気の少女に対する好奇心と同情心から、クチナシの頼みを聞き入れる禮次郎。だが、これが後に訪れる狂気の世界への入り口だと、彼はまだ知らなかったー。
14歳で殺人を犯した悪辣弁護士・御子柴礼司を妹・梓が30年ぶりに訪れ、母・郁美の弁護を依頼する。郁美は、再婚した夫を自殺に見せかけて殺害した容疑で逮捕されたという。接見した御子柴に対し、郁美は容疑を否認。名を変え、過去を捨てた御子柴は、肉親とどう向き合うのか、そして母も殺人者なのか?
偶然にもツボ押しの才能を開花させた異能の週刊誌記者・望来は、この秘技の歴史を体現する、生ける伝説の達人のもとを再び訪れた。四十年以上にわたる達人の隠遁生活は、なぜ破られたのか。達人の名を世に轟かせた、カルト教団との戦いの全貌が明かされる時、達人の強さの根源が見えてくる。人気シリーズ第二弾!
風俗嬢に堕ちた教え子と潔癖な教師が逢瀬を重ね、京都の“魔所”といわれる古寺を訪れる「鳴神」、再会した幼馴染みとのセックスに籠絡され、夫殺しに荷担する不倫男の末路を描く「恋塚」。性と愛の地獄に嵌まり、時には生死を顧みぬ男女の業を、団鬼六賞作家が生々しくも艶やかに描く傑作六編。
清朝末期、満州族に辮髪と纏足を強要されていた漢人は、宣教師にも生活を蹂躙され不満は頂点に達していた。彼らは扶清滅洋の旗印のもと蜂起し、駐在武官・柴五郎らの立て籠もる北京公使館区域に攻め入る。中国近代化の萌芽となった「義和団の乱」の内幕を面白さ抜群に描く、『黄砂の籠城』と対をなす歴史小説。
ベテラン刑事の誤認逮捕問題を調査中の特任監察官・戻橋京一郎は、自殺した容疑者が先端技術研究で有名な博士と、繋がりをもっていたことに不審を抱く。産業スパイの影に怯える警察上層部と“シダレザクラ”と呼ばれる極秘情報の存在。刑事生命を賭けて戻橋が挑む、「監察の監察」解体の危機!
日本最古の神社の一つ、奈良・大神神社近くの河原で高校生が殺害された。彼が「蛇が…」と言い残して事切れたと聞き、友人の田村暁は戦慄する。その数日前、二人は大神神社の御神体とされる三輪山で、ある禁忌を犯していたのだ。一方、京都にいた辻曲姉妹も不吉な兆候を察知。怨霊を鎮めるべく、奈良へー。
恵美押勝が討伐されて一年近くー。内裏では、女帝の寵愛を受ける弓削道鏡が、権力を一手に握りつつあった。討伐の功により、破格の昇進を果たした牡鹿嶋足だが、しかし、道鏡の謀により、最愛の女を失う。迸る憤り。帝位をも狙いはじめた破戒僧の飽くなき欲望を、嶋足らは阻止できるか?シリーズ第三幕!
家出少年が、濡れ衣を着せられた「犯罪者」が、バツイチの女性弁護士が、街中でタクシーを止める。お人好しドライバーたちは誰も拒まない。やがて少年は失踪し、タクシーが消える。どんな逆境にも諦めず、ひたむきに生きる人々にもたらされる結末は? 乱歩賞作家が贈る、感動と興奮の傑作長編ミステリー! 家出少年が、濡れ衣を着せられた「犯罪者」が、バツイチの女性弁護士が、街中でタクシーを止める。お人好しドライバーたちは誰も拒まない。やがて少年は失踪し、タクシーが消える。どんな逆境にも諦めず、ひたむきに生きる人々にもたらされる結末は? 乱歩賞作家が贈る、感動と興奮の傑作長編ミステリー!
江戸の長屋で板木師として日々腕を磨く清次。兄の弥之助は博奕と女に溺れ故郷の家を潰した。恋女房のおたみが重い病を患い、清次は版元の頼みで危ない橋を渡る。金銭授受をめぐる刃傷沙汰から救ったのは、音信不通だった弥之助だった。人生の闇に堕ちる男たちを描く表題作ほか、傑作時代小説全五編を収録。