2018年5月発売
建材会社社長の高梨、50歳。先代社長の娘と離婚し、現在は一人暮らし。彼を取り立てて社長に据えた先代の女社長とは、誰にも言えない秘密があった。「生」の意味を問いかける長編小説。(解説/下山 進)
一瞬の出来事で、日常生活が思いがけない方向に進んでいく──。東日本大震災を境に変わってしまった四人の男女、それぞれの思いが絡まり合いながら、鮮やかに描かれる人生の葛藤。(解説/江南亜美子)
重傷の強盗被害者は、「あの」殺人事件、米軍用地取引事件のどちらにも関係する人物だった。因縁の事件の真相に、そして絶対に表に出てはいけない衝撃事実に辿り着くシリーズ第3弾!(解説/西上心太)
人材派遣会社「NAS」。ヤクザ、テロリスト、国会議員……法律なんてどこ吹く風で、どんな相手でも金を積まれれば汚れ仕事もお任せを。スリリングなアクション満載のシリーズ第2弾。(解説/千街晶之)
豪商鴻池家の肝煎りで大々的な猫の品評会が行われることに。愛猫家の庶民や欲の皮を突っ張らせた商人たちが目の色を変える中、大坂の町では奇怪な生き物の目撃談が続出して──。(解説/瀬川貴次)
季節は、春。宗孝の姉・梨壺の更衣の出産が迫る中、宗孝は「ばけもの好む中将」宣能と共に桜の精霊の怪異を訪ねて郊外の山へ赴く。だがそこは宣能にとって因縁の深い場所で……。好評シリーズ第7弾!
あの一皿にヒントが隠されていたのかー。ある夜、グルメライターの北大路亀助は先輩の河口に誘われて食通のメンバーと絶品の熟成鮨を堪能していた。だが、メンバーの一人がその直後に死亡し、店が食中毒を疑われる事態に。閉店を迫られる店主を救うため、亀助は持ち前の味覚を駆使して、犯人探しをはじめる。事件解決のために食べまくる亀助に、食欲を刺激される美食満載のグルメミステリー。
アメリカ東部に暮らした初めての日本人、ジョン万次郎。いじめや差別に負けずに生き抜いた少年の史実に基づく物語。アメリカで大反響を呼び、日本でも読書コンクールの課題図書となった本の文庫化。
高畠和人の母は、“オレオレ詐欺”に引っ掛かり、さらにトラックに歩を進めて重体に。一方、片山と妹の晴美は、別件の“オレオレ詐欺”の犯行を阻止するも、用済みとなった受け渡し役の男は殺されてしまった。事件の捜査過程で得た手がかりを頼りに片山は、“K学院”の寄宿舎で暮らす三輪山和美という女性徒を訪ねる。彼女と詐欺犯の意外な関係とは?さらに寄宿舎には和美の祖父や高畠の娘、おなじみの石津もやって来るのだが…。片山とホームズの推理が冴える、国民的シリーズ第52弾!
入隊しろ。新選組に。俺が局長に言ってやるよ、お前は、まかない専門にしようって。元治元(一八六四)年の京の大火、「どんどん焼け」で住んでいた長屋を焼かれた菅沼鉢四郎。妻子ともはぐれ、薩摩や会津の炊き出しの世話になる日々だ。ところが、会津の炊き出しが滅法まずい。思わず「まずい」と言った相手が新選組幹部・原田左之助だったことから、運命が変転をはじめる。果たして、鉢四郎ははぐれた妻子と再会できるのかー。新選組の知られざる内証を活き活きと描く、新直木賞作家の野心作。
武家の庶子でありながら、家族に疎まれ寒村の寺に預けられた久斎は、兄僧たちからも辛く当たられていた。そんななか、水汲みに出かける沢で出会う村の娘・しのとの時間だけが唯一の救いだったのだが…。手ひどい裏切りにあい、信じるものを見失って、久斎は寺を飛び出した。盗みで食い繋ぐ万吉と出会い、名をたずねられた久斎は“無暁”と名乗り、ともに江戸に向かうー波瀾万丈の人生の始まりだった。
かつての賑わいを失った温泉街。その町で育ち、地元の信用金庫に勤める勇太は、蛇神伝説をもとに新たな祭りを開催し、観光客を呼び込もうという地元活性化案を企画した。その目玉として、大蛇神輿と高校生の蕎麦打ちイベントを提案する。その頃、春海たち高校生も全国高校生蕎麦打ち選手権大会に出場するため特訓に励んでいた。そんな中、東京のメガバンクに勤める勇太の兄・勇之介が、リゾート化計画を引っ提げてやってくるが…。
長谷川芹は百貨店に勤めるアラフォー。彼女が惚れたのは、一回りも下の、京都老舗の御曹司だった! 結婚を目指すも、両親に拒まれ、若く美しきライバルに翻弄される。それでも彼と一緒になるためなら、イケズなあいつらになんて負けないと誓うがーー人情小説の名手がおくる、西陣を舞台に織りなされる愛と着物の感動物語!
"仕事ができない私は欠陥人間なの? 人生の一番が仕事でないのはいけないこと? 注目新人作家が贈る現代人のための新しいお仕事小説! 断れない性格が災いとなって中間管理職になった優紀。総務課の人間関係のもつれを解すべく奔走していたがーー。 (「走れ、中間管理職」) いつのまにか仕事ができない“老害”となってしまい家庭にも居場所がない中年課長・内野。 昇進もあきらめ、ただ毎日を過ごしていたが最近はあるやりがいを見つけていて……。 (「スポットライト」) 客観的に見れば甘やかされて育った新卒女子・かおりは小さいころから輪になじめず、コネで入った会社も休職することに。 図書館で出会った小学生の女の子との出会いによって日常が少しずつ変化していく。 (「輪になって踊ろう」) ほか全六篇を収録。疲れた心に寄り添ってくれるお守り的連作短編集。"