2018年7月発売
京都で開かれた引っ越し記念飲み会。そこに集まり、出会いすれ違う、男女のせつない一夜を描く、芥川賞作家の不朽の名作の増補新版。行定勲監督で映画化された本篇、映画撮影の夜に迷いこんだ作者と登場人物が語る「きょうのできごとのつづきのできごと」に加え、映画から生まれた番外篇「もうひとつの、きょうのできごと」を収録。
それは1914年のうららかな春、プロイセンで撮られた一枚の写真から時空を超えてはじまったー物語の愉しみ、思索の緻密さの絡み合い。20世紀全体を、アメリカ、戦争と死、陰謀と謎を描ききった、現代アメリカ文学における最重要作家、パワーズの驚異のデビュー作。
過度な自己破壊衝動を持つ男は最愛の妻を得ることで生きる意味を見出したかに思えたが、主治医の男と妻の関係に疑念を抱く(「落ちる」)。うだつの上がらない万年平行員の宿直当番中に銃を持った強盗が現れた。その意外な顛末とは?(「ある脅迫」)。サスペンスからユーモア、本格推理、叙情豊かな青春までバラエティに富む昭和ミステリの傑作短篇集。単行本未収録作「砂丘にて」収録。
英国で大人気のロングセラーシリーズ第10弾! アガサが苦しまぎれに描いた探偵小説が現実のものになり、大ピンチに!? アガサは愛しい人への未練を断ち切るため、やけくそで地図の上にピンを刺し、適当に引っ越し先を決めた。ところがそこは、とんでもなく閉鎖的な田舎の村だった。すぐに村人たちから、引っ越しの理由をあれこれ詮索されるはめに。「男に捨てられた可哀そうな女」と見られるのが嫌でアガサはつい、探偵小説を書くためにやってきたのだと見栄を張ってしまう。そして嘘にならないよう、どうにか村のお屋敷をモデルにして描きはじめた矢先、なんと彼女の描いた手口どおりに、お屋敷の主人が殺されてしまった! 退屈しのぎにやってきたチャールズとともにアガサは事件を調べ始めるものの、警察から最重要容疑者として目をつけられてしまい……!? 駆け出し時代の若きアガサを描いた短篇「アガサの初めての事件」を特別収録!
《シンデレラの赤い靴》シリーズ完結編! 社交界にデビューしたローリー・バクストン。幼かった彼女は妻子ある外国人外交官にたぶらかされ、抱擁しているところを人に見られて、社交界から追放されてしまった。継母のもとを逃げだし、いまはおばと二人で田舎に暮らすローリーは、筆名を使って週刊新聞にコラムを執筆している。 そこに赤い靴を持ったレディ・ミルフォードが訪ねてきて、言葉巧みに彼女をロンドンへ誘い出し、ダシェル侯爵ことルーカス・ヴェールの屋敷に彼の母親のコンパニオンとして送り込んだ。 ところが、ルーカスはコンパニオンに応募してきたローリーをそっけなくあしらおうとする。実はかつては彼女に恋こがれていたが、今の彼は破産寸前の一族を救うために資産家令嬢との縁談をとりつけねばならないのだ。ともあれ、二人の一つ屋根の下の生活がスタートしたのだが……
一九八一年、札幌。喫茶店“D”でアルバイトをしている大学生・コウヘイのもとに、東京で働く姉が「しばらく泊めて」と現れた。コウヘイは彼女がやって来た理由を聞けないまま、共同生活を始める。一方“D”では、店長が突如「辞める」と言い出して…。平和に思えた人間関係の綻びが垣間見えたとき、コウヘイたちがとった行動とは?未来に焦り、それでも前に進もうともがく若者たちを描いた傑作青春小説。
「食べられないものありますか?と出されたメニューに人の名前しか書かれていない」。「絶叫をあらわす手話を見たせいで、私の鼓膜は破れてしまった。」題名は入らない。文章に句点は一つ。詩ではなく物語である。物語の中でも怪談に近い。以上を踏まえた一続きの文章。をコンセプトに創作された怪談小説集。想像力を刺激され、恐怖や不安、幻想、ユーモアなどを感じられる作品を多数収録。
前作『偽装恋愛』(彩流社、2017年)につづき、 「女性遍歴」をあますところなく描いた 編集者(偏執者)による「小説(ロマン)」…… 《わたしは茶碗のウイスキーをひとくち飲んだ。 熱い感覚が喉を通りすぎて行ったとき、 ふと、雪子の裸を覗いてやろうと思いついて、 シャワー室に行くドアを音を立てぬよう気を配りながら そっと開けてなかに侵入した……》 跋文・谷川渥[美学]、装画・高須賀優
平凡な冒険者ヴォルフは、謎の女に赤子を託される。 自分の娘として育てることにしたヴォルフは冒険者を引退し、辺境の地でのんびり暮らし始めた。 15年後、最強勇者となるまで成長したパパ大好き娘レミニアは、王宮に仕えることに。 離れて暮らす父親を心配した過保護な娘は、こっそりとヴォルフに対して物理攻撃、物理防御、魔力防御、敏捷性、自動回復すべてMAXまで強化しておく。 そんな娘の過保護っぷりに気付かないヴォルフは、とあることからドラゴンを退治してしまう。 本人の意図せぬところで、辺境の平凡な冒険者ヴォルフの名は、徐々に世界へと広まっていくのだったーー。
好立地と聞かされて二号店を開いてみればそこは王都を揺るがす犯罪者集団の蔓延る街!? 渥目の美酒と武力が平和をもたらす!
大国の竜の世話を一手に引き受けていたドルトは、愚鈍な王から突如クビを言い渡された! 農業でもしながらのんびり暮らすかーー。だが、そんな彼の圧倒的な技術を見込んだ隣国の王女が直接スカウトに来て……?
アクスベル王国騎士団の団長エイスは、最強の男だった。そんなエイスにも深刻な悩みが…。それはー亡くなった姉の娘である双子の姪と一緒に過ごす時間がない事!そんな時、姫様との婚約が持ち上がるが、そんな事になれば姪達とは離れ離れに!?「そうだ、それならいっそ、地位も名誉も捨ててあの子達と家族旅行に出よう!」と思い立ち…。可愛い娘達と楽しい思い出を作りながら新たな日々を満喫する、最強騎士のほのぼの旅行記スタート!!
夏といえばバーベキューと酒! 異世界の夏を満喫する茜とひよりだが、日本の食材が減るごとに故郷への恋しさは募るばかり。ついに喧嘩してしまった二人を裂くように、なぜか茜だけが日本に飛ばされてしまい……!?
魔族領に腰を据え、ひょんなことから完全復活した「私」。神化した転移能力ならどこにでも行けると言われ、ひらめいた。「私」を勝手に蜘蛛にしやがってくれた世界の管理者、「D」にも会いに行けるんじゃ……!?
「階層の主」を倒した凱旋パーティーの最中、ゼナと再会を果たしたサトゥー。さらにカリナも来訪! 街を案内したりと賑やかに過ごす一行だったが、迷宮に潜ったゼナが怪物に攫われたという急報が飛び込み……!?