2018年7月発売
聖女伝説が伝わる里で行われた婚礼の場で、同じ盃を回し飲みした出席者のうち、毒死した者と何事もなく助かった者が交互に出る「飛び石殺人」が発生。不可解な毒殺は祟り神として祀られた聖女による奇蹟なのか?探偵・上苙丞は人の手による犯行可能性を数多の推理と論理で否定し、「奇蹟の実在」証明に挑む。
永遠の浪人生と思われたぴいくんと慎之介が、大学に合格。学校帰りに居酒屋「ちの利」に通う日々が始まった。ところが、二人が通う国際江戸川大学には恐怖の七不思議、通称「江戸七」と呼ばれる言い伝えが。解決を依頼された、ぴいくんの従弟で、天才高校生の千波くんが怪奇現象に立ち向かう。全5編を収録。
援交少女にして名探偵・上木らいちの元に、「メイドとして雇いたい」という手紙が。しかし、そこは異形の館で、一家を襲う連続殺人が発生。一方、高校生の戸田公平は、深夜招かれた資産家令嬢宅で、ある理由から逮捕されてしまう。らいちは犯人を、戸田は無実を明らかにできるのか?エロミス×社会派の大傑作!
眠ると記憶を失う名探偵・掟上今日子。彼女のもとに最先端の映像研究所で起きた機密データ盗難事件の依頼がもたらされる。容疑者は4人の研究者と事務員・隠館厄介。身体検査でも見つからず、現場は密室。犯人とデータはどこに消えたのか。ミステリー史上もっとも前向きな忘却探偵、「初めまして」の第1巻。
彦十郎は御家人の次男坊。浅草西仲町にある口入れ屋「増富屋」で居候をしている。商売人のご近所と仲良く暮らしていたのだが、やくざ者たちが、横丁に新たな店を出そうと、下駄屋や八百屋を強請りはじめた。背後には悪事を企む大物の影が。力を合わせて戦う、心優しい町民を生き生きと描く!
蛤御門の変で命を落とした久坂玄瑞の遺言を風倉平九郎は、高杉晋作に託す。晋作は長州を砲撃した外国との和睦交渉を、藩内の反対勢力から命を狙われながらも成立させる。幕府による長州征伐が迫るなか、決起の時機を見定めていた。行く先の見えぬ幕末を果敢に生きた志士たちの熱き青春小説、堂々完結!
直参旗本の森川家だが、昨今の窮状から富家の山崎家から直三郎を養子に迎えた。その持参金は五千両とも言われる。妻となる森川久代はまだ十四歳。祝言を間近にした頃、直三郎が体調を崩した。直三郎の兄、要俊は「毒を盛られた」と言うが…。南町奉行の懐刀、隼新八郎が人の世の裏を暴く痛快時代ミステリ。
第二次世界大戦、戦時下の動乱に未発表のまま置かれていた小説「死處」。77年の時を経て日の目を見た本作を初収録。その他、伊達藩の武士と少女の姿を哀切とともに綴った名作「夏草戦記」。戦場での手柄を誇らず、黙々と戦う武士とその妻を描いた傑作「石ころ」など。戦国を舞台に日本人の死生観を描く全八編。
群馬県死ノ字村。通称「方程式を使うことを禁じられた村」で、気味の悪い数え歌をなぞるように連続怪死事件が起きた。数学少女は、この究極の難問をどうやって解決するのか!?二つの旧家=鶴ノ森家と亀倉家をめぐる血塗られた因縁とは。シリーズ史上、もっともディープな愛憎劇が鳥肌ものの、特別長編!
永禄四年九月十日、最強と言われた戦国大名同士が激突した。信玄率いる武田軍と謙信指揮する上杉軍の決戦だ。霧立ちこめる北信濃の要衝で、稀に見る高等な駆け引きが繰り広げられた。そのとき、付き従った武将たちの本心とは!戦国最強対決の「瞬間」に、七人の作家が参戦。大好評「決戦!」シリーズ第四弾!
コンピューターのデータ処理能力は発達を続け、人類は無限の知識を手に入れた。そして2042年を機に「不死の時代」へ突入する。が、地球に定住できる人数は限られていたため、サイズと呼ばれる聖職者たちが、ヒトの命を奪うことになった。その後継者と目された少年と少女は「ユートピア」で何を見たのか?
アパレル企業で巻き起こったセクハラ騒動。課長が部下のOLにもCMモデルにも下品な振る舞いを繰り返しているのだ。係長の浪男は女性たちの相談に応じているうち次々とベッドに誘われることに。自信がついた浪男は昇進して、さらにスリリングな性体験が。官能小説の巨匠が描く、夢のモテ期。
「お母さん。奇跡は起きないんだよ。だからもう一度、今の家族を見て」四年前、人見由愛が中1の時に兄・典洋は高校でのいじめに耐えられず自ら命を絶った。母の伊代は今も立ち直れず、裁判により兄の無念をはらそうと必死だ。父親はアルコール依存症に陥り、会社生活も惨憺たる状態。家族は崩壊寸前。一方、母の依頼で裁判の取材を進める新聞記者・大同要は、自身のトラウマからこの家族に深入りするようになる。沈みそうな家族を必死でつなぎ止めたい由愛。彼女のもがいた末の選択は?そして、家族は…。迫力の法廷シーン、血の滲むような心の叫び。いじめによる自死遺族の苦悩と葛藤を描く衝撃作。
大学の仲間と結成したバンドでプロを目指す雅彦は、学生運動に染まる才女やグラマーな同級生などとの恋模様に翻弄される毎日。しかし、思いがけない悲劇で夢か友情かの決断を迫られ、ある歴史的事件によって恋愛にも影が…。70年代東京、青春がよみがえる!新作短編収録。
気ままなフリーター生活を送る浅井航は、ひょんなことから飲み屋で知り合った笹川啓介の会社「デッドモーニング」で働くことになる。そこは、孤立死や自殺など、わけありの亡くなり方をした人たちの部屋を片付ける、特殊清掃専門の会社だった。死の痕跡がありありと残された現場に衝撃を受け、失敗続きの浅井だったが、飄々としている笹川も何かを抱えているようでー。生きることの意味を真摯なまなざしで描き出す感動作!第7回ポプラ社小説新人賞受賞作!
王座を狙う父が王子ザキムを誘拐したと聞き、ファラーはあわてて父のもとへ駆けつけた。だが父は耳を貸さず、ザキムは食事を拒んでいるという。このままでは父は死罪になってしまうわ!ファラーは一人、テントへ行き、彼に食べ物を与えた。するとザキムは隙をついて縄を解くが早いかファラーを馬に乗せ、王宮へと連れ去った。ザキムが彼女を閉じ込めたのは、大理石の浴槽のある豪華な部屋。ファラーは息をのんだ。「まさか…ここはハーレムなの?」