2018年8月3日発売
官邸は迷走、首都電は責任回避に奔走。原発メルトダウンの危機は確実に進行する。表向き救世主として振る舞う鷲津の本当の狙いは?権力者たちの疑心暗鬼は膨れ上がる。無論、生半可な救済など許さない。絶対不可能のはずの「国策企業」の買収を、現実に起こりうるものとして描くドラマ、驚愕の結末!
電力事業ほど儲かるビジネスはないー。国から特別待遇を与えられ、「絶対に損をしない」収益構造を持つ電力業界に狙いを定めた鷲津の前に立ちはだかるのは、日本経済構造の暗部に蠢く権力。それでも、総本山「首都電力」に買収を仕掛けようとした矢先の2011年3月。東北を未曾有の地震、津波、原発事故が襲う。まさに国家存亡の危機。ハゲタカはどう動くか?
ムヒョとロージーが…まさかの女装!?ヨイチとビコの図書館での一日に、今井たちの秘密な女子会、ゴリョーのTV出演など、『魔属魔具師編』以前の出来事が小説化!!西先生の描きおろしイラストも満載の1冊!!
伊刈運四郎、馬庭念流の剣客、24歳。念願の出仕が叶うも、訳も分からず配されたのは火付盗賊改方の通称「しノ字組」。初仕事は、口から鯖の尾鰭が飛び出た血腥い屍骸の検分だった…。顔の刀傷で畏怖される供頭・杉腰小平太と、大酒呑みや博打好きなど、曲者の仲間たちに翻弄されつつ、凶賊を追って江戸八百八町を突っ走る!
小籐次父子は公方様に拝謁し、見事な芸を披露して喝采を浴びた。数日後、小籐次は駿太郎の乳母を務めたおさとと再会する。彼女の舅は名人と呼ばれる花火師だったが怪我を負って引退し、さらに余命数か月という。半端な花火職人の義弟が作った花火を舅に見せてやりたいというおさとの願いを知った小籐次は、一計を案じるー。
項梁の反秦連合に参戦した劉邦は若き項羽と共に秦と戦い、彼の勇猛さと複雑な人間性を知る。やがて楚王より関中平定という無謀な命を受けた劉邦は、張良の献策を生かし、秦の街を次々に攻略。ついに秦は降伏する。そして劉邦は鴻門の地で再び項羽と相見えるのだった。漢王朝を作った劉邦を描く大河小説、疾風怒涛の第三巻!
劉邦は「西楚覇王」となった項羽により、荒蕪の地である漢中の王に封じられる。新たに韓信を臣下に得た劉邦は、漢より関中・中原へと進軍し、楚軍との間で激しい戦いを繰り返す。幾度も窮地に陥る劉邦だったが、同盟者の協力により楚軍の糧道を断ち、項羽を追い詰めてゆく。漢王朝を作った劉邦を描く大河小説、ついに大団円!
スズメはついに漫画家デビューを果たす。就職が決まり、ロボットを発明する夢を叶えようとしているリツは、故郷でスズメにプロポーズをするが、一人前になるために足掻いていたスズメはそれを受け入れられなかった。時は流れ漫画家として行き詰まったスズメは、リツが結婚したことを知る…。半世紀にわたる物語、感動の完結。
わしが額ずくのは、美しいものだけだ── 最後まで己の美学を貫き、天下人・秀吉に切腹を命ぜられた千利休。 その心の中にいつも棲んでいたのは、十九のときに、殺した女だった……。 利休に艶やかな感性を与えた、秘めた恋と人生の謎に迫る 山本文学の金字塔。 圧倒的な筆力をもって描かれた第140回直木賞受賞作。 2013年には市川海老蔵主演で映画化され、モントリオール世界映画祭で最優秀芸術貢献賞受賞。 本文より─ なぜだ。なぜ、あんなふうにいともあっさり、美しいものを見つけ出すことができるのか。 ─秀吉 ──聡すぎはしまいか。聡い男は重宝されても、聡すぎる男は、嫌われる。─家康 あなた、ほんとうにわたしでよいのでしょうか。─宗恩 2014年に惜しくも逝去された著者と浅田次郎氏との直木賞受賞記念対談も収録。 刊行にあたり浅田氏からは「対談によせて」というお言葉もいただいてます。 死を賜る ──利休 おごりをきわめ ──秀吉 知るも知らぬも ──細川忠興 大徳寺破却 ──古渓宗陳 ひょうげもの也 ──古田織部 木守 ──家康 狂言の袴 ──石田三成 鳥籠の水入れ ──ヴァリニャーノ うたかた ──利休 ことしかぎりの ──宗恩 こうらいの関白 ──利休 野菊 ──秀吉 西ヲ東ト ──山上宗二 三毒の焔 ──古渓宗陳 北野大茶会 ──利休 ふすべ茶の湯 ──秀吉 黄金の茶室 ──利休 白い手 ──あめや長次郎 待つ ──千宗易 名物狩り ──織田信長 もうひとりの女 ──たえ 紹鷗の招き ──武野紹鷗 恋 ──千与四郎 夢のあとさき ──宗恩 特別収録 対談 浅田次郎×山本兼一
時は推古天皇の御世。混乱を極めた大陸に統一国家“隋”が誕生。朝鮮半島は分裂したままだが、東アジアは大きく変わろうとし始めた。聖徳太子は“隋”と国交を結ぶことでアジアの安定化を目論む。そのため、九州の海の民宗像の一族にその橋渡しを密かに命じる。果たして宗像一族は使命を果たせるのか?
【仕事はできるが不運すぎる女探偵・葉村晶シリーズ最新長編!】 葉村晶は、吉祥寺のミステリ専門書店のアルバイト店員をしながら、本屋の二階を事務所にしている〈白熊探偵社〉の調査員として働いている。 付き合いのある〈東都総合リサーチ〉の桜井からの下請け仕事で、石和梅子という老女を尾行したところ、梅子と木造の古いアパート〈ブルーレイク・フラット〉の住人・青沼ミツエの喧嘩に巻き込まれ、怪我を負ってしまう。 住み慣れた調布市のシェアハウスを建て替えのため引っ越さなくてはならなくなった葉村は、青沼ミツエの申し出で〈ブルーレイク・フラット〉に移り住むことになるが、そこでは思いもかけぬサバイバル生活が待っていた。ミツエの孫・ヒロトと父の光貴は八ヶ月前に交通事故に会い、光貴は死に、生き残ったヒロトも重傷を負った。事故の前後の記憶をなくしたヒロトは、なぜ自分がその場所に父といたのか調べてほしいと晶に頼む。 その数日後、〈ブルーレイク・フラット〉は火事になり、ミツエとヒロトは死んでしまう……。 解説・戸川安宣 前作「静かな炎天」は文庫書き下ろしながら、「このミス」2位とミステリランキングでも好調、「読書芸人」のカズレーザーや、のん(能年玲奈)も絶賛など、話題になりました。 【2018年12月追記】「このミス」3位、「週刊文春」6位、「ミステリが読みたい」5位にランクインしました!
2008年の世界的な金融危機でファンドマネージャーだった深尾真司は全てを失った。7年後のある日、コンビニの雇われ店長になった彼は行き倒れの少女を助ける。昆虫のナナフシのような細い肢体を持つ彼女、彩弓は将来有望なバイオリニストだったが病を抱えていた。彼女を救うべく、深尾は再び金融市場へとー。
元銀幕の大スター・片桐大三郎(現芸能プロ社長)の趣味は、犯罪捜査に首を突っ込むこと。その卓越した推理力と遠慮を知らない行動力、濃すぎる大きな顔面で事件の核心にぐいぐい迫る。聴力を失った大三郎の耳代わりを務めるのは若き付き人・野々瀬乃枝。この絶妙なコンビが大活躍する最高にコミカルで抱腹絶倒のミステリー!
鬼九郎は己を狙う“敵”と対決するため、柳生十兵衛、荒木又右衛門、幡随院長兵衛ら仲間とともに京に向けて出立する。だが一行の行く手に、敵の命を受けた風魔衆が次々と立ちふさがるー。高貴な出自であるからこそ、政争の具とならざるを得なかった鬼九郎の運命は!?絶好調の時代活劇シリーズ完結編。
鎌倉で小さな文具店を営むかたわら、手紙の代書を請け負う鳩子。今日も風変わりな依頼が舞い込みます。友人への絶縁状、借金のお断り、天国からの手紙…。身近だからこそ伝えられない依頼者の心に寄り添ううち、仲違いしたまま逝ってしまった祖母への想いに気づいていく。大切な人への想い、「ツバキ文具店」があなたに代わってお届けします。
生い立ちも性格も体つきも対照的な女学校の同級生、佐倉玖美と沢井窓子。花嫁に憧れる二人はやがてそれぞれにファッション業界へ身を投じ、戦中から戦後の高度成長期にかけて、この国にブライダルビジネスを根付かせるー。女性の社会進出がまだ珍しい時代、彼女たちはいかに偏見や因習を乗り越えたのか。紆余曲折の足跡を鮮やかに描く感動作!
作家の桜川詩子は、醜い容姿がコンプレックス。それなのに、デブスな春海さくらは男達を手玉に取って、女神扱い。さくらを題材に小説を書くため詩子は、彼女の友人、母親など四人の女を取材するがー。“どうしてあんな女に私が負けるのか”。一人の醜女に人生を狂わされた女達の怒りと焦りが決壊する時、この世で最も醜い女の戦いが始まる。
ミス・ユニバース日本事務局で働く由希のボスは、NYの本部から送り込まれた美の伝道師エルザ。愛車ジャガーで都内を飛び回り、メディアにひっぱりだこの強烈な個性を放つ人物だ。彼女の元に選りすぐりの美女12名が集結し、いよいよ運命の2週間が開始。苛酷で熾烈なキャンプで嫉妬に悶え、男に騙され、女に裏切られ。そして最後に残るのは?
中学校の同窓会の幹事をするはめになった宏樹だったが、参加者は一向に集まらない。出席率を上げるため、宏樹はかつての仲間たちの消息を尋ねる。クラスの人気者、優秀な委員長、落ちこぼれ、そして、ずっと会いたかったあの人…。だが、それぞれが思い出したくない過去や知られたくない現状を抱えていた。切なくてほろ苦い大人のための青春小説。