2018年9月発売
挫折の果てに高原へとやってきた、元ロックバンドのギタリスト。音楽を捨て、ワインを造るーそう決意した孤独な青年の心を、奈穂の料理はどう変えるのか?大好評!「高原カフェ日誌」シリーズ第二弾。
戦後、1000人の孤児の生を支えたひとりの男がいた! NHK「プロジェクトX」の元プロデューサーが描く、実在の人物をモデルにした感涙の物語。 太平洋戦争当時、東京大空襲などによって、多くの戦災孤児がうまれました。戦後の混乱のなか国の支援もなく、両親も家も失った孤児たちは、ある者はなすすべもなく命を失い、またある者は生きるために悪の道を受け入れざるをえませんでした。 その孤児たちに手を差し伸べたのが、本作『光の人』の主人公、門馬幸太郎です。二十代の若き門馬は教師の職を投げ打ち、収入の見通しもないまま、孤児たちとの共同生活を始めます。 実は、この小説には実在のモデルがいます。NHK「プロジェクトX」のプロデューサーだった著者の今井彰さんは、パーソナリティをつとめるラジオ番組でこの人物に出会いました。その生き方に心を打たれた今井さんは以来、取材を重ね資料を集め、書き下ろし小説として、彼の人生を結実させたのです。 食糧難から親の虐待へ。孤児たちが味わう苦しみの様相は時代とともに変わりますが、門馬は公的な支援がないまま、その一切から逃げることなく、戦後1000人の孤児を育てました。その背景には、門馬自身の悲惨過ぎる戦争体験がありました。 こんな素晴らしい男が日本にいたのか。そんな圧倒的な感動と衝撃に言葉を失います。読めば絶対に泣けてしまう、心を揺さぶる感動巨編の誕生です。
愛したはずの夫は、まったくの別人であった。 「マチネの終わりに」から2年。平野啓一郎の新たなる代表作! 弁護士の城戸は、かつての依頼者である里枝から、「ある男」についての奇妙な相談を受ける。 宮崎に住んでいる里枝には、2歳の次男を脳腫瘍で失って、夫と別れた過去があった。長男を引き取って14年ぶりに故郷に戻ったあと、「大祐」と再婚して、新しく生まれた女の子と4人で幸せな家庭を築いていた。ある日突然、「大祐」は、事故で命を落とす。悲しみにうちひしがれた一家に「大祐」が全くの別人だったという衝撃の事実がもたらされる……。 里枝が頼れるのは、弁護士の城戸だけだった。 人はなぜ人を愛するのか。幼少期に深い傷を背負っても、人は愛にたどりつけるのか。 「大祐」の人生を探るうちに、過去を変えて生きる男たちの姿が浮かびあがる。 人間存在の根源と、この世界の真実に触れる文学作品。
1944年、ユダヤ人の13歳の双子、パールとスターシャは、アウシュヴィッツに送られ、優生学研究に取り憑かれた、アウシュヴィッツの〈死の天使》と呼ばれた医師・ヨーゼフ・メンゲレが集めた多くの双子たちとともに《メンゲレの動物園》と呼ばれる施設に入れられる。双子に異様な興味を抱く医師の実験体となった二人が少女の目で見た恐るべき世界を叙情的な筆致で描いた、それでいて力強い物語。生命の尊さ、人間の言葉の力を描いた本書は今こそ、読まれてしかるべき一冊。
これは、もうすぐ21世紀がやってくる、というころに起きた、愛すべき子どもたちの闘いの物語です。--不可能状況から煙のように消え去ってみせる子どもたちと、そのトリックの解明に挑む大人の知恵比べ。単なる家出と思われた子どもたちの連続失踪事件は、次第に地域全体を巻き込む大事件となっていった! いま最も将来を嘱望される俊英が新境地を切り拓く、渾身の傑作長編。ミステリ・フロンティア100冊刊行記念特別書き下ろし、遂に刊行!
1942年、イギリスの特別作戦執行部の工作員であるわたし、マギー・ホープは、戦局の行方を左右する重大な情報を持っているはずの工作員を救うため、ドイツ占領下のパリに潜入した。滞在先のホテル・リッツで高名なデザイナーのココ・シャネルと知り合うマギー。一瞬たりとも気を抜けない日々のなか、イギリスの工作員ネットワークに亀裂が生じる! ニューヨーク・タイムズ・ベストセラーの人気シリーズ、最新刊!
現代ミステリの最高峰が贈る、すべてのミステリファンへの最高のプレゼント! 1955年7月、パイ屋敷の家政婦の葬儀がしめやかにおこなわれた。鍵のかかった屋敷の階段の下で倒れていた彼女は、掃除機のコードに足を引っかけたのか、あるいは……。その死は小さな村の人々へ徐々に波紋を広げていく。燃やされた肖像画、消えた毒薬、謎の訪問者、そして第二の死。病を抱えた名探偵アティカス・ピュントの推理はーー。現代ミステリのトップ・ランナーによる、巨匠クリスティへの愛に満ちた完璧なオマージュ作品!
名探偵アティカス・ピュント・シリーズ最新刊『カササギ殺人事件』の原稿を結末部分まで読み進めた編集者のわたしは激怒する。こんなに腹立たしいことってある? 著者は何を考えているの? 著者に連絡がとれずに憤りを募らせるわたしを待っていたのは、予想だにしない事態だったーー。現代ミステリの最高峰が贈る、すべてのミステリファンへの最高のプレゼント! 夢中になって読むこと間違いなし、これがミステリの面白さの原点!
ペンリック19歳、婚約者を迎えに行く途中、病で倒れている老女の最後を看取ったのが、すべての始まりだった。亡くなった神殿魔術師の老女が持っていた魔が、あろうことかペンリックに乗り移ってしまったのだ。おかげで婚約は破棄され、ペンリックは年古りた魔を自分の内に棲まわせる羽目に。ペンリックは魔を制御し、庶子神神殿の神殿魔術師になるべく訓練を始めるが……。ヒューゴー賞など四賞受賞の〈五神教〉シリーズ最新作登場。
千数百年にわたり日本人のこころを伝えてきた漢詩。 それぞれの時代の偉人たちが残してきた作品を、易しく丁寧な解説とともに読み解き、そこにあらわされた日本人の心を見つめなおす。 漢詩の楽しさ・奥深さを知るための絶好の入門書。
結婚も子供も叶わぬ夢と諦めていた── あなたが現れるまでは。 マリエッタはローマの画廊で働く画家の卵。 下肢が不自由なため車椅子に頼る生活だが、懸命な努力を重ね、 ようやく自活できるようになったことに誇りをもっている。 ところが、その生活が悪質なストーカーによって脅かされ、 妹の身を案じた兄が親友で警備会社CEOのニコに助けを求めた。 屈強な体に鋭いブルーの目。マリエッタはなぜか彼が近くに いるだけで脈が乱れた。しかも強引に説得され、 ニコが所有する島にしばらく匿われることになってしまう。 大富豪と二人きりの生活は案の定、波瀾に満ちた幕開けで……。 気鋭の作家アンジェラ・ビッセルが『天使が去ったあの日から』に続いて贈る、しっとりと情緒豊かなロマンスをお楽しみください。頑張り屋のヒロインですが、こと恋愛になると、どうしても脚のことが気にかかり、臆病になりがちで……。
私の幼い胸を焦がした彼の美しい瞳に、 今は怒りと憎悪しか見えない。 レクシーは両親の死後、伯父の家で使用人扱いされて育った。 そんな日々の中、心の支えだったのは憧れの上司アトラス。 だがある日、無実の罪で囚われた彼は皮肉にも レクシーの証言が決め手となり、CEOの座を追われ 長い獄中生活を強いられる悲劇に見舞われてしまうーー。 10年後、ついに無実の罪を晴らした彼がオフィスに現れる。 そして、おののくレクシーに傲然と言った。 「僕を監獄に追いやった君への罰は、僕と結婚することだ」 何を企んでいるの? 彼の意図がわからずレクシーは狼狽した。 あまりにも変わってしまったかつての憧れの男性。悲しみの新婚初夜、過去の罪を体で償えとばかりの悪魔の仕打ちにヒロインは耐えますが、妻がバージンだと知った彼は……。文豪デュマの名作『モンテ・クリスト伯』さながら、重厚な愛憎劇の幕が開きます!
異国の砂漠での星空観賞ツアー後、マギーは眠っていたところを外へ引きずり出され、ヘリコプターで豪華なテントへさらわれた。そこで待っていたのは、その国の皇太子イリアスだった。彼によれば弟王子を誘惑し、脅迫している女こそマギーだという。違う。それは誤解で、弟王子とは話をしただけだ。するとイリアスは侍女に、マギーの身繕いをするよう命じた。私が砂だらけだから?いいえ、この国にはハーレムがある…。マギーは青ざめた。この人は私を寵姫に加える気でいるの?24歳で男性経験がないくせに、彼の魅力の虜になっている私を。
パーティに出席するためアマルフィに飛んだオーラは、大富豪トーレ・ロマーノと皮肉な再会を果たした。8年前、無垢な彼女はイタリアで出会ったハンサムな彼にたちまち心奪われ、愚にかもバージンを捧げた。しかし翌朝、残酷な彼の言葉が夢の夜を悪夢に変えた。“君も財産狙いだろう?”-以来、彼を避け続けてきたのに、昔より魅力を増したトーレは、母の治療費の工面に悩む失業中の彼女に、臨時秘書の職を提示してきたのだ。もしまた誘惑されたら…?そんなオーラの不安は的中する。
1年の契約結婚が終われば消える、 まぼろしのシンデレラーー ソリティアは病母と学生の妹を抱え、亡き父の店を切り盛りしている。 ある日、家賃が引き上げられると知り、彼女は愕然とする。 店の2階に住んでいるため、家賃を払えなくなるということは、 家族もろとも路頭に迷うことを意味していた。 ソリティアはロンドンの一等地に立つ不動産会社へ向かうと、 世界を股にかけて活躍する大富豪実業家のゼイビアを前に、 どうか値上げをもう少し待ってくださいと必死に訴えたーー お宅の掃除でも、オフィスのお茶くみでも、なんでもしますから、と。 だが非情にも、ゼイビアはすべて間に合っていると一蹴したあと、 なおも懇願する彼女に言い放った。「今僕が必要としているのは、妻だ」 父の思い出がつまった店を守るためなら、何も厭わないと心に誓う苦労人のソリティア。一方、世界の美女と浮き名を流すゼイビアは、大伯母の遺言により、一族の館を相続するための条件として即席の妻を探しており、その期限が残り6週間と迫っていたのでした……。
美しき公爵が詠む愛の詩に、 酔いしれていたかった……。 信じていた人に裏切られてひどく傷ついた大学講師のアビーは、 仕事をしばらく休んで、ヨーロッパで心身を癒やすことにした。 歴史的な詩人のリサーチを兼ねたその旅はしかし、 彼女の心をかつてなく大きく揺さぶることになる。 滞在する予定の風光明媚な地所から迎えに現れた男性ラウルを見て、 そのあまりの美しさに、アビーは思わず息をのんだ。 ずっと妄想の中で思い描いてきた、まさに理想の男性像そのもの。 さらに、ラウルの祖父がアビーの探している詩集を所有しているからと、 フランスにある彼の家に招待され、彼女は天にも昇る心地になったーー まさか彼が公爵で、しきたりを重んじる家族から冷遇されるとも知らず。 それぞれ心に傷を抱えた3人のヒロインが、ヨーロッパを旅するなかで運命の人と出会う、3部作〈大富豪の青い鳥〉。第1話の本作は、フランス公爵との身分違いの恋物語です。ロマンティックな舞台にご注目ください!
惨めな娘は途方に暮れたーー 彼の瞳がまぶしすぎて。 ロンドン社交界の息苦しさに耐えかねたハリエットが 早朝の公園で秘密の朝駆けを楽しんでいると、 不意に暴れ馬が現れて乗り手の男性が振り落とされた。 泥酔した様子のその男性は、心配してかがみ込んだハリエットを あろうことか娼婦と誤解し、巧みなキスとともに組み敷いた。 ハリエットは驚いて逃げ去ったが、舞踏会の夜に彼と再会する。 男性の正体は麗しの子爵、ベコンソール卿ジャック・ヘスケスだった。 彼にダンスを申し込まれ、友人たちに紹介されて戸惑いながらも、 生まれて初めて人目に留まったハリエットは喜びを覚えていた。 ジャックが彼女を賭の対象にしているなどとは夢にも思わずに。 超人気作家A・バロウズの3連作、米読者絶賛の〈神々の悪戯〉シリーズ第1話をお届けします! 愛に臆病なふたりが織りなす不器用な恋の行く末は……? 気になる脇役、無慈悲な“ゼウス”の恋物語が描かれる第2話は豪華記念号です。
両親が相次いで亡くなり、クリスティアーヌはただひとり、スコットランドの小さな町で迫害を受けていた。伯父の計らいでイングランドの孤島の伯爵家に嫁ぐことになったが、そこでも彼女は、島民から悪意に満ちた目を向けられる。このつらい境遇もしかたのないことなのかもしれない。スコットランドとイングランドの血を半分ずつ受け継いだ身だから。両国の争いが終わった今なお、双方から目の敵にされてしまう。クリスティアーヌの居場所は、もはやどこにもなかった。島の領主で伯爵のアダムも、島民と同じく、私を花嫁と認めないだろう。悪漢から守ってくれた彼に、私は心を奪われてしまったというのに…。
想いはすれ違い、幸福は手からこぼれ落ちる。 わたしたちはもう終わりなの? 大富豪の夫メイソンとの子供に恵まれなかったスカーレットは、 養子縁組で迎えた赤ん坊まで心変わりをした実母に奪われ、 失意のどん底に突き落とされた。夫婦仲も徐々に険悪になり、 ついにメイソンは「別の男と幸せになってくれ」と言い捨て、 家を出ていってしまった。離婚も時間の問題だった。 そんなとき、死の床にある義弟から幼い一人娘の養育を託される。 弟を安心させたいというメイソンの願いを聞き、 スカーレットは彼と幼子を我が家へ迎え入れる決意をした。 二人の情熱は再び燃えあがり、彼女は幸福に酔いしれた── “メイソンを信じてもいいの?”という心の声に耳を塞いで。 巧みなストーリー展開と個性豊かなキャラクター描写で人気の作家、アンドレア・ローレンスが描く、夫婦の愛と再生の物語をお楽しみください。壊れかけた二人の絆を、1歳になったばかりのルナがどう結びつけていくのか……? ご注目ください。
名門の英国紳士が望むのは赤ん坊だけ。 わたしとの絆は求めていない。 「この子はあなたの子よ……」アリスは再会したチャールズに告げた。 ベビーバギーにいる黒髪で青い瞳の赤ん坊は彼にそっくりだ。 チャールズは英国の上流階級出身で、世界中の女性が憧れる有名な男性。 去年アリスは仕事の会議でアメリカを訪れていたチャールズと出会い、 “きみと二人きりになりたい”と言ってくれた彼に純潔を捧げたが、 ほどなく妊娠に気づき、自分の愚かさを痛感したのだった。 出産後、アリスは心に決めるーーこの子はわたしが独りで育てる、と。 それでも、チャールズに何も知らせないのは不公平だと思い、 今アメリカを再訪している彼に連絡を取って真実を明かしたのだ。 彼がこの地に滞在して赤ん坊を自分のものにしようとするとは予期もせず。 期待の新作家ミシェル・メイジャーがディザイアから、ついに日本デビュー! 2017年にRITA賞を受賞した筆才を、胸が切なくなる再会物語でお確かめください。本作は名門フォーチュン家の華麗な恋模様を描く〈富豪一族〉シリーズとも繋がりがあります。