2018年9月発売
時の将軍家斉の御台所寔子の夢枕に一寸法師が立った。あれは水子として葬られた我が子・長丸に違いないという。異変を察知したお年寄り筆頭の今和泉は、過ぐる年、織田信長の残党・影母衣衆の魔の手から寔子を救った提灯奉行・白野弁蔵に探索を依頼する。弁蔵は御目付神保中務から陰扶持を頂戴する直心影流の達人だ。その矢先、城中から御台所と今和泉が失踪する。長丸のお骨は神君家康公を祀る久能山東照宮にあった。弁蔵はすぐさま、自分を親分と慕う鳶の朝吉と元辰巳芸術の君蝶を引き連れて駿河国に着到する。著者が全力を傾注して書き下ろすシリーズ第2弾。
あの付添い屋が帰ってきた! 新章開幕! 第一話 春雷 秋月六平太は付添い屋をやめ、相良道場師範代を務めていた。ある日、飛騨屋母娘と舟遊びに出たところを破落戸に絡まれ、これを撃退。だが噂を聞いた口入れ屋に「隠れて付添い屋をしていたのか」と詰め寄られる。一方、十五歳になった穏蔵は八王子から江戸に出てきたが、肌に合わず奉公先を飛び出していた。 第二話 女医者 師範代を返上した六平太へ、中条流女医者かつ枝に付添う仕事が舞い込んだ。診療の帰り、外塀に貼られた姑獲鳥の札に、かつ枝は顔色を失った。そのころ、森田座の役者、河原崎源之助が行方不明になっていた。 第三話 鬼の棋譜 妙な男が市兵衛店を窺っているらしい。気になりながらも六平太は平岡宗雨の付添いへ出向く。将棋の才能に恵まれた宗雨だったが、態度が慇懃だと世間からの評判は悪かった。 第四話 一両損 穏蔵は甚五郎親分の下で働きたいという。二人を引き合わせた六平太は、音羽での騒ぎを耳にする。灰買いの女が集めた灰の中から高価な菩薩像が出てきたのだ。持ち主を探すため、六平太は町に噂話を流す提案をする。 【編集担当からのおすすめ情報】 シリーズ35万部突破、金子成人の大人気シリーズ、待望の新章スタート! 帯コメントは若村麻由美さん。 新シリーズ『脱藩さむらい』と書き下ろし二冊同時刊行!
香坂又十郎は、石見国、浜岡藩城下に妻の万寿栄と暮らしている。奉行所の町廻り同心頭であり、斬首刑の執行も行っていた。浜岡藩は、海に恵まれた土地である。漁師の勘吉と釣りに出かけた又十郎は、外海の岩場で脇腹に刺し傷のある水主の死体を見つける。浜で検分を行っていると、組目付頭の滝井伝七郎が突然現れ、死体を持ち去ってしまった。義弟の兵藤数馬によると、死んだ水主の正体は公儀の密偵だという。後日、城内に呼ばれた又十郎は、謀反を企んで出奔した藩士を討ち取るよう命じられる。その藩士の名は兵藤数馬であった。大河時代小説シリーズ第一弾!
広告代理店に勤める國枝颯子は、うっかりノーブラで出勤したある日、慌てて駆け込んだランジェリーショップで男性のフィッター、伊佐治耀に出会う。フィッティングを通して伊佐治からいい加減な生き方を指摘された颯子は、自分を見つめ直すようになる。“女であること”を持て余している後輩の百田馨、旬を過ぎた女優の本城夕妃、女装の趣味がある大狼社長、出産後のセックスレスに悩む同期の美鈴…颯子をとりまく人々も、伊佐治のランジェリーの魔法で変わり始めてー!?最高の一着とともに最高の恋が舞い降りる胸きゅんラブコメ。
昭和十三年。青年実業家の瀬田修司は、横濱一の大富豪から出資を得ようと原三溪について調べ始める。三溪は富岡製糸場のオーナーで、世界最高ランクの生糸を生産していた。関東大震災では横濱復興の先頭に立ち、私財を抛って被災者の救済にあたった。茶の湯に通じ、三溪園を作り市民に無料解放。日本画の新進画家を育成…と、身辺を嗅ぎ回っても醜聞は見つからず、瀬田は苛立つ。やがて、三溪と話を交わす機会を得た瀬田は少しずつ考えを変えていく。少年時代の瀬田には、三溪との忘れ得ぬ出来事があった。現代にも求められるリーダー像を描いた長編小説。
地味で冴えない男子高校生・鈴木頼は、幼なじみで初恋の“あのコ”・立花雫が通う東京の高校に転入する。女優を目指し真っすぐに頑張る雫と再会をし、あらためて恋をする頼だったが、あるきっかけからなんと雫の付き人をすることに。雫への頼の気持ちは膨らんでいくが、同じく幼なじみで人気俳優の東條昴が、そんな頼をけん制する。「お前は、絶対に俺に勝てない」-。二〇一八年十月五日公開の映画「あのコの、トリコ。」(主演・吉沢亮)ノベライズ。小説だけのオリジナルシーンも!原作は累計発行部数100万部を突破した白石ユキの大ヒットコミックスです。
住宅街にひっそりとたたずむレトロな雰囲気の「さくら花店」。一見ごく普通のフラワーショップだが、ここにやってくる客は、傷ついて病んだ魂を抱える人ばかり。苦しむ人の心を癒そうとする花の願いを聞き、その手助けをしているのは、植物の声を聞くことができる店主の雪乃だ。本日店にやってきたのは、美しい妹のために白い百合を買い求める女子高生。雪乃が感じた嫌な予感の正体とは?花に呼ばれると危険もかえりみず走り出してしまう雪乃を見守るのは、人嫌いで無愛想な樹木医の将吾郎。風変わりな夫婦が、植物にまつわる歪んだ事件を解き明かす!
都内の出版社に勤める栗原綾乃は、訳あって食の女神様「花比売」と運命共同体のような関係にある。綾乃の属する料理情報誌『食彩記』の編集者は癖のあるメンバーばかり。中でもルックスと家柄は最高だが中身が残念なイケメン・新藤悠弥は、やたらと綾乃に絡んでくる問題児だ。編集部内外で起こる食べ物絡みの事件を解決するため、綾乃は彼らと共に東奔西走。例えば、糖尿病治療入院中の編集長のために特製鰻重を開発、老舗和菓子屋を存続させるために名物饅頭を再現、経営不振の焼き鳥屋に起死回生の策を授ける、等々。綾乃の恋と仕事の行く先は…?
広告代理店で働く25歳の優子は、パワハラ&激務のせいで仕事中に倒れてしまう。精神科を受診するも、患者の話を全く聞かず自分の話ばかりの超変わり者医師・小畑にあたり、踏んだり蹴ったり。しかし治療のために仕方なく訪れた野球場で優子は、日本人メジャーリーガーを巡る、摩訶不思議な物語と出会い…爽快な感動作!
さびれゆく松保商店街に現れた若きカリスマ図領。クレーマーの撃退を手始めに、彼は商店街の生き残りを賭けた改革に着手した。廃業店舗には若い働き手を斡旋し、独自の融資制度を立ち上げ、自警団「未来系」が組織される。人々は、希望あふれる彼の言葉に熱狂したのだが、ある時「未来系」が暴走を始めて…。揺らぐ「正義」と、過激化する暴力。この街を支配しているのは誰なのか?いま、壮絶な闘いが幕を開ける!
話は「シドッチの石」に始まるーそれは何処に?警部は小岩井、探偵は尾形修平。からむのは紅殻駱駝!シャーロック・ホームズまで登場。舞台は東京、その近郊…。『黒死館殺人事件』の先駆をなす。著者短篇佳作に較べ「毫も敗けをとらぬ、自信が、私にはある」。洒脱にして通俗痛快。初文庫化!
「そろそろオリオン座が振り向くはずだ」僕らは毎夜、夜空を見上げて過ごす…世界の果てに近い町の青春、太陽系中の食通を唸らせる料理に隠された真実、主人公連続殺人事件。甘美で繊細、壮大でボンクラ、夢みる言葉、踊る文字、胸にしみる小理屈と抒情。円城塔世界が炸裂する、極上の作品集。
武田信玄は死に際し、自らの亡き殻とともに財宝を諏訪湖に沈めるよう命じた。その石棺の隠し場所を示す五巻の巻物をもって逃げる三人の落武者は、徳川方に討たれる。その巻物をめぐって武田の郷士・高市児次郎は、師僧・閑雪、猟師の子・伝太とともに三つ巴の争奪戦にまき込まれるー。人間の一生は修行だとする周五郎の信念に貫かれた伝奇時代長篇、初文庫化!
北海道十勝の外れにある限界集落「オーロラ町」に、28歳の自動車整備士・大祐は帰ってきた。病に伏した父の仕事を手伝うための一時帰省だ。しかし町おこしに腐心する料理人・安藤の熱意に触れ、地元への想いに変化が生じ始める。一方、町では灯油泥棒や募金詐欺、殺人事件が勃発。なぜだか探偵役を担うはめになった大祐は、事件と過疎から町を救えるのか?北海道の魅力も満載の全4篇!
1964年元旦、長崎は老舗料亭「花丸」-侠客たちの怒号と悲鳴が飛び交うなかで、この国の宝となる役者は生まれた。男の名は、立花喜久雄。任侠の一門に生まれながらも、この世ならざる美貌は人々を巻き込み、喜久雄の人生を思わぬ域にまで連れ出していく。舞台は長崎から大阪、そしてオリンピック後の東京へ。日本の成長と歩を合わせるように、技をみがき、道を究めようともがく男たち。血族との深い絆と軋み、スキャンダルと栄光、幾重もの信頼と裏切り。舞台、映画、テレビと芸能界の転換期を駆け抜け、数多の歓喜と絶望を享受しながら、その頂点に登りつめた先に、何が見えるのか?朝日新聞連載時から大きな反響を呼んだ、著者渾身の大作。
本書は、『男はつらいよ 寅さんDVDマガジン』に連載された「けっこう毛だらけ 小説・寅さんの少年時代」を改題、改稿のうえ加筆し、単行本としてまとめたものです。
100エーカーの森で豊かな少年時代を過ごしたクリストファー・ロビンは、大人になり、ロンドンで多忙な日々を送っていた。妻子と過ごす時間もとれぬほど仕事に追われ、ゆとりを失っていたクリストファーだったが、ある日彼の前に、かつての親友、くまのプーさんが現れ…。本当に大切なものは何かを教えてくれる、感動の物語!
メーラーデーモンを名乗る者から「一週間後、お前は死ぬ」というメールが届いた後、殺害される連続殺人が発生!「お客様」を殺された上木らいちは捜査を開始。被害者は全員、X-phone社のガラケーを所有していたことが判明する。一方、休職中の元刑事・藍川は「青の館」で過ごすが、小松凪巡査部長のピンチを知り、訳ありの宿泊者たちと推理を展開。らいち&藍川、二人は辿り着いた真相に震撼する!!