2018年発売
沖縄に押し寄せた数百のロシア製無人機は、あるひとりの天才エンジニアにより、見事撃墜された。しかし、ここで思わぬ事態が。そのエンジニアが提唱した「香港でフェイクニュースを流せ」という案が採用されたことで中国政府が香港のインターネット網を強引に遮断、それが全世界にも波及したのだ。中国ではeコマースが崩壊し、銀行の取り付け騒ぎも発生。戦争どころではなくなった。そんな混乱した状況下で、ハワイでは米中の最後の死闘が始まる。全世界を巻き込んだ、米中の戦いの行方はー?「第三次世界大戦」シリーズ、ここに閉幕。
異世界アザワルドに転移した無職の青年・楠一之丞(イチノジョウ)は、白狼族のハルワタート、半小人族のキャロル、仮面少女マリーナとともに旅を続けていた。その頃、ひとりの少女がこの世界に現れる。彼女の名前は楠ミリ。イチノジョウの妹にして、かつて魔王ファミリス・ラリテイと呼ばれていた少女だったー。「小説家になろう」開催「ネット小説大賞」金賞受賞作、シリーズ第5巻!
砂漠をさまよい、瀕死の状態でマスクラン村にたどりついたセリム。やがて目覚めた彼は、恩人イブラヒムに少しずつ身の上を語り始める。ヴァイオリンに心魅かれ、夢中で手ほどきを受けた少年の頃。ミリアムとの初恋。そんな日々をよそにかつての楽園シラケシュはいつしか全体主義に覆われていく。悲痛な思いを胸に放浪し、ついに魂をぶつけるにふさわしいサン=サーンスの曲を見出したとき、セリムに命を賭したヴァイオリン演奏の晩が訪れる。『囀る魚』のセシェがおくる魂の音楽小説。
奈子は、大学の通学路でいつもすれちがう男性がとても素敵で、ずっと気になっていた。話しかけることもできず日々は過ぎ、いつのまにか彼に逢えなくなってしまう。彼に再会する日を夢見る奈子。だが、親友の葵とともに彼をさがすも、いつもあと一歩のところですれちがってしまう。衝撃の結末が待ち受ける恋愛ミステリー。
幼い頃からの想い人、諒一を奪った親友の百合。二人の息子に「直巳」と名付けた日から、真由子の復讐が始まった。二十一歳年下の直巳を調教し、“自分ひとりのための男”に育てる真由子を待つ運命はー。谷崎潤一郎『痴人の愛』に真っ向から挑んだ話題作。
特殊清掃員として働く桜庭潤平は、死者の放つ香りを他の匂いに変換する特殊体質になり困っていた。そんな時に出会ったのは、颯爽と白衣を翻し現場に現れたイケメン准教授・風間由人。分析フェチの彼に体質を見抜かれ、強引に助手にスカウトされた潤平は、未解決の殺人現場に連れ出されることになり!?
借金の形に身を売られた旗本の娘の自害が相次ぐ。改易を恐れた旗本が娘に自殺を強要していたのだ。扇太郎が預かる元遊女の朱鷺にも魔の手がのびる。江戸を揺るがす事件に乗じて町奉行の座を狙う鳥居、岡場所の利権を欲する一太郎、政権奪取を図る家斉派の幕閣の思惑が交錯する中、扇太郎も覚悟を決める。待望の新装版第五弾!
グアム米軍基地で軍人を狙った首斬り殺人が頻発。数年前の日本で起きた惨劇との類似に、殺人鬼復活かと関係者は震撼する。米国海軍、空軍、中央保安局それぞれの思惑が交錯する中、かつて犯人に肉薄した朝倉が自衛隊警務官に身分を変えて招喚されることに!自衛隊出身の警察官「オッドアイ」が凶刃を追うシリーズ第3弾。
首相の非常事態宣言により警察上層部から指揮権を奪ったクラン。晴山警部補たちは身命を賭して黒幕「神」への足がかりを掴む。しかしその最中、「神」から命を狙われているはずの足ヶ瀬巡査が忽然と姿を消す。予測不能の裏切り、暗殺者との死闘。刑事たちは巨悪との最終決戦へ挑む。
あげる人もあげない人も、もらう人ももらわない人も、チョコが好きな人もそうじゃない人も、なぜか気になる日。心がザワザワする日ー。本命チョコ、友チョコ、義務チョコなど、様々な関係性でやりとりされる“それ”は、ただ甘いのか、ほろ苦いのか…。2月14日をめぐるドラマを8粒詰め合わせた限定アソート、文庫オリジナルで。
宗陵元との深夜の死闘を演じた朝丘剛は、熱も冷めやらぬまま神戸を後にする。劉栄徳、由佐肇ー二人の達人を破るべく武者修行を続ける剛。漂泊の星の下に生まれた男に安住の地はない。岡山に美作竹上流の本拠を訪ねた剛は鉢須賀了太に出くわす。偶然の再会にライバルたちの血は滾る。『修拳会館』で心の技を磨いた鉢須賀に道場破り同然の試合を申し込む剛。かつて闇試合で激闘を繰り広げた二人に決戦の幕が切って落とされた!
三十五歳の千穂は不妊治療を始めて十年、夫と義母からの嫌味に耐え続けてきた。ある日、夫が酒に酔った男・透を轢いてしまう。謝罪のため透を探す千穂は、彼が算数障害だと気付き手を差し伸べる。だが、二人の関係を怪しむ夫。一方的に疑われ、これまで抑えてきた感情を爆発させた千穂は、家を飛び出し透の元へ逃げるのだったー。
奈良のカフェ「ハタナカ」でゆるやかに交差する七人の女性の日常。職場の人間関係や、睡眠障害、元彼のストーカー、娘の就活、子供がいない…人生にはままならないことが多いけれど、思わぬところで小さな僥倖に出逢うこともあるー。芥川賞受賞作『ポトスライムの舟』五年後の物語。
東北の雄・最上家から伊達輝宗に嫁いだ義姫。後年、野心に燃える息子の政宗と兄・義光の間が一触即発の危機に陥り、義姫は己の命と引き替えに戦を止めるべく城を出たー。東北の地に平和をもたらした陰の功労者でありながら、「鬼母」とされた女性の真の姿とは。直木賞作家渾身の歴史長篇。
皇族であることを知られたのちも、変わらぬ学友や軽業師ディアたちと平穏な日々を過ごすユリアヌス。だが、副帝となった兄ガルスの謀反の疑いから、宮廷に召喚され、裁かれることに…。そこで出会った皇后に女神アテナや母の面影を見出すのだった。
風が吹かないのに風に吹かれているような後姿には、料亭“途上園”に夢を託した骨董屋・珍品堂主人の思い屈した風情が漂うー。善意と奸計が織りなす人間模様を鮮やかに描く。表題作に自作解説エッセイ、珍品堂との骨董買い出し紀行「能登半島」を併せた決定版。
捨てられた玩具とわけありの人々が暮らすバッバ・シティ、通称「悪魔のおもちゃ箱」。元敏腕弁護士のパン屋ベイカーのもとには、今日も一筋鍋ではいかない謎を抱えた玩具たちが訪れる。ドミノに囲まれた不可能殺人、アニマルカートレース場から忽然と消えた車体、マフィアドッグたちの勢力争い…。推理に長けた女子高生のミズキとともに、ベイカーは玩具の弁護に東奔西走!
神出鬼没の屋台「ほたる食堂」店主の神宗吾と、冬休み限定の高校生バイト鈴井遙太には、秘密がある。それは「料理を食べると作り手の思念や過去が見える」というもの。奇妙な力を隠したい神と力が役に立つことを信じる遙太の前に、思い詰めた一人の客が。彼の悩みー姿を消した少女の行方捜しを手伝ううちに、屋台の元常連客・倉持翔平のきな臭い失踪事件に巻きこまれ…。