2019年1月11日発売
メアリーは夫ダニエルと生後3カ月の愛娘ホープを事故で亡くし、この6年、ずっと悲しみと孤独から抜け出せずにいた。ある日、ふと入った古道具店でにわかにめまいを感じて気を失い、目覚めると、6年前の事故直前の世界に戻っていた。なりふり構わず、メアリーは身を挺して愛する夫と娘の命を救った。夢か現実かもわからぬまま、ただこの時が続けばいいと願うが、気づけばもといた店にまた戻っており、彼女は現実に打ちのめされる。だが帰ろうとしたそのとき、幼い少女と男性の姿が目に飛びこんできた。なんとそれは、愛してやまないダニエルと、6歳になったホープだった!
数多の女性たちを虜にしておきながら、愛だけは与えない男。それが家政婦のエマが7年間仕えてきた雇い主、世界的なホテル王チェーザレ・ファルコネッリだ。彼に快適な生活を送らせるべく、エマは料理や掃除はもちろん、ときには主のベッドに居座る美女を追い払う役目までも担ってきた。でもまさかそのベッドで、私自身が目覚めることになるなんて…。やがて、エマは妊娠に気づく。病身の彼女にとっては奇跡だった。だが妊娠を打ち明ける前に、チェーザレはエマに愛人になれと迫った。そして彼女が退職を申し出ると、怒りに駆られ、札束を投げつけたのだ。エマは傷つき、黙って彼のもとを去った。10カ月後…。
夜明けの光の中でキャロラインは愕然とした。そこは昨夜初めて会った男性ールーカスの豪邸のベッドの上。大学の同級生ダニーから仕事の代役を頼まれ、“ダニー”としてルーカスの通訳を務めた結果がこれだった。恥ずかしさのあまり、キャロラインは書き置きも残さずに立ち去る。一方、ルーカスは彼女に逃げられた翌日、仲介者から“ダニー”は高級娼婦だと聞かされ、仰天する。まさか、清楚で優美なあの女性が?甘美な一夜を忘れられず、彼女の家を訪ねると、ダニーと名乗って現れたのは、まったく別の女性だった!
レディ・クレスウェルー白血病の疑い。61歳。近親者、チャールズ・クレスウェル教授…。「ああ、どうしてこんなことになるの」ジュディスはつぶやいた。勤務先の病院に、まさか彼の母親が入院しているなんて。1カ月の休暇から戻った看護師のジュディスは、書類を見て愕然とした。病室の巡回で、見舞いに来たチャールズと会いませんように。彼は休暇で滞在した湖水地方で会った、礼儀知らずの歴史学者。本の執筆に夢中で、わたしのことなど少しも気遣ってくれなかった。でも、彼の家の見事な庭を思い出すと、懐かしさに涙が出そうになる。ところが再会したチャールズは、意外な提案をして彼女を驚かせた。母親の専属看護師として、彼の家に来てくれないかというのだ。
生まれつき盲目だったケンドラは、最先端の手術によって視覚を得た。奇跡を起こしてくれた医師と10年ぶりの再会を果たした直後、彼は何者かに連れ去られてしまう。ケンドラは、一流犯罪コンサルタントのアダムとともに行方を追うが、捜査中、ある男の他殺体を発見するーその被害者もまた、ケンドラに視力を与えたプロジェクトに参加していた。すべての真実を明らかにするためケンドラは自身を餌に黒幕をおびき出そうとするが、その行動がアダムの怒りと激情に火をつける。ついに二人は、固く守ってきた一線を越えてしまい…。
生まれてすぐ母親に捨てられ、数シリングで通りすがりの男に売り渡されたモーガン。その後ベケット家の養女として育てられた彼女はレディのマナーをたたき込まれ、いまでは類い稀な美しさで男たちを虜にしていた。かくして辺鄙な田舎町を出て華々しく社交界デビューを飾る日がやってきたが、そのロンドンへの道中、モーガンはエイルズフォード伯爵と出会う。見目麗しく紳士的な伯爵の態度に心許すも、実は彼こそ、社交界きっての悪名高い放蕩者だった!モーガンを見た瞬間、伯爵はなんとしても彼女を落とそうと決め…。
スペインの修道院で暮らすホープは、厳格な父の希望どおり外の世界をいっさい知らずに成長した。そして18歳になったある日、ホープのもとに父の代理だという見知らぬフランス人の伯爵が迎えに来る。言われるがまま、ブルゴーニュにある伯爵の豪奢な屋敷へ連れていかれたホープだが、そこで聞かされた話に戦慄したー父がホープを修道院に閉じこめていたのは政略結婚させるため、それまで娘の純潔を守ろうとしてのことだったという。言葉を失うホープに伯爵は告げた。僕は君の父親に復讐するため、今夜君を傷ものにするつもりだと。
フランスのオーヴェルニュ地方に立つ古城ーその城主ブレーズの妻となった若きアンドレアは怯えていた。彼女は従妹が安易に交わした便宜結婚の約束を取り消すため、イギリスからたったひとりでこの城へやってきた。ところがブレーズから執拗に責め立てられて、結局、彼女が身代わりの花嫁になるしかなくなったのだ。私欲のために見知らぬ女性を妻にするなんて、残酷すぎるわ!彼を憎もうとしたアンドレアだったが、美しくも顔に傷をもつブレーズの、閉ざされた心を知り…。名作復刊!
「君に会いたいんだ、テス」ニックからの意味深な電話に、テスは心底動揺した。プレイボーイで実業家のニックとはかつて一度だけ、情熱が燃えさかるような夜をわかちあった。だがその後、やはり仕事だけの関係でいようと突き放されたのだ。それが、どうして今ごろになって?いぶかるテスの脳裏に、ある恐ろしい疑念が浮かんだ。まさかニックは知ってしまったのだろうかー私が彼に知らせぬまま、ひそかに子供を産んだことを。
ミッドウェー攻略および米空母誘引撃滅を託された南雲忠一率いる機動部隊。その侵攻阻止を目論むスプルーアンスの米太平洋艦隊…両者の激闘は、アメリカ側に勝利の女神が微笑みつつあった。空母エンタープライズを飛び立った爆撃隊が飛龍に急速接近する。自らの決断を悔い、死を決意する山口多聞の前に友軍が現れる。それはドイツから購入した3隻の護衛艦であった…。そして今、ソロモン諸島で本格的な滑走路が建設できる唯一の場所、ガダルカナル島に戦争の足音が忍び寄る!
人間と魔族による覇権争いが続く世界。半魔族という異端の出身ながら、才能と努力で将軍にまで上り詰めた帝国軍の英雄、ジオ・シモンは、大魔王の策略にはまり、愛と忠誠を捧げた姫たちによって暗黒の地獄牢に幽閉されてしまう。3年後、帝国を出たジオは、辺境の港町で3人の男と出会う。半機械の元勇者、屈強な老魔族、ひ弱な人間の青年。帝国軍、勇者のパーティー、魔王軍、魔法学校。それぞれの居場所から訳ありで追放された男たちが偶然出会い、種族の壁を越えて意気投合。チームを組んで気ままな冒険の旅に出る。その日その日を自由に生きる男たちが最恐のパーティーとなり、世界を揺るがす日々が始まったー。
15歳になると何か一つスキルを授かる世界。冒険者を夢見る少年カルタが得たスキルは、どんな攻撃でも受けたら即死するという最弱の紙装甲であった。屑スキルと村人からは罵られ、仲間や村長にも蔑まれて村から追放処分を受けた矢先、少年は白い空間に飛ばされ女神様に告げられる。「ごめんなのじゃ!手違いで、スキル名を誤字っちゃったのじゃ〜」最弱だと思っていたスキルの本当の正体を知った時、少年は自分を馬鹿にして追放した仲間や村を見返すために動き出す。最強の冒険者を目指すカルタの旅が、いま始まる!