2019年11月14日発売
ジェニーは家庭医として成功を収め、3人のティーンエイジャーの子供を持ち、脳神経外科医の優しい夫がいた。ある日、下の娘ナオミが学校から帰らないまま失踪する。そこから彼女の人生は崩れ始めていった。数ヵ月後、事件は誘拐でも、殺人でもないことが明らかになるが、そこには衝撃の結末が待っていた。エドガー賞ノミネート。世界的ベストセラー。
裁判官を左遷し判決の方向を差配する最高裁長官、絶大な権力を振りかざす事務総局。司法の中枢最高裁内部では、醜悪な権力抗争が煮えたぎる。「法の支配」とは無縁の上命下服の思想統制に、司法エリートたちは次々と屈服していく。最高裁の中枢を知る元裁判官の城山三郎賞作家が、司法の真実を暴く権力小説。
大志を抱いてバンカーとなり、今では大阪西支店融資課長を務める半沢直樹。ある時、支店長命令により五億円もの融資を行った会社があえなく倒産した。融資ミスの責任をすべて半沢に押し付けて醜い保身に走る上司を横目に、半沢は巨額の債権を回収するすべを探る。やられたら、倍返しー痛快リベンジ劇が始まる!
宮部みゆきさんの書き下ろし短編「人・で・なし」を読んだ辻村深月さんが「ママ・はは」を書き下ろし、その辻村さんの短編を読んだ薬丸岳さんが「わたし・わたし」を書き下ろし…バトンは東山彰良さん、宮内悠介さんへ。超人気作家5人のちょっぴり怖いリレーミステリーアンソロジー!
月を祀る神社で続く殺人事件。京都・月読神社で発見された女性の絞殺死体。翌朝には近隣の松尾大社で、女性の兄の死体が鳥居に吊るされる。京都を旅行中の桑原崇と棚旗奈々は、事件を取材中の小松崎良平に謎解きを請われる。古来、日本で、月が「不吉なもの」とされてきた恐るべき理由とは。QED新作。
南町奉行所の最底辺、牢屋見廻り同心・川瀬若菜に吉原随一の花魁から相談が舞い込む。英国人の恋人からプレゼントされた大切な指輪が盗まれたという。江戸の闇を二分する泥棒寄合・川衆の棟梁という素顔を持つ若菜は、事件の背後に、天敵陸衆の蠢きを察知する。天保の江戸を舞台に華麗な殺し合いが今始まる!
世界十五ヵ国の恋愛学者による会議で「二十世紀最高の恋愛」に選ばれたのは、日本の片隅に住む若い男女の、世にも奇妙で不器用な恋だった。調査委員会で報告された、奇想天外な恋の真相とは。切なくもノスタルジックな恋愛ドラマに荒唐無稽なユーモアを鏤めて描く、時代の転換点を生きた恋人たちの物語。
報酬のためには手段を選ばない悪徳弁護士・御子柴礼司の前に、妹・梓が三十年ぶりに現れる。梓の依頼は、旦那殺しの容疑で逮捕されたという母・郁美の弁護だ。悪名高き“死体配達人”が実母を担当すると知り動揺する検察側。母子二代に亘る殺人の系譜は存在するのか?「御子柴弁護士」シリーズの最高傑作!
二〇三〇年、日本は投薬、治療、体調管理までを担う画期的なAI「のぞみ」に社会を委ねていた。しかしその理想的な世界が一転、何者かに暴走させられたAIはついに命の選別を始める。止められるのは警察に追われる天才科学者、桐生浩介。限られた時間の中で国民の命は守れるのか。小説版「AI崩壊」。
祇園のお茶屋「竹乃家」は開店から三十年めを迎えた。女将・芙佐の後継の悩みや来し方への思い。正月に集った出版社社長とその姪、随筆家、カメラマンら女性四人の恋のゆくえ。そして仲居や芸妓の結婚話など、京都を舞台に描かれる人間模様が心揺さぶる。都をどり、葵祭、祇園会、大文字と、季節は春から秋へ。
老中が私欲から企む国替えのせいで、故郷を追われようとしている荘内藩の者たち。物心つく前に親元から攫われたため郷里を知らない鬼市は、彼らに喪失の痛みを重ね、非道な老中への怒りを燃やす。撤回を求めて江戸に来た越訴衆への協力を試みる中、地獄の日々を共にしたあの女が刺客となって現れる!
栄転した営業本部で、今度は百二十億円もの巨大損失を出した伊勢島ホテルの立て直しを命じられた半沢直樹。金融庁黒崎による粗探しにも似た検査に備えつつ、再建計画を急ぐ中、赤字ホテルへ融資を続けた銀行側に疑念を持ち始める。この伏魔殿の奥で糸を引くのは誰か。半沢が突き止めた真実の先に、まさかの!?
ギャンブル漫画の金字塔『カイジ』映画化第3弾は原作者福本伸行自ら脚本に携わり、オリジナルストーリーを考案。全く新しい4つのゲーム“バベルの塔”“最後の審判”“ドリームジャンプ”“ゴールドジャンケン”が登場し、ファン垂涎の手に汗握る展開が繰り広げられていく。そこでカイジを待ち受ける試練とは何か。
ゲーセンで若い女性が転倒して死んだ。O医科大学法医学教室の伊月とミチル、都筑教授はランチを食べに行く道中、偶然事件現場に遭遇する。ところが警察への搬送途中、その遺体は忽然と消えてしまう。さらにミチルの周辺に謎のメッセージが送られてくるようになると…。怖ろしすぎるラストにもう目が離せない。
津山森家の改易後、備中国西江原森家の当主となった長直に、弟・式部衆利から文が届く。そこには、吉良邸に討ち入った赤穂四十七士に、森家に縁のある三人の浪士がいると記されていた。彼らはかつて式部のもとで、御犬小屋の築造に従事していた。信念を貫き気高く生きた男女の姿が胸を打つ、新たな忠臣蔵の傑作。
着物黄金時代の京都、帯の意匠で一時代を築いたうちの父は、ほんまに立派な人やった。戦中は東条英機はんの私設秘書として飛び回り、戦後の活況で稼いだ財産は、祇園や道楽できれいに使う。あんなに辛い目に遭っても生きてこれたんは、みんな父のお陰や。濃厚な家族の歴史を、きらびやかに描き切る会心作!
紋身街は世界中のどの街にも一本はある、細くて小汚い、猥雑な通り。大人たちは狡くていけしゃあしゃあと嘘をつくけど、大切なことも教えてくれる。少年が見つめる台湾の原風景。東山ワールドの到達点。
昭和38年、大阪京橋のキャバレー「グランドシャトー」に流れ着いた家出少女ルーは、ナンバーワンの真珠の家に転がり込む。下町の長屋に住み、ささやかな日常を大切にして暮らす真珠を家族のように慕いながらも、彼女に秘密の多いことが気になるルー。そんな中、人を楽しませる才によって店の人気者となったルーのアイデアが苦境のグランドシャトーに人を呼ぶがー。導かれるように出会ったルーと真珠。昭和から平成へ、30年の物語。
新宿駅西口バス爆破事件に巻き込まれた作家志望の北村悟は、思いがけないことから大金を手にした。長編小説を書き上げるため、それを機に長野県へ取材に向かったが、そこで出版社を経営する親子から意外な申し出を受ける。ますます意欲的に作品執筆に取り組む北村だが、そこには数奇な運命にもてあそばれる人々が…。