2019年11月14日発売
1943年、魔都・上海。ひとりの科学者の絶望が産みだした治療法皆無の細菌兵器。その論文は分割され、英・仏・独・米・日の大使館に届けられた。手を取り合わなければ、人類に待っているのは、破滅。世界大戦のさなかに突きつけられた究極の選択に、答えはでるのか? 第159回直木賞候補作
ダイエットは運動と食事制限だけではない。大庭小萬里はマスコミには一切登場しない謎の女性だが、彼女の個別指導を受ければ、誰もが痩せられるという。どうやら、身体だけでなく「心のゼイ肉」を落とすことも大事なようだ……。身も心も軽くなる、読んで痩せるダイエット小説。
ある事情からカフェでアルバイトをしている楓は、中学時代の同級生・正雄と再会する。正雄はカフェで使う家具を製作する工房で働いているのだが、かつて、同じ中学の同級生を殺害していた。「連絡をください」という正雄に楓の気持ちは揺れる。-楓が語る「現在」と、正雄が語る「過去」。それらが重なるとき、新たな世界が生まれる。少年犯罪を通して描く、命と旅立ちの物語。
中学時代に好きだった少年の三回忌で彼の日記を譲り受けたあさぎ。それを機に、少年が死なずに済んだ可能性を探り始めるが、協力者の級友とともに宗教団体を巡る陰謀に巻きこまれてゆく。度重なる窮地に立たされた二人が下す決断と、その先に待つ未来。十代のまっすぐな想いをのせて描く、鮮やかなノンストップミステリー!
こんな時、あなたならどうしますか?同級生の母親の不倫現場を目撃してしまったら?姉の婚約者が、ある犯罪の常習犯だとしたら?-おだやかに過ごしたいと願う少年が遭遇する7つの出来事。テレビドラマ化された3編(「言いません」「言いなさい」「罰ゲーム」)を含む傑作短編集。他に類を見ない読後感と驚異の“どんでん返し7連発”をぜひ体感してください。
手に汗握る攻防、心を打つクライマックス! 目崎敦史の父の死、棟方国雄の息子の死、そしてなぜ目崎が警視庁捜査一課に配属され、棟方とコンビを組むことになったのか。それらすべての真相が解き明かされる書き下ろしシリーズ最終巻! この慟哭が聞こえるか? 登場人物たちの息づかいが迫り、魂が震える傑作。
渋谷南署生活安全課保安係所属の矢沢龍一は、悪党を挙げるためならば違法捜査も躊躇わない危ない刑事。邪魔をする奴はその弱みを見つけてとことん追い込む。そんな矢沢が狙うのは、特殊詐欺グループを率いて、覚醒剤の取引にも手を染める謎の男。警察内部にも隠然たる勢力をもつ闇社会の新帝王を引きずりだすため、矢沢は卑劣な罠を仕掛ける。正義のためなら悪も辞さない外道刑事の痛快無比な活躍を描く、警察ハードボイルド。
迷路のように石畳の道が広がっている、東京・神楽坂。この街の片隅に、如月由那が勤める、あやかしの学校はあった。学校へと向かう途中、由那は学生服を着た少年から声をかけられる。聞けば、近くで万引きをしようとしている少女がいるので、止めさせてほしいという。なぜ自分で止めずに、見ず知らずの由那に頼むのか。それは少年がすでに事故で他界していたからだった…。人間とあやかし、それぞれの想いが交錯する、不思議だけど、ほんのりあったかストーリー。第二巻。
あの「わるじい」が還ってきた! 孫を背負って悪を斬る、大人気シリーズが復活。なんと、前シリーズ最終巻で江戸を発ってから五日後には舞い戻っていた。「桃子、じいじはいつでも側にいるぞ」可愛い孫を守るため、唸れ、枯れ葉の剣!
連れ子のおすずと両国広小路を訪れた浅間三左衛門は、一撃で柿を十字斬りにする浪人、轟十内と出会う。居合の達人でありながらどこか素朴な人柄に、自らも小太刀の遣い手である三左衛門は親しみを覚える。そして偶然、同じ長屋に住む子持ちの洗濯女おせいの想い人が十内であると知り仲を取り持つが、契りを結んで程なく、なぜか十内は姿を消した。行方を追う三左衛門は、やがて男の苛烈な運命を知る。名手・坂岡真の代表シリーズ、堂々の新装版第二弾!
闇将軍との死闘で傷を負った岩倉の様子を目の当たりにした左近。必ず討ち果たすとの思いを強くし、小五郎に闇将軍の探索を命じるが、なかなか居所がつかめず焦りを募らせる。一方で、四谷忍町を舞台にした計画が頓挫した闇将軍は、七軒町の土地を買い占め、新たな闇の商いをはじめようと画策していたーー。闇将軍と次期将軍、ついに激突! 葵一刀流が悪を斬る! 大人気時代小説シリーズ、刮目の第四弾!!
隣にいる人は、あなたの鏡。 人生に本当に必要なのは、気が合わない人だ! 共感ごっこに辟易した人に読んでほしいーー山本文緒(小説家) 決別した母と十数年ぶりに顔をあわせた娘、友情は永遠に続くと思っていたあたしたち、仲が良いわけではなかった昔の同僚、憧れで大好きな叔母、見えない鎖に縛られた姉妹ーー。近すぎるから疎ましい。近づきたくてもどかしい。見て見ぬふりをして、傷つかないふりをして、心の片隅に押し込めていた感情が溢れ出す、様々な「女二人」の繊細な距離感を鋭く切り取った傑作短編集。
ジョゼ・ルイス・ペイショット、ドゥルセ・マリア・カルドーゾ、リカルド・アドルフォ、ジョルジュ・デ・セナなど重鎮から新鋭まで、ポルトガル現代文学の魅力を存分に示す12人の作家たちによる珠玉の掌篇集。 本書に訳出されているのは、いずれもポルトガルの現代のフィクションの傾向をよく表す、価値ある豊かな作品である。選ばれた作家たちに祝福の言葉を贈りたい。そして、これから本書を読む日本の読者にも。これらの美しい短篇を発見する特権はあなたの手にある。-ルイ・ズィンク 「少尉の災難 遠いはるかな地で」マリオ・デ・カルバーリョ 「ヨーロッパの幸せ」ヴァルテル・ウーゴ・マイン 「ヴァルザー氏と森」ゴンサロ・M・タヴァレス 「美容師」イネス・ペドローザ 「図書室」ドゥルセ・マリア・カルドーゾ 「バビロンの川のほとりで」ジョルジュ・デ・セナ 「植民地のあとに残ったもの」 テレーザ・ヴェイガ 「汝の隣人」テオリンダ・ジェルサン 「犬の夢」ルイザ・コスタ・ゴメス 「定理」エルベルト・エルテデル 「川辺の寡婦」ジョゼ・ ルイス・ペイショット 「東京は地球より遠く」リカルド・アドルフォ