2019年11月26日発売
沖縄の互助組織、模合。この制度で集めた仲間の金、六百万円を持ち逃げした男・比嘉の行方を追うこととなった、大阪府警泉尾署の刑事、新垣と上坂。情報をつかんで沖縄に飛んだ二人が辿り着いたのは、南西諸島近海に沈む中国船から美術品を引き上げるという大掛かりなトレジャーハントへの出資詐欺だったー。遺骨収集、景徳鎮、クルーザーチャーター。さまざまな情報と思惑が錯綜するなか、真相に繋がる糸を手繰り寄せることはできるのか。著者ひさびさの正統派警察捜査小説。
父による母殺しの十字架を背負い続けるサヤ、性同一性障害のタシケ、そして父親の非業の死で言葉を失ったクチナシ。三人の偶然の出会いから、運命の歯車が動き出す。呪われた境遇からはい出したのちに、夕暮れの駅のホームで彼らが見つけた答えとは?
向坂勘十郎は群がる男たちを睨んだ。空色の小袖、草色の野袴、右手には十文字鑓を肩に担いでいる。六尺近い長身、豊かな髪を茶筅に結い、浅黒く日焼けしているが、鼻筋が通った男前だ。肩で風を切り、威風堂々、大股で歩く様は戦国の世の武芸者のようでもあった。寛永十二年、大坂落城から二十年、江戸の町には未だ戦国の気風が漂い、町のあちこちで争い事が絶えない。
戦なき太平の世に潜む、武士道残酷ものがたり。 抗う青年旗本の叫び! 将軍家直属の家臣であるも貧窮を強いられる旗本。 江戸の商業界に君臨する大坂屋茂十郎の野望のため、若き旗本に切腹の危機が! 評定所を震撼させる一大事が出来。蔵前の札差衆の訴状は、旗本と御家人に数年先の扶持米まで担保にした借金を重ねられ、堪りかねて手を引きたいとのことだった。 この事態を収めたのが、江戸の商業界に君臨する大坂屋茂十郎。大きな野望を抱く茂十郎は、貧窮にあえぐ青年旗本に目を付けた。 茂十郎の誘いに乗った青年旗本の許されざる行動はやがて目付筋の監視を招き……。 ◆ 著者について 牧 秀彦 まき・ひでひこ 1969年東京都生まれ。 好評既刊に「辻番所シリーズ」(光文社文庫刊)、「江戸家老塩谷隼人」「日比野左内一手指南」「松平蒼二郎始末帳」シリーズ(徳間文庫刊)等がある。 完結した作品については、「時代小説作家 牧秀彦 公式Webサイト」著者自らによる解説を掲載。 ◆ 好評既刊 神道無念流 練兵館 不殺の剣 孤高の剣聖 林崎重信 全 2 巻 八丁堀 裏十手 全 8 巻 ( いずれも二見時代小説文庫 )
一刀流免許皆伝、亡き将軍世嗣の剣術指南役でもあった、柳生久通は、“今大岡”ともいわれ、世に知られている北町奉行。久通を奉行に任じたのは老中松平定信だったが、その定信が屋敷で危うく刺客に殺されそうに。密命を受け刺客探しを始めた久通は「異国の女」との定信のほのめかしに、見世物小屋の娘軽業師に目を付けるのだが…。刺客を炙り出す久通の秘策とは?
俊樹は、女性を助け、お礼に口でサービスしてもらう夢を見る。一週間後、夢と同じことが起きるが現実はセックスまでいけた。近所に住む憧れの人妻の夢を見ると夢以上の展開に。不思議な現象を解明しようとする彼だが、その人妻がDV夫に命を狙われ、助けようとした自分が殺される夢を見てしまい…。今一番新しい形の官能エンタメ書下し!
30歳を前に久々に会った同級生三人組が、高校時代の思い出話を始めた。仁志が、実は、高三で初体験をしたことを告白すると、彰も「実は俺も…」と。三人が同じ時期に同じように初体験をしていたことに驚く彼ら。さらに、各々の相手の特徴がどこか似通っている。そのことに気づいた彼らは、その「人妻」を探しはじめるが、驚きの結末が。書下し官能エンタメ!
人を喰らう「神」の住む迷宮へ送り出された、いけにえの少女二人の闘いを描く『ラビリンス〈迷宮〉』。権謀うずまく争いに翻弄される、王族母子の苛烈な運命を描く『ディアナ・ディア・ディアス』--同じ世界を舞台にしたヒロイック・ファンタジーの傑作二編を収録。初期短編「週に一度のお食事を」「宇宙魚顚末記」を併録、新井SFの魅力あふれるシリーズがここに完結! 関連資料として、著者の才能にいち早く注目、デビューを熱烈に後押した星新一へのインタビュー、ホラー作家・友成純一による貴重な新井素子論を再録。そして、刊行済み2巻と同様、「既刊全あとがき」ももちろん収録、あらゆるファンを満足させる決定版コレクション。 ラビリンス〈迷宮〉 ディアナ・ディア・ディアス 週に一度のお食事を 宇宙魚顚末記 付録1 関連資料 ビッグ・インタビュー《星新一氏に聞く》デビューから現在まで、その豊かな才能万歳 新井素子の言魔術(評論) 友成純一 自作を語る 新井素子 付録2 既刊全あとがき あとがき 編者解説 日下三蔵
ロンドン郊外の街角で、ある晩、額に稲妻形の傷を持つ赤ん坊が、一軒の家の前にそっと置かれる。その子、ハリー・ポッターは、俗物のおじ、おばに育てられ、同い年のいとこにいじめられながら、何も知らずに11歳の誕生日を迎える。突然、ハリーに手紙が届く。それはホグワーツ魔法魔術学校への入学許可証だった! キングズ・クロス駅の9と3/4番線から汽車に乗り、ハリーは未知の世界へ旅立つ。
夏休み、ハリー・ポッターは、いじわるなダーズリー家のもとから救出され、親友のロンの家に移る。初めて魔法使い一家の生活にふれ、毎日驚くことばかり。しかし、魔法魔術学校2年生の新学期が始まったとたん、次々と起こる怪事件に、学校中が恐怖におちいる。石にされた猫、ハリーだけに聞こえる不気味な声。書き残された「秘密の部屋は開かれたり」という文字。ホグワーツの恐ろしい伝説がよみがえる。
ハリー・ポッターは13歳の夏休み、恐ろしい監獄アズカバンから、凶悪犯が脱獄したというニュースを聞く。新学期のホグワーツ魔法魔術学校では、脱獄犯を追う吸魂鬼(ディメンター)たちがうろつく。ハグリッドのペットが、ドラコにけがをさせ大問題に。ハーマイオニーの猫は、ロンのネズミをつけねらい、おかげで二人は大げんか。ハリーにつきまとう死神犬(グリム)の影。凶悪犯はハリーの命をねらっている!?
おなごの人も俳諧に遊ぶ楽しさを知ったなら、世の中はもっと住み良くなりはしないかしら。--江戸時代に諸国を行脚し、旅先で歌仙を巻いた実在の女俳諧師・五十嵐浜藻。そして彼女が史上初めて完成させた、すべて女性ばかりの付合(連句集)『八重山吹』。江戸期に比類のない同書始まりの地・長崎を舞台に、俳諧小説の第一人者が大胆に虚実を交え、その創成秘話を描く長篇。 其の一 青北風 其の二 柘榴膾 其の三 神無月 其の四 枯尾花 其の五 日見峠 附篇 五十嵐浜藻の生涯と仕事 あとがき 参考資料 五十嵐浜藻年譜