2019年12月18日発売
東北大学法学部卒ながら、地方公務員採用で警察官となった桐野哲也。彼が仮配属となった神奈川県辻堂にある鳩裏交番は、一班の班長である小貫幸也を中心に“ごんぞう”ばかりが集まった交番で、緊急配備の連絡にさえ誰も反応しようとしない。県警幹部も扱いに手を焼く“ごんぞう”たちだが、「巡回」だけは大好きで、住民との世間話をきっかけに事件に首を突っ込んでゆく。そんな中、ホームレスばかりを狙った連続殺人事件が発生した。“ごんぞう”たちは真相に辿り着くのだが…。第1回警察小説大賞満場一致の受賞作!!
両親の愛を享受できなかった記憶に抗い続けるカウンセラーの宮沢橙子は、テニスインストラクターの夫と小学一年生の息子と、一見平穏な生活を送っている。しかし、自分よりも収入の低い夫に遠慮し、息子には時に怒りをぶつけてしまう橙子。その姿は、嫌悪していた父親そのものー。やがて病を発症した父親は再婚したが、彼から解放される日は来るのか、それとも、永遠に見えない支配と戦わなければならないのか。親子の愛憎を抉る長編小説。
30歳・ネット通販大手の倉庫で働く非正規の堅志と、スーパーでパートをする28歳の日菜子。二人はおたがいを守りあって生きていこうと決めた。だが、堅志に正社員登用の話がきたことをきっかけに、日々に少しずつ変化が訪れるー。
第二次珊瑚海海戦に勝利し、米機動部隊を撃滅した日本軍。大きく継戦能力を落とした米国に対し、日本政府は水面下で早期講和の交渉を進める。しかし米国はこれを拒否し、モレスビー近海の日本軍補給線への攻撃を続行した。敗勢の米国が隠し持つ切り札、それは英国艦隊の豪州派遣であった…。英国M部隊の最新鋭戦艦「キング・ジョージ五世」「デューク・オブ・ヨーク」。対するは歴戦の戦艦「金剛」「榛名」、そして連合艦隊旗艦「大和」。珊瑚海にて、開戦以来最大の艦隊戦が幕を開ける!
信仰に基づく理想的な社会の建設を目指して新天地に渡ったピューリタンたち。白人とインディアン、開拓者たちと滅びゆきし者の運命は激しく交錯する。新世代の若者たちとインディアンの人種を超えた絆、ロマンス、そして復讐劇…フェミニズムの文脈でも再評価著しい激動と葛藤の歴史ロマンス大河小説。
キャロルの手紙や日記、歴史資料や学問的解釈etc…を駆使して付けられた、300以上の注釈を収録。これまで世界中の画家が描いてきた100枚以上の「アリス」挿絵を精選収録。公刊された「アリス」からは削除された幻の「かつらをかぶった雀蜂」挿話を復元収録。テニエルの貴重な鉛筆ラフスケッチも収録。
二人はともに裸一貫から金融ビジネスで一時代を築いた。それぞれの経営手法は社会から批判され、糾弾され続けた。融資を武器に会社を乗っ取り、担保を没収する手法は、江戸時代の昔から「悪徳高利貸し」として唾棄されてきた。それが日本人のメンタリティである。では、二人はなぜそれを承知で高利の街金ビジネスの世界に身を投じたのか。本書は、二人の怪物がいかにして頂点を極め、いかにして滑落していったかをノンフィクション・ノベルとして再構築したものである。