2019年12月24日発売
江戸城の台所人・鮎川惣介は、11代将軍の徳川家斉からの召し出しに応じるため、とっておきの利休卵と黒豆茶を膳に載せ、御小座敷へと向かった。だが、上御鈴廊下に差し掛かったところで悪臭を放つ奇妙な女を目撃してしまう。この世の者とは思えない姿をした女は幽霊なのか。震えながら家斉の許へ辿り着いた惣介に、将軍からさらなる食材に関わる難問が課せられる。2種類の昆布に秘められた難題とは?シリーズ、堂々の完結。
1枚の写真と短い文章で世界を創作する「フォトライター」の沢原。連載は人気を得ているが、自分自身の手応えが徐々に弱まってきていることに焦りを覚えていた。カメラを手にやみくもに街を彷徨い歩いた彼が出会ったのは、人の「顔」が恐くなった廃業寸前の殺し屋でー。(「鏡の顔」)削ぎ落とされた文体で透明感のある街と人を描く、初期大沢ハードボイルドの金字塔。日本冒険小説協会最優秀短編賞を受賞した、全5編の作品集。
華舞鬼町、最大のピンチ!? ある日、東京都心に怪しい暗雲が立ち込め、世界は闇に呑まれそうになる。那由多とクロ助は密かにケガレを集めてきた虚路と対峙するのだがーー。
北海道・旭川。冬の川で、僕、正太郎は櫻子さんと、無残なご遺体を「拾った」。けれど彼女となら、そんな日々すら続けばいいと願ってしまう。そんな僕のもとに、新聞記者の八鍬士という人が現れた。事件に遭遇しがちな僕らを怪しんでいるらしい。彼は櫻子さんに、美しい頭蓋骨の写真を見せた。事故の被害者が持ち歩いていたという、女性の頭蓋骨。そして僕らに「探偵ごっこを見せてほしい」と言い出し…。櫻子さん真骨頂の物語!!
ひと気のない公園の池で10歳の少年の溺死体が発見された。少年をイジメていたクラスメイトの悪童3人組は事件への関与を疑われることを恐れたが、真相は曖昧なまま事故として処理される。ところが10年後、少年の幼なじみを名乗る男が3人の前に現れ罪の告白を迫ってきた。次第に壊れゆく3人の日常。果たして少年を殺したのは誰なのか。人間の本性を暴き出し、二転三転しながら迎える衝撃の結末。予測不能の神業ミステリ!
麗虎国の王都、竜仁。神官書生になるための試験に挑む天青は、聡明な下働きの少年・燕篤と親しくなる。しかし、その身分を超えた友情が事件を引き起こし…。(「書に吹くは白緑の風」)ほか、収穫祭の宮中で、舞の競い合いに現れた謎の美姫(「舞姫は夢を見る」)、女官・紀希が落とした装身具を、書生たちが知恵を絞って捜し出す青春劇(「少年たちはノリゲをさがす」)など、本編の合間に起きていた様々なエピソードを描いた珠玉の外伝集!
衣更月が使用人部屋の空室を掃除していると、抽斗の奥に隠すように仕舞われた日記を見つける。かなり埃が詰まっているので花穎の物ではないだろう。烏丸家の家令・鳳が日記を開くとそこには『一月七日 私との婚約が原因で、真一郎さんと鳳さんが口論した』と書かれていた…。一方、花穎は久丞家の壱葉がヴォルコフ家のカサンドラに絶縁状を叩き付けたと聞き、事情を聞くことになったのだがー。大人気上流階級ミステリ第8弾!
有名な芸人一家に生まれたものの孤独な子供時代を過ごしたコノカ。自分の居場所を探すため家族から逃げるように上京したが、要領の悪さが原因でバイトをクビに。精神的にも金銭的にも追い詰められた時、偶然出会ったハリネズミの白ハリくんのかわいさに恋に落ちた。すると白ハリくんが大阪弁で話しかけてきて…。弱さや愚かさと向かい合い、コツコツ生きるコノカのひたむきさが胸を打つ。不器用な誰かのための希望の物語。
72歳の益子徳一は定年退職後、公団アパートで一人暮らし。誰かに優しく「オジいサン」と呼びかけられたことを思い出したり、大した用もないのに訪ねてくる田中電気の2代目と言い合いしたり、調子に乗って変な料理を作ったりー。1日1日をきちんと大事に、そしてあるがままに生きる徳一は、何気ない日常の中で、ささやかだけれど大切なことに気づいてゆく。ほっこり笑えてちょっぴり胸が温まる、連作短編集。
努力と競争を過剰にもてはやす「ネオ実力主義」が台頭し、働かないヤツは人間の屑、と糾弾される社会で、思いがけず病気になってしまった男。(「人間の屑」)気軽に受けた新型の出生前診断で、胎児の重い障害を宣告されて中絶するか悩む夫婦。(「無脳児はバラ色の夢を見るか?」)医療や技術の進歩の先に見える、幸せな人生は幻想なのか。救いなき医療と社会の未来をブラックユーモアたっぷりに描く7編で綴る作品集。
獅子追交番に勤務する制服警官・長原が拳銃を持ったまま姿を消した。同期の耀司は獅子追への異動を志願、真相を探ろうとする。やがて町のゴミ屋敷から出火し、家主の毛利が遺体で見つかった。事件性なしとされるが、数週間後、警ら中に発砲音を耳にした耀司はヤクザの金居の銃殺死体を目にする。さらに現場に落ちていた凶器が、長原の持ち去った拳銃だと判明しー。乱歩賞作家渾身の警察ミステリ。短編「蛇の作法」特別収録。
「スツールハウス」。それは、崖の上に建つシェアハウスの名前。腰かけのように、若者たちが人生の一時期を共有する場所。そこには確かに、青春と謎があった。元カノの結婚式に送った写真に秘めたメッセージ。無人のシャワールームで起きた事件。ともに暮らした仲間からの相談…。一見バラバラの謎と、15年住み続け、「主」と呼ばれた女性、素子の謎。全てが解かれたとき明らかになる、切なく優しい真実とは。心の奥を刺激する青春ミステリ。
「僕達はもう会うべきではない」サミュエルから別れを告げられたエディスに突如持ち上がった婚約話。相手は18歳年上で侯爵家の三男にして資産家のヘイミッシュだった。彼はサミュエルを十番目と呼び、その居場所を教えたならば、エディスの出生の秘密を明かすという取引を持ち掛ける。一方サミュエルは、「また会おう」と言い遺し“あちら側”に消えていったブラウンの真意を探るため、奪われた記憶の断片を求めるがー!?
「さあ、再演の幕が下りる時間だ」。母と娘をつなぐホワイダニットとは?アーサー王復活を悲願とする村で未来を懸けた決死の謎解きが始まる。
『アナと雪の女王』から3年。女王エルサのもと、人々が平和に暮らすアレンデール王国に謎の“真っ白病”が蔓延し始める。責任感の強いエルサは解決法を探し求め、妹アナも姉の役に立ちたいと必死になっていた。城の図書館で古い魔法の本を見つけたアナは、ある呪文を唱えるが、逆に恐ろしい怪物が現れてしまい…。前作『アナ雪』から『2』につながる、姉妹と仲間たちの壮大な冒険が描かれたオリジナル作品を訳し下ろし。
どうにも先が見えなくて、めんどくさくて、将来の夢もわからないー。確固たる理由もないまま高校を突発的に中退し、祖父が営む銭湯を手伝っている18歳の美和。夢も希望も自信も失ったままモラトリアムの日々を過ごしていたが、漫画原作者の佐紀さんを始めとする常連客との交流や淡い恋を経て、進むべき道を見いだしていく。まだ何者でもなかったからこそのかけがえのない青春をみずみずしく描いた、珠玉の小説2編を収録。
エジプトで発掘調査を行う考古学者・峰の乗るフランス行き飛行機が墜落。機内から脱出するとそこはサハラ砂漠だった。生き残った6名はオアシスを目指して沙漠を進み始めるが食料や進路を巡る争いが生じ!?
新垣澪は、丸の内の巨大企業、吉原不動産の若手社員、でした。今ではギリギリ丸の内にある子会社にて勤務中。上司はかわらず、イケメンドSの長崎次郎。しかし新会社の業績UPのため、彼は最近お金にうるさい。そして高額報酬目当てに、怪しさ満点の男・伊原の依頼を引き受ける。澪たちは自殺したカップルの霊が出るという、リゾート風保養施設に調査に向かうが…。どんどん解決して実績を稼げ!むしろここから読みたい第6弾!