2019年12月発売
奴隷などの違法取法が行われていた『闇市街』を無事に壊滅させたレオンス。だが領地内の治安はまだまだ悪く、孤児やホームレスが溢れている有様だった。そこでレオンスは孤児院を造り、さらには闇市街だった地下空間を明るい地下街に再開発することを思いつく。頼れる仲間たちの協力もあり、領地改革も順調に進んでいた…かに見えたが、ある日状況が一変!レオンスの敵対貴族であるフィリベール家が、なんと密かに王国と手を組み、帝国に戦争を仕掛けてこようとしていたのだ。帝国VS王国の戦争を食い止めるため、レオンスは様々な策を巡らせる。次々と舞い込むトラブルを、持ち前の頭脳と創造魔法でさくさく解決していくレオンス。しかし今度の敵は、思わぬ苦戦を強いられる相手で…!?
王家が衰退し動乱の続く異世界ー。とある寒村で一人の幼児が“土いじり”をしていた。名はアルス。土を自在に変質させる持ち前の“土魔法”で、畑の土壌改良を試みていたのだ。そんな彼には「街作り」ゲームに熱中した前世の記憶があったー。時が経ち、少年となった彼は、貧乏脱却のため自作魔法で家屋の建築を開始!希少な使役獣を孵化させ、村を閉ざす深い森を勝手に開墾すると、物流を変えるローマ式道路や、魔物対策の巨大な城壁などを次々建設!貧しい農村を豊かな街へと変貌させていく。だが、その動きを危険視した貴族と衝突してしまい…?身一つから、成り行きで天下を統一していく建国英雄譚開幕!
成績上位で天下の灘校に入るも、深夜放送にドはまりして成績はどん底。過激なイジメを受けつつ、大人顔負けの熾烈な生徒会選挙はボロ負けのヒデキに希望はあるのか。天才・奇人・変人ひしめく灘校の日常とは!?医師となった元“神童”の著者が原点を描く青春群像、自伝的初小説。
「事件はもう時効ですから、僕がこの件を口外することはありません」時効を迎えた事件を趣味で捜査する男・霧山修一朗。総武警察署の面々と、時効捜査の助手・三日月とともに、ゾンビ映画の主演女優、お笑い芸人、プロレス団体CEO、メガネ会社社長、スピリチャル雨夜らを相手に、事件の真相を解き明かしていく。さらに霧山と三日月の恋の行方はいかに…!?一度ハマったら抜けられない“時効”ワールドをよろしくお願いします。
その逮捕を機に瓦解した家族。刑期を終えようとする父。出所後の夫の復讐に怯える母。家出し、消息不明となった姉。十七歳、無職の北町貫多は、如何なる行動に出るのかー。犯罪加害者家族の十字架を描く表題作と、その表裏をなすも“不”連作である「病院裏に埋める」の両篇に加え、快作「四冊目の『根津権現裏』」に、怪作「崩折れるにはまだ早い」(「乃東枯(なつかれくさかるる)」改題)の全四篇を収録。比類なき文学。
討論会の帰り、初めて立ち寄ったバー“スリーバレー”で、私は夏目漱石の『こころ』に関する女性バーテンダーの疑問点に答える羽目に。文学部教授である私が、まさかこんな場所で講義することになるとは。しかも、途中からやってきた宮田という男が、あろうことか『こころ』を百合小説と断言したことで、議論は白熱し…。文学談義四編で贈る、文庫創刊60周年記念書き下ろし。
危ういところを助かったものの、体力が戻らない弥助を心配した玉雪は、弥助に食べさせる雪を探すうち、鈴白山に棲む冬のあやかし、細雪丸の歌声を聞く…「玉雪の子守唄」。初音姫の出産を前に、祝いの品を贈ろうと奔走するあやかしたち。津弓が、右京と左京が、王蜜の君が、そして弥助が考えた末に選んだ贈り物とは…「祝いの品」。全六編を収録した、大人気シリーズ第九弾。
第7回日本翻訳大賞受賞! かつて大量殺人を犯したとされたが、その記憶を消されている人型警備ユニットの“弊機”は、自らの行動を縛る統制モジュールをハッキングして自由になった。しかし、連続ドラマの視聴を密かな趣味としつつも、人間を守るようプログラムされたとおり所有者である保険会社の業務を続けている。ある惑星資源調査隊の警備任務に派遣された弊機は、ミッションに襲いかかる様々な危険に対し、プログラムと契約に従って顧客を守ろうとするが……。ノヴェラ部門でヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞3冠&2年連続ヒューゴー賞受賞を達成した傑作!
脱走ボットとなった“弊機”は、過去の大量殺人事件の真相を求めて旅をする。関わる人間たちに苛立ちながらも、しだいに芽生えてくるさまざまな感情に戸惑う弊機。そんな中、先史異星文明の遺物をひそかに発掘・独占しようとしている悪徳企業の策動が浮かび上がった。弊機はメンサー博士のため、惑星ミルーのテラフォーム施設に潜入を試みるが、そこにはまたしても未知の危険が!
恩人でもある優しい里親が困窮し追いつめられていると知り、悩んだヴィヴィは絶縁していた祖父を訪ね、援助を頼みこんだ。だが、お金と引き替えに祖父の出した条件は残酷なものだった。「イタリアの公爵、ラファエレ・マンチーニと結婚してもらう」ヴィヴィは仰天した。2年前、私を虜にしておいて裏切り、どん底へ突き落とした張本人と結婚するなんてできないわ!現れたラファエレから冷たい求婚を受けた彼女はかっとなるが、意に反して情熱の炎が瞬時に燃えあがり、二人の身を焦がした。結婚式の2日前、ヴィヴィは気づくーまさか妊娠するなんて。
貧しい画学生フランセスは街で出会った美貌のマットに恋をし、熱く結ばれた。だが、彼は夜も明けないうちに姿を消した。3年後、あの夜の情熱の証である息子は健やかに育っている。そして初の個展の前夜、なんとマットが画廊に現れた。そればかりか、彼はフランセスの描いた幼子の絵を見て、瞬時にわが子と見抜いたのだ。「僕の息子を跡継ぎにする」彼の本当の名前はマシアス・ヴァシリアス。一国の王と明かしたマシアスの突然のプロポーズに、フランセスは驚き、懊悩する。結婚すれば息子に父親を与えられる。でも…そこに愛はない。
まだ学生の妹を養うため、エティは昼も夜も働きづめだった。ある日、職場のオーナーであるギリシア人富豪レオンに誘われ、ディナーを楽しんだエティは、たちまち彼の魅力の虜となり、誘惑されるまま一夜をともにしてしまう。これは今夜かぎりの夢。彼は雲の上の人なのだから…。数週間後、医師から妊娠を告げられ呆然とするエティに、レオンは結婚を申し出た。「子どもには父親が必要だ。きみへの経済援助もしよう。ただし僕は愛を信じていない」憧れていた結婚とはほど遠い現実に、エティは身を震わせた。
それはローナが新たな人生に踏み出した矢先の交通事故だった。子宮外妊娠で第一子を失い、すれ違いから夫ジェイムズとも別れて以来、いつか大切な命を産みたいと、おなかの痛みにも耐えてきた。10年が過ぎた今、ようやく子供をあきらめて手術を受ける決心をし、故郷を離れてロンドンで暮らそうとしていたところだったのだ。病院に運ばれ、病室で意識を取り戻した彼女の耳に懐かしい声が届く。「ローナ…」ああ、なんてこと。ここはジェイムズの病院!思わぬ再会後、やがて快復したローナは、彼と一緒に働くことになる。その前に過去のわだかまりを解くように、二人は一夜を共にした。ローナは彼の腕の中で、じきに手術で子を望めなくなる切なさに震えた。
学生時代から、ジョージアとウィルはいちばんの親友同士だった。当時、彼女はウィルにほのかな恋心を抱いていたけれど、あと一歩が踏み出せず、そのうち彼は別の女性と結婚してしまった。だが2年後、億万長者となったウィルが突然ジョージアを訪ねてくる。なんと、別れた妻が内緒で出産していたわが子を引き取りたいから、協力してくれないかというのだ。あまりに唐突な頼みに、ジョージアは開いた口がふさがらなかった。ずっと連絡すらよこさなかったのに、いまになってなぜわたしに?でもどんなに離れていても、わたしは愛するウィルを忘れられなかった。今度も願いを叶えれば、彼がまた去っていくとわかっていても。
ウィロウは由緒ある壮大な屋敷でのハウスキーパーの仕事を見つけた。現在の主は富豪のテイト・キングストンだという。きっと偏屈で強欲な老人が独りで住んでいるんだわ。ところが、屋敷に到着したウィロウを手荒く出迎えたのは、予想とはまるで違う、背の高い黒髪のセクシーな男性だった!ある日、浜辺にいたウィロウはテイトの手で打ち寄せる波から救われ、いつしか惹かれていた彼に求められるまま身をゆだねてしまった。やがて驚愕の事実が明白になる。彼は弟を海で死なせた罪悪感のせいで、身の回りの世話をする者以外は誰もそばに寄せつけなくなったのだ。彼の愛を得ることなど無理だと悟った矢先、ウィロウは妊娠に気づき…。
7年前に離婚したジェニーは、今度こそ幸せな家庭を築きたいと決意し、結婚当日まで相手と顔を合わせないマッチングサービスを利用する。そして臨んだ結婚式。ジェニーは呆然としたー祭壇の前で待っていた新郎は…まさか、元夫のヴァレンティン?大富豪の彼はあいかわらずハンサムで魅惑的だ。同様に驚きながらも、またやり直せるかもしれないと言う彼に従い、ジェニーは複雑な気持ちのまま、贅沢なハネムーンへと出発した。ゆっくりと流れる、親密な時間。二人は惹かれ合う思いに抗えず、再び激しく情熱を交わす。だが、未来に希望を見いだしたのもつかの間、かつて離婚の原因となったのと同じ女性の影が…。
どうしよう!だいじな、だいじなバッグを盗まれてしまった!兄の借金を返すために母の形見を売って得たお金が入っていたのに…。顔面蒼白のメレンは、たまたま通りかかった親切な男性に勧められ、高級住宅街に立つ屋敷の豪華な客間で休ませてもらうことになった。すると、よく響く声が聞こえてきた。「これ以上浮浪者はごめんだぞ」まさか私のこと?すてきな声だけれど、言っていることは酷いわ。声の主は、助けてくれた男性の兄で、世界的企業の重役ジャラッド。彼はメレンの切羽つまった事情を聞くと、援助を申し出た。その真意を疑いながらも、メレンは申し出を受けるほかなかったーそれが、ジャラッドの代用恋人としての“契約料”になるとも知らずに。