2019年3月20日発売
哲学専攻の大学院生・東雲理子。彼女は図書館で、返却したはずの哲学辞典が、何度も自分の机に戻ってくるという事件に出くわす。「哲学に興味がおありですか?」話しかけてきたのはどこかミステリアスな男、大道寺哲。理子は哲学を武器に、毎日の中のちょっとした謎に挑んでいく。現役大学教員が描く、「哲学×日常の謎」ミステリー!!SmartNews×カクヨム「連載小説コンテスト」優秀賞受賞作。
都内近郊で4件の殺人事件が発生した。被害者の繋がりから容疑者として浮上したのは、多国籍過激派『赤い牙』の重要メンバー深町春の息子、深町陽。やがて5人目のターゲットが判明すると警察庁に激震が走る。次の標的は来日間近の米国大統領だったのだ。狙撃場所の特定と実行阻止を任されたのは、警察庁直轄で国難事案を任務とする新橋署刑事課特別治安室“NEO”。彼らは春の元恋人かつ陽が尊敬を表す人物、元過激派で無期懲役囚の甲斐宗太郎に協力を求める。タイムリミットが刻一刻と迫る中、大統領一行を乗せたエアフォースワンは横田基地に降り立ったー。
交通事故で瀕死の重傷を負ったピアニスト星子真琴。心臓移植で一命をとりとめた彼女は、占いで人生を決める孤高の暗殺者・与一と出逢った。与一がタロットで運勢を占うと「オーディションを受けたら、君は死ぬ」という結果に。それでもコンクール出場を目指す真琴は、なぜか裏社会の人間たちに命を狙われ…。二人を過酷な運命へ引きずり込む、事件の思わぬ全貌とは?カードが導く未来は、愛か死か?悲運のピアニストと孤独な殺し屋のスリリング・ドラマ!
刑事課強行・盗犯係所属の新人刑事・梓凪子は困惑していた。持ち込まれた案件は畑違いの人探し。依頼主は中国人・宋鈴玉、鈴玉の同行者はなぜか中国領事館職員・王天佑だった。国際政治と人情入り交じる不可解な人探しを続けるうちに、天佑への疑いを深める凪子は、背景を探るために尾行を試みるがーー。同時に発生した連続殺人事件にも関与した凪子は、刑事課と警備課の縄張り争いにも巻き込まれることになる。 中国政府の影潜む人探しとシェアハウス殺人をーー 追え、どこまででも。 ーーー 元警察官にして日本初の女性白バイ隊員の著者に 島田荘司氏唸る! 「凪子の大格闘と涙を見よ。 こんな筆の女流は今いない」 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞後第一作 ☆☆☆☆ 刑事課強行・盗犯係所属の新人刑事・梓凪子は困惑していた。 持ち込まれた案件は畑違いの人探し。依頼主は中国人・宋鈴玉、鈴玉の同行者はなぜか中国領事館職員・王天佑だった。 国際政治と人情入り交じる不可解な人探しを続けるうちに、天佑への疑いを深める凪子は、背景を探るために尾行を試みるがーー。 同時に発生した連続殺人事件にも関与した凪子は、刑事課と警備課の縄張り争いにも巻き込まれることになる。 国交問題、民泊、シェアハウスーー 暗部を覗き込んだ先に見えてくる真実に、貌はなかった。
京都伏見に春がやってきた。 東京から伏見の蓮見神社に住む祖母の家に引っ越してきて半年近く。 女子高生のひろは綻びはじめた花の匂いに包まれ幸せな気持ちで春を迎えていた。 しかしある日、祖母を手伝って出した古いお雛さまから不思議な声が聞こえてきて。 はす向かいにある造り酒屋『清花蔵』の跡取りで幼なじみの大学生・拓己と、ひろが幼い時に友達となった白蛇の化身・しろとともに、声の謎に迫ることになるのだが・・・? 『観月橋と雛人形』のほか、 高校時代の剣道のライバルに拓己が対峙する『心真館の約束』、 決して咲かないしだれ桜の謎に迫る『この世の春』の全3本を収録。 過保護気味な幼なじみと蛇の化身から自立したくて、ひろも奮闘するものの・・・? ほっこりじんわり、優しさに満ちた京都のあやかし春物語。
『外務省 国際情報統括官組織 調査室』--他の国際情報官室とは違い、グレーゾーンというべき仕事を引き受ける部署で外交官として働く桐島に宛てて、子供兵士の救済を目的とした国際NGO『チャイルド・イン・ピース』に所属し、半年ほど前から行方不明となっている元恋人・亜希から謎めいたメールが届く。東南アジアにあるビサワンという国で昨年起きた、邦人がらみの誘拐事件の解決に亜希がかかわっていたことを上司から知らされた桐島は、彼女の行方、そして彼女からのメールに込めらた真意をつきとめるべく、一路ビサワンへ飛ぶ。そして、『チャイルド・イン・ピース』のビサワン支部で、桐島へひどく冷たい眼差しを向けてくる少年・レンと出会い…?
いきおくれ女子・伊子が後宮の事件を次々に解決!? 平安お仕事ミステリー! 時は平安。過去に入内の話はあったものの立ち消えになってしまい、婚期を逃したまま実家に居座っている藤原伊子(かのこ)。 当時の結婚相手となるはずだった東宮は早世し、彼の息子が現在の帝である。 ところが、ここにきてなぜかその帝が伊子の入内を希望してきた。彼は十六歳、伊子はその倍の年齢だ。 いくらなんでも無理でしょう、と断るために出かけた先で、伊子が再会したのは十年前に別れた恋人、嵩那(たかふゆ)。 彼との関係は誰にも知られていないけれど、処女ではない身で入内なんてできないと思っていたのだ。 だが帝の熱烈な要請によって、尚侍として後宮に入ることになってしまった伊子に謎の人物からの脅迫文が届き…!? <目次> 第一話 花の色はうつってしまったけれど 第二話 悪くはないが、もう少し考えてみよう 第三話 ないものを求めてもしかたがない 第四話 人それぞれ思うことはちがう 第五話 言ってはいけないことと言わなくてはいけないこと
その日、サッカー選手になるという夢をケガで諦めなければならなくなった女子高生・数音は、偶然見たフォークリフトの動きーー小さいのに重そうな荷を軽々ともちあげ、狭い場所を器用に走っていくーーに目と心を奪われる。そして、すぐさま現場の人にどうすればフォークリフトに乗れようになるのかを尋ね、リフトマンになるべく資格を取りにいく決意をする。あれから二年の月日が流れ、数音は今、冷蔵庫工場の製品運搬チームで、唯一の女性リフトマンとして働いている。そんなある日、数音は急に部品運搬チームへ異動することに。「赤鬼」と恐れられている製品チームのリーダー・赤石と違い、部品チームのリーダーはチーム内でも数音の 次に若い十和田で…?
舞台上の骨折で引退を決意したストリッパーのノリカ。心機一転、故郷札幌で店を開くことに。訳ありの凄腕バーテンダーやタイプの違う二人の女性ダンサーと店は軌道に乗り始める。しかし、私も舞台に立ちたい、輝きたいという気持ちは募るばかりでー。ノリカの表現者としての矜持と葛藤。そして、胸が詰まるような踊り子たちの鮮烈な生き様を描く、直木賞受賞作『ホテルローヤル』に連なる一冊。
1950年代、6歳から10歳まで台湾にいた「ぼく」。日・米・中・台の会話が交錯する旧日本人街「模範郷」。そこは間違いなく「ぼく」の故郷であり、根源であった。何語にも拠らない記憶の中の風景が変わり果てたことを直視したくない「ぼく」は、帰郷を拒んでいた。だが知人の手紙を機に半世紀ぶりにかつての家を探しに行くことを決意する。越境文学の醍醐味が凝縮された一冊。第68回読売文学賞受賞作。
原田は、首都圏で“家庭教師のシーザー”を運営する会社で働いている。大学生のアルバイト講師たちの指導と相談を受け、派遣先の家庭で虐待など深刻な問題がありそうなら自ら家庭訪問を行う。スタッフたちから奇妙な相談が持ち込まれるたび、原田の家に入り浸っている女子高生・リサは「それぞれの家の事情だから放っておけばいい」と言うが…。驚愕のラストが待ち受ける家庭訪問ミステリー。
明治と改元される直前の慶応4年3月。絵師の誠之進は品川を離れ、国許である磐城平藩へ向かう。ほどなく江戸が官軍の手に落ち、奥州の南端にいる誠之進らの元へも追撃の軍勢が迫る。敗走する先で絵師が目の当たりにする旧幕府軍の悲劇。そして再会した土方歳三と箱館の地へー。欺瞞に満ちた幕末・明治史に喧嘩を売る時代小説シリーズついにクライマックス。頭を殴られるような衝撃のラスト。
その剣が断ち切るものはーー! 二百年前の統一戦争において、常人には扱うこともできぬ超重量の魔金(オルガン)製鎧と大剣を駆使して戦場を駆け抜け、数々の戦果を上げた超英雄・ランベール。 仕えていた主君から叛意を疑われ非業の死を遂げた彼は、偶然アンデッドナイトとして蘇り、レギオス王国に仇為す存在を粛正する旅を続ける。 都市バライラにて、『笛吹き悪魔』の八賢者が一人であるマンジーを斬り、過去の因縁ガイロフの書を破壊したランベールは、旅を続けながら『笛吹き悪魔』の情報を追っていた。 レギオス王国に仇をなそうとする『笛吹き悪魔』の本拠地を一刻も早く暴き、根絶やしにするつもりだ。 ランベールは首のない黒馬、ナイトメアに跨って野を駆ける。 次に目指すは奇妙な噂を耳にした、ラガール子爵領に属する都市クラーン。 クラーンにおいて頻発しているという人攫い事件。 その背景に怪しいものを感じたランベールは、都市で出会った王国監査兵団『不死鳥の瞳』と共に、ラガール子爵が何かを隠蔽していると思われる鉱山へと向かう。 その先には、想像以上の悪夢が待ち構えていたーー。 最強のアンデッドナイトが繰り広げる、再英雄譚。乱戦の第三弾!
日々、国王が少しでも心やすらかにくつろげるようにと忙しく立ち働くポーラに、ウォルが気晴らしの市内見学を進めた。だが、万が一を心配したウォルは、リィにポーラの護衛を頼みこんだ。「王妃」が「愛妾」を護衛するというデルファニアならではの状況だが、リィはその護衛中にある陰謀を嗅ぎつけるーー。 表題作『ポーラの休日』他、シェラの日常(というにはかなり殺伐観満載だったりするが)の描いた二中篇と短篇を収録。
恋人の浮気発覚でボロボロの陽咲は、その傷を癒してくれたケーキの美味しさに感動し洋菓子店「アルセーヌ」で働くことに。だがこの店、どこか怪しい?ガタイのいい焼き菓子担当、見た目美少女の男子高校生バイト、腕はピカイチだけど口が悪いパティシエの大空と、三人のイケメン店員には、実は“裏稼業”があり…。
ここは“晴太多”。観光地も名物産業もないほぼ限界集落。そんな故郷を再生するため、町役場で働く土方あゆみは、移住希望者を募集する。やってきたのはベンチャー企業の若者、ニートの男、駆け落ちカップルなど、ワケありなはぐれ者たち。彼らが持つ忘れたい過去も心の傷も、優しい笑顔が包み込む。短篇「里帰りはUFO」でを特別収録。
五十歳になっても、人生はいちいち驚くことばっかりー息子は巣立ち、夫と二人暮らし。パート勤務の宇藤聖子がふと手にとったのは六十年前の「女性論」。一見時代遅れの随筆と聖子の日常は不思議と響き合い、思わぬ出会いが次々と…!社会問題を織り込んで、くすりと笑える心地よさ。ミドルエイジを元気にする上質の長編小説。