2019年3月7日発売
伝説の殺し屋と言われた男は、雪国の港町で暮らしていた。だが、暴力団組織・巽会に居場所を突き止められ、「再び現場へ戻り、かつてのボスを殺せ」と指示される。しかも望みもしない相棒は、渋谷でキャバクラを経営する若造だった…。ぶつかり合う二人は、仕事を成し遂げられるのか。
左遷部署「イノベーション・ルーム」に異動となった酒井裕介のもとに「ニワトリは一度だけ飛べる」という題名の謎のメールが届くようになる。送り主は酒井らを『オズの魔法使い』の登場人物になぞらえて、何かメッセージを伝えようとしているようなのだが…。
2組から三枝勇希を引き抜いたのは宮真大翔にとって大きかった。彼女のマッピングスキルなしでの迷宮攻略は難しいからだ。だが三枝は大翔と同じクラスになって喜ぶ半面、時々表情に暗い影を落とす。そんな折、大翔にオリジナルスキルを与えた謎の少女「F」が現れる。大翔は「F」のもたらす新たな情報に大きな衝撃を受けるが、彼の精神的回復を待たず、担任からは非情にも「3階層の攻略」の命が下る。大翔たちは無事に生き残ることができるのか。そして彼らに及ぶ暴力と狂気を体現したかのような2組の生徒・羅刹修と柊友愛の魔手とはー!?苛烈なダンジョン攻略クラス間抗争を描く“傑作”、待望のシリーズ第2巻!
超難易度ゲーム『ドラゴンデーモンRPG』を愛するプレーヤーの夢、人間救済ルート。ゲーム実況者いもでんぷんは意気込みも新たにそれへチャレンジしていくが、同じように、人間と敵対するヴァンパイアやエルフへ深く関わる者たちがいた。正体不明のルーマニア人と、世界最強のアメリカ軍である。異世界の最終戦争は人類規模で激化していく。はたして『ドラゴンデーモンRPG』とは何なのか。戦禍の真実をいもでんぷんは知ることになる!
自分が何者かわからない主人公。しかも身体は半透明でスライム状だ。気が付けば薄暗い洞窟の中にいた。そこに現れた青い猫のような不思議な小動物・ナビは、彼にゼロという名を与えダンジョンの冒険を促す。冒険を始める前にステータスを割り振り、ゼロが最初に姿を変えたのは、怪力とタフネスさを有す種族「オーク」だった。ゼロは不思議な力で、志半ばで息絶えても何度でも蘇り、地下迷宮の奥深くにある「真理に通じる門」を目指すことになるー時には別種族に転生してでも…。
アラカシの枝の股から滲みだし、四足獣のかたちをとった「それ」は、予知と記憶のあいだで引き裂かれながら、荒廃した世界の風景を横切ってゆく。死体を満載した列車、空虚な哄笑があふれるカジノ、書き割りのような街、ひとけのない病院、廃墟化した遊園地。ゆくてに待ち受けるのは、いったい何か?神か、けだものか。
“昭和最後の無頼派”といわれた色川武大が人生のさまざまな局面で得た人生訓の数々を縦横無尽に綴った最後のエッセイ集。川上宗薫や深沢七郎、フランシス・ベーコンから井上陽水までもが採り上げられ、ほかに、戦争が残した痛ましい傷痕からあぶり出された人生観や犯罪者に同化する複雑怪奇な心情などが精緻に綴られる。既成の文学通念に縛られることのなかった著者ならではの直感や洞察、そして卓抜した表現で読む者を色川ワールドに引き込む珠玉の四十七編!
男はなぜ180kgもある巨石を背負って白馬山頂を目指したのかー?徹底的な取材に基づいて実在の人物像に迫り、この無謀な計画がもたらした悲劇と男の友情を描いて“山岳小説の白眉”と称された著者処女作「強力伝」(第34回直木賞受賞作)。ほかに、極寒の富士山に挑む気象観測官の物語「凍傷」に加え、「春富士遭難」「殉職」「新雪なだれ」と、いずれも富士山を舞台に過酷な自然と闘う人間の壮絶なドラマを描く4作品で構成された「新田次郎山岳小説・傑作選」。登山家・今井通子氏による1995年当時の解説も再収録。
死火山の麓の湾に裸身をさらす人魚たち、冬の眠りを控えた屋敷に現れる首を捧げ持つ白い娘…、「歪み真珠」すなわちバロックの名に似つかわしい絢爛で緻密、洗練を極めた美しき掌編15作を収めた物語の宝石箱。泉鏡花文学賞に輝く作家が放つ作品は、どれも違う鮮烈なヴィジョンを生み出す。ようこそ!読み始めたら虜になってしまう、この圧倒的な世界へ。
ハルラント聖王国の最西端“西ノ庄”の少女エヤアルは幼少のとき、魔法を暴走させて災厄を招き、“炎の鳥”に魔法を奪われた。成長した彼女は労働力として砦に連行されるが、そのとき、あらゆる物事を記憶する力に突如目覚める。彼女の力をめぐって動き出す陰謀と過酷な運命。エヤアルがもたらすのは平和か破滅か…。日本ファンタジーの旗手の新境地。
白い帆をはためかせ、隊列を組んで堂々と港にはいってくる大型帆船たちに大歓声があがる。港町チャールストンで開催された大規模なボートパレードを、セオドシアは豪邸のルーフバルコニーから見下ろしていた。海は最高に幸せな気分にしてくれる。ところが突然、大きな爆発音が。これも催し物の一部?船の祝砲?その直後、観客の男性がバルコニーから転落。胸には矢が刺さり亡くなっていた。男性は銀行の大物で、アンティーク銃の収集家としても有名な人物。いったい彼の死を望んだのは誰?セオドシアはさっそく捜査に乗り出すものの、つきあいはじめたばかりのライリー刑事のせいで、いつもとはどうも勝手がちがい…!?
エヴァンが巡査として働く村にほど近い山で、遺跡が発見された。アーサー王伝説を証明するものかもしれない、ウェールズで有名な聖人の墓かもしれない、これでやっと村の名前が地図に載るかもしれない!遺跡を発見したのは、毎年夏の休暇を村で過ごす退役軍人の老人。村人たちからおおいに祝福されたがその翌日、橋の下で遺体となっていた。祝杯の飲みすぎによる事故かと思われたが、エヴァンの目には不自然に映る…。そんななか、20年ぶりに村に帰ってきた男が、廃坑を利用したテーマパークを作る計画を発表した。仕事が増えると歓迎する者、よそ者がやってくることを不安がる者、賛否両論入り乱れて大騒ぎに!エヴァンは村に平穏を取り戻せるのか!?
ピアノが得意な伯爵家の次女ローズは、姉の結婚祝賀会でワルツを演奏する役目をひきうけた。その日のために特別に曲を作ることを依頼された作曲家キャメロンと彼女は、音楽室でともに過ごし、徐々に惹かれ合っていく。しかし貴族の令嬢と一介の領民である作曲家は身分違いだ。彼はローズを遠ざけるような言葉ばかりを口にする。祝賀舞踏会のあと、ローズがテラスに出ると、夜の庭にはキャメロンがたたずんでいた。そして彼は「もしぼくがダンスを申し込んでいたら、あなたは応じてくれましたか?」と言うのだった。ふたりは頭の中で流れる音楽だけを頼りにワルツを踊り、互いの気持ちを確かめあうが…想いは壁を乗り越えられるのか?NYタイムズ&USAトゥデイのベストセラーリスト作家が描く、せつなくも美しい愛の調べ。