2019年3月発売
“バジス”ひきいる銀河系船団とクラン艦隊は、ローランドレの四つある関門のうち、ふたつを突破していた。第三関門を開くには、三つめの合言葉を見つけなくてはならない。そんなとき、船内の備品や技術機器が次々に消えるという事件が起こる。ローダンが調べてみたところ、だれかが盗んだらしいと判明した。未知の泥棒の意図はなにか?これもまた、ローランドレの門番クメキルがもたらした災厄のひとつなのだろうか?
彼女は洞穴の中で目ざめた。外に見えるのは空、下から照りつけるのは日光。この奇妙な世界は何なのか?-未知の世界のありようを考察する表題作、死んだ名脚本家の記憶を持つアンドロイドが自らのアイデンティティを追う「不気味の谷」、恒星間をデータとして旅する夫婦を描いた、長篇『白熱光』と同一未来史の中篇「鰐乗り」など6篇を収録。現代SFのトップランナー、イーガンの日本オリジナル短篇集。
第五惑星に降下したオルガ率いる機動戦闘服部隊は、リザードマンに似た原住民兵士と敵の多脚戦車を難なく撃退、これにより十機の救命パレットは衛星軌道へと脱出に成功した。残るは損傷した二機のパレットの乗員のみ。なんとか救出作戦も成功かと思われたまさにそのとき、第四惑星の転移プラットフォームに、続々と敵艦隊が転移を開始する!しかも、さらに二つの救命パレットが、海底深く沈んでいるのが発見されるが!?
ある日突然、日本にだけ40近いダンジョンが出現し、日米安保にもとづいて強引にアメリカ軍がその探索を行なっている近未来。輸送会社に勤務する元自衛官の鈴木肇は、軍用車ハンヴィーの新車と銃器の詰まったトレイラーを、名古屋にある第21ダンジョン内の米軍駐屯所に配送する途中、魔物に襲われる。必死でダンジョン内を逃げまわるうち、迷宮都市クヌードへと迷いこんでいた!はたして肇は無事に日本にもどれるのか!?
岩江高校天文部の祥兵・雅樹・マリア、そして獅子座流星群の夜に墜ちてきた少女・三日島悠美。四人は悠美の事件をきっかけに、悪い宇宙人から地球を護る星岸警備隊ー通称“地球防衛軍”の一員となった!祥兵たちの次なるミッションは、防衛軍が秘蔵していたオーパーツ…瞬間移動する市松人形・鞠子さんの正体を探ること。電波研メンバーとオカルト好きの委員長を巻き込み辿り着いた、二万光年を翔ける真実とは…。
オフィスとクインテットの死闘の末、両陣営は多数負傷者を出し、ウフコックはハンターに拉致されてしまう。何も知らずに友人たちとの卒業旅行から帰ったバロットは、イースターからこれまでの経緯を聞き、ウフコックの奪還を決意する。善なる協力者たち、大学での新たな学び、そして楽園ー考えうるすべての方法を使って。あの日、ネズミの良心に救われた少女はいつしか二十歳に近づいていた。二人の物語が再び動き出す。
元刑事のショーンに保安部が依頼したのは、IRAの大物テロリストにしてショーンの旧友であるダーモットの捜索だった。復職を条件に依頼を引受けたショーンは任務の途中で、ダーモットの元妻の母に取引を迫られる。4年前の娘の死の謎を解けば、彼の居場所を教えるというのだ。だがその現場は完全な“密室”だった…オーストラリア推理作家協会賞受賞作の本格ミステリ。大型警察小説シリーズ第三弾!
前途有望な研究者と結婚し、作家としても成功をおさめたわたし。しかし、思いがけない嵐に翻弄されてしまう。一方、リラは不実な夫のもとを出て、工場で働いていたが…。一九七〇年代のイタリア。大人になったリラとエレナにそれぞれの転機が訪れる。世界的ベストセラー第3弾。
愛と笑いを与えてきた作家カート・ヴォネガットの全短篇を、8つのテーマに分類し集成。完結篇となる4分冊の第四巻には、「フォスター・ポートフォリオ」「ハリスン・バージロン」をはじめとする「ふるまい」「リンカーン高校音楽科ヘルムホルツ主任教諭」「未来派」テーマの28篇を収録する。
チェルノブイリ原発事故から1年ー1987年(昭和62年)4月、東洋新聞の記者・土井垣侑が特派員としてモスクワに降り立った。当時のソビエト連邦はペレストロイカ政策が進められていたが、記者はソ連政府の管理下でしか取材をすることができず、しかも本社からは当局を刺激しないよう「特ダネ禁止」を言い渡されていた。そんな状況に不満を抱いた土井垣は、独自ネタを拾おうと精力的に街へ繰り出す。だが、ソ連政府は一記者にまで監視の目を光らせていて…。
新潟県の三条署管内で、松本在住の戸板紀之の変死体が見つかった!松本署の刑事・道原伝吉は相棒の吉村巡査と現場に急行する。戸板について調べを進めるうち、昨年、娘の婚約者が北穂高岳からの下山中に転落死していることが判明する。二つの事件はつながっているのか?捜査が難航するなか、機動隊員が拳銃を紛失するという大事件が発生。その三日後に善光寺の仲見世通りで銃撃事件が起こった。すべての事件は、35年前の夜、三条駅近くの線路であった、不可解な出来事に端を発しているのかー?
あるきっかけで、同級生のエミールが気になって仕方がないユッキー。彼女の気を惹きたいのと、ひとりでは手に余るのとで、おそるおそる、声をかけた。「ダイイングメッセージって判る?相談に乗ってもらえないかなあ、と思って」ふたりは、失われた事件の道筋を辿りなおして、真相に到達することができるのか?事件は20世紀に起こった。時を経て、21世紀の彼女たちが驚くべき真相に辿りつく。記憶違いと忘却で、こんがらがった謎をほぐす、追憶と慕情の本格ミステリー。
ドッグシッターの風太に一通の喪中はがきが届く。以前交際していた美咲の訃報だった。まだ32歳なのにと驚く風太。ほかの別れた恋人、蘭、エミリのことも思い出し連絡を取ろうとするが、消息がつかめない。彼女たちの友人、住んでいた家、通っていた学校…三人はまるで存在しなかったかのように、一切の痕跡が消えてしまっていた。友人の雪枝、裕一郎とともに謎を追う風太。辿り着いた驚愕の真相とは…前代未聞、必涙のラスト!!第11回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作。
田舎の名士の屋敷、赤い館で銃声が轟いた。死んだのは、15年ぶりに館の主マークを訪ねてきた兄。発見したのはマークの従弟と、館に滞在中の友人に会いにきた青年ギリンガムだった。発見時の状況からマークに殺人の疑いがかかるが、肝心のマークは行方不明。興味を惹かれたギリンガムは、友人をワトスン役に事件を調べ始める。英国の劇作家ミルンが書いた長編探偵小説、新訳決定版。
南ドイツに似た風景が広がる、ビールで有名なアメリカ北西部の町・レブンワース。町で一番のブルワリーを夫とその両親と切り盛りするわたしは、幸せな日々を過ごしていたー夫の浮気が発覚するまでは。わたしは家から夫を追い出し、新規オープンするブルワリーで働くことに。開店初日は大盛況。しかし翌朝、店で死体を発見してしまいー。愉快で楽しいビール・ミステリ登場!
1980年のバルセロナ。弁護士のマリアは数年前に、悪徳警官セサルが情報屋を制裁した殺人未遂事件で、セサルを刑務所送りにしたことで名声を得た。だが今、事件が陰謀によって仕組まれていたと判明する。マリアは再調査をはじめ、自らの血の桎梏と体制側の恐るべき策略を知る。殺人、偽証、復讐に運命を狂わされた人間たちの悲哀が胸を打つ、欧州読書界で絶賛された大河ミステリ。
亡き妻に謝罪したいー引退した不動産業者・方城兵馬の願いを叶えるため、長男の直嗣が連れてきたのは霊媒だった。インチキを暴こうとする超常現象の研究者までが方城家を訪れ騒然とする中、密室状況下で兵馬が撲殺される。霊媒は悪霊の仕業と主張、かくて行なわれた調伏のための降霊会で第二の惨劇が勃発する。名探偵・猫丸先輩が全ての謎を解き明かす、本格推理小説の雄編!
出発から十億年以上、もはや故郷の存続も定かでないまま任務を続けるワームホール構築船と、直径2億kmの巨大宇宙生命体との皮肉な邂逅を描くヒューゴー賞受賞作「島」、かの有名な物語が驚愕の一人称で語り直される「遊星からの物体Xの回想」、意識を与えられた軍用ドローンの進化の果てをAIの視点から描く「天使」-星雲賞受賞『ブラインドサイト』著者の傑作ハードSF集。