2019年3月発売
殺戮の日々はついに終わり、ブリタニアを守るというアーサーの夢は実現したが、ドゥムノニアの周囲に小競り合いは絶えなかった。アーサーは、ドゥムノニアの支配をダーヴェルに任せ、シルリアのイスカへ退くが…。イギリス冒険小説の巨頭がおくる渾身の大河小説ついに完結。
浅草にある蕎麦屋で働いている料理人見習いの美緒は、ひょんなことから神様が住む世界にある「福禄寿食堂」で働くことになる。その食堂にやってくる神様たちの悩みやトラブルをさぼり癖のある料理長の弥太郎とともに考えることにー「人間相手に出す料理だって難しいのに、神様に喜んでもらうにはどうしたらいいの!?」美緒の奮闘する日々が始まる。
神戸に住む、面倒くさがり屋の女子高生あかりの家の隣に、「自称・魔女」ラーラが引っ越してきた。神秘的な魅力を持ったラーラは、あっという間に古ぼけた屋敷の庭を素敵なハーブ庭園に作り替え、身近な人や訪れる友人たちがかかえる悩みを、魔法の力で解決していく。二人が共有する、ちょっと不思議な物語を、美味しいハーブティーとともに紡ぎます。
リリィとフィオナが一時離脱することとなり、一人、スパーダの神学校へ残ることとなったクロノ。二人の帰還を待ちつつ、自らも加護と黒魔法の鍛錬に打ち込むが、そこへアヴァロンの姫、ネル・ユリウス・エルロードが訪れる。今回も書籍版だけの書き下ろし外伝を収録。読み切りの短編『クラスチェンジ体験教室』は、本編では語られなかった、クロノ達の学園生活の一コマが明らかに!?
人類の『敵』による月落下作戦を防ぎ、救世主は姿を消した。彼と同じ容貌をした記憶喪失の少年カイル。彼は機械の手脚を持つ少女ニィナの所属する部隊“有罪の子供”に配属される。透明化した敵を追い、彼らは研究施設“怪物園”に足を踏み入れた。そこで待つのは、人類を超える知能を持つ悪魔と、恐るべき罠!『文スト』の朝霧カフカが紡ぐ最強エンタメ、超加速する第2弾!!
フリースクール“静鈴荘”で教師として働きはじめた佐伯道成は、一人の生徒を追い詰める深刻なトラブルー謂れのない罪の告発と嫌がらせに直面する。大人の悪意から子どもを守ろうと必死に奔走する佐伯だったが、先輩教師の舞原杏が選択した救済のカタチはあまりにも意外なものだった。一方、心を閉ざしていた“静鈴荘”の住人・三好詠葉にも変化が訪れ、残酷すぎる恋物語が動き出す!
SFと詩的な視覚表現の融合。中国社会と現代都市の奇想天外な投影。ヒューゴー賞受賞「北京ー折りたたみの都市」ほか、社会格差や高齢化、エネルギー資源、医療問題、都市生活者のストレスなど、中国社会を映しだす全7篇。
天真爛漫な少女が遍歴する“謎”の王国、待望の「アリスの絵本」。全編に溢れ出る夢とファンタジーで、熱烈な読者を獲得する『不思議の国のアリス』。全世界のアーティスト、作家を挑発し続ける永遠の「ミューズ」アリスが遍歴する“謎”の王国とはー。21世紀のアリスを求め、新訳テクストと描き下ろし絵画でアリス世界を極める夢のコラボレーション。
冴えなく、女性が苦手で友達も少ない純真な大学生が勇敢な男性に変わっていく青春恋愛小説。一年の予備校生活の後、希望の大学には入学したが、目標もなく、退屈な大学の授業と図書館へ通う日々が続く上杉大輝。この冴えない大学生が成長していく、涙し、希望溢れる物語です。
ひとつの時代が終わる。それだけがたしかな時に…。美しく死ねた者、なまじ生き残ってしまった者、己が才覚の扱いに悶える者…。人生のさまざまな姿が異常なまでにクッキリと浮かび上がった魔術的な時空間を描く五篇。
サーカス団の元スター、ホルトと、その子どもミリーとジョーは、生まれたばかりの子象、ダンボの世話係に任命される。ダンボは、大きな耳ゆえバカにされていたが、その耳で空を飛べることがわかってから一躍サーカス団の人気者に。やがて遊戯施設「ドリームランド」の経営者、V.A.ヴァンデヴァーの力で、ドリームランドの大舞台に立つようになる。だがホルトは、きらびやかな舞台とは裏腹に、ダンボと自分たちに闇が迫っていることに気づきー。ディズニー最新実写映画を完全ノベライズ!!
人が生きてきた時間を封じ込めるーそれが、肖像彫刻。芸術の道を諦め、八ヶ岳山麓で銅像職人として再出発した正道。しかし彼の作品には、文字通り魂が宿ってしまうのだった。亡き両親、高名な学者、最愛の恋人…周囲の思惑そっちのけで、銅像たちが語り始めたホンネとは。欲望に忠実な人々の姿になぜか勇気がわいてくる、人生100年時代の極上人生ドラマ!
下鴨神社の神職の家に生を受けた鴨長明は、歌に打ち込み、琵琶に耽溺し、出世を望みながらも幾度となく挫折。源平争乱の時代に、大火事、大飢饉、大地震などを目の当たりにした後に五十歳で出家、山奥の一間の庵にこもる。不遇の半生と未曾有の厄災から悟ったこの世の真とは。八〇〇年の時を越え、普遍の価値観を湛える『方丈記』作者の波瀾万丈の生涯。
カゲロボというものがいるらしいー。学校で、職場で、病院で、家庭で、街角で、カゲロボは私たちをずっと見守っていてくれるのだろうか?それとも、罰するためにいるのだろうか?ささやかな「罪」と「赦し」の物語。
クワコーこと桑潟幸一准教授が、たらちね国際大学に転勤して最初の夏休み。低偏差値大学の「受験生応援プログラム」というリクルート大作戦の一環として、ティッシュ配りにあけくれていたクワコーへの、次なる指令は?「ゆるキャラの恐怖」…大学対抗ゆるキャラコンテストに着ぐるみで出場せよ。審査委員長はみうらじゅん、「おそろしき事がおこるぞよ」との脅迫状が届いて…。「地下迷官の幻影」…セミの次はキノコだ!理想の食材を求めるクワコーは、エロナマズ大王に恫喝され、学園に渦巻く権力闘争の暗流に巻き込まれる。文壇のマエストロの脱力系ミステリー!
小説家、芥川龍之介。東方と西方の物語と伝承と信仰に魅せられた男。そのなかで静かに渦を巻く不安。それがページから少しずつ滲み出す。半透明の歯車が帝都を襲った震災の瓦礫の彼方にうごめき、頽廃の上海の川面には死んだ犬が浮き沈み、己が生み出した虚構の分身と邂逅し、キリストと信仰の物語に心を囚われ、漱石がロンドンでの怪異を語る。河童。ポオ。堀川保吉。ドッペルゲンゲル。鴉。マリア像。歯車。羅生門、藪の中、蜘蛛の糸、西方の人ーキリスト。私のキリスト。イギリスの鬼才が芥川文学をコラージュし/マッシュアップし/リミックスして生み出した幻想と不安のタペストリーを、精妙に美しい日本語に移し替えた決定的翻訳。文学的にして音響的、イギリス文学であり日本文学であり、近代文学と現代文学を越境する野心作。