2019年4月12日発売
森の中の〈村=国家=小宇宙〉に古代から伝わる神話/歴史を描く『同時代ゲーム』。ノーベル賞受賞理由のひとつ『M/Tと森のフシギの物語』〈森の神話〉。ノーベル賞受賞作家、その爆発する想像力。
とつぜん届いた犯人の手紙から、「雲蔓式」に明かされる、わたしの奇妙な過去ー読売文学賞と芸術選奨文科大臣賞を受賞した「雲をつかむ話」。レネの義兄の家を借りるためボルドーへ向かう優奈の、ひと夏の断章ードイツ語で書かれドイツで発表されたのち、自身で日本語小説に転じた「ボルドーの義兄」。各国語に翻訳され、欧米、アジアのみならず、世界中で新作が待望される日本人作家、魅惑の二長篇。
2019年4月19日公開の映画「キングダム」のノベライズ。 日本映画史上最大規模の製作費、本場中国での1カ月にわたるロケを敢行。 主演の信役に山崎賢人、エイ政役に吉沢亮、河了貂に橋本環奈、楊端和に長澤まさみ、王騎役は大沢たかお等、今をときめく俳優陣が演じる。
衆議院議員の宇田清治郎は、総理がらみの疑惑を糾弾されていた。その最中、三歳になる孫娘が誘拐された。犯人の要求は、罪の自白!タイムリミットは、翌日の午後五時。犯人の動機は宇田家への怨恨か。総理の罪を暴くことにあるのか。保身のための駆け引きを模索する官邸サイドと戦う宇田一族。幼き少女を救うための「家族の戦い」が始まる!
一八六一年三月十三日、横浜に生まれた。二十五、六になるまで、定職に就くことなく、風の吹くまま、浮き雲暮らしをしていた。四十を過ぎて、報われない女遍歴にも終止符を打つのだが、戦争の機運が高まり、日露戦争が始まっ 、従軍記者として急遽、戦場に派遣されることになってしまった…。
一九七一年、大学の卒業旅行で出会った男女七人がその後も折につけ集い、旧交を温めてきた。銀行員、厚生官僚、新聞記者、商社マン、高校教師、弁護士、メーカー勤務として社会に出た彼らは五十七年後、予想だにしなかった人生を振り返ることにー。2028年の日本を予測し、団塊の世代、彼らに関わるすべての人のゆく先を示す、予測小説のパイオニア堺屋太一の真骨頂!
昨年、夫の孝之が事故死した。まるで二年前に他界した義母佳子の魂の緒に搦め捕られたように。血縁のない母を「佳子さん」と呼び、他人行儀な態度を崩さなかった夫。その遺品を整理するうち、私は小さな桐箱の中に乳児の骨を見つける。夫の死は本当に事故だったのか、その骨は誰の子のものなのか。猜疑心に囚われた私は…(『夫の骨』)。家族の“軋み”を鋭く捉えた九編。
警視総監直属の極秘捜査官加納卓也にテレビ局報道記者殺害事件の捜査指令が下る。熱血漢だった被害者長瀬は、元同僚で失踪したAD小野寺春奈の行方を追っていた。春奈は元恋人に全裸写真をネット上に拡散され、仕事を辞めざるを得なかったのだ。彼女を追って復興景気に沸く仙台を訪ねたはぐれ警視が目撃したのは…。堕ちゆく者の悲痛な叫びに、心揺さぶられる第三弾。
一揆から三年、豊後羽根藩の欅屋敷で孤児を見守る女・楓の許に、謎の男・草薙小平太が訪れる。彼には楓の元夫で、大功を挙げた後、藩主の旧悪を難じ上意討ちに遭った前家老・多聞隼人と因縁があった。やがて羽根藩の改易を目論む幕府の巡見使来羽の時が迫る中、藩が隠蔽した旧悪を知る楓たちには魔の手が…。人を想う心を謳い上げる、感涙の羽根藩シリーズ第四弾!
明治天皇崩御ー直後、渋沢栄一ら東京の政財界人は御霊を祀る神宮造営を計画、その動きは巨大なうねりになっていく。一方、帝国大学農科大学の本郷高徳らは、「風土の適さぬ東京に神宮林にふさわしい森を造るのは不可能」と反論、大激論に。東都タイムスの記者瀬尾亮一は、対立を追う同僚に助力するうち、取材にのめり込んでいく…。天皇と日本人の絆に迫る著者入魂作!
風烈廻り与力青柳剣一郎は見廻りの途上、岡っ引きに追われる男と遭遇。男の残した荷を検めると、中には極上の反物が。なんと、将軍家へ献上された加賀友禅だった。まさか、江戸城へ盗賊が?逃げた男は死体で見つかり、加賀藩も隠蔽に動く。剣一郎は、義弟の西の丸御納戸方湯浅文七郎へ協力を頼むが、探索を始めた文七郎は何者かに盗みの濡れ衣を着せられ、窮地に!
臨時廻り同心鷲津軍兵衛は、盗賊「闇鴉」を追うー黒ずくめの姿で大店を狙い、決して血は流さず、跡も残さない名うての賊だ。そんな折、軍兵衛は若侍と浪人津田仁三郎の諍いに遭遇する。若侍らはその後もしつこく津田に付きまとい、人違いから別の浪人を殺めてしまう!軍兵衛は管轄違いの一件に正義を為せるか?義賊と持て囃される闇鴉追跡の結末は…。
今川義元を破った織田信長の名は、瞬く間に全国に知れ渡った。一方、師沢彦宗恩は天下統一の妨げとなる戦国大名を見極めるため、武田信玄、上杉謙信など諸国の有力武将の許を訪ね続ける。そんな折、足利義昭の将軍擁立の大義名分を得た信長に、遂に上洛の機会が訪れる。朝廷、義昭との微妙な均衡の上に支配力を強めたい信長だが、朝廷の真意は籔の中で…。
テスは愛を信じていた。いつかきっと白馬の王子さまが現れて、幸せな結婚式を挙げることができると。父を知らず、母も亡くし、伯父とつましく暮らす彼女には、それが唯一の心の支えだった。だから、著名人の集まるパーティでウエイトレスをしていて、ステファノと出会ったとき、夢が現実になったと思った。ディナーとダンスに誘われ、ホテルのスイートで迎えた朝ーだが、テスはただひとり、冷たいベッドに取り残されていた。それでもテスは彼を信じた。妊娠を知り、娘を抱く身になっても。なのにやっと会えた彼は、すがるテスを冷たく拒むだけだった。
イジーはあと24時間で遺産を失う窮地に追いこまれていた。3カ月以内に結婚すること、それが亡父の示した相続条件だった。刻限まであとわずか。このままでは路頭に迷うことになる…。そこへ突然、亡父と因縁のあるイタリア富豪アンドレアが現れ、驚きの提案をする。6カ月間だけ名目上の夫婦にならないかと。十代のころ彼に拒絶された苦い過去があるイジーは躊躇した。愛のない結婚なんてあまりに悲しすぎるわ。でも断れば、すべてを失ってしまう。彼女は承諾するほかなかった。ふたたび“偽りの夫”に恋してしまう危険に怯えながら。
エマは重い病気を患ったあと、女性としての幸福は諦め、巨万の富を誇る投資家、アントニオの秘書として働いている。そんなある日、プレイボーイの彼に花嫁探しを命じられた。投資を成功させるため品行方正な人物を装う必要に迫られたのだ。だが彼はどの花嫁候補も気に入らないと文句をつけた挙げ句、エマに白羽の矢を立てた!君がフィアンセのふりをしろ、と。憧れの彼の恋人になるのは、ひそかな夢だった。自分の心を危険にさらすことを承知で、エマは命令に従った。人前で彼の熱いキスを受け、ペントハウスに招かれると…。
サヴァンナは十代で母を亡くしてから、妹と弟を一人で育てあげた。そして今は、有名ジュエリー会社の臨時秘書として献身的に働き、効率最優先の冷徹なCEO、大富豪リックに想いを寄せていた。二人きりのロンドン出張で、彼はいつもとは別人のようだった。初めて乗る飛行機を怖がるサヴァンナの手を握っていてくれたり、夜、ドレスに着替えた彼女に熱っぽい視線を送ってきたり…。募る恋心を止められず、サヴァンナはリックと一夜をともにしてしまう。結婚も赤ん坊も望まない彼は、生涯続く関係など求めていなかったけれど。ところが数週間後、サヴァンナは妊娠に気づいて愕然とする。彼に父親になると伝えるの?責任感から求婚されるとわかっていて?