小説むすび | 2019年5月発売

2019年5月発売

菅家文草注釈 文章篇 第二冊菅家文草注釈 文章篇 第二冊

日本文化史、日本政治史に大きな影響を与えた菅原道真。その詩文集である『菅家文草』は、従来その前半の「詩」の部分のみが注釈書として公刊され、儒者の大きな仕事である作文の成果、「文」に関しては纏まった形での注釈書の公刊がなされてこなかった。 そのような状況を受け、最新の日本漢文学・和漢比較文学研究の粋を結集して、『菅家文草』文章の部の全てを注釈する。今後の研究の基盤となる決定版。 第二冊は『菅家文草』巻七に所収される詩序(作文会などで詠作された詩篇に冠せられた散文)を収載。 はじめに 凡 例 序 〈文体解説〉 25 八月十五夜 厳閤尚書授後漢書畢 各詠史 序 26 早春侍内宴 同賦無物不逢春 応製 序 27 仲春釈奠 聴講孝経 同賦資父事君 序 28 九日侍宴 同賦喜晴 応製 序 29 晩冬 過文郎中 翫庭前梅花 序 30 九日侍宴 同賦天錫難老 応製 序 31 早春侍宴 仁寿殿 同賦春暖 応製 序 32 九月尽 同諸弟子白菊叢辺命飲 同勒虚余魚 各加小序 33 早春内宴 侍仁寿殿 同賦春娃無気力 応製序 34 右親衛平亜将率厩局親僕 奉賀大相国五十算宴座右屏風図詩 序 35 閏九月尽日 燈下即事 応製 序 36 三月三日 同賦花時天似酔 応製 序 37 重陽後朝 同賦秋雁櫓声来 応製 序 38 惜残菊 各分一字 応製 序 39 早春観賜宴宮人 同賦催粧 応製 序 40 賦雨夜紗燈 応製 序 41 東宮 秋尽翫菊 応令 序 42 春 惜桜花 応製 序 43 扈従行幸雲林院不勝感歎 聊叙所観 序 44 九日後朝 侍朱雀院 同賦閑居楽秋水 応太上皇製 序 45 三月三日 惜残春 各分一字 応太上皇製 46 未旦求衣賦幷霜菊詩 応製 序 あとがき 注語索引 人名索引

偽りの指輪に愛をこめて偽りの指輪に愛をこめて

家名のために男の子が欲しい億万長者。 その非情な求婚を、愛と誤解したなんて。 振り向いたエミーは、ふくらみかけた自分のおなかに手をあてた。 一夜をともにしたマルコが、ニューヨークの大富豪だったなんて! マルコは彼女の職場に突然現れ、自分に子供ができたと知ると、 家族が欲しいと言って結婚を申しこんできた。 私がイギリスから引っ越さなければならなくても、 彼は贅沢な生活をちらつかせれば問題ないと思っている。 それでもマルコの父が病気と聞くと、エミーは婚約を受け入れた。 この再会は運命で、彼がくれた婚約指輪を愛の証と信じられたら。 だがマルコは男児の誕生を願い、彼女を利用する気でいて……。 R・トーマスは“日常の中の非日常”を描くのが巧みな作家です。平凡な毎日を送るヒロインの前に、いきなり大富豪のヒーローが現れ、夢のようなプロポーズーーけれど引き換えに、彼女は大切な家族や仕事を捨て、見知らぬ街で暮らすことを迫られるのでした。

王と花摘みの花嫁王と花摘みの花嫁

愛のかけらもない結婚。 それでも私は、彼の真心が欲しい。 生まれながらに次期国王の許嫁と決められたジョハラは、 父によって適齢期までフランスの片田舎に幽閉されて育った。 そしてついに、王位継承者アジムとの対面のときがやってきた。 ところが彼は挨拶すらせず、結婚式は1週間後と宣言するばかり。 こんなに冷たい人と、生涯をともにするなんて……。 恐怖のあまり、ジョハラはフランスへと逃げ帰ってしまう。 行くあてもなく、街をさまよったすえにたどり着いたカフェで ウェイトレスの職を得たジョハラは、すぐにそこが売春宿だと知る。 汚い男の手が伸び、万事休すーーそのとき、深みのある声が響いた。 「手を離せ。売約済だ」威厳あるアジムの姿が、そこにあった。 ヒロインの心情をしっとり描いて人気のケイト・ヒューイットが、政略結婚の物語を描きました。冷淡で、妻に無関心な次期国王の夫。心を開いてほしくて、けなげに振る舞う苦労人ヒロインが印象的です。好評をいただいた『まぼろしのローマ』の関連作でもあります。

遠回りのラブレター遠回りのラブレター

あなたは我が子のために帰ってきた。 わたしを愛していたからではなく……。 ベスとカラムは平凡ながらも幸せな夫婦……のはずだった。 けれど彼女にはなかなか赤ん坊ができず、不妊治療も失敗が続いた。 そんな妻に愛想を尽かしたように、カラムは離婚を切り出し、 仕事と言って遠い異国へ旅立ってしまう。 ところがその後、ベスは自分が妊娠していることに気づいた。 やっと苦労が報われた。これでカラムとわたしは親になれる……。 だが喜びは続かず、ベスが書いた手紙に彼からの返事はなかった。 捨てられた失意の中、彼女は待ち望んだ赤ん坊を出産して育て始める。 だから1年後、突然カラムが戻ってきても、ベスの気持ちは複雑だった。 心は親子で拒絶された悲しみと、今もつのる彼への愛に引き裂かれていた。 2017年、惜しくもこの世を去った名作家J・テイラー。今作は彼女が闘病中に執筆した一作です。元夫婦のあいだに生まれた、未来の象徴である小さな女の子に、作家がどんな思いを託していたか……。愛と命を紡ぐ温かな涙流れる物語を、どうぞお読みのがしなく!

ボスの強引な婚約宣言ボスの強引な婚約宣言

引きとめてほしいのは、 秘書ではなく、女として。 「突然ですが、ぼくは婚約しました。相手は秘書のアデレードです」 ボスで富豪のデンプシーに公の場で宣言され、アデレードは呆然とした。 彼にないがしろにされ、仕事を辞めたいと申し出た矢先なのに? だがそれは、有能な秘書に退職を思いとどまらせるために、 彼女のお人好しな性格を利用した、デンプシーの巧妙な手口だった。 さらに、ひと月だけでも婚約者を装って、彼の下で働くよう命じられる。 貧民街に暮らしていた少女時代からずっと、デンプシーが好きだった。 これが愛ある本物の婚約だったなら、どれだけ幸せなことだろう……。 そんなアデレードの純情も知らず、我が道を行くデンプシーは、 これから彼の屋敷で寝泊まりしろと告げ、彼女の身も心も翻弄するーー アデレードの長年の片想いを軸に描かれる、ボスと秘書のもどかしくも甘やかな恋物語。愛を信じられない大富豪デンプシーが演じる偽りの婚約は、いったいどんな展開に……? スター作家、キャサリン・マン作『富豪が残したあの夜の証』(D-1751)の関連作。

記憶の闇のむこう記憶の闇のむこう

終わりなき記憶の闇のなか、 愛だけが光をくれたのに……。 病室で目覚めたとき、クレアはいっさいの記憶を失っていた。 手首の名札で自分の名前だけはわかったものの、 夫と名乗る実業家マットの顔を見ても、何も思い出せない。 強盗に襲われて頭にけがをしたのが原因のようだが、 マットの広大な屋敷に移って看護を受けるうち、順調に快復していった。 魅力的な夫に、快適な生活。けれど、なぜか不安がぬぐえないーー 彼の発言や態度につじつまが合わないところがあるのだ。 それでもクレアはやがて、自分がマットを愛していることに気づく。 正直に愛を告げた彼女に、マットは重い口調で残酷な事実を告げた。 「結婚生活はとっくに破綻して、僕たちは別居していたんだ」 じつは家族を知らずに施設で育ったクレアですが、その記憶さえも失った今、すべてを知るのは夫であるマットだけで……。作者自身、ヒロインと似た境遇の少女時代を過ごしてきただけあって、その分物語に深みが与えられています。切ないすれ違いに涙する大傑作!

伯爵と塔の上の貴婦人伯爵と塔の上の貴婦人

ふとどきで美しい伯爵の、 温かな腕にさらわれて……。 「私の純潔と引きかえに、弟の土地を返していただけないかしら?」 遊び人と名高い伯爵ガブリエルに向かって言葉を絞り出した瞬間、 きまじめな令嬢キャロラインの頬は燃えるように熱くなった。 賭事に負けた父のせいで、愛する弟の未来が奪われるなんて耐えられない。 そして私も、悲惨な結婚をさせられる前に一夜だけでも夢を見たい……。 「話はわかった。だが僕も、処女を金で買うほど落ちぶれてはいない」 軽くあしらわれて追い返されたキャロラインだったが、 残忍で醜い中年男との結婚は刻一刻と迫ってくる。 すべてを諦めかけたある日、父が道楽で雇った僧衣の詩人が現れた。 キャロラインだけはすぐに気づいたーー彼がガブリエルであることに。 ガブリエルに導かれて父の手を逃れ、地味な家政婦に変装して田舎の屋敷に隠れたキャロライン。平穏な日々もつかの間、ふたりでいるところを父に見つかり、ガブリエルは大混乱のさなかに愛なき結婚を申し出て……。甘く儚い愛の夢、〈不肖の四貴族〉最終話です。

女嫌いの放蕩伯爵女嫌いの放蕩伯爵

乙女の尊いまでの純真さが、 冷淡な伯爵の本気を揺り起こすーー 美しき黒髪の伯爵アレックスは名うての放蕩者だが、 不貞をかさねて父を苦しめた母のせいで、女性には冷淡だった。 そんな彼のもとに、ある日、敬愛する伯父が若い娘を伴い現れた。 宝石のような瞳を持つそのアンジェリーナという名の娘は、 かつて伯父との結婚を反対され大陸へ渡った、昔の恋人の忘れ形見らしい。 貧困にあえいできた彼女に、礼儀や作法はこれから学ばせるという。 アレックスは、伯父が財産をだまし取られるのではないかと疑い、 この娘を早いところ誰かに嫁がせて、厄介払いしようと考える。 ところがアンジェリーナは言い切った。「結婚なんてしたくありません」 面白い。ならば生意気な小娘を、このわたしが誘惑してやろう。 結婚など跡継ぎのためだけと割り切る女嫌いの伯爵と、絶対に結婚などしないと決めている男嫌いの乙女。互いに心の傷がもとで異性を信じられなくなった二人の、恋の火花が深い愛に昇華するまでを描いた劇的シンデレラ・リージェンシーをぜひご堪能ください。

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