2019年6月13日発売
泣き笑いの風野節炸裂、令和に続く、昭和の謎。「戦後昭和」を喰い尽くした巨悪の正体とは? 特番「昭和探偵2」が高視聴率を上げ、町でも人気の探偵・熱木地塩。最近つきまくりの雀荘仲間の留さんからの依頼は、新宿東南口にあった伝言板の書き主「ゆうこ」を捜すこと。しかし東南口はバラック街も消えて様変わりし、捜索の手がかりもない……そして、昭和を喰い物にした性悪老害の正体がついに明らかに? 昭和ノスタルジー&ミステリーの全4話 「ふりかけご飯は貧乏飯? それとも贅沢飯?」 結婚詐欺師がなにゆえ捜索依頼? 謎の鍵を握るのは○美屋のふりかけご飯。 「4の字固めをかけてきた男のいまの技は?」 プロレス技が得意なあのガキ大将が町に戻ってきた。戦々恐々の回転寿司店主。 「その恋は駅の伝言板が育んだのか?」 LINEも携帯もない時代昭和、駅の伝言板は恋人たち必須の恋愛ツールだった。 「爺のストリーキングに主義主張はあったのか?」 45年前、虎ノ門に出現した裸の老人たち。その背後にある驚くべき策略とは?
青森の闇市を牛耳る香具師の親分、江藤勝治には双子の娘がいた。奔放な姉と内気な妹。あるとき、妹の恋する男が父の怒りを買って蔵に閉じ込められる。男を助け出すという妹に、「魔法使ひってのが、居るらしいよ」と姉は言ったー。焼け跡の町。謎の殺人事件。妖しくも美しい昭和ミステリー。
援交する名探偵・上木らいちの「お客様」藍川刑事は「二匹の蛇」の夢を事あるごとに見続けてきた。幼い時に自宅で二匹の蛇に襲われたのが原因のようだが、その裏に藍川の両親が関わった二つの密室事件が隠されていた。らいちが突き止めた前代未聞の真相とは?「本格」と「エロ」を絶妙に融合した人気シリーズ!
河川敷で撲殺死体が見つかった。容疑者は、学同院大学クジャク愛好会の会長にして、動物を愛してやまない奇人大学生。無実を信じる「警視庁いきもの係」の名(迷)コンビ、窓際警部補・須藤友三と動物オタクの女性巡査・薄圭子は、アニマル推理で真相に迫るが。ピラニア、ハリネズミが登場する中編2本も収録!
英国の人気作家V・ヘイズが、日本人妻を伴って来日することに。しかし警視庁には、正体不明のテロ組織から、ヘイズの来日中止を迫る脅迫状が届く。警視庁は万全を期して十津川警部に警護を命じるも、長崎へ向かう特急「さくら」車中で、夫人が誘拐されてしまう。最悪の結末と驚愕の真相が待つ、傑作推理!
現代文学のトップランナーが、 AI社会をポップに描いた SFジャズエンタメ巨編! 「僕の葬式でピアノを弾いて頂きたいんです」 それがすべての始まりだった。 電脳内で生き続ける命、アンドロイドとの白熱のジャズセッション。大山康晴十五世名人アンドロイドの謎、天才工学少女、迫り来る電脳ウィルス大感染…。平成の新宿から近未来の南アフリカまで、AI社会を活写し、時空を超えて軽やかに奏でられるエンタテインメント近未来小説!【解説・大森望】
絵のように美しい、コネチカット州の小さな町。十代の少女ジェニーがレイプされ、トラウマに悩むことを恐れた母親は事件直後に記憶消去の最新治療を受けさせる。それは同時に犯人に繋がる記憶をも消し去った。町の精神科医が改めて記憶の痕跡を辿ると、閉鎖的な町と家族の深層、事件の真相が顕れてくる。
奇跡の復活をとげた遊園地ファンタジア・パーク。「夢の国」には“魔女”と呼ばれるスゴ腕の契約社員がいた。園内すべてを知りつくし、トラブルを鮮やかに解決する。その魔女を探る者が現れ、折しも園内の劇場で発火事故が発生。さらには脅迫状まで届く緊急事態に。魔女と仲間は大切な夢の世界を守れるのか?
美人画で名を売る歌川広重から、男装の絵姿になることを頼まれた沙耶。最初は断るが、受けるようにと奉行所からお達しが出る。最近「写生会」というのが流行り、それをネタに金持ちを強請る連中がいるらしいのだ。沙耶は広重の依頼を受けると同時に、強請りの犯人を捜そうと…。大人気!書下ろし時代小説。
ベストセラー作家、倉沢みちるは、二十三歳の秋、高校時代の彼、蓮見優斗と再会、再び心を寄せ合う。しかし、葉山のクラシックホテルの跡取りである優斗との恋には様々な試練が降りかかり、また、分不相応な収入で家族はバラバラに…。愛、仕事、家族の絆。本当の幸福とは何かを問いかける、究極の純愛ストーリー。
いままでにない斬新な謎に挑むのが本格の醍醐味。人は探偵になりたい、できれば名探偵になりたいから本ミスに挑む。2017年に発表された本格ミステリの短編からプロが選びぬいたベスト作品集。最先端の本格ミステリが一冊に!優れた論理性と驚きの結末は想像の上を遙かに飛び越えていくこと間違いなし!
加賀藩邸の不祥事を咎める評定所に臨んだ百万石の筆頭宿老・本多政長。対するは本多の仇敵、老中大久保加賀守。黒のものを白にする。留守居役顔負けの舌戦の火ぶたが切られた!数馬も義父・政長を援護するため、江戸城を駆け巡る。そして加賀藩と本多の命運のかかった将軍綱吉との謁見は!?
大身旗本同士の婚姻の祝酒を将軍家に献上することになった。武蔵屋をふくむ酒問屋が鎬を削る中、手代卯吉が人気酒に育てた「稲飛」も有力候補に。だが海難事故で貴重な百樽を失い、在庫は払底、選ばれても期日までに献上の百樽を揃えるのは困難至極。店の名誉を守る手立てはあるのか!?
一九三三年。次なる旗艦の建造計画をめぐり、海軍上層部は対立する。巨大戦艦建造を標榜する戦艦派の計画案に、数字上の虚偽を疑う空母派は、ある数学の天才に不正を見破らせようとする。数学の真理は、巨大戦艦「大和」の建造を阻止できるのか。帝国海軍が歩んだ激動の時代を、若き天才の生き様を通して描く感動作。
“天才”太宰と駆けぬけた著者の青春回想録 作家・檀一雄は太宰治の自死を分析して、「彼の文芸の抽象的な完遂の為であると思った。文芸の壮図の成就である」と冒頭から述懐している。「太宰の完遂しなければならない文芸が、太宰の身を喰うたのである」とまで踏み込んでいる。 昭和八(1933)年に太宰治と出会ったときに「天才」と直感し、それを宣言までしてしまった作家・檀一雄。天才・太宰を描きながら、同時に自らをも徹底的に描いた狂躁的青春の回想録。作家同士ならではの視線で、太宰治という天才作家の本質を赤裸々に描いた珠玉の一編である。
旧家に生まれた者の“暗い宿命”を描いた太宰治「私小説集」。明治四十二(1909)年六月、太宰治こと津島修治は青森県北津軽郡に誕生、のちに遠く東京にあって望郷の念を募らせていた。太宰は、津軽での幼・少年期を“遺書”のつもりで書き綴った処女作「思い出」で文壇デビュー。その後、兄との不和から十年ぶりとなった帰郷を描いた「帰去来」、母危篤の報を受けての帰郷を描く「故郷」、そして、時局差し迫る中での津軽旅行をまとめた「津軽」と、旧家に生まれた者の暗い宿命を描いている。前四作品に加え、名作「富嶽百景」を含む太宰の私小説で構成したアンソロジー集。解説を同じ東北出身の作家・佐伯一麦氏が特別寄稿。
未来につながる、パスがある。大手自動車メーカー・トキワ自動車のエリート社員だった君嶋隼人は、とある大型買収案件に異を唱えた結果、横浜工場の総務部長に左遷させられ、同社ラグビー部アストロズのゼネラルマネージャーを兼務することに。かつて強豪として鳴らしたアストロズも、いまは成績不振に喘ぎ、鳴かず飛ばず。巨額の赤字を垂れ流していた。アストロズを再生せよー。ラグビーに関して何の知識も経験もない、ズブの素人である君嶋が、お荷物社会人ラグビーの再建に挑む。
窃盗現場に臨場した警視庁捜査三課の萩尾と相棒の秋穂。犯行の手口を見て、獲物がある場所だけに触る“ダケ松”の仕業と見抜く。逮捕されたダケ松は、大物故買屋の名を明かした。その故買屋は国宝“曜変天目”の展示される陶磁器展で何かを企てているらしい。狙われた国宝を萩尾は守りぬけるのか?“捜査の職人”と“盗みの職人”の気魄がぶつかり合う大人気シリーズ第二弾!