2019年6月7日発売
近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性のことが、気になって仕方のない“わたし”は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導する。『あひる』、『星の子』が芥川賞候補となった話題の著者による待望の新作中篇。
貴族ヴラドルフ公に見初められ花嫁になることが決まっている娘エマ。下宿人の陽気なベネッサに励まされながらも刻一刻と彼女の運命の日は近づいてくる。エマの恩恵を受ける村人、巨人の用心棒、エマを守るべく雇われた戦闘士たち、そしてD-。それぞれの欲望と思惑が交差するグスマン村での死闘の行方は。
5年前の未解決事件で汚名を着せられた倉田沙月。少年課に異動した彼女は、自らが担当する少年の殺害現場に立ち会う。その遺体の胸に刻まれた“殺愛”の文字は、いやが上にも過去の事件を彷彿させた。歯に衣着せぬ完璧主義者の黒崎警視とともに、沙月は驚愕の真実に迫る!
とある事件をきっかけに、憎しみと後悔のうちに人生を終えた高校生の炭原継人。死んだはずの彼が目覚めた場所は見知らぬ洞窟の中だった。見渡すとそこは、天を貫く刺のような巨大な山々がそびえ、現代文明が浸透しているとはとても思えない世界だった。明らかに地球ではないその世界で、継人は洞窟の岩石掘りの仕事に就く。そのさなか、一人の幼女と出会い、自分の眼に禍々しい力が宿っていると気づいたとき、継人の物語は動き出したのだった。
ソハイーラの身体に入り込んで彼女の身体を操作し、皇帝として立ちふるまうこととなったアサガヤシン。彼のもとに、帝国軍を我がものとした憎き敵・オクタヴィアヌスが襲い来る。アサガヤシンは自身の「AI」としてのアドバンテージを活かし、操艦や増殖でアクロバティックに応戦。しかしオクタヴィアヌスは衛星サイズのAI「月」をはじめとする大艦隊を持ち出し、執拗に攻撃を仕掛けてくる。アサガヤシン=ソハイーラに逆転の機会は訪れるのか?果たして敵の真の狙いは?そして、高次空間で人を繋ぐ“クオリア”がもたらす奇跡とはー!?すべての事象が明らかになる、驚天動地のシリーズ第三巻!
ソーシャルゲーム風の異世界に転移させられた新井忠次。彼は妖艶な美少女・神園華を仲間にし、現実世界への帰還を目指す。ステージを確実にクリアするには、華のほかにも高レアリティの仲間が必要不可欠だと忠次は考えていた。そこで彼は、SSRのレアリティを持つ赤鐘朝姫を仲間に誘う。しかし彼女は高レアリティらしからぬ問題を抱えていた。本来であれば勇猛果敢な剣士のはずなのだが、とにかく虚弱で満足に剣を振るうことさえできないのだ。かくして忠次は朝姫を健康体にするため東奔西走する。果たして忠次の献身的な介護は、朝姫にどのような影響を及ぼすのかー!?
綾子、夕里子、珠美が訪れたレストランを、国友刑事がまさかの張り込み中!捕らえられた男女の容疑は大企業の社長殺害。捜査一課は若い妻とその不倫相手が共謀し、高齢の夫を殺したと睨んでいた。それでも二人の無実を信じる娘・真美は、三姉妹に事件の真相解明を依頼。ところが、社長急死による会社の勢力争いに巻き込まれるわ、夕里子に恋のライバルが登場するわ、次から次へとピンチが襲う!読むと元気が出る大人気シリーズ、必読の最新作!
都内で連続殺人事件発生。双方の現場に残された同じキャラクターグッズについて警視庁きっての潔癖刑事・田島と天然女性刑事・毛利が捜査を始めるが、またもグッズが置かれた女子大生襲撃事件が起きてしまう。キャラクターに籠められた犯人の意図とは?捜査から浮かび上がる被害者女子大生のパパ活とストーカー被害。田島らはパパ活相手に事情を聞き始めたが、事態は思わぬ方向へ。読み応えと楽しさ120パーセントのエンタメ警察小説!
東大寺大仏の開眼供養から四年、仏教政策を推進した帝の宝算は尽きる。道祖王を皇太子にとの遺詔が残されるも、その言に疑いを持つ者がいた。前左大臣・橘諸兄の命を受けた中臣継麻呂と道鏡は、密かに亡き先帝の真意を探ることにー。聖武天皇の真実を探る物語。
太平洋戦争末期。敗色濃厚の気配の中、東京から東北の田舎へ集団疎開してきた小学生たち。青い目を持つ美しい少女、六年生の浜野清子もそのひとりだった。その目の色ゆえか、周りに溶け込めない孤独な彼女が出会ったのが、捨て子で疎開先の寺の養女、那須野リツ。野山を駆け巡る少年のような野性を持つリツも、その生い立ちと負けん気の強さから「山犬」と揶揄される孤独な少女だった。だが、それは「海」と「山」という絶対に相容れない宿命の出会い。理由もなくお互いを嫌悪するふたりだが、ひとりの青年をめぐり、次第に接近してゆく…。これは、戦争という巨大で悲劇的な対立世界を背景に、血の呪縛に抗い、自らの未来を変えようとした、ふたりの少女の切ない物語。
巧みに、軽妙に、時には、早すぎる死を予期したかのようにー翳りのなかにあって揺るぎなく美しい一九三〇年代の名品群。多彩な短篇小説とエッセイをセレクト。翻訳者・村上春樹の起点となった二篇も新しい訳で収録。
雨の翌日、消防司令の今垣は川べりを歩く女性と出会う(「石を拾う女」)。新米の土屋と大杉は“無敗コンビ”だった(「白雲の敗北」)。女性レスキュー隊員の志賀野が休暇中に火事を発見(「反省室」)。西部分署副署長の吉国は殉職した息子のお別れの会で思い出を語るが…(「逆縁の午後」)。ほか5篇。短篇の名手が紡ぐ9つの消防ミステリ。
白パンと黒パン、干し草のベッド、ヤギのミルク、チーズ料理、フランクフルトへの旅、クララの病ー子供の頃に夢中になったアルプスの物語には、意外な真実が隠されていた。原作に潜む19世紀ヨーロッパの光と影を読み解く。
これまで数々の冒険をともにしてきた夫ばかりか、友人のチャールズまでがアガサの元から去っていき、残されたのは二匹の猫だけ。その猫たちも、餌が欲しいときしか寄ってこない。孤独に打ちひしがれながらも、新たな人生を歩もうと決意したそのとき、奇妙な事件に出くわした。大雨で増水した川を、ウェディングドレス姿の遺体が流されていったのだ。どうやら独身最後の夜を同僚女性たちと祝ったあと、行方不明になっていたらしい。事件性があるとにらんだアガサはさっそく、手がかりを握る同僚女性たちへ聞きこみをすることに。ところが揃いも揃って、アガサが舌を巻くほど嫌な女ばかりで…!?成り行きで一緒に捜査をすることになった、アガサとイケメン小説家の新コンビにも要注目!
生まれてから一度も故郷のハンプシャーを離れたことがなく、結婚して家を出た兄や姉たちに代わって、高齢の両親の世話をひとりでしてきたアビーは、社交界デビューもせぬまま大人になった。両親がそろって他界してからも、きょうだいはなおも彼女に家事手伝いを求めてくることに愕然とした彼女は、自分の人生を送るために自立しようと決意する。隣家のロスウェル公爵の妹の家庭教師になるが、実は公爵とは、少女のころに結婚を誓いあった仲だった。しかし彼がロンドンに居を移してからは放蕩の噂ばかりが聞こえるようになり、ふたりは何年も顔をあわせることさえなくなっていて…初恋のゆくえは?“シンデレラの赤い靴”シリーズで人気をさらったオリヴィア・ドレイクの待望の新シリーズ“公爵の花嫁”第一弾!