2019年6月発売
草が営むコーヒー豆と和食器の店「小蔵屋」の頼れる店員・久実。ついに久実に訪れた春の予感に浮き立つ店に、衝撃のニュースが。元アイドルの女性が店の敷地内で暴行を受けたと訴え出たのだ。犯人は地元名士の息子。大騒動の町で気付けば久実は浮かぬ顔で…。暴行を受けたと訴え出た元アイドル。他にも被害者が?小さな町の大事件が小蔵屋の日常を揺るがせる。
一(にのまえ)コミュニケーション大学(通称:イチコミ)の新入生、中山太郎はある日の受講中にエミリと名乗る美人の先輩に声をかけられる。しかし、彼女は通常の人には見えない“もののけ”だった。人には見えない“もののけ”を見ることができる青年と、“もののけ”に出会うため「郷土民俗学同好会」で研究を続ける“もののけ”が見えない部長の小泉、そしてエミリたち“もののけ”のキャンパスライフが今スタートする。
この町には怪人がいるんだよ。女の人と子供は殺されるから、気を付けなきゃいけないんだ。どことなく閉塞感を感じさせる小さな町に、怪物が生まれる。未解決の殺人事件は、人間の仕業だとは思えなくなった。都市伝説×コージーミステリーの野心作。
家老からの密命に背き、丹波篠山藩を出奔した若き武士・小柴陽太郎。杜氏についてきた灘の酒蔵で、名酒「一分」造りに勤しんでいた。陽太郎は「一分」を江戸に運ぶ船に乗りこむものの難破する。酒蔵は窮地に追い込まれ、時を同じくして篠山藩は財政難に陥っていた。藩と酒蔵の危機を同時に打開するため、陽太郎が持ちだす起死回生の秘策とは…。幕末の激動の時代、その仰け反るほどの逆風に立ち向かう青年を鮮烈に描く物語。
サイコパスを研究する月澪彩葉と、相手の本質を見ることができる「共感覚」の持ち主、北條正人。二人の前に、月澪が天才と称える脳科学研究者・丹色陽華が現れた。独善的な性格の彼女は、北條の共感覚に興味を示すと、研究の名目で彼を監禁してしまう。もちろん、そんな状況を月澪彩葉が黙って見過ごすはずはない。彼を救うため、策を練る。それは、未解決の猟奇殺人事件を利用したものでー。
勇者パーティーの一員として最難関ダンジョンをクリアしたと思いきや、その場でクビを言い渡されたフウマ。不吉とされる黒髪黒眼の上に最弱職・盗賊と侮られ、徹頭徹尾冷遇され続けた彼だったが…。実は魔境にある隠れ里、シノビノサト村出身の最上位職(???)なのであった。ダンジョンから街への帰り道、フウマは偶然出会った謎の魔族の少女を助け、また“天雷”により討たれた古代竜の遺言を聞く。そうした偶然に巻き込まれ続けた結果、彼は知らず知らずのうちに、金と欲に塗れた“治癒神の御手教会”や勇者パーティーから追われる身となっていくー。知られざる最強の存在が腐敗した宗教都市をかき回す!
異世界中から大精霊や妖精種が集まる、すごい「聖域」を作ってしまった僕、タクミ。今さらだけど、錬金術って万能すぎない?ともかく僕は、聖域の暮らしをより良くするため、生産職らしくモノ作りに専念する事になった。白米を作って日本食を広めたり、楽器を作って大演奏会なんてしてみたり、久しぶりに楽しい生産生活を送ってたんだけど…え、シドニア神皇国が侵攻してきたって!?シドニア神皇国は、勇者召喚を行い、僕をこの世界へと巻き込んだ因縁の国。僕は各国と協力して、迎え撃つ事になったものの、聖域に進軍してきたのは、不死のバケモノと化した兵士の群れだった。そしてその中に、僕と同郷である日本出身の少年達の姿があった…異世界で錬金術スキルを手にした青年が、生産活動に精を出しつつ、聖域を守る!最強(?)錬金術師の、ほのぼの異世界大冒険、第5弾!
突如として異世界に飛ばされてきた普通のおっさん、高峰颯太(34歳)。彼は森で偶然出会った竜王レグジートからドラゴンと話せるようになる秘宝、竜の言霊を授かり、ドラゴン育成牧場のオーナーに就任したのだった。新人牧場主として竜のお世話をしていたある日、颯太は王都で催される舞踏会の招待状を受け取る。これまでダンスに縁がなく戦々恐々とする彼に救いの手を差し伸べてくれたのは、別の牧場を営むお嬢様オーナーのアンジェリカとそこで暮らすお転婆なドラゴン娘、キルカジルカ。新しい仲間に助けられ、颯太はダンスの猛特訓を開始する。王都で舞踏会の開催が差し迫る一方で、各地の牧場では竜が次々と失踪するという怪事件が発生。事件の存在を知った颯太は竜人族の少女達と力を合わせ、舞踏会に渦巻く陰謀に挑むことを決意するー!お人好しなおっさんが送るドラゴン育成ファンタジー、完結!
気付くと異世界に飛ばされていた、心優しきおっさん、タクマ。ダンジョン最奥で待ち続けていた恋人・夕夏の救出に成功した彼は、それを報告するため、女神・ヴェルドのもとへ向かう。しかし、その場は報告だけに終わらず、ヴェルドの悪乗り(?)のせいで、二人は結婚式を挙げる事になってしまった。目立つのを嫌うタクマは戸惑ったものの、盛り上がる家族たちに流されるように、結婚式の準備を進めるのだった。その一方でタクマは、もう一つ大事な事業を進めていく。それは、彼の悲願であった庶民のための学校の設立である。学校設立は実現間近まで迫っていたが、一筋縄ではいかない困難が立ちふさがる…おっさんが異世界を満喫する、ほのぼの冒険ファンタジー、第7弾!
製薬会社で構造解析研究者だった持水薫は、魔法のある異世界ガーランドに、公爵令嬢シャーロット・エルバランとして生まれ変わった。『構造解析』と『構造編集』という二つのチートスキルを持ってー。ジストニス王国が平和になり、シャーロットは転移魔法を探すため、仲間とともに旅に出る。ただ、先に寄るところがあった。王都の兵器製作工場で働かされていた人間の女の子ーククミカを、故郷の隠れ里ヒダタカに送り届けるよう頼まれたのだ。しかしその道中、シャーロットでも出現を探知できなかった魔物たちに襲われてー。ネットで大人気の異世界大改変ファンタジー、待望の第5弾!
トリティカーナ王国の英雄、ムーンオルト家の末弟であるアレクは、紫の髪と瞳の持ち主。人が生まれ持つことのないその色を両親に気味悪がられ、ある日、ついに家から追放されてしまった。途方に暮れていたアレクは、偶然、リリーナとティールという冒険者風の少女達に出会う。アレクは二人の勧めで髪と瞳の色を変え、素性を伏せて英雄学園に通うことになった。新入生のアレクは桁外れの魔法の才能と身体能力を発揮して一躍人気者に。個性的な同級生や先輩達に囲まれ、ちょっとしたトラブルを解決しつつ、賑やかな学園生活を送る。そんなアレクの髪と瞳の色には、本人も知らない秘密の伝承がありー
勇者パーティーを追い出され、大商会で新たな人生を歩み始めた、『万能職』の少年ロア。ある日、数人の冒険者と共に、薬の材料を探しに魔獣の森へ入った彼は、ゴーレムの群れに襲われる。窮地に陥る一行を救ったのは、以前ロアが世話をしていた従魔たち!彼らは圧倒的な力で敵を葬り去っていく。難を逃れて安堵するロアたちだったが、曲者の従魔とのすったもんだの末に、なぜか強化ゴーレムと戦うことになる。普通に戦っては勝ち目はない。そこでロアが考え出したのは、従魔の力を借りた、常識外れの作戦だったー。
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまうー。そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力ーダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
異世界に召喚された29歳のフリーター、秋野冬至。無能力者としてすぐに追放されたものの、後に判明したゲームスキルを駆使した結果、可愛いペット達の召喚や本格的な武具製作に成功する。-こうして、自由な冒険者生活が始まった!数ヶ月にわたり、サルトの街を拠点に活動してきたトウジだったが、行商人のマイヤーとともに、北方の魔導国家ギリスを目指して旅立つ。旅の途中、船に乗るためトガル首都に立ち寄ったところ、賑やかな都会に気分が高揚し、思わず闘鶏やオークションに参戦することに…!
若者限定の筈の勇者召喚になぜか選ばれ異世界に飛ばされたおっさん、ヒイロ(42歳)。彼は妖精のニーアやSSランク冒険者のバーラット、忍者のレミー、そして勇者のネイとともに、王都を騒がせる呪術事件の調査にあたっていた。かつて行動を共にしていた冒険者パーティと偶然再会したヒイロ達は、彼らと協力して事件を解決する。しかし、事件の黒幕が去り際に、人間と魔族の関係について謎多き言葉を残した。一行はその謎を解くため、東の海に棲むという最強最古の龍のもとへ足を運ぶ。そこで明かされたのは、ヒイロが持つ二つのチートスキルの驚くべき出自だったー。意外な真実に一同驚愕!?おっさんの異世界漫遊記、第5弾!
戦火、崩壊と再建、そして無人化と再定住を数えること7×7=49回にわたり繰り返した、数万の暗い部屋を持つアーチ状の7層のフロアからなる、ミツバチの巣のような外観をしたバビロンならぬヴァヴィロン(格差市)。地上を縦横に踏破し、あらゆる信仰とあらゆる都市を見知った人々が理想都市を建てるにふさわしい地を求めてさまよう中で、一瞬だけ地平線に見出したアラパバード(憧憬市)。起点も終点もなく、天上と地下に永遠に続いていく超巨大建築都市ヴァーティシティ(垂直市)…。カルヴィーノ『見えない都市』と同時期に構想され、SFとファンタジーの女王アーシュラ・K・ル=グインが愛し自ら英訳を手がけた、ルーマニアの鬼才が描く想像上の都市についての36編。
いつもの時間より遅めの九月の朝。通勤途中の駅のホームで僕は、高校の同級生・二和美咲の姿を目撃する。十八歳のままの姿の彼女をー。二和は僕が卒業してからもずっと十八歳の高校三年生として通学しているという。周囲も不思議とは感じないらしいが、彼女に恋をしていた僕だけが違和感を拭えない。何が彼女をその姿に留めているのだろう?最初の高校三年生の日々にその原因があるはずだと考え、僕はかつての友人たちや恩師のもとを訪ね、二和について調べ始めた。『教室が、ひとりになるまで』で注目の俊英が贈る、ファンタスティックで切ない追憶のミステリ。
一九三九年ーヒマラヤの奥深く、チベットの聖地へと送りこまれたナチスのシンクタンク“アーネンエルベ”の探検部隊が、鉤十字を象ったルビー色に輝く物体を持ち帰る。それは世界に分散して隠された古代の遺物で、四つあると伝えられている権力のシンボルの一つだった。四つの鉤十字は、それぞれがこの世を形成する“四大元素”の水、風、地、火を表しており、そのすべてを手にした者は世界を制するという。そのうちの一つを手に入れたナチス・ドイツは破竹の勢いで進撃を続け、領土を拡大していく。だが、世界を征服し、ヒトラーの千年王国思想を実現させるには、残る三つのレリックも獲得する必要があった。親衛隊長官のヒムラーとその片腕のヴァイストルトは、レリックの在りかを示す絵画があるというスペインのモンセラート修道院に向かうが、絵画は一足先にフランス人のトリスタンによって持ち出されていた。ヴァイストルトは投獄されていたトリスタンを調査団のメンバーに加え、絵画の謎を解き、二つ目のレリックを追って、異端カタリ派終焉の地、モンセギュールの城跡に向かう。一方、ドイツに抵抗を続けていたイギリスは、ナチスの不穏な動きを察知していた。チャーチル首相直下の諜報機関SOEのマローリーは、敵側にレリックが渡るのを阻止すべくモンセギュールに乗りこむ。ここにレリックをめぐる争奪戦の火蓋が切られたー。
モンセギュール城を接収して以来、ナチスの親衛隊は厳密な時間割に従って発掘作業を進めていた。トリスタンは目的を知らされることもないまま奴隷のように使役されていたが、そのさなかにも、カタリ派最後の要塞に秘められた真実が少しずつ明らかにされていく。やがてトリスタンたちは、何世紀も前に封印されていた聖域へと続く入口を発見する。“光が闇に差し、闇はこれを拒んだ”-聖書の言葉がまるで道を示すようにして導いたのだ。はたして、地下道を抜けた先に待ち受けていたのは、ルビーのように赤い鉤十字。それはチベットで発見された鉤十字と同じ、神秘の輝きをまとっていた。親衛隊を率いるヴァイストルトが第二の秘宝を手にしようとしたちょうどその時、洞窟の中に銃撃音が鳴り響き、マローリーが現れる。部下のジェーンと夫婦を装ってフランスに入国したマローリーは、現地でレジスタンスと合流。ナチスが狙う秘宝を奪取すべく、モンセギュール城に突入したのだ。第二の秘宝を挟み、独英仏がついに激突する!同じ頃、ドイツ労働者党副総統ルドルフ・ヘスはメッサーシュミットを駆り、一人海上を飛んでいた。ヘスが目指すのはイギリス。ヒトラーの腹心であるはずの彼が、なぜ単独で敵国に向かうのか?