2019年6月発売
「誰かのため」でなく、「自分のため」に性と向き合う女たち。『甘いお菓子は食べません』で圧倒的支持を得た著者が魅せる、7人7様の女のしあわせ。たまらなく愛しくて、涙が出るほど可笑しくて、やがて切ない官能作品集。
「お屋形様と、ともに天下を取らん」商家の女番頭としての機転を買われ、徳川家に奉公することになった卯乃。湯殿に突然現れた刺客から家康を救ったことを機にその側室となる。さらに持ち前の胆力と戦況を読む力から女ながらに影武者を命じられ、関ヶ原、大坂冬之陣、夏之陣と三度戦場に参陣。家康の身替わりとなり、真田信繁と刺し違えることをも覚悟するがー。唯一無二の生涯を描く傑作歴史小説。
人生にトキメキを与える大切なもの、それは酒、酒、酒、あとは、趣味じゃろがい!そのためには、そうだ、金だ。なにより金がいる。って、そもそも今月の家賃払えないじゃんー。というわけで、シェアハウスの家賃を相殺してもらおうと探偵稼業を始めたアラサー三人組。下世話根性丸出しで幾多の難事件に首を突っ込む。→果敢に挑む!そうアタシ達、やればデキる女なんです。
25周年という節目の年にふさわしい豪華愛蔵本が登場! 『デルフィニア戦記』本伝全十八巻を六冊に分冊、各巻ごとに収録話数に内容を添わせた書きおろし短篇が収録されます。 また、各巻に月報『コーラル通信』を封入。茅田砂胡・児玉明子・佃井皆美・沖麻実也・鈴木理華各氏によるコラムやコミックを掲載。秘蔵資料の紹介などを予定しています。
きみはなぜ、まぶたを閉じて生きると決めたのーー かつて愛し合い、今は離ればなれに生きる「私」と「ぼく」。 二人を隔てた、取りかえしのつかない出来事とは。 消えた産着、優しいじゃんけん、湖上の会話…… 十四通の手紙に編み込まれた哀しい秘密に どこであなたは気づくでしょうか。 小川洋子と堀江敏幸が仕掛ける、胸を震わす物語。
30歳の大倉玉青は、人材派遣会社に登録し大手通信系企業の受付として働いている。大学時代は、演劇サークルに所属していた。愛読書の『走れメロス』をバッグに放り込み、苦行のような満員電車に乗り職場へ通うのは、ただ生活のためだけだ。その生活が空虚で、何のために生きているのかわからない。彼女は、5年前の自分の選択に端を発するある「秘密」を抱え、その秘密に関わる者の存在を「希望」と感じながら、日々を過ごしていたーー。 女優・執筆活動などで多彩な才能を見せる著者が、「入れ替わり」の起きた姉妹を主人公に現代的テーマに迫った、痛切な「命」の物語。
悪魔のウイルスの名は「サリエル」。医療に通じ、癒す者とされる一方で、一瞥で相手を死に至らしめる強大な魔力、『邪視』の力を持つ堕天使ー。日本海に浮かぶ孤島で強毒性の新型インフルエンザが発生し、瞬く間に島民全員が死亡した。それはアメリカの極秘の研究データが流出して人工的に作られたという疑いが。テロの可能性が囁かれるうちに、本州でさらに変異したウイルスの罹患者が現れる。ワクチンもなく、副作用が懸念される治療薬が政府の判断で緊急製造されるが、感染が拡大しても全国民にはとうてい行き渡らない。刻々と事態が変化していくなか、果たしてパンデミックは回避できるのか?
人見知りの「ひぐま」こと樋口まりあが、米、粉、砂糖などを扱う商社「コメヘン」に入社して九か月ー。秘書業務に加え、社長の来客相手に急きょ出すことになるおもてなし料理作りにも奮闘している。心温かな人々に囲まれ順調な日々を送りつつ、「自分にはなにか足りない」とも感じていたまりあの頭に、あるアイデアが浮かぶ。
理学部の排水から検出された覚醒剤。大学内で撮影された爆破動画。そして研究室で体調を崩す学生、その意外な原因を、Mr.キュリーこと沖野と彼のライバル・氷上が探る、大人気シリーズ第八弾。 人気声優・興津和幸さん&白井悠介さんの朗読で大好評のスピンオフ「池のほとりに立つ彼女」も収録!
第一回ノーベル賞を受賞するはずだった男、北里柴三郎。その波瀾に満ちた生涯は、医道を志した時から始まった。「肥後もっこす」そのままに、医学に情熱を傾ける柴三郎は、渡独後、「細菌学の祖」コッホのもと、破傷風菌の純粋培養と血清療法の確立に成功する。日本が生んだ世界的医学者の生涯を活写した伝記小説。 〈目次〉 第一章 立志の道 第二章 ベルリンの光
帰国した柴三郎は、福沢諭吉の支援を得て、伝染病研究所の設立を果たす。そこへ香港でペストが大流行との報が入り、現地へ。調査団からも感染者が出る過酷な状況下で、柴三郎はペスト菌を発見する。一方、東大閥との争いが激化。政治の思惑にも巻き込まれ、柴三郎は伝染病研究所を失うことになるがーー。〈解説〉大村 智 〈目次〉 第三章 疾風の機 第四章 怒濤の秋
揚州虐殺のなかを生きた遊女を描いた表題作、満州で巨大熊を捕獲しようとした探検隊が出会った悪夢「烏蘇里羆(ウスリーひぐま)」など全7篇を収録
凡そこの世に非ず、別の世界より来たる者を忍びと云うー数多の次元世界を制する支配者集団“無限王朝”に抗い続ける伝説の忍び“光牙”。その一人、零牙に与えられた任務は亡国の姫と幼君の護衛であった。亡命の旅路を急ぐ一行の行手に、無限王朝麾下の骸魔忍群が立ち塞がる。激突する機忍法、生き残るは光牙か骸魔か。幻惑的傑作アクションが新たなる世に徹底加筆の“新装版”で甦り、絶望に塗り込められた夜を裂く!
百合ー女性間の関係性を扱った創作ジャンル。創刊以来初の3刷となったSFマガジン百合特集の宮澤伊織・森田季節・草野原々・伴名練・今井哲也による掲載作に加え、“ソ連百合”として話題の南木義隆「月と怪物」、新鋭女性作家の共作「海の双翼」、『元年春之祭』の陸秋槎が挑む言語SF「色のない緑」、そして『天冥の標』を完結させた小川一水が描く新作宇宙SFの全9作を収める、世界初の百合SFアンソロジー。