2019年7月11日発売
町方の手の届かぬ悪を闇に葬る“浪人奉行”を拝して二度目の初夏。八雲兼四郎は、鈴ヶ森近くで行き倒れ、栖岸院に身を寄せる幼子小太郎を見て愕然とした。かつて愛した女の一子、小吉に瓜二つだったのだ。献身的に世話する兼四郎や麹町で営む飯屋の常連客に可愛がられ、徐々に心を開く小太郎。やがて身元の手掛かりが届き、池上道へと向かう途中、小太郎の苛烈な過去が明らかになるー「おとう」は刺客だった!大反響シリーズ、堂々の第七弾!!
高岡藩藩主・井上正国が大阪定番の任を終え奏者番へ就任した。お役目は多忙を極め藩政に関わる暇はない。そんな折、奏者番就任祝いで狩野派の掛軸が贈られてきた。画に詳しい正室・和は掛軸を贋作だと見抜き、出所を明らかにするよう正紀に命じた。贋作作家捜しは、思わぬ展開になっていく。好評シリーズ第九弾!
将軍在位五十年、隠居して大御所となってからも幕府の実権を握りつづけた第十一代将軍・徳川家斉が薨去した。死に臨んで下された三つの遺命を果たすため、御庭番の村垣範正は天保の改革に揺れる江戸の闇を奔るー。後に奉行を歴任し、万延元年には幕府の遣米使節として海を渡った幕末を代表する能吏、村垣範正の若き日の活躍を描いた傑作時代小説、堂々の完結編!
私は貴方の許嫁ですー母を亡くしたばかりの綾乃のもとに届いた一通の手紙。部屋の退去勧告を受け進退窮まっていた綾乃は、迷わず差出人・冬晟の元へ向かう。予想より若く、柔和な若隠居といった風情の冬晟は、村の揉め事を調停する大事な役割を担っていた。許嫁らしい決め事もなく、家事を引き受け慎ましく暮らす綾乃だが、調停を手伝い村人たちと関わることで、結婚の約束には深い理由があると知ることに…。
灯台には二人だけの秘密があるーー。 過去に囚われたままの青年が未来(あす)のために辿る軌跡の物語。 今日の夜空に何が見えますか? 「ね、流れ星を見るのは難しい?」 今も昴の耳もとに聞こえるのは、高校生のあの日、旧灯台で一緒に星を見ていた月菜(ルナ)の声。 大人になっても昴はあの夏に囚われたまま。しかし、老朽化が進んだ旧灯台が壊されるという報せを受け、昴は帰郷することに。 月菜との思い出は自分にとって何なのか。そして、時が流れた旧灯台で昴が見つけたものとは……? ノスタルジック青春ストーリー。 ◆ 著者について 柾木 ひかる(まさき・ひかる) 本作がキャラクター文芸デビュー作となる。
帝国海軍は軍縮条約期限後の軍備拡張を計画、その目玉は新型戦艦だった。列強各国の関心を新型戦艦から逸らすため、同時に甲型駆逐艦と一等潜水艦の建造予算が申請された。日華事変の勃発により、新型戦艦A140と同じ予算で水中を20ノットで潜航する新型高速潜水艦と、その潜水母艦の建造が決まる…。昭和16年12月7日、戦艦大和は最後の公試運転に臨み、主砲の発射実験に成功した。翌日未明、山本五十六連合艦隊司令長官は「トラトラトラ」の暗号文を受け取った。そして昭和17年1月、戦艦大和は潜水母艦と新型潜水艦・伊201型4隻と共にボルネオ島沖で初陣を迎える!書下ろし長編仮想戦史、新シリーズ!
本邦初刊行! サキによる長篇小説! シニカルでブラックユーモアに溢れた世界観が特徴の 短篇作品の巧手サキ。 20世紀初頭のロンドン、豪奢な社交界を舞台に、 独特の筆致で描き出される親子の不器用な愛と絆。
戦後の創作動向に焦点を当て、敗戦による焼跡の復興から高度経済成長にいたるまでの昭和20年代に発表された膨大な作品群の中から「妖美」と「推理」をテーマにした作品を精選集成。70年ぶりに甦る地方新聞連載の中編「吸血劇場」など全17篇の創作に評論・随筆13篇を収める。巻末には四女・渡辺東氏の書下ろしエッセイ「父と私の渋川の思い出」を収録。
劇団EXILE 秋山真太郎 渾身の小説デビュー作!! キノブックス主催の文学賞『ショートショート大賞』第1回アンバサダーを務めた 秋山真太郎氏。これがきっかけとなり、3年にわたって数多くの小説を書き続け、 満を持しての処女小説集刊行です。 本書は、現実世界からいつの間にか異世界に迷い込んでしまったような、 それぞれ手触りの異なる不思議な掌編20篇を収録。 収録作品「風をさがしてる」では、中に出てくる手紙の一部を、作品にほれ込んだ EXILE TAKAHIRO氏が、直筆で書き起こし! 帯コメントに、俳優の別所哲也氏、カリスマ書店員の新井見枝香氏(HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE)!