2019年8月発売
東京入国管理局の難民調査官・如月玲奈は、母国で政治的迫害を受けたと訴えるシリア人・ナディームを調査するが、十三歳の彼の娘は、自分たちは故郷で平和に暮らしていたと主張する。なぜ、父娘で証言が食い違うのか?そして事態は、同じ頃に新宿で起きたシリア人夫妻の殺害・誘拐事件と奇妙な繋がりを見せていく。玲奈たちが見出す、悲しくも驚愕の「真実」とは。
「十津川警部に告ぐ。五日以内に十億円を支払え。さもなければ、石見銀山を爆破する」。爆破予告犯からの脅迫は、なぜ十津川に突きつけられたのか?そこに、石見銀山のそばに住むある事件の被害者の存在が浮上する。男は、事件現場で十津川が下した治療順位判断のため、足を切断されてしまった因縁があった…。世界遺産爆破阻止へ向け、必死の捜査が始まる!
宝くじが当たり、栗原課長を招いての夕食会を計画。安息日になるはずだったその日、片山が乗った東京名所巡りの観光バスがバスジャックに。晴美は現金輸送車襲撃。石津は発見した死体が消失!?そして、ホームズは一家心中を図る家族に同行。それぞれ別々の事件に巻き込まれた一同は、無事に夕食会に参加できるのか!?そして、巻き込まれた事件の結末は!?
幼少より慈しみ育ててくれた組織のボスを射殺し、海外逃亡をはかる無軌道な青年(「ゴウイング・マイ・ウェイ」)、市民や学生のデモ隊が街にあふれ騒然とする中、外相の首を狙う孤独なテロリスト(「陽光の下、若者は死ぬ」)など、強烈なジャズ・ビートをバックに描く反抗的、反俗的な青春群像!和製ハードボイルド小説のパイオニアとして名高い著者の傑作短編集!!
彼女は自分の名前も、どこにいるのかも分からなかった。目の前には「博多食堂」と書かれた暖簾がかかる。店にいた男性は、「迷子さんたちの案内人」で、自身も自分探しをしている最中だという。分かっているのは、うつしよで生死を彷徨うなにかが起こっているということだけー。案内人・山田の料理が彼女の気持ちをほぐし、記憶が徐々に蘇ってくるが…。
琵琶湖のほとりにあるお土産屋さん『鳰の海』。そこにはお土産を求める人々だけでなく、霊にまつわる悩みを抱えた人々までが駆け込んでくる。三度目の失職を経て、傷心旅行で琵琶湖を訪れた燈子は、ひょんなことから『鳰の海』で働くことに。社長の息子で無愛想だけれど美青年の甲斐とともに、燈子は霊感がないながらもお悩み解決に乗り出すー!
美濃の野平藩では不作続きの上、江戸藩邸の維持費などが嵩み、財政が逼迫していた。末席家老の井戸一之助は窮状を脱しようと智恵を絞り、藩内で良質の土が採れることから、肥前焼のような高価な焼物業の振興を思いついた。だが、有田や伊万里の窯は厳重な管理下にあり、製法は門外不出である。そこで家老自らが雲水(修行僧)に身をやつし、肥前に潜入したが…。貧乏藩を救うために家老が僧侶に扮し、他藩で隠密に!?
困りごとを解決する「蛇足屋」松波勢四郎は岡場所を荒らす牢人を追い払う仕事を頼まれている。その仕事が片付かないうちに、新たに持ち込まれたのは、脱藩の罪で追われる藩士を捜すという一件。幼馴染みの与力・内藤藤十郎の力も借りて、源次と奔走する。この二件、元は一つであることが分かったが、勢四郎に恨みを持つ一刀流の手練、赤井が立ちはだかる…。
将軍家毒味役を務める矢背家から用人の串部六郎太が姿を消し、当主の矢背蔵人介の前には町方が現れた。串部には、辻斬りの疑いがかかっているのだという。臑斬りを得意とする串部にとって次々に悪い材料ばかり見つかるが、それでも串部を信じる蔵人介。はたして衝撃の真相とはー。超人気作品を支える脇役に号泣必至の物語があった。震えるシリーズ二十七弾。
〈新宿〉に我が都を復活せよ! 古代エジプトの美鬼、降臨! 妖術・秘儀でせつらを殺す? 大人気シリーズ最新作書下ろし! 米軍輸送機が極秘の積荷とともに〈亀裂〉に墜落。捜索のため降下した自衛隊を麻布に身を包んだミイラが返り討ちにしたーー。“おまえは、愛しい男の宿敵”美貌の人捜し屋・秋せつらに謎の言葉を告げて消えた、浅黒い肌の美女。白い医師メフィストは、彼女こそ古代エジプトに存在しないはずの女王ミスティであり、〈新宿〉の災厄だと警告する。せつらは、〈魔界都市〉に隠れ棲むという女王の下僕五人を追うが……。六〇〇〇年の時を超えて甦った女王の邪悪な目的とは。そして〈新宿〉の命運は?
横浜の老舗商店街・伊勢佐木町にひっそりと事務所を構える私立探偵・桂木圭一。時代遅れなスカジャンを愛用する舎弟・黛真琴を引き連れて、港町で起きる重大(?)事件の調査を生業にしている。ある日、知らぬ間に再婚していた母親の新居を訪ねると、そこは山手の大豪邸。お相手はなんと神奈川県警本部長で、しかもその息子は伊勢佐木署のイケ好かないエリート刑事だった…!やたらと現場で鉢合わせる義兄弟、このビミョーな関係一体どうなる!?
長江、渚、夏美は大学時代からの飲み仲間だった。やがて長江と渚は夫婦になり、夏美は会社の同僚・健太と結婚、それぞれ子を持つ親に。長江の海外赴任でしばらく途切れていた“宅飲み”が、帰国をきっかけに復活。簡単&絶品グルメをアテに、世間話はいつも思わぬ方向へ…。
昭和、平成、そして新時代へー。三つの時代を駆け抜ける、浅見光彦令和最初の事件!隕石から作られた流星刀が眠る街・小樽で起きた二つの殺人。そして流星刀づくりに関わった刀工一族にまつわる秘密ー名探偵・浅見光彦とIQ190の天才・天地龍之介、再会した名コンビの華麗な推理!
私が疑いを晴らしてあげるー突然、同級生へのストーカー行為を告発された大学生の牟田幸司。身に覚えはないが、“証拠”を盾に周囲は犯人扱いだ。追い詰められた幸司を救ったのは、冤罪を研究する先輩・紗雪の一言だった。幸司を陥れた“証拠”とは何なのか?調べを進めると、目撃証言や記憶など人間の認知が驚くほど曖昧なものだったことが判明。幸司の疑いは晴れた。真犯人は別にいる、それは誰だ?謎を追う二人の前に、さらなる事件が待ち受けていた!(「無意識は別の顔」)。なぜ冤罪は生まれるのか?人間心理の深奥を暴く!青春&新社会派ミステリー!!
リトアニアへのドイツ侵攻後、すぐに始まったユダヤ人への差別と迫害。グラジーナは、ユダヤ人の友人から「ゲットー」で生まれた赤ん坊を託されることに。「匿えば絞首刑」という恐怖におびえながら、グラジーナは、消される運命にある小さな命をどうしても見殺しにできないーー。職場の同僚が救いの手をさしのべるが……。
架装したフォルクスワーゲン・タイプ2をねぐらに、フリーのカメラマンと探偵の二足の草鞋を履く辰巳翔一。富士山の撮影で訪れた精進湖で、同じく天気待ちをしていた岩井という男と知り合うものの、数日後、彼が死体で発見される。直前に岩井のバンが車上荒らしに遭っていたことに不審を覚えた辰巳は、持ち去られたカメラの行方が気になる。アマチュアカメラマンは何を目撃し、カメラに収めたのか?辰巳はその死の真相を追う。(表題作より)漂泊の探偵が出遭った三つの事件を所収。「さすらいのキャンパー探偵」シリーズ開幕!
おニャン子クラブに夢中だったあの頃。僕らの弱小高校野球部に、スゴい奴がやってきた!いちおう練習はするけれど、『夕やけニャンニャン』を見ること以外に楽しみがなかった僕たちが、あいつのおかげで夏の甲子園に出られるかもって、そんなことあるの?たっぷり笑えてちょっぴり泣ける。青春小説の傑作が新装版で登場!
県立高校の地歴公民科教師として38年間の教職生活を終えた笹川。定年後は常勤講師として再雇用され、4月から再び教壇に立つことになったが、それからわずか一カ月後、校長から衝撃の宣告を受ける。さらに、定年後の生活を見据えて、退職金の大半をはたいて実家の大規模リフォームを実施したが、明らかな手抜き工事が見つかってしまう。同時に、妻が勤務する学童クラブには閉鎖の話が持ち上がり…。俺の「第二の人生」はいったいどうなる!?