2019年9月30日発売
自分では何もしないけど傍観者に徹して最終的には事件の帰趨を支配してしまうという新キャラクター・便利屋。便利屋という職業ではなく、「便利屋と呼んでください」という。まるで死神のようであり、人格のないロボットのようでもあり、得体が知れない。登場する政治家や葬儀屋、捜査一課の刑事たちはみな悪党だらけで、その悪党をいとも華麗に騙していく便利屋。暴力で相手を屈服させるのではなく、知力で騙す。 背徳の町で繰り広げられる悪事の数々。政治家、葬儀屋、医師、捜査一課の刑事を華麗に知力で騙す。 槻津市の議員の息子が誘拐され、身代金要求が犯人から来た。金を工面しようと事務所の金庫へ向かった秘書が暴漢に襲われ、現金を奪われる。ところが、その金はなんと、偽札だったと警察に知らされる。八方ふさがりになり、便利屋に依頼をするが……。4つの事件と便利屋の連作短編本格ミステリー。最終話、読者は驚愕する!
たったひとつの失敗で夢と居場所を失くし、ずっとうちひしがれていた。 強い風に海鳥舞う北海道の離島との出会いが、少年を救い新たな試練を与える。 中学二年生の頃、医師を目指していた川嶋有人は、重度のアレルギー発作を起こした転校生を助けようとするが失敗し、軽度の障がいを負わせてしまう。それ以来、夢も未来も失ったと引きこもっていた有人だったが、憧れの叔父・雅彦の勧めにより、彼が医師として勤める北海道の離島・照羽尻島の高校に入学することに。「海鳥の楽園」と呼ばれるその島の高校の全校生徒は、有人を含めてたったの5人。待っていたのは島男子の誠、可愛くて優しい涼先輩、ある事情により札幌を離れた桃花、鳥類学者を目指すハル先輩など個性ある級友たちだった。東京とは何もかもが違う離島での生活に戸惑いながらも、有人は少しずつ自信を取り戻し始める。しかし、突然の別れと残酷な真実が有人に降りかかり……。 熱い涙なしでは読めない、明日へ踏み出す勇気をくれる感動の物語!
覆面作家・天城菖蒲(あまき・あやめ)から、絶海の孤島に建つ天城館に招待された五人の推理作家。しかし館に招待主の姿はなく、食堂には不気味な泥人形が並べられていた。それは十年前に大量死したミクロネシアの先住民族・奔拇族が儀式に用いた「ザビ人形」だった。不穏な空気が漂う中、五人全員がある一人の女性と関わりがあることが判明する。九年前に不可解な死を遂げた彼女にかかわる人間が、なぜ今になってこの島に集められたのか。やがて作家たちは次々と奇怪な死を遂げ、そして誰もいなくなったとき、本当の「事件」の幕が開く。
VR戦略シミュレーション『アポカリスフェ』の頂点に君臨する男はある日、プレイ中に突如として激しい頭痛に襲われ、意識を失ってしまう。 ふと男が目を覚ますと、そこはゲーム内で作り上げてきた魔物国家エステルドバロニアの王城であり、自らの姿は人間でありながら魔物の王である"カロン"そのものだった。 このゲームに酷似した異世界で生きていくことを余儀なくされたカロン。彼は強力な魔物たちを従える立場にありながら、自身は非力なただの人間であるという事実に恐怖するが、気持ちを奮い立たせる間もなく国の緊急事態に対処することになり……!? 連載時からの大幅改稿に加え、書籍だけの特別短編『王の知らなかった彼女たち』を収録!
村に迷い込んでやってきた子狐。 その子狐を追いかけてきた母狐。 子狐はすんなりと村に馴染んだものの、 母狐は村を支配すると乗り出した・・・が、すぐにヒラクに降参。 相手が少し悪かったものの、 九尾狐(ナインテール・フォックス)の本気は見られるのか…!? 新たな住人を増やしつつ、大樹の村はどんどんと拡張! 拡張を超えて、なんと、魔王国にまで進出! シリーズ累計【80万部突破】のスローライフ・ファンタジー必見!!
キラッキラな美形たちはプロポーズ合戦後、梓紗の愛を得ようと互いを牽制し合う日々。だから!そもそも順番が違うと思うんですけど!?結婚はまずは両想いになってからー!!何より、私、日本に帰りたいんです!事あるごとに愛を囁かれ困惑する梓紗だったが、『渡り人』として人々にどれだけ必要とされているのかを知り心が揺れていく…。
話題の新作VRゲームを懸賞で当てた稲葉悠二は、人より懸賞が当たりやすいこと以外はごくごく普通の高校生。早速ゲームをプレイする彼はキャラメイクで「もとより運で手に入れた物、キャラも運任せにしてしまいましょう」とランダム作成を選択。…するとLUK特化になってしまった!それならあらゆるモンスターにCT無双、はたまたダンジョンでお宝をゲットしまくるのもいいかもしれないとチュートリアルを始めるも、回復スライムとの長期戦、レアなボス兎との死闘に、戦神の理不尽な試練、と不運続き!?「アカン、これは詰んだかもしれない…」LUK特化キャラの運頼りゲーム攻略、スタート!!
龍帝ジークランド・ドラゴニアス。歴代の龍帝の中でも最も美しく強いと、龍人にも人間にも評判の高い、白銀の髪と金色の瞳を持つ王。豊満な胸の美女を好むという彼がラビルニア王国のパーティでようやく出会った番は……なんと赤い髪、ちんくしゃの貧乳娘、アリエットだったーー。思わず「ちんくしゃ」と呟き、あまつさえ無きに等しいかの胸を掴んでしまったジークに、アリエットは平手打ちを放つ。あまりに自分の理想とかけ離れた番の姿に動揺するも龍人の本能には抗いがたく、ジークは「勃っているから立てない」という残念な事態に陥る……。そして、龍帝の番と認定されたアリエットは、身の安全のため、龍人の国へ連れて行かれることにーー。理想と現実と本能と理性の狭間で七転八倒する龍帝と、自分の見た目に自身のない純粋無垢な少女が、時を越えて少しずつ愛を育んでいく、異種族間ラブストーリー!
法医学者の万木朝顔が、刑事である父・平の部下の桑原と結婚してから5年の年月が流れていた。二人の間にできた娘・つぐみは4歳になり、同居している平の協力も得ながら育てつつ、それぞれの職務を全うしていた。ある日、桑原の県警捜査一課への異動が決まるが、同じ時期に、2011年の東日本大震災で行方不明になった朝顔の母・里子の手袋が見つかったとの連絡が入るー。日々起こる事件を縦軸に、母の行方を横軸に物語は進行し、クライマックスを迎える完結編!
二十歳の童貞・森野龍之介は、叔母の有希子が園長を務める保育園でバイトを始めた。ある日、龍之介はバスルームで自慰に耽る叔母を偶然発見。清楚な叔母に憧れていた龍之介は、つい覗き続けてしまう。だが、園で働く保母さん・武内奈実に見つかり、覗き行為を黙っていてほしければ、自分の言うことをきけと命じられる。しかたなく了承すると、奈実は淫らな悪戯を次々と龍之介に仕掛けてきて…!?可愛い顔してエロすぎる保母さん・奈実、清楚な顔の裏に淫乱な本性を隠している園長・有希子…龍之介の超刺激的な日々が始まった!
朝鮮半島にある二つの国家。朝鮮戦争停戦後、釈放捕虜となった李明俊は、腐敗した南に留まることも硬直した北への帰還も拒み、第三国行きを希望するがーー。 分断された社会の本質に迫り、その対立の狭間で葛藤し続ける人間を描いた、世紀を越えて読まれるロングセラー小説。 作家のことば 「広場」 訳者解説