2019年発売
「男、仕事、結婚、子ども」のうち、たった三つしか選べないとしたらーー。どんなに強欲と謗られようと、三つとも手に入れたかったーー。50年前、出版社で出会った三人の女たちが半生をかけ、何を代償にしても手に入れようとした〈トリニティ=かけがえのない三つのもの〉とは? かつてなく深くまで抉り出す、現代日本の半世紀を生き抜いた女たちの欲望と祈りの行方。平成掉尾を飾る傑作!
定時の女王は体育会系ブラック企業に勝てるのか!? 大注目のお仕事小説第二弾。絶対に残業しない主義の結衣だったが、なんと管理職になってしまう。新人教育を任されたものの、個性的過ぎる若者たちに翻弄される結衣。そんな折、差別的なCMで炎上中の企業のコンペに参加することに。パワハラ、セクハラのはびこる前時代的で超絶ブラックな社風に、結衣は絶句するが……。
あの森に入れば人は王になれる。だがその後、殺されるーーそれは小説の森。小説の新人賞を得てデビューしたものの著書は一冊だけ、しかも絶版。そんな私が大学で創作を教えることになった。だが自身の執筆は行き詰まり、教え子たちも苦悩し隘路へとはまり込んでいく。なぜ私たちは小説を志すのかーー自身の経験を元に、文学の迷宮、小説の樹海を彷徨う人々を描いた表題作を始めとした渾身の作品集。
少年は信じる、魔法の力を。70年の時を超えて甦る、極限下の奇跡ーー。プラハの貧しいラビの家からサーカス団に飛び込み、ナチス政権下を生き抜いた老マジシャンと、LAの裕福な家に育ち、両親の離別に思い悩む少年。壊れた愛を取り戻す魔法は、この家族に何をもたらすのかーー。戦時下と現代、それぞれの艱難を越えて成長するユダヤ人少年の姿を温かな筆致で描く、17ヵ国語翻訳のデビュー長篇。
その惑星では、かつて人類を滅ぼした異形の殺戮生物たちが、縄張りのような国を築いて暮らしていた。罪を犯して祖国を追われたマガンダラは、放浪の末に辿り着いた土地で、滅ぼしたはずの“人間”たちによる壮大かつ恐ろしい企みを知る。それは惑星の運命を揺るがしかねないものだった。マガンダラは異種族の道連れとともに、戻ったら即処刑と言い渡されている祖国への潜入を試みる。『皆勤の徒』の著者、初長編。
内容(「BOOK」データベースより) ある雪の日の夕方、借金を苦にして自殺した両親の墓参りに向かうため、ハンク・ミッチェルは兄とその友人とともに町はずれの道を車で走っていた。途中ひょんなことから、彼らは小型飛行機の残骸とパイロットの死体に出くわす。そこには、440万 ドルの現金が詰まった袋が隠されていた。何も危険がなく誰にも害が及ばないことを自らに納得させ、3人はその金を保管し、いずれ自分たちで分けるためのごくシンプルな計画をたてた。だがその時から、ハンクの悪夢ははじまっていたのだった。ス ティーブン・キング絶賛の天性のストーリー・テラー、衝撃のデビュー作。
八雲の宿敵・七瀬美雪の手により、晴香が拉致されてしまう。晴香の居場所を探す鍵は、八雲の元に持ち込まれた四つの心霊現象のどこかに隠されているというのだが…迫るタイムリミットの中、八雲は重大な決断を迫られる。
どこにも居場所がなかった少年時代、落語だけが心の拠りどころだった。単身上京し、芸の世界に飛び込んだおれを待ち受けていたのは、理不尽だらけの前座修行。兄弟子に反発し、ライバルと鎬を削り、かなわぬ恋に身を焦がし、才能の壁にぶち当たり…やがて師匠の元を飛び出したおれは、名を捨て、世を捨て、世界のどん詰まりまで流れ流れて、自分の生きる道をつかみ直すー。桂歌丸師匠の異端の弟子が、さすらいの噺家の“業”を描いた型破りな青春小説!
ブラック企業に入社した三人の同期、大友、夏野、村沢。早朝から深夜まで個人宅や企業への飛び込み営業を命じられ、休む間もなく会社に泊まり込む毎日。心身共に疲弊しきった三人は、ある日思い立って深夜の居酒屋に向かう。非人間的な毎日のなか、一杯の生ビールで久しぶりに人間らしく笑い合えた三人だったが、極悪上司に目を付けられて過酷な追い込みにあった夏野はー。大注目の著者が描く命と仕事の6つの物語。
幼少期から周囲と隔絶され修行に明け暮れた生活だったことに加え、泣く子も黙る強面な容姿のため「年齢=ぼっち歴」になってしまったカイト。 現実ではコミュ症でもゲーム内なら友達ができるはずと数多のVRMMOをプレイするものの、未だぼっち脱却はできず……。 今度こそはと新たなゲーム、システム管理に人工知能を採用したVRMMO『Let's Fantasy Online』を始めたところ、全ユーザー中最速でログインしたカイトに特典として激レア種族のケモミ族・男への変更チケットとゲームバランスを損なわない程度の望みを叶えるという権利が与えられる。カイトは思わずぼっち脱却の夢を口にしてしまうが、人工知能・マザーは「友達がほしい」という望みを叶えるとして、なぜかゲーム内ロビーで彼を担当した女性AIを「友人」としてカイトに同行させることに……!? 強面ケモ耳コミュ症♂とクール&天然系♀NPCという凸凹コンビが織りなす珍道中、Gzブレインゲーム小説コンテスト銀賞受賞作が待望の書籍化!
帝国航宙軍兵士アラン・コリントと彼に共生するナノマシン[ナノム]が乗艦する航宙艦は航行不能となり、未知の惑星に不時着することに。 "魔法"を使うことができる人類が暮らす惑星でアランは怪我を負った少女クレリアを科学技術を駆使して救い、自身も魔法を覚え、剣と魔法のファンタジー世界に順応していくーー。 ある日、アランはAIの予測によりこの星が滅びの危機に瀕していることを知る。彼は人々を救うため、星ごと接収し、支配者になることを決意するのだが……!? 書籍版はWEB連載版からの大幅改稿に加え、キャラクターデータ、書籍限定のセリーヌ&シャロン誕生エピソード『目覚め』を収録!
前世の記憶を残したまま、技術貴族ヌイール家の子供に転生したユイ。それから数年後、十五歳になったユイは「針子」としての能力がないと判断され、邪魔者扱いされていた。そんな中、ユイはカロスティーラ・ロダンに「針子」として引き取られることに。彼女は地獄の日々から救ってくれたロダンに感謝の気持ちを込めてヌイール家で見せなかった「加護縫い」と「精霊との対話」で匂い袋を作ってプレゼントする。すると匂い袋を受け取ったロダンは国宝クラスの代物であることに気がつき……。針と蜘蛛と精霊で織りなす幻想的な異世界裁縫ファンタジー、登場。
父は戦乱を終結させた異世界の王だと教えられて育った枢は、ある日、異世界で目覚め、騎士ルースに助けられる。だが母から聞いていた物語とは様子が違い、戦は終わっておらず、王国は滅亡寸前。そして父王はまだ子供だった。どうやら三十年ほど時を遡ってしまったらしい。歴史が変わることを危惧した枢は、両親が出会い己が生まれる未来、なにより愛するルースのために、国を勝利に導く決意をする。ルースもまた枢を「命に代えて護る」と忠誠を誓うがー?
城下町にある酒場の息子リュートは、感情による涙が魔石になるという秘密があった。魔石は国力を左右する貴重な石。そんな重要な秘密を、店の常連で「守銭奴」で有名な王国騎士副団長のアドヴァルドに知られてしまう。「今日から俺のためにいっぱい泣いてもらう」。秘密と引き替えに婚約者(!?)にされてしまったリュートは、初夜からあの手この手で泣かされてしまい…!?
進也×早希の最強カップル、ふたりの魔女王に挑む!! 登校中に誘拐された進也。彼を誘拐した「時の魔女王」はできそこないの魔女だった早希の活躍を問題視し、次の試合で負けたら引退するよう命令してくる。自分たちの実力を証明するため受けて立つ進也と早希だが、その裏には魔女王どうしの暗闘があったーー。
聖なる夜がやってくる! 旧友マルクの行方を追うザガンだが、街では<アーシエル・イメーラ>という祭に向けて浮かれた空気が漂っていた。どうやらそのお祭りは、大切な人にプレゼントを送るイベントとのこと。祭りに出遅れて右往左往するザガンとバルバロス、脳天気にも遊びにくるステラとアルシエラ。そしてなぜか黒猫の姿になってしまった黒花。彼女は何者かに追われており、どうやらこの事件もまた<魔王>が関わっている様子でーー。大人気ラブコメファンタジー絶好調の第8巻!
水刃の勇者VS風の魔剣使いーーここに激突!! クリスティーナ王女の護衛を引き受けたことで、シャルル率いるベルトラム王国軍との戦闘を余儀なくされたリオ。そこで圧倒的な強さを発揮した彼は、シャルルを捕虜とすることに成功する。その後、無事ガルアーク王国へと到着したリオを待っていたのは、「なに、お前の実力を見込んでちと頼みがあってな」「と、仰いますと?」「俺と模擬戦をしてくれないか?」勇者坂田からの思いがけない模擬戦の申し入れでーー!?
亜人の国リムルレスタに襲い来る“人”の悪意に、ガリウスはついにぶちキレて『魔王』となるーー。都市国家群から奴隷となった亜人たちを救出したガリウスは聖武具エルザナードの回収を目論む。そんな中、王国に侵攻した南の帝国が着々と勢力を広げ、最果ての森へ逃れた亜人たちの存在に気づいた。帝国皇帝ユルトゥスが執拗にリムルレスタを狙う。そしてついに領土内に敵の侵入を許し、ぶちキレた元勇者は、反撃を開始するーー! 今度の敵は最凶最悪!? 亜人の国リムルレスタに襲い来る“人”の悪意に、ガリウスはついにぶちキレて『魔王』となるーー。 都市国家群から奴隷となった亜人たちを救出したガリウスは聖武具エルザナードの回収を目論む。そんな中、王国に侵攻した南の帝国が着々と勢力を広げ、最果ての森へ逃れた亜人たちの存在に気づいた。 帝国皇帝ユルトゥスが執拗にリムルレスタを狙う。そしてついに領土内に敵の侵入を許し、ぶちキレた元勇者は『魔王』となって反撃を開始した。 際立った『個』の強さを持つ敵に対し、智謀とアイテムを駆使して“ずっと俺の無双ターン”で悪しき者たちを駆逐するーー。
「心に神様がいる」少女が紡ぐ壮大な物語! 父親を交通事故で亡くした15歳の少女テイラー。その死はスキャンダラスに報じられ、母親は精神バランスを崩してしまう。心に壁を作ったテイラーは母と二人で孤独に暮らしていたが、ある日強盗に襲われ危篤状態に。病室に現れた精霊ジョイに導かれ、彼女は二つの人生を生きどちらかを選択することを迫られる。ひとつは意識を戻し後遺症を抱えて生きる人生。もうひとつは別人に転生し地球最後の日を見届ける人生。それぞれの人生で様々な出会いと学びを得たテイラーの選択とは?そして父の死の真実とは? 生命と宇宙、神と人間、愛と孤独……審査員に「心に神様のいる人」と言わしめた、「12歳の文学賞」大賞受賞者。恐るべき16歳が紡ぐ、「文学」の枠を遙かに超え、読む者の魂を激しく揺さぶる壮大な物語。 【編集担当からのおすすめ情報】 「きらめくほどに美しい文章」 「完成度の高さ、この年齢とは思えない博識と成熟」 「言葉の豊かさ、表現の鋭さ、ものごとを見る力…どれも12歳のレベルを超えている」 「心の中に神様のいる人」 これらは、著者が第8回「12歳の文学賞」大賞、翌年に優秀賞を受賞した際に、審査員が彼女の応募作に対して評した言葉の数々です。 本作『アップルと月の光とテイラーの選択』は、16歳になった中濱ひびきのデビュー作です。幼少期をイギリスで過ごし、英語を得意とする彼女は、原稿も英語で執筆。本作は、約2年をかけて書き下ろしました。受賞時よりも一層研ぎ澄まされた感性と表現力、そして何より16歳とは思えない壮大な世界観を、ぜひ感じて頂きたいと思います。