2020年1月16日発売
「悪人」(毎日出版文化賞、大佛次郎賞)「ランドマーク」「さよなら渓谷」など。早く嘘を殺さないと、真実のほうが殺されそうで怖かった(「悪人」より)「自伝小説3」(書き下ろし)など全9作品、愛蔵版コレクション!
人気女性作家による時代小説競演 己の腕で生き抜くおんな職人の矜持 真葛……京都の幕府直轄御薬園で働く女薬師 沙奈……亡き母の仕込みを継ぐ色酢の?造り職人 おりん……木肌の魅力に惹かれ根付職人に弟子入り 蕗……妹と峠の茶屋を切り盛りするそば打ち職人 市子……その身に霊を降ろす「口寄せ」を使う巫女 梅……身体のみならず心の凝りもときほぐす揉み屋 当代の人気女性作家が、己の生きる道を自らの 腕と業で切り開く女性職人の凛々しさを巧みな 筆致で活写した、傑作時代小説アンソロジー。 春雀二羽 澤田瞳子 藍の襷 志川節子 掌中ノ天 奥山景布子 姉妹茶屋 西條奈加 浮かれの蝶 小松エメル おもみいたします あさのあつこ
銀座のクラブのママが殺された。死体の口にはおしゃぶりが、胸には子供をあやすでんでん太鼓が置かれていた。さらに演歌歌手が殺され、この死体の口にもおしゃぶりがあり、胸にはこけしが置かれていた。奇妙な遺留品は、日本各地の子守唄を連想させることに注目した十津川はやがて、「子守唄を守る会」の存在を知る。そして、連続殺人事件は意外な方向に進み始めた。
刑事の麦子は、幼少期の「相手の気持ちになって考えなさい」という母の教え通りに人の意識に入り込む能力を身につけていた。その力が原因の一つとなり、田舎の村でしばらく休養することに。村では、行方不明だったある一家の長男の骨が沼で見つかり騒ぎになっていた。自殺と考えられていたが何か不自然に感じる麦子。事件を調べるうちに複雑に絡み合う村の人々の思いに気づきー。予測不可能なラストが待ち受ける長編ミステリー。
辻井未来は、小学2年生の娘・茉優と二人暮らし。モラハラ夫と離婚し、介護センターで派遣のヘルパーをしている。あるとき、ひとり暮らしの利用者の家に、夜中、何者かが侵入するという問題が起きた。同僚ヘルパーの晴馬が暗視カメラを置いてみることを提案。ほどなく犯人は判明し、最先端のAI機器の便利さに触れた未来は、留守番の多い茉優を心配して、自宅にも導入した。しかし、後日、茉優の姿が突然消えたー。現代に潜む、思いがけぬ危険を炙り出す緊迫のサスペンス!
毎朝出社するたびに俺に「好きです」と告白してくる女子社員がいた。新卒同期の彼女の告白がはじまったのは入社二年目の夏。それから五年続いた告白はある日、終わった。彼女が突然亡くなったのだ。その後、俺は彼女が日記を書いた日に「飛ぶ」ことができることに気づき、ある決意をする。儚く切ない恋愛小説。
京大生の<僕>は、古びた映画館で清家忠昭に出会い、彼のつてで映画撮影所のアルバイトをすることになった。ある日、清家は撮影所に現れた美しい女と恋に落ちる。しかし、彼女は三十年前に自殺したはずの女優だったーー。清冽な叙情とたおやかな文章で綴る、青春恋愛小説の傑作。
新鋭作家である待居涼司の出世作『凍て鶴』の映画化が決まった。監督・脚本に選ばれた奇才・小野川充は、かつて世間を騒がせた自殺系サイトとその主催者の”伝説の死“に異常なこだわりを見せ、執拗に映画と絡めようとする。はたしてその思惑とはーー? 予測不能の恐怖が待ち受ける、雫井サスペンスの真骨頂!
ジウ・イーリンに請われ、美術展での鑑定のために円生、小松とともに上海を訪れた清貴。優雅な上海滞在のはずが、突然、菊川史郎からニューヨークにいる葵の隠し撮り写真が送られてくる。史郎は葵の身の安全を条件に、清貴に、ある絵を盗み出すように言う。清貴は葵のため、そして家頭誠司の汚名を晴らすために立ち上がるーー上海とニューヨークをまたにかけた2ヶ月連続刊行、第一弾!
「……あなたは、たいした秘密をお持ちのようだ」人の心の内がわかるかのように偽りを見抜き、『心見{こころみ}の妃』と呼ばれていた後宮の妃嬪、范才人{ルビ:はんさいじん}の亡骸が、後宮で見つかった。第一発見者となった相国{そうこく}の女官吏の陶蓮珠{とうれんじゅ}は、国の平和と彼女自身が胸に隠し続けてきた“秘密”を守るため、彼女の死の真相を探ろうとする。後宮で目撃される范才人の幽霊は、いったい何を語るのかーー。バリキャリ女官と皇帝の弟が、W身代わりの契約結婚!! 大反響の中華ファンタジー待望の第3弾!!
雑貨店を営む鶴田倫太郎、53歳の出会い旅、ふたたび!仕入れで沖縄を訪れた倫太郎。23歳の看護師の相談に親身に乗るや、瞬く間にチン身も乗っかっちゃって!その後、ワケありの地元美人女教師の身の下相談にもバッチリ応えました!お次は北の温泉地に向かい、こけしオナニーの美人女将と情を交わし、本州果ての龍飛岬での出会いから、OL相手に自分が果てる展開に!出会い頭にチン入れと相成る倫太郎の“献身SEX”旅路、書き下ろし長編エロス!!
浅草鳥越明神の参道にある古い茶店に、ある晩、何者かが忍び込み、奥の部屋の床板を剥して大きな穴を掘っていった。何も盗まず、ただ穴を掘っただけでその場を後にした人物の目的とは何なのか!? 報せを受けた北町奉行所臨時廻り同心の白縫半兵衛は、この奇妙な事件の探索に乗り出す。書き下ろし人気シリーズ第九弾。
反物さえ買えば絶品弁当にありつけると聞き越後屋へ馳せ参じた浅間三左衛門は、元同心の八尾半兵衛と鉢合わせする。食いっぱぐれた三左衛門にさんざん自慢する半兵衛だったが、店で大奥女中と下男の姿を認めるや表情が一変。かつて越後屋を狙った凶賊雨燕が再び蠢き出したのを看破し、危険を顧みず探索に動き始める。一方、越後屋にも言うに言われぬ秘密があったー。日ノ本一の人情小太刀が江戸の悪を迎え撃つ!!話題の新装版、第三弾。
「いろは屋」常連の順次が妹のおけいを連れて店に現れた。「みんな…殺された」。怯えるおけいの口から飛び出した言葉に、主の八雲兼四郎は耳を疑う。聞けば、夫と暮らす江戸郊外の長崎村を血に飢えた浪人集団が襲い、女子供まで容赦なく殺めて居座っているという。町方の手の届かぬ悪を討つ影役目“浪人奉行”を秘かに務める兼四郎は、長崎村の悪鬼を成敗すべく乗り込むも、空前絶後の凶敵を前に窮地に陥る。人気シリーズ、圧巻の第八弾。
NHKのテレビドラマや舞台になって、その凛とした姿が多くのファンを生んだ左近の、シリーズ史上最高の快刀乱麻! 大坂の町を千年の古より守ってきた一団〔在天別流〕。その姫が左近である。--ある村の庄屋で、楠木正成が身に帯びたという「小竜景光」が出てきた。物騒なので四天王寺に預けるというので、僧侶から護送を頼まれた凄腕の左近。しかし左近が到着すると、庄屋は孫娘とともに賊に殺され、刀も消えていた……。勧善懲悪! 極悪人をばっさりと左近が討ち果たす、痛快シリーズ第4弾!
明治初期の函館。洋船造りの名匠と謳われたものの、いまや仏壇師としてひっそり暮らす続豊治。だが若き船大工との邂逅により、再び奮い立つ/表題作。初代北海道庁長官・岩村通俊、イギリス人貿易商・ブラキストンなど、北海道開拓期に名を刻んだ者たちの逡巡や悔恨、決意を叙情豊かに描きあげた五編。第7回歴史時代作家クラブ賞受賞作。
十五にして両親を失った結は、長屋で首を括ろうとしたところを元芸者の女髪結い・お夕に救われた。ほかに生きる道のない結は、自分の不器用さを恨みながら、お夕のもとで修業に励む。だが、贅沢を戒めるお上は、女髪結いの取り締まりを厳しくするばかり。はたして師弟は江戸の女の幸せを守りぬけるのか!? 気鋭が描く傑作時代小説!
織田信長が本能寺で横死してから十数年後、太閤秀吉が死に、天下はにわかに乱れはじめていた。そんな時世、「本能寺の変で亡くなる間際、信長公は“ぜひに及ばず”と呟いて笑みを浮かべた」という噂が巷に広がりだす。その裏には、本能寺の変に隠された恐ろしい陰謀と太閤亡きあと、天下をうかがう戦国武将たちの策謀が渦巻いていた。歴史小説界の新鋭が放つ衝撃のデビュー作、待望の文庫化。