2020年11月21日発売
わたしは名ばかりの海運王の花嫁。 ナニー兼愛人だとは、誰にも言えない。 ギリシア富豪ドラコンの突然の来訪に、ルーシーは驚いた。 彼の別荘で夢のような3日間を楽しみ、純潔を捧げたものの、 その後いっさいの連絡が途絶え、遊びだったと諦めていたのだ。 「ぼくと結婚して、兄の遺児の母親になってくれないか」 ルーシーは耳を疑った。なぜわたしなの? 彼が求めているのは妻ではなく、無償の愛を注ぐナニーだった。 その点、元助産師のルーシーはうってつけだという。 愛のない結婚なんていや。でも家族を持つという夢は叶う……。 病気で子を望めぬ体であることを隠し、彼女は求婚を受け入れた。 大人気作家S・ケンドリックがクリスマスに贈る、珠玉の感動作!愛されていないと知りながら、憧れの人と、その甥の赤ちゃんと家族になりたくて、クリスマスに花嫁となったヒロイン。彼への想いは日に日につのり、やがて抑えきれなくなった彼女は……。
王子に心を奪われた悲しい瞳のメイド。 でも、この片想いは誰にも秘密。 アントニエッタは故郷のホテルでメイドとして働きながら、 家同士の結婚から逃げた過去を両親に許してもらおうとしていた。 けれど孤独と悲しみに耐えきれず、仕事中に泣いていたとき、 宿泊客のラーフになぐさめられ、生まれて初めての恋をする。 誘われたディナーは贅が尽くされ、誘惑もロマンチックだった。 ところが純潔を捧げたあと、彼女はラーフから冷たく告げられた。 実は自分は王となる身で、イブに国へ帰れば結婚が待っている。 二人は最初から結ばれる運命ではなかったのだと……。 かくして、アントニエッタは“シンデレラ”からメイドに戻った。 『シチリア富豪との二十年愛』関連作。邦題はTwitter読者投票で決定しました。ヒロインの恋の障害は身分の差ばかりではありませんでした。親友や上司からあきらめるよう迫られても、想いは募る一方で……。静かに激しく燃えあがる、聖夜のロマンスをどうぞ!
目をみはるようなゴージャスな男性に 無垢を捧げて、夢からさめたとき……。 恋に臆病なロッティは、兄の強いすすめで、相性抜群の相手に 巡り会えると評判のアプリが選んだ男性と会う約束をした。 現れたのは、背が高く金髪碧眼の美貌と、北欧神話の神さながら 鍛え抜かれた体をもつラグナー。不思議なほど彼に心奪われ、 彼女は夢心地で純潔を捧げたーー翌朝、彼が消えるとは思わず。 やがて妊娠に気づいたロッティは、ひとりで赤ん坊を産んだ。 だがある日、テレビで彼が裕福な実業家と知り、言葉を失う。 娘の存在を告げたくて会いに行くと、彼は青い瞳を陰らせた。 「僕を捜し出せて運がよかったな。金の話をしにきたのか?」 「私は……お金をせびるためにきたんじゃないわ」本当に彼は、あの夜情熱的に私を求めた男性? 彼に瓜二つの娘を強く抱きしめ、その場を逃げ出したロッティでしたが……。クリスマスの北欧を舞台に愛の奇跡を綴る、ロマンティック・シークレットベビー物語!
彼は私を覚えているだろうか? あの日より、大人になった私を。 シャーロットはロンドンの大企業で働く社長秘書。 だれからも親しまれ、だれからも愛されて、 だれの目にも幸せな二十歳だった。 けれど、彼女の真実の心を知る者はいなかった。 カリブ海へと休暇旅行に旅だつ前の日、 シャーロットは親友に心の秘密をうちあけた。 そこには初恋の男性がーーシャーロットを子ども扱いして、 相手にしてくれなかった年上の富豪、リーアムがいるのだと。 4年が経った今、彼との再会のときを前に、 シャーロットは胸を締めつけられていた……。 ロマンス界の大御所アン・ウィールが1970年に書いた作品。年を経ても色褪せぬ、都会的な作風と古典的なバージンヒロインのコントラストをご堪能ください。
美しき実業家は現れたーー ガラスの靴を手に。 父を知らず、やがて母とも別れ別れになったレニは、 8歳のときに施設から引き取ってくれた養父母に感謝していた。 ウエイトレスをしながら大学に通い、今は卒業したばかりだ。 クリスマスが近いある日、レニの働く店に、 NYからニック・クラキスという実業家が訪ねてきた。 こんなに洗練された人がこの田舎町へ、いったい何をしに? すると彼は、知人だった亡き大富豪がなんとレニの実の父親で、 血縁が証明されれば、君は莫大な遺産の相続人になる、と告げた! 戸惑うレニだったが、養父の医療費のため、ニックとNYへ飛んだ。 美しくも、どこか陰りを帯びた彼の虜になってしまうとも知らず。 翻訳家の清水由貴子氏も絶賛! 共感できるヒロインのシンデレラ・ストーリーをお届けします。レニはニックの専用機に乗って、生まれて初めての大都会に降り立ちます。街を案内してくれるニックに惹かれるほど、心を開かない彼のそばにいるのがつらくなって……。
亡き夫のせいで経済的に傾いた生活を、幼い娘を抱えながら、懸命に立て直してきた看護師のマディソン。新しい病院の救急科で働くことになるが、なんと初日に長年の上司でもあり良き友でもある老医師が発作で倒れてしまう。そのとき、最高に優秀との前評判の新任救急医ガイが現れ、動揺を隠せないマディソンとともに処置にあたった。半年だけの契約で、医師らしからぬセクシーな雰囲気だが腕前は確かだ。しかし、二人の努力もむなしく、老医師は帰らぬ人となった。その後も悲しみに沈むマディソンの密かな心の支えになったのは、温かく誠実に働くガイの姿だった。半年後、彼はここを去るというのに。
美人で人気者の妹とは違い、内気で地味なエミリーは、偏屈な大学教授の大おじの秘書兼アシスタントをしている。ある日、妹のフィアンセに会うため帰郷した帰り道、吹雪で車が大きくスリップし、溝に突っこんでしまう。折よく通りかかった車からがっしりした男性が降りてきた。だがマットと名乗った彼の車もスリップ。やむなく車中で、ひとつの寝袋にくるまり一夜を明かすことに。エミリーは予期せぬ情熱に駆られ、初めて男性と結ばれる。でももう会うこともないのね。翌朝、思いを隠して無言で別れた1カ月後、大おじの家に現れた同居人は、誰あろうマットだった!
幼いころ母に捨てられたイニスは、長年暮らした修道院を出て、 大富豪ガード・セントクレアの邸宅へ向かっていた。 ガードから金を詐取した義理の父に代わって許しを乞うために。 だが、けんもほろろに追い返され、嵐のなかを帰る途中、 不運にも車にはねられ意識を失ってしまう。 数週間後、ガードの屋敷のベッドで目を覚ましたイニスは、 事故のせいで記憶を失い、自分の名前さえ思い出せずにいた。 ふと左手を見ると、薬指に美しい指輪が輝いている。 わたしに婚約者が? 何もわからないイニスに、看護師が教えた。 「婚約者は裕福で頭が切れる、悪魔みたいなガード・セントクレアよ」 HQプレゼンツ作家シリーズ別冊より、記憶喪失ロマンス特集〈閉ざされた記憶の扉〉をお届けします。不世出の作家V・ウィンズピアが描いた本作は、清廉なヒロインと傲慢なヒーローが出逢い、互いに反発しながらも孤独な魂が惹かれあう、クラシックな恋物語です。
うち捨てられた花嫁は、 小さな命を守り続けた。 ついに見つかってしまった。でも、娘の存在は知られていないはず……。 辺境の地で馬上の夫と遭遇したロザリンドは、必死で動揺を押し隠した。 今や公爵となった夫アッシュは駆け落ちした8年前より魅惑的だが、 人が変わったように傲慢な口調で正式な離婚を要求してきた。 次は君とは正反対の、平凡で従順な妻を娶るつもりだと言って。 ロザリンドは手続きを進めることに同意し、大慌てで帰宅した。 しかし、愛娘のジェニーは遊びに行ってしまっていたーー よりによって、アッシュが泊まる宿の馬小屋に。 ひと目でジェニーを我が子と悟り、アッシュは前言を撤回した。 「あの子をとりあげられたくなければ、僕と一緒に暮らすんだ」 公爵領へ向かう道中、反発し合いながらも強烈に惹かれ合い、めくるめく夜を過ごすふたり。互いへの誤解は解けぬまま到着した領主館でジェニーが命を落としかけ、ふたりの心は急速に近づいて……。幼すぎたひたむきな恋が8年越しに昇華する、熱く切ない愛の軌跡。
修道院の中で夢見ていたのは、 形だけの結婚なんかじゃなく……。 リリスは10年暮らした修道院を出て、故郷に向かっている途中で、 双子の悪童にさらわれ、見知らぬ城へと連れていかれた。 理由もわからぬまま物置部屋に囚われ、リリスは困惑した。 父の決めた許婚と結婚するため実家へ戻るはずが、なぜこんなことに? やがて姿を現した城の主は、ガイアの領主アレクサンダー。 その大柄な美丈夫の騎士を見て、リリスは思わず身を震わせた。 聞けば、リリスの故郷の川下にあるこの地では、彼女の父が上流を 堰き止めたせいで、暮らしが成り立たずに領民が苦しんでいるという。 くだんの上流の土地がリリスの持参金と知ったアレクサンダーは、 断固として宣言した。「結論を出したーー私とそなたは、結婚する!」 修道院を離れてようやく自由になったとたん、囚われの身になる不運に見舞われたリリス。強引なアレクサンダーに反発を覚えながらも、運命を受け入れるしかないと悟った彼女は、花嫁衣装に身を包みますが……。鮮烈かつ伝説的なドラマティック・ヒストリカル!
高原英理が二十有余年を費やし世界に問う思弁小説、ついに刊行! 神よりさらに高い次元に響く音をこの小説の中に聴きました。 すべての着地点を知りました。 町田康 詩、絵画、音楽から、星と鉱物から、精神の内奥に輝く結晶から、異世界への扉は開く。夢は通路である。身体の変容とともに時間が加速される。そこでは無数の世界が死んでゆく。だが全宇宙に響きわたるハーモニーとともに光はやってくる。夢想と世界変革の哲理をたどる果てしない物語が今、静かに幕を開ける。