2020年2月3日発売
VRMMOゲーム『Lost Legend Online(通称LLO)』でゲームの楽しさを知ったチトセ。 ゲームに誘ってきた、妹のハルカを始めとする熟練の仲間たちとともに、「クラン」を組み、攻略に励んでいた。 しかしそのためには、、難関クエストをクリアする必要がありーー! 「お兄ちゃんは強敵に出会えて、わくわくしてるんだよねー」 「ああ……というか、よく分かるな?」 「だって昔からそういうところあったし、ね?」 悔しい気持ちを抱きながらも、改めてゲームの楽しさ、そして仲間とともに何かを成し遂げることの尊さを思い出すチトセ。 そしてまた新たなクエストに挑むのだったーー!
実業家の片瀬耕一は妻の靖代、その妹である早紀と東欧を旅していた。トランシルバニアに入ったとき、靖代は体調を崩して亡くなってしまう。異国の地だったが、その土地に埋葬することに。そこには奇妙な風習があり、棺の中で目覚めた時に鳴らすベルを墓標の十字架に取り付けるのだ。鳴るはずのないベルが鳴り響くとき、女子大生・亜由美と相棒ドン・ファンは事件に巻き込まれていく!シリーズ第33弾!表題作ほか「花嫁は滝をのぼる」収録。
百年を経ても心揺さぶる、自伝的長篇 アルフレッド・ポリーは貧しい商店主の家に生まれ、服地商の徒弟になる。父の遺産で自分の店を開いたものの倒産寸前。高嶺の花の少女にふられた反動で結婚した従妹の妻との仲もうまくいかず、ある決心をするーー自宅に火を放って剃刀自殺をし、生命保険と火災保険を妻に遺して不毛な人生に幕を下ろすのだ、と。 『タイム・マシン』『モロー博士の島』『透明人間』『宇宙戦争』などの小説で「SFの父」と称されるウェルズだが、フェビアン協会に参加し、国際連盟の提唱、人権の遵守、英国の社会問題に取り組んだ社会活動家でもあった。 1910年に発表された本書は、徒弟身分の苦労を描いた『キップス』同様、自身の若き日を投影し、下層中産階級の苦悩をコミカルかつ哀切に描いている。人生の「おぞましい穴ぼこ」に嵌まり込んだ男の起死回生の物語であり、作家自ら、最愛の作品と認める自伝的長篇。 英『ガーディアン』紙は本書を「古今の名作小説100」に選出し、ウェルズを主人公にした伝記小説『絶倫の人』を書いたデイヴィッド・ロッジは、ウェルズ作品のトップ・テンに選んでいる。
「シャープでダークでユーモラス。唸るほどポリティカル。恐れ知らずのアナキーな展開に笑いながらゾッとした」 ーーーブレイディみかこ(英国在住保育士、ライター) 「毎日の生活に侵食する、暴力と格差と不条理。ケンドリック・ラマーの『To Pimp a Butterfly』を最初に聴いた時のように、ドナルド・グローヴァーの『Atlanta』を最初に見た時のように、すべてのエピソード(短編)を夢中になって読み進めた」 ーーー宇野維正(映画・音楽ジャーナリスト) 『ニューヨーク・タイムズ』のベストセラー・リストに初登場13位でランクインし、同紙のレビューでも激賞。『Vogue』『Elle』といったファッション誌や「ハフィントン・ポスト」「バズフィード」などのネットメディアでも取り上げられ、人気テレビショー「Late Night with Seth Meyers」に著者本人が出演するなど、新人としては異例の注目を集めた新進作家、ナナ・クワメ・アジェイ=ブレニヤー。そのデビュー短編集『フライデー・ブラック』の初の邦訳版(訳者はブラックカルチャーに縁の深い米国在住の翻訳者/ライターの押野素子氏)。 現代に生きるアフリカ系アメリカ人につきまとう暴力と理不尽さを描いて鮮烈な印象を残す「フィンケルスティーン5」、大量消費社会のグロテスクな姿をホラー的感覚でブラックユーモアたっぷりに描いた表題作 「フライデー・ブラック」などの短編、全12編を収録。 ●目次 ●フィンケルスティーン5 ●母の言葉 ●旧時代<ジ・エラ> ●ラーク・ストリート ●病院にて ●ジマー・ランド ●フライデー・ブラック ●ライオンと蜘蛛 ●ライト・スピッター──光を吐く者 ●アイスキングが伝授する「ジャケットの売り方」 ●小売業界で生きる秘訣 ●閃光を越えて ●謝辞 ●解説 藤井 光(英文学者、同志社大学教授) ●訳者あとがき